しまおまほ推薦図書 古泉智浩『うちの子になりなよ』

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しまおまほさんがTBSラジオ『タマフル』秋の推薦図書特集の延長戦、放課後ポッドキャストので古泉智浩さんの『うちの子になりなよ (ある漫画家の里親入門) 』を紹介していました。


(宇多丸)それでは、しまおさん。

(しまおまほ)はい。私、『うちの子になりなよ (ある漫画家の里親入門) 』。古泉智浩さん。

(宇多丸)おっ、古泉先生。

(しまおまほ)はい。前もね、古泉さんの漫画を紹介して。その時も『あとがきが面白い』っていう風に紹介の仕方をしたと思うんですけど。これも、古泉智浩さんは漫画家なんですけど。エッセイですかね。なんかFacebookとかに書いていたのかな?それをまとめて・・・

(宇多丸)里親?

(しまおまほ)そう。あの、古泉さん、里親になったんですよ。里子を去年、家に招いて。で、それの里親日記っていうんですかね?が、一冊になった本ですね。

(宇多丸)じゃあ漫画。絵とエッセイ?

(しまおまほ)そうですね。漫画もちょろっと入っているけど、主にエッセイがほとんどなんですけど。まあ、古泉さん。不妊治療されていて。で、その先に里親っていう制度があることを知って。で、申し込んで研修を受けて、それから連絡が来て、赤ちゃんを受け入れるっていう。

(宇多丸)研修があるんだね?

(しまおまほ)研修があるみたいなんですよね。で、まあいろんなその里親の制度について、年齢制限があるとか、自宅調査があるとか。そういうのがありつつ、まあ結構、普通に育児日記とかもちゃんとあったりとかして。やっぱり古泉さんの、前に紹介した時も言ったかもしれないんですけど、すごくストレートなんですよね。

(宇多丸)うんうん。

古泉智浩のストレートな里親日記

(しまおまほ)で、文章が本当に独特というか。もう結婚のことを『人権侵害の温床だと思っていた』って(笑)。前にも、タマフルにも来てくださったことありますよね?まあ、人柄を知っている人は結構わかると思うんですけど。結婚のことを『人権侵害が結婚の名目のもとで許されている』って(笑)。

(宇多丸)すごい持論。

(しまおまほ)『人権侵害の温床だと思っていた』って。で、『奥さんに対しては感謝もなく、なにかと言うと離婚を口に出していた』っていう。

(宇多丸)ご本人がね。

(しまおまほ)そうですね。

(伊藤総)番組でもたしか、なんかそんなことを・・・

(しまおまほ)そんな話、されてましたよね。で、まあそこから里親になって。自分の赤ちゃんを受け入れて。で、気持ちがこう・・・『これまで何年も真っ暗闇な中を裸足で歩いているようだった』って。で、それが『赤ちゃんが来た時に、光を浴びているような感覚が得られた』って。

(宇多丸)ピカーッ!って。

(しまおまほ)『MISIAの「つつみ込むように」が高らかに鳴り響いたかのようで』っていう(笑)。

(宇多丸)たとえがまた、あれですけど。

(しまおまほ)(笑)。で、その前の紹介した本の時も言ったと思うんですけど、古泉さん、事情があって一緒に暮らしていない娘さんがいるんですね。で、3回しか会ってないんですよ。で、まあその子に『会いたい、会いたい』っていう気持ちとか、その子に申し訳ないっていう罪の気持ちとか。後ろめたさをずーっと背負って。まあそれを作品にしたりとか。私もそういう話を聞いたことがあるんですけど。

(宇多丸)うん。

(しまおまほ)まあ、そういうのを経て里親になって、気持ちがこういう風に変わったとか。まあ、まだその娘さんに対しての気持ちがあるとか。そういうのがこう、赤裸々に、ストレートに書かれていて。

(宇多丸)これさ、里親っていうイメージでみなさん、読んでいるとさ、赤ちゃんなのね。

(しまおまほ)そう。5ヶ月の赤ちゃん。

(宇多丸)毎回、みんながこうじゃないかもしれないけど。へー。

(しまおまほ)が、来て。その赤ちゃんを育てていくっていう。で、最初は『そんなの大丈夫なの?』って言っていたお母さんも、赤ちゃんが来たら、私も我先にと『抱きたい!』って言って。抱っこして写真を撮って、それを部屋に飾って・・・とか。みんなで育てて、赤ちゃんを受け入れて。みんながその光に照らされているっていう様子がすごく楽しそうに描かれていてね。

(宇多丸)漫画も面白いなー。

(しまおまほ)そう。漫画も面白くて。やっぱり古泉さん、独特の視点というか。あんまり包み隠さず自分の気持ちを書かれているので。

(宇多丸)あ、ごめんなさい。読み込んでしまいました。はいはい。

(しまおまほ)『里親会』っていう会があって。そこでみんなでイチゴ狩り行ったり、ビンゴしたりとか。そういうのもあったりとか。その、こういうものだっていうのが、いままでぜんぜん知らなかったから。なんとなく、そういうのがあるんだろうなっていうのはわかっていましたけど。いろいろね、やっぱり事情があったりとか。まあちょっと、デリケートな問題があったりとかするかもしれなくて。こう、触れづらいことも古泉さんのフィルターですごく楽しく読めて。

(宇多丸)うんうん。

(しまおまほ)うん。こう、なんて言うんですかね?で、本当に従業員とか・・・従業員っていうのは、古泉さん、新潟でご実家がケーキ屋さんをされているんですけど。みんなが育てる様子とか。従業員の人なんか、抱っこしてて腱鞘炎になって手術したって書いていて(笑)。赤ちゃんを。

(宇多丸)うんうん。

(しまおまほ)お母さんも、もう手をいわせて大変だったりとか。なんかね、みんながこう、赤ちゃんに対してがんばって育てているっていうのがすっごい素敵で。

(宇多丸)なるほどね。

(古川耕)里親っていうのは本当に、あるんだろうなとは思っていたけど、自分たちの身近なものだっていう意識がなぜか、ついぞなかったですね。

(しまおまほ)そうですね。

(宇多丸)養子とかね、あんまり一般的じゃないですからね。

(しまおまほ)里親だと、ええと、実親に親権があるんですよね。

(宇多丸)そうか。養子とは違うんだ。

(しまおまほ)そう。養子はやっぱり親権も戸籍も入るけど。だから基本的に苗字は里子の場合は実の・・・

(宇多丸)ああ、ここに書いてあるわ。里子・里親。へー。単純にそのね、あんまり語られていない話を読むだけでもむちゃむちゃ面白いですしね。

(しまおまほ)そうなんですよね。で、途中は結構普通に育児日記なんだけど。やっぱり途中途中でその、里親会っていうワードが出てきたりとか、児童相談所とか。こう、その生活ならではの話が入ってきたりとか。

(宇多丸)でも、なんかあれですね。古泉さんの作品としてはちょっとネクストレベル感というか。なんかすごい、大人な。大人だな。

(しまおまほ)で、『もしかしたらこの赤ちゃんが別のお家の子になっていたかもしれない』っていうのを育ててから思って。ちょっとゾッとするというか。という気持ちになったとか。最後の漫画もすごく・・・自分の奥さんが妊娠したっていう夢を見る。で、『どっちかを選ばなきゃいけないですよ』って神様みたいな人に言われて。『どうしますか?』って問われるっていう漫画とかもあって。

(宇多丸)うんうん。

(しまおまほ)なんか、やっぱりこう、その状況にならないとぜったいに生まれない気持ちとかが書いてあって。はーっ!なんか、すごいなっていう。

(宇多丸)すごいですね。しかも、あとがきでね、『今年の春、「チャッピー」というロボットの映画で』って。『チャッピー』の話とかね(笑)。

(しまおまほ)あのね、ちょいちょい面白いんですよ、やっぱり(笑)。古泉さん。

(伊藤総)でも、だって申し込みのタイミング如何では、それこそ別の家の子になっていたかもしれないわけですよね。

(宇多丸)ぜんぜん、そうですね。

(しまおまほ)研修を受けていても、どこにその赤ちゃんが来るとか、どのタイミングで赤ちゃんが来るかとかもわかんないらしいんですよね。だから、早く受けていたからってその人が先になるわけじゃなくて。後から受けた人が先に赤ちゃんが来るかもしれないしっていう。

(宇多丸)ものすごく、なんかあとがきもいいですね。本当にね。『里親制度は本当に素晴らしい制度です』ってね。ああ、そう。しかもこれ、超出たばっかじゃん。

(しまおまほ)そうですね。まだ。

(古川耕)11月15日とか、そのくらいですかね。たしか。今年の。出たばっかりですね。

(宇多丸)へー。いや、これはちょっと、いいですね。古泉先生を見る目が変わりますね。これまた。

(しまおまほ)ねえ(笑)。いやー、本当に感動しながらね。やっぱり古泉さんの文章がすっごく面白いんで。結構もう、どんどん読めちゃう。

(宇多丸)古泉さんと言えば、そういう乱暴なことを言う人っていうイメージがありましたけど。

(しまおまほ)いや、また乱暴なことを言ってるんですよね(笑)。

(宇多丸)(笑)

(しまおまほ)やっぱり赤ちゃんに対してもね。こう、同じ目線でっていうか。

(宇多丸)でも、そこがいいんでしょうね。欺瞞がなくてね。

(しまおまほ)そこがすごい、いいですね。ぜひ。

(伊藤総)たしかにそのシステムがどうなっているのか?っていうのは本当にわからないんで。それを知るだけでもすごい・・・

(古川耕)いま、気になって目の前のパソコンで検索したら、やっぱりでも、いろいろありますね。基本的には日本ではあまり一般的ではないっていうのは書かれていますね。だからQ&Aとか、すごく充実してますよ。一時的なボランティア里親という、夏休みとか年末だけだったらできるよとか。そういうのもあったりとか。

(しまおまほ)うん。里親にもいろいろ種類があるみたいですね。

(宇多丸)へー。面白いですね。

(古川耕)ぜんぜん知らなかった。面白いですね。

(宇多丸)はい。じゃあそんな?

(しまおまほ)はい。ぜひ。『うちの子になりなよ (ある漫画家の里親入門) 』。イーストプレスからですね。

(古川耕)1296円。税込みということみたいですね。

(宇多丸)はい。

<書き起こしおわり>

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