菊地成孔 歌舞伎を語る

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菊地成孔さんがTBSラジオ『粋な夜電波』で、歌舞伎トーク。好きな歌舞伎の演目や役者さんなどについて話していました。


(菊地成孔)(リスナーのメールを読む)『はじめまして。つい最近聞き始めた新参者です。先日の放送で菊地さんが壁ドンの話からドカベン、そして深川丼の話をして・・・』。そんな話したっけ?バカですね!こいつ(笑)。こいつって私ですよ、この方じゃないですよ。このリスナーの方はバカではありません。菊地さんがバカですね。『深川丼の話をされていたのですが、歌舞伎座に歌舞伎をよく見に行くとおっしゃったので、横たわってダラリと聞いていたのに、体が勢い良く起き上がってしまいました』。

歌舞伎のファンの方ですね。以下、歌舞伎の話がずーっと書いてあるんですけども。中略させていただきまして。『菊地さんの歌舞伎評や贔屓の役者さん、好きな演目を少しでも聞けたらうれしいなと思い、取り上げられないことを承知でお門違いなメールをさせていただいた次第です。こういうリスナーもいるということで、気が向かれましたら歌舞伎のことでもお話してくださいませ。これからもずっと楽しみにしています』。ありがとうございます。

歌舞伎座が大好き

まあ、こういうね、ぜんぜん違う角度から入ってきたものを読むのが好きなんで読んじゃいましたけどね。歌舞伎座、もう大好きで。逆にね、歌舞伎座が好きなんで。歌舞伎座以外の歌舞伎に役者さんや演目を追いかけていくとかしないんですよ。歌舞伎座しか行かないです。歌舞伎座の近くに音響ハウスっていうスタジオがあって。そこで私の作品、15年以上そこでメインで録ってるんで。私がレコーディング行くってことは歌舞伎座の前を通るっていうことですね。

好きな演目は『白浪五人男』ですね。これぞ!ですよ。ゴレンジャーですね。日本の特撮文化とかジャパンクールですか?クールジャパンですか?どちらでもいいんですけど。ああいったものの元祖。言っちゃあ、全部歌舞伎にありますよ。本当に。歌舞伎はね、本当面白くて。白浪五人男なんてもう、ゴレンジャーが花道並びますしね。龕灯返しって言って、俗にいうどんでん返しのことですけど。お城がグルっと回りますしね。その上での殺陣ね。これもね、派手な殺陣じゃないの。歌舞伎ファンじゃないと伝わらないんですけどね。

とにかくね、お値段がお値段なんで、気軽に見に行けないものになっているんですね。まあ私も大人買いでチケット買うようになって。金がないころ、行けませんでしたからね。はい。でもいまは、その時の恨みを晴らし、じゃないですけど。まとめて見てますけど。まあ、役者さんで好きなのは誰か?ってそれほどがっちり追いかけてないですけど。もう勘九郎さんね。お父さんそっくりでね。歌舞伎座に勘九郎さんが出ている演目を見に行くと、周りの歌舞伎ファンの方々が『もうお父さんにそっくりねぇ・・・』っていう声が聞こえてきて、たまに涙を拭く仕草があったりとかですね(笑)。それを見るのが楽しいっていうのもあるんですけど。

まあ、玉三郎さんのヤマタノオロチ、勘九郎さんのスサノオ。これ、去年の年末に見た時は私、感動してね。涙が出てきました。まあ、お父さんそっくりで。けれんたっぷりの荒事でね。もうグルグル回転しちゃって。フィギュアスケーターみたいに。特に回転を増す、摩擦を軽減する装置とかないのに。自力で回転するんですよね。コマみたいに。あれはもう歌舞伎の醍醐味。荒事の醍醐味ですよね。もうびっくりしましたけどね。その運動体ってことで泣いちゃいましたけど。

あとはまあ、成田屋さん好きですよ。海老蔵さんは。もうなにをやっても、どんな役をやっても海老蔵さんにしか見えないんですけど。そこはまあ・・・っていうことでね。それこそ玉三郎さんと一緒におかる・勘平やった時、よかったですよ。玉三郎さん、泣いてね。おかる、泣くんですよ。勘平の声が大きいっていう理由だけでね。ただ普通に勘平はしゃべってるんですけど。怒鳴られている気がするって玉三郎さんが、おかるがね。花道の手前でシクシク泣くの。その時にオロオロする海老蔵さんのオロオロぶりがね。とってもよくってね。東京観光、この番組を聞いている方で、東京遊びに来て歌舞伎でも見てみようか?っていう方、ぜひ。私もおすすめしますんで行ってみてください。はい。

<書き起こしおわり>

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