町山智浩 金正恩暗殺映画 ザ・インタビュー公開中止騒動の真相を語る

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町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で、全世界的な騒動になっている北朝鮮の金正恩第一書記を暗殺する映画『ザ・インタビュー』の公開中止騒動について話していました。


(赤江珠緒)で、今日はいまちょっと日本でも話題になっています、『ザ・インタビュー』のことを?

(町山智浩)そうそう。いまね、台湾に来てすぐなんで1ヶ所しか行ってないんですけど。観光地。蒋介石の銅像を見に行って来たんですよ。台湾の建国の父ということで。20メートルぐらいのものすごい銅像があるんですよ。巨大な。

(赤江珠緒)ええ。

(町山智浩)で、もう本当にね、いわゆる個人崇拝というやつですね。なんで独裁者ってああいうことをやるんですかね?

(赤江珠緒)そうですね。銅像、立てますね。

(山里亮太)でっかいやつ、作りたがりますね。

(町山智浩)神のように崇拝させようとするんですよ。自分をね。でも、その前で日本語のガイドさんがね、『まあ蒋介石ってこういうの、作りましたけどね。女関係だらしない人でした』って言ってたのがおかしかったですね(笑)。

(赤江・山里)(笑)

(町山智浩)ぜんぜん褒めてねーよ!っていうね。めちゃめちゃおかしかったですけど。はい。で、まあ金正恩問題なんですけど。日本でも話題になってるんですか?

(赤江珠緒)なってますよ。

(山里亮太)いま、ニュースですごい取り上げられてます。

(町山智浩)ああ、本当に。真面目なニュースなんですかね?みんな。

(山里亮太)あ、結構真面目に。

(赤江珠緒)そうですね。

(町山智浩)バッカじゃないかって思いますよ。これ、本当に騒いでいる奴らもね、これに関わっている人、みんなバカです!

(赤江・山里)えっ!?

(町山智浩)全てバカ!関係者、全員バカです。この事件は。

(赤江珠緒)えっ、そうなの?

(山里亮太)結構、国際問題じゃないか?みたいな話に・・・

(町山智浩)国際バカです!国際的バカ事件で、アメリカのオバマ大統領もバカだし、真面目にコメント出している北朝鮮もバカだし、作っている奴もバカ!これにGOサインを出したソニーもバカ!

(山里亮太)バカしかいない。

(町山智浩)みんなバカです!これ。真面目にこれを評論している人も、みんなバカ。全て、全員バカ。全員の知能指数を足しても30ぐらいです!

(赤江・山里)ええーっ!?

公開中止騒動の経緯

(町山智浩)そのぐらいの世界です。はい。これ、まあ簡単に説明しますと、ソニーのアメリカのハリウッドの映画会社が作った『ジ・インタビュー』という映画が、北朝鮮の金正恩第一書記を暗殺するっていう内容だったんで、北朝鮮がクレームをかけたと。で、その頃ですね、ソニーのハッカー事件が同時にあって。ソニーの映画のまだ未公開のやつとかがインターネットにリークされたり。007の新作のシナリオが流れちゃったりしてたんですけども。で、その後、ハッカーが『北朝鮮をバカにするような内容のジ・インタビューの公開を中止しろ』って言ったんですよ。

(赤江・山里)ふん。

(町山智浩)で、CIAとかアメリカの大統領が正式なコメントで、こういったことは許されないみたいな話をして。北朝鮮側の犯行であるんじゃないか?みたいなことを言って。

(赤江珠緒)そうそう。サイバーテロだ!って。

(町山智浩)そうなんですよ。『この映画を上映したら、映画館に対して911テロみたいなことが起こるよ』という脅迫があったんで、映画館側が、アメリカのほとんどの映画館が上映を控えたんですね。だから、ソニー側としても上映してくれる映画館がないから、上映中止ってことになったんですよ。

(赤江・山里)ふんふん。

(町山智浩)したら、またオバマ大統領が『ソニーはそれは失敗だと思う。ソニーの選択は間違っていると思う』という風に言って。ソニー側は逆に反対して、『映画館がやってくれないって言うんだからやるのはおかしいし、観客の安全を第一に考えるのが仕事だから。私たちの選択は間違っていない』っていう風に反応したんですよ。

(赤江珠緒)はい。

(町山智浩)っていう経過なんですよ。で、まあ大真面目な世界じゃないですか。これって。でも、これ絶対くだらないんですよ。これ、日本の報道とか、『映画自体がどういうものなのか、ちゃんと確認してるのか?みんな』って思うんですよ。大統領も含めて。

(山里亮太)あんまりそこには触れてないですね。

(町山智浩)これ、どういう話か?っていうと、まずこの映画を作った人、ジ・インタビューっていう映画を作った人は、セス・ローゲンっていう人です。この人が作ってきた映画のタイトルを言います。『40歳の童貞男』『無ケーカクの命中男』『スーパーバッド 童貞ウォーズ』。バカ丸出しで童貞なんですよ!

(赤江珠緒)(笑)

(町山智浩)で、この人の作った映画でスーパーバッド 童貞ウォーズっていうのは2人の高校生がモテないんで童貞を捨てようと苦労するんだけれども、それをやっているうちに、『俺たち、本当は女よりもお前が好きなんだよ!』『俺も!』っていう話なんですよ。

(赤江珠緒)(爆笑)

(町山智浩)だから、この彼が作っている映画はブロマンスって呼ばれているもので。『ブラザー・ロマンス』。男同士の友達以上恋人未満の関係を描くシリーズなんですね。

(赤江珠緒)ふーん。

(町山智浩)で、そのシリーズなんですよ。このジ・インタビューっていうのは。

(赤江珠緒)えっ、これ?

(山里亮太)むちゃくちゃコメディーじゃん。

(町山智浩)セス・ローゲンっていう人は、まずジェームズ・フランコっていう相棒がいるんですね。その人と一緒に作って。ジェームズ・フランコっていうのはイケメンなんですけども、バカなんですよ。勉強はできるんです。いい大学を出てるんですけど、頭が基本的に悪い人で。この人がセス・ローゲンと一緒に出た映画で『ディス・イズ・ジ・エンド』っていう映画があるんですが。それはイケメンのジェームズ・フランコが自分自身の役で出てくるんですね。俳優ジェームズ・フランコとして。で、セス・ローゲンもシナリオを書いてて。で、ジェームズ・フランコの持っているエロ本をですね、誰かが見ちゃうんですよ。

(赤江珠緒)はい。

(町山智浩)友達がね。すると、『なんだ!俺の大事なエロ本に変なものをかけやがって!』って怒るんですよ。ジェームズ・フランコが。『この野郎!頭にきたから、お前にもかけてやる!』って言うんですよ。そうすると、『じゃあ俺が何倍もお前にかけてやる!』『俺もかけてやる!』ってかけっこするって。それ、なんなんだ?お前たち!?っていうね。そういう映画を作っている人たちのことで世界が騒いでいるのはバカバカしすぎるんですよ!これ。お前ら、ちゃんとこの人たちの映画を見ろ!って思うんですよ。

(赤江珠緒)はー・・・

(町山智浩)で、今回のジ・インタビューっていう映画はジェームズ・フランコが演じるのはですね、テレビの司会者ですね。インタビュアーでやっている人なんですけど、基本的にバカなんですよ。ものすごいバカで。たとえば金正恩にインタビューに行くんですけど、金正恩がソ連の戦車を出してきて、『この戦車はうちのおじいちゃん(金日成)がスターリンからもらったものだよ』って言うと、『えっ?スターリン?なに言ってんだ、お前。それ、スタローンの間違いだろ?』って言うんですよ。そのジェームズ・フランコが。

(赤江珠緒)ほうほう(笑)。

(町山智浩)アナウンサーなんだけど、スターリンも知らないんですよ。戦車と言えばスタローンだと思ってるんですよ。武田鉄矢かスタローンしか思いつかない人なんですよ。この人は。古いんですが。たとえが。

(赤江珠緒)武田鉄矢(笑)。

(町山智浩)で、そういうバカが、CIAから言われるんですね。『金正恩にインタビューに行くって聞いたんだけど、彼らは核ミサイルを持っているから、危険だから排除したいんだ。アメリカとしては。だから毒殺してくれ』って頼まれるんですよ。

(赤江珠緒)また突拍子もないですけど。はい。

(町山智浩)普通、そんなこと頼まれたら嫌だと思うじゃないですか。せっかくインタビューに行くのに。でもね、そのCIAの女の子が美人だったから引き受けるんですよ。ジェームズ・フランコは。スケベなんです。この人は。

(赤江珠緒)ほうほう。

(町山智浩)で、行くんですけど。北朝鮮にね。そして金正恩とインタビューしているうちにですね、意気投合しちゃうんですよ。で、友達になっていくんですよ。だんだん。で、2人で戦車乗り回して、大砲撃ったりして、イエーイ!とか言ってるんですね。で、突然金正恩が言うんですよ。『なんか君って僕と似てるよね?』って言うんですよ。『僕の周りにいるのはみんな僕におべっか使う奴と、僕を利用しようとしてる奴ばっかりなんだ。僕は彼らの前で政治家としての、国の指導者を演じなきゃなんないんだよ』って言うんですよ。金正恩が。

(赤江珠緒)ふん。

(町山智浩)『でもね、君といる時だけは、本当の僕自身になれるんだ』って言うんですよ。で、2人で親友になっていくんですよ。ジェームズ・フランコ扮するバカアナウンサーと。っていう話なんですよ。

(山里亮太)あれっ?これでいま、世界がモメてるんですか?

(町山智浩)これでモメるなよ!って思うの。で、2人で『じゃあ友達の証だね』とか言って喜び隊と一緒にですね、たくさんPをしたりするんですよ。仲良く。

(赤江珠緒)(笑)

(町山智浩)数、数えられないんでたくさんPですけど。で、イエーイ!とか言ってるんですよ。もう超サイテーの世界ですよ。で、いまなんか北朝鮮の方でハッカーが報復攻撃を北朝鮮に対して行って。なんか、インターネットが使えなくなっているっていう話が流れてますよね?

(赤江珠緒)はい。ニュース、入ってきてます。

(町山智浩)北朝鮮でインターネット使えるの、多分2人か3人しかいないと思いますよ。そんな北朝鮮でインターネット使える人たくさんいたら、北朝鮮、もうないですから!この世に。

(山里亮太)そうだ。情報は一応ね、遮断してなきゃいけない。

(町山智浩)情報遮断してるんだからね。なんの損害もないと思うんですけどね。まあ、そういうことなんですけど。まあ、そうやって友達同士になっていく一方で、セス・ローゲンはこの映画の脚本を書いている人なんですけど。監督もやっていて。その人はジェームズ・フランコ扮するバカアナウンサーのマネージャーなんですね。で、一緒に北朝鮮に行くんですけれども。ジェームズ・フランコが金正恩と仲良くなっちゃうんで困るわけですよ。暗殺しなきゃならないのに。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)で、しょうがない!っつって、秘密兵器をですね、暗殺用の兵器をですね、どこに隠そう?っていう話になるんですよ。で、どこにも隠すところがない!っつって。なんか牛乳瓶ぐらいの大きさなんですけども。それがね。暗殺用のドローンらしいんですよ。小型ミサイルみたいなもの。

(赤江珠緒)うんうんうん。

(町山智浩)で、『うわっ!どこにも隠せない!・・・よし!』っつって、お尻に入れるんですけどね。

(赤江珠緒)えっ?

(町山智浩)そういう映画ですよ。この映画。『ああっ!こんな大きいの、はじめて!』って言いながら、その秘密兵器を自分のお尻に入れるというですね、そういう映画でなぜ世界中がモメてるのか!?

(赤江珠緒)そうですねー。

(町山智浩)これ、作った奴がバカだし、確認しろ、映画の内容を!と思うんですよ。ネットにもう流れているから、確認できるんだから、しろ!と思うんですよ。

(赤江珠緒)これ、国家レベルでいま、なんか・・・(笑)。

(町山智浩)国家レベルで話し合うことじゃないし、これに対して報道している日本のメディアもおかしいし、アメリカのメディアもみんなおかしいし。映画見れば、みんな全くやる気なくしますよ!これ。

(山里亮太)これ、だからたぶんいま国会とかで『じゃあちょっと問題のやつを見てみよう』ってみんなで見たりすると・・・

(町山智浩)みんなで見たりするとおかしいと思うんですね。こんなくっだらない映画、なんなんだ!?って。しかも、これでセス・ローゲンはギャラが8億円とかなんか言ってるんですよね。

(赤江・山里)ええーっ!?

(町山智浩)こんなんに8億円出すソニーもソニーだよ、本当に!って思うんですけど。で、ソニー側もね、実は日本のソニーがこの映画っていうのはGOしちゃったんで。ハリウッド側がね。で、内容をチェックしたら、これはひどすぎる!ということで、ソフトにしてくれっつって、ずーっと公開を延ばしてたんですよ。

(赤江珠緒)ええ、ええ。

(町山智浩)で、編集を変えて。特に金正恩が死ぬシーンっていうのが、まあ頭が爆発するんですね。ネットに流れてますけども。で、『これをもうちょっとソフトにできないか?』っつって。そしたらセス・ローゲンが『その頭が爆発するのはギャグなんだから、絶対カットできねーよ!』とか言って、ずーっとモメてたんですよ。

(赤江・山里)(笑)

(町山智浩)夏から公開が半年延びて。

(赤江珠緒)何のこだわりなんだ、それ(笑)。

(町山智浩)そんなところでこだわるなよ!って。本当にお前ら、いい齢こいてなにやってんの!?っていうね。で、ただまあこれに関して脅迫があったってことで公開を止めるっていうのはね、要するにどんなバカ映画でも作る権利はたしかにあるから。それはまあそれでしょうがないと思うんですけども。その価値があるのか?っていう問題もあるんですよ。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)価値はないんじゃないか?っていうね。で、まあその政治的な内容としてもね、金正恩を暗殺すれば北朝鮮が良くなるっていう考え方自体が浅すぎるんですよね。すごくね。だからその、国家元首を暗殺する映画っていうのは、実名で出てくる映画とかもいっぱいあるんですよ。元々。

(赤江珠緒)ほう。

(町山智浩)たとえばいちばん有名なのは、ブッシュ大統領在任中の2006年にイギリスが作った映画で『大統領暗殺』っていう映画があるんですよ。それはそのものズバリ、ブッシュ大統領を暗殺する話なんですよ。

(赤江・山里)へー。

(町山智浩)で、それもまた、ちょっと金正恩と似ていて。お坊ちゃん大統領で何も知らないバカな大統領が殺されるっていう話なんですけども。ただ、その大統領暗殺っていう映画は、もちろんブッシュ大統領は『こんな映画は許さない!』ってコメントしてませんよ。だから、『アメリカ大統領は国家元首が暗殺されるって映画であっても、抗議はしてもいいけど、テロとかはあり得ない』って言ってるのは、ブッシュがやられても文句は言えなかったから、一応言ってもおかしくないんですよね。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)ただ、その映画に関しては、ブッシュが殺されたところでアメリカは何も変わらないと。実はそのブッシュなんてものは傀儡なんだ。操り人形であって、その裏にもっと、ブッシュを操っていた利口な人たちがいるんだよっていう話なんですよ。

(赤江珠緒)ほー。

(町山智浩)だからブッシュを殺せばいいなんて甘っちょろいことを考えるなよっていう映画が、その大統領暗殺だったんですね。だから深いんですよ。話が。もうひとつの独裁者を茶化した映画では、最近の映画で『ディクテーター』っていう映画があるんですよね。これはサシャ・バロン・コーエンっていうコメディアンがいてですね。ユダヤ系のイギリス人ですけど。反ユダヤ主義の独裁者のバカ息子を演じたんですね。アラブの。

(赤江珠緒)はい。

(町山智浩)で、石油がものすごくあって、ユダヤ人が嫌いで。それでもってものすごい独裁をしていて、しかもお坊ちゃんでバカっていうキャラクターを彼が演じて。それが、アメリカにたまたま行った時に、うっかり陰謀に巻き込まれて、影武者に自分の地位を取って代わられて。ホームレスとしてニューヨークのど真ん中に放り出されるんですよ。で、そこで一生懸命ホームレスで、何も知らないお坊ちゃんだったのが苦労して、働いて、泥にまみれて。しかもユダヤ人の女の子と恋愛をして、愛して。それで底辺の人たちの生き方とかを全部見て。心変わりしていい人になるっていう話なんですよ。

(赤江珠緒)あー。

(町山智浩)そっちの方が深いんですよね。

(山里亮太)確かに。

(町山智浩)殺せばいいっていうのは、すごくレベルの低い話なんですよね。だからなんで、そこまで深くないんですよ。今回のジ・インタビューっていう映画は。

(赤江珠緒)ああ、そうなのかー。

(町山智浩)そう。だからそこまで騒ぐことはねーよ!って思うのと、もうひとつはですね、これ本当に北朝鮮がやったのかな?っていう問題があるんですよね。

(山里亮太)サイバーテロといま言われているやつを?

(町山智浩)言われているけども。っていうのは、実はソニーっていうのは、この事件がある前からずーっとハッキングされてるんですよ。ずっと。何年も前から。

(赤江珠緒)ええ。

(町山智浩)プレイステーションとかやられてるんですよ。で、その前から結構ずーっと、ハッカー集団がいるんですね。これね、言葉がややこしくなるんで言いたくないですけど、アノニマスっていうハッカーグループがいるんですよ。で、彼らのターゲットに何度もなっているんですよ。

(赤江・山里)へー。

(町山智浩)で、いろんなハッカー集団のターゲットになっていて。しょっちゅうやられてるんですよ。だから前からあるんで。

(赤江珠緒)そうですか。

(町山智浩)いま騒ぐことでもないんですよね。

(赤江珠緒)うーん。しかも、この作品のためにここまで。

(町山智浩)そう。それでソニーピクチャーズ自体がハッキングされてから、しばらくして『このハッキングはジ・インタビューっていう映画で金正恩暗殺をやっているからじゃないか?』っていう風に報道されてから、この映画を公開するなって初めての脅迫が来てるんですよ。

(赤江珠緒)はー、なるほど。

(町山智浩)だからもしかすると、ぜんぜん動機はこの映画と関係なくハッキングをしていったんだけれども、これは北朝鮮のせいじゃないか?って報道が出たんで、それを読んで、じゃあそういうことにしようよって言った可能性もあるんですよ。

(赤江珠緒)そうかー。え、じゃあ町山さん、これね、普通にもし公開されていても、あんまりお客さんは入らなかった感じですか?

(町山智浩)普通に公開されていたら、そんなにお客さん入らなかったと思います(笑)。

(赤江珠緒)そんなに話題になっていない?

(町山智浩)っていうのはね、すでにもう試写は始まってたんですよ。評判、めちゃめちゃ悪かったんですよ。

(赤江・山里)(笑)

(町山智浩)で、とにかくいちばんすごいのは、これね、リークされたんですね。要するにハッカーにやられて、ソニーの情報が。で、ソニーの情報がリークされていちばん面白かったのは、この映画を全世界のソニーの支局。イギリスとかオランダとか台湾とかオーストラリアとか、世界中にありますね。ソニーの配給が。そこに見せたんですよ。それぞれの支局長に、このジ・インタビューっていう映画を。で、その返事が返ってきたのがリークされてるんですよ。

(山里亮太)へー!

(町山智浩)で、どこも『駄作。これは私たちの国では興行成績は期待できません』っていうのがほとんどで。なんと、全世界のソニーの支局から『この映画は面白いから当たるかもしれない』って言ってきたのはオーストラリアたったひとつなんです。

(赤江・山里)(笑)

(町山智浩)他、全世界のソニーから、これはちょっとダメなんじゃないか?って返事が来ているのがリークされちゃってるんですよ。

(赤江珠緒)そうなんですか。

(町山智浩)しょうもないんです。あと、さっき言ったソニーの日本のトップの人がこの映画に対して、『これはマズい』って言っているメールと、そのセス・ローゲンが『これはギャグなんだから、やる!』って言っているやり取りも全部リークしてます。

(赤江・山里)はー!

(町山智浩)だから何もかも出てて、めちゃくちゃおかしいんですよ。で、そういうことでモメるなよ!と思うんですけどね。

(赤江珠緒)そうですね。

(町山智浩)で、ソニー側としては、これを結局タダで。もうしょうがないから。この映画は公開できない状態になったから、タダでネットに流そうっていう方向に行ってるみたいですね。

(山里亮太)へー。ソニーがネットに流してるんですか?

(町山智浩)そうそう。これ、要するにこれで利益を上げたりしたら、またみんなの怒りを買うじゃないですか。怒っている人の。だったらタダで出しちゃえばいいんですよ。それともうひとつは、これはすでにハッカーがもうこの映画自体を持ってますから。だからリークする可能性があるんですよね。したらもう、逆に自分たちで出しちゃった方がいいっていうことがあるんですよ。

(山里亮太)へー、そうなんだ。

(町山智浩)で、この間紹介したブラッド・ピットの『フューリー』っていう映画がありましたけど。あれもいま、すごい画質のいいのが流れちゃってるんですよ。これはこのハッカーによって流されたんですよ。ネットでもう落とせるんで、これ、大変な損害ですよ。DVDとかぜんぜん売れないですからね。これでね。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)っていうね。ただ、そのハッキングの仕方と情報の流し方から見ると、ものすごく、こういうエンターテイメントに詳しい奴の犯行なんですよね。そうでしょう?007のシナリオを流すとか。これ、そんな人、北朝鮮にいるわけ?っていう。

(赤江珠緒)たしかに。

(山里亮太)えっ?じゃあ北朝鮮、いま濡れ衣じゃないですけど、なんか・・・

(町山智浩)わからない。だから北朝鮮としては『自分たちがやった』ってことにしておいた方が、世界を脅すことができて得だと思います。要するに、サイバーアタックの能力が高いんだってことにしておいた方がいいから、絶対に否定しないと思うんですけど。根本的には。まあ、否定してますけどね。表面的には。

(赤江珠緒)うん、うん。

(町山智浩)でもこれは、そういう脅威として置いておいた方がいいとこだと思いますけどね。国としては。

(赤江珠緒)ちょっと不思議な事態になっちゃってるんですね。

(町山智浩)すごく不思議な事態ですけど、映画はものすごく下らないです。

(赤江珠緒)(笑)

(町山智浩)で、ハリウッドの俳優とかジョージ・クルーニーとかは『この映画を守れ!』って言ってるけど、そこまでする価値はない。

(赤江珠緒)(笑)

(町山智浩)そこまでの価値はない。

(山里亮太)これ、ジョージ・クルーニーとかは見たんですかね?

(町山智浩)ジョージ・クルーニーとか、見てないと思うんですけどね。ただ、ジョージ・クルーニーはその前に出た『チーム★アメリカ』っていう映画で金正日をアメリカの特殊部隊が暗殺するっていう映画だったんですね。その前に出てないんだ。人形劇で勝手にジョージ・クルーニーが人形で出されてた映画なんですけど。そういう映画に出されていたことがあるんで、もうやっちゃってるんだから、いくらでもやれば?みたいなことだと思うんですけどね。

(山里亮太)ふんふう。

(町山智浩)はい。そっちの映画もヒドいんですよ。チーム★アメリカっていう映画も。人形劇なんですけど、金正日が出てきて。ミュージカルになっているというですね。デタラメですね。はい。

(赤江珠緒)そうですか。

(山里亮太)日本のニュース、すっごい深刻な感じで。

(町山智浩)これ、バカがやっていることです!

(赤江・山里)(笑)

(町山智浩)バカがやってることで。だからお尻に秘密兵器を入れるとか、そういうギャグなんですよ?やってることは。真剣に怒ることじゃないし、大人が騒ぐことでもなんでもないんですよ。

(赤江珠緒)ねえ。セス・ローゲンのじゃあ土俵に入っていく必要なかった。

(町山智浩)セス・ローゲンの下らないバカ土俵にみんなが引きずりこまれていってる。オバマ大統領まで。

(山里亮太)正式にコメント出してますもんね。みんな。

(町山智浩)困ったもんですよ。それでこいつ、8億円も稼ぐのか?って。冗談じゃねーよ!って思いますけど。

(山里亮太)セス・ローゲンの勝ちですよね。

(町山智浩)俺も同じようなことやってんのに、どうして?とか思いましたよね(笑)。

(赤江・山里)(笑)

(町山智浩)バカという点で負けてないのに。なぜあっちは8億円?とか思いますけど。

(山里亮太)こっちはね、怒られてね。

(赤江珠緒)なんの原動力が怒りになってるんですか?

(町山智浩)なんかよくわからないんですけど。はい。

(赤江珠緒)いや、でもすっきりしました。町山さん、ありがとうございました。

(山里亮太)たしかに。

(町山智浩)とにかくね、真面目に騒ぐようなことじゃないですよ。はい。

(山里亮太)これ、こういう話がみんなに知れ渡るわけです。こうやって町山さんがおっしゃってくれたみたいに。で、ちょっと変わってくるんですかね?これから、流れは。こんなのやっていてもしょうがないって。

(町山智浩)いや、でも新聞には書けないと思いますよ。『この映画は主人公がお尻の穴に秘密兵器を入れたりする内容であり・・・』とか書けないですよ、これ。新聞で。

(赤江珠緒)たしかに(笑)。

(町山智浩)その瞬間、新聞どうしようもないレベルに落ちますからね。

(山里亮太)だからこれからは、偉い人たちが『私も作品は見ましたけどね』って言ったら、ちょっと笑えばいいんですよ。『ああ、この人はあれを見たんだ』っていう(笑)。

(町山智浩)そうなんですよ。オバマ大統領もちょっと失敗しましたね。ニヤニヤ笑いながら、ふざけ半分に言うべきでしたね。

(赤江珠緒)ああ、そっかそっか。

(町山智浩)『まあ、やっぱり言論の自由は守らなきゃねー。ハハハハッ』って言うべきでしたね。

(山里亮太)その器のデカさを見せればよかったですけどね。なるほど。

(赤江珠緒)今日は映画ザ・インタビューをめぐるお話でした。

<書き起こしおわり>

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