吉田豪が語る 芸能界の親子関係『二世タレントにハズレなし』

吉田豪・プチ鹿島が改めて語る カネやん 金田正一デタラメ伝説 GoodJobニッポン

吉田豪さんがニッポン放送『プチ鹿島・長野美郷GoodJobニッポン』で、芸能界の親子というテーマでトーク。長嶋茂雄・一茂、横山やすし・木村一八、角川春樹・Kei-Teeなどの親子関係を話していました。

(プチ鹿島)さあ、じゃあ親子というテーマでね、芸能界の親子。たとえば、いままで印象深い芸能界の親子ってどういうのありました?

(吉田豪)まあね、僕、二世タレント大好きで。二世の方、かなり取材してるんですよ。僕の持論で『二世タレントにハズレなし』ってありまして。嫌でもプレッシャー、すごいかかるじゃないですか。小学校でたぶんイジメられたりもすると思うんですよ。ナメられやすいお父さんだったらそうやってからかわれるし。怖そうなお父さんだったら怖そうなお父さんで、ケンカ売れれたりすると思うんですよ。だから結果、その対応力が磨かれる。笑顔でかわすようなタイプになって、コミュニケーション能力高めていったりとか、コブシで成り上がるしかないタイプになったりとか、お金で片付けるタイプになったりとか。いろんなことがたぶん小学校ぐらいで運命づけられちゃうんですよね。

(長野美郷)たしかにね。

(プチ鹿島)そこは普通とは違いますよね。お金で片付ける2世って、ピンときましたけど(笑)。

(吉田豪)まあね。身近なところにいると思いますけどね(笑)。子どもの頃とか僕、2世とかすごい嫌だったんですよ。苦労もしないでいいところ行きやがってって。逆ですよね。倍、苦労してますよ。絶対。

(プチ鹿島)だってたとえば長嶋一茂さんとかだって、生まれた時点で親が長嶋茂雄って・・・そりゃあ裕福かもしれないけど、まあ想像を絶する・・・

(吉田豪)だから一茂さんを取材した時も、お父さんの話聞いても、『ウチのオヤジが変わっているって言われる意味がわかんない。俺にとっては父親ってあれだから。変だとか言われても意味がわからないんだよ』って言ってて(笑)。

(プチ鹿島)最高(笑)。

(吉田豪)まあ、そりゃあそうですよね。ドラマの父親とかしか知らないから。それが正解かどうかもわかんないんですよ。

(長野美郷)そうですよね。最初からお父様はそういう風だったと。

(吉田豪)そうそうそう。

(プチ鹿島)たとえばこの親にしてこの子、的な方っていました?木村一八さんとか、どうですか?

木村一八は最高

(吉田豪)最高ですよね(笑)。まあ、二世は正直事件を起こしやすいじゃないですか。で、木村一八さん取材しましたけど、正直強面のイメージがすごい強いと思うんですよ。バイオレントな感じで事件もあったしで。ギャグセンスがすごいんですよね。

(プチ鹿島)ほー!

(吉田豪)あの、トークの間とかが完璧で。あの怖そうな風貌でノリツッコミとかガンガンやるんですよ(笑)。

(プチ鹿島)でも、ほー!っていっちゃいましたけど、よく考えたらね。

(吉田豪)そうですよ。それは父親仕込みでずっとそれを学んでますから。横山やすしを見てきてるんだから、そりゃそうなるわって思うんだけど。そういう面はあんまり見えないじゃないですか。面白いんですよ。

(プチ鹿島)たしかに、『毎度おさわがせします』とかでもちょっとコメディーチックな。最初から、10代から完璧でしたもんね。

(吉田豪)芸能界の裏話とかする技術のすごい上手いし。馬鹿話とか。

(長野美郷)それって生まれつき、そういうセンスなんですかね?それともやっぱり育っていく過程で・・・

(吉田豪)環境で磨かれるんでしょうね。身近にそういうね、ネタになる人もいれば。

(プチ鹿島)そればっかりはやっぱり超エリートですよね。

(吉田豪)お父さんの裏側も見てるわけじゃないですか。いい話だなと思ったのが、あんまりお父さんとそんなに生活した期間はないんですけど、晩年のお父さんがトイレに入っていて、『横山やすし演じるの、疲れたわー・・・』って言ってたっていう(笑)。演じてたんだ!?っていう(笑)。

(プチ鹿島)いい話だなー。

(吉田豪)息子の前でしか出さないような一面が出たっていうね。

(長野美郷)見れないですね。それはご家族じゃないと。

(プチ鹿島)いや、これはすごい話ですよね。

(吉田豪)いい話だと思って、その話を某出版社の人が聞いて、『木村一八の本を作りたい』って言い出して。僕にインタビュアーやってほしいって。『スケジュール的に無理だから原稿書くの無理なんで、聞き手のサポート的な感じで付き合うことはできますよ』って言ったら、罠にはめられて。『1回だけとりあえず取材しましょう』って行ったら、誰もいないんですよ。僕しかいないんですよ。

(プチ鹿島)(笑)

(吉田豪)聞き手、いないじゃないですか!って。完全な罠にはめられて。で、まあやるだけやろうと思ったら、木村一八さんもそんなに一緒にいた期間ないから、『オヤジの話だったらいくらでも任せてくれ!』って言ったんですけど、そんなにないんですよ(笑)。

(長野美郷)(笑)

(吉田豪)単行本1冊分、無理でしょ!っていう話になって。企画、流れましたね(笑)。

(プチ鹿島)ただ、それでもさっきの話じゃないけど、本人は自覚はないけど掘っていけば僕らがびっくりするようなエピソード、たぶんあるんでしょうね。

(吉田豪)あの、お父さん以外のネタもいっぱいありますからね。リマール(カジャグーグー)とクリスマスを過ごした話とか、最高でしたよ(笑)。

(長野美郷)へー。もしかしたら、ご本人が『これは特別だ』って。さっきのお話じゃないですけど、思ってなくて。でも他の人が聞いたら、ええっ!?っていうことが、もしかしたらもっともっとあるかもしれないってことですよね。

(プチ鹿島)たとえば、いま気になる親子とか、インタビューしたい。まあ、親・子どちらでもいいんですけど。

(吉田豪)まあ、そんなこと言われたら大沢樹生ジュニアに決まってますよ。そりゃあもう。いちばん聞きたいですよ。

(プチ鹿島)誰が行くか?ですよね。いちばん最初に。

(吉田豪)かなり理解者としてね。内部事情までわかる人として聞けますから。

(プチ鹿島)でも、話したいんじゃないですか?豪さん、何回も取材している人からすると。豪さんならっていうの、あるんじゃないですか?これ、早く聞きたい。

(吉田豪)あとね、気になる親子というか。とある女性と、とある場所で知り合ったんですよ。とある女性が、『お父さんのDVをずっと受けてきた』って言ってて。で、イギリス留学して云々とかそういう話をしてた女性が、なんか知らないけど僕に、『吉田さんって、twitterとか[吉田光雄]っていう名前でやられてますよね。なんでですか?』って言われて。『いや、なんでっていうか・・・』っていろいろ説明してとかしてたんですけど。話しているうちに判明したのが、『私のお父さんは長州力です』って言われて(笑)。

(プチ鹿島)(爆笑)。そりゃ、吉田光雄でひっかかる!

(吉田豪)意味、わかんないですよね。吉田光雄っていうのは長州力の本名なんですよ。

(長野美郷)そうなんですか!?

(吉田豪)娘さんにしてみたら、『なんでこの人、勝手に私のお父さんの名前、名乗ってるの?』っていう話で(笑)。

(プチ鹿島)長州さんの娘さんってね、やっぱりちょっと有名ですよね。出版業界でね。

(吉田豪)そうです。プレイボーイでバイトとかしてて。

(長野美郷)あ、そうでらっしゃったんですね。

(プチ鹿島)で、落合福嗣くんに気に入られたとかで。

(吉田豪)デートの約束をしたって話があって。『理想のジュニア同士がつながるんじゃないか?』って言われたんですけど。デートはしなかったみたいですけどね。

(プチ鹿島)すっごい組み合わせですよね。

(吉田豪)で、僕らの共通の知り合いがその話を聞いてどうしても見たい!って言って。で、『紹介とかしないから。見せるだけだからね』って言って、編集部行ったら紹介されないでもわかったっていうんですよ。歩き方が長州力だったって(笑)。

(鹿島・長野)(笑)

(吉田豪)あの歩き方、してたって(笑)。

(プチ鹿島)パワーホールが聞こえる。入場テーマがね。

(吉田豪)いまにもラリアットしそうな歩き方してたっていうね。編集部内を(笑)。

(長野美郷)引き継いでらっしゃるんですね。

(吉田豪)血は継ぐんですよ。お父さんに反発とかしようが、どうしようが継いじゃうんでしょうね。

(長野美郷)やっぱり二世の方同士、ジュニアの方同士っていうのはなんかこう・・・

(吉田豪)ジュニア同士で惹かれるのかな?1回、最近話題の若山富三郎さんの息子さん。何度も結婚したり離婚したりとかでね、問題になっている。若山さんの息子さん、僕も交流あるんですけど、それが本を出して勝新ジュニアと対談してるんですけど。ぜんぜん噛み合ってなかったですね(笑)。

(プチ鹿島)(笑)

(吉田豪)あんな兄弟の息子同士なのに。でも育てられ方がぜんぜん違って。勝新のもとでずっと育った人と、ずーっと父親が誰か言われないで育って、大人になってから知らされて付き人とかやった若山ジュニアとの違いがすごいあって。わかんないもんですよね。でも、僕がやっぱり親子っていちばん関わったので言うと、角川春樹親子なんですよ。

(プチ鹿島)うん。

(吉田豪)角川春樹さんの娘さんっていうのがKei-Teeっていう名前でアイドルデビューとかをしてて。昨日もアウトデラックスって番組に出てましたけどね。だから、ずっとファンだったんですよ。そのアイドル時代に。で、なんとか取材したいなって思った時に、ネット上で情報があったんで、探したんですよ。そしてなんとかつかまえられてインタビューしたら、『私はライターになりたい。BUBKAで書きたい』って言われて。『それは近いですよ!すぐ出版社紹介します』って言って、その日のうちにBUBKAの編集部を紹介してライターデビューして、みたいな流れになって。その時に僕が話して、『僕角川春樹さんの大ファンで、いつか会いたいんです』って言ったら、『やればいいじゃないですか、取材』とか言われてたんですよ。

(プチ鹿島)うん。

(吉田豪)そしたら角川さんもなんとか、ちょうど本を出したタイミングで取材することができて。『実は娘さんを取材して、ライターデビューのきっかけを作ったんですよ』って言ったら、『そうか。じゃあ俺の取材に来いって言っておけ』って言われて。実はここの親子っていうのも、ぜんぜん会ってないんですよ。子供の頃に離婚して以来、20年ぐらい会ってなかった2人が、『じゃあ僕が間に入って対談しよう』みたいな話しになって・・・

(プチ鹿島)へー!

(長野美郷)豪さんのおかげで・・・

(吉田豪)対談。そしたら、Kei-Teeさんっていうのはバービーボーイズっていうバンドのギターの人と結婚してたんですけど、お父さんと再会してからすごい仲良くなって。お父さんといる時間が長くなりすぎて、だんだん今度は夫婦関係がうまく行かなくなっていって。そこが破綻に至って、僕がすごい責任感を。『俺のせい?これ』って(笑)。

(長野美郷)元を正すとちょっと・・・

(プチ鹿島)本来なら会わなかった2人がね。

(吉田豪)会ったことでそこが壊れちゃって。でもまたこの親子関係が続くかと思ったら、角川さんが新たな恋人ができたぐらいから、今度は親子関係が崩れだして。で、最近聞いたいい話がね、娘さんがtwitterでも書いてましたけど、兄弟もそんな関係だからあってない兄弟ばっかりいるんですよ。久しぶりにあった兄弟に言われたのが、『戸籍かなんか取りに行ったら、親父が再婚して子供生んでいることが判明した』って(笑)。

(プチ鹿島)(笑)

(長野美郷)ええーっ!?

(吉田豪)そこでわかるんだ!っていう。知らないうちに兄弟できてたよっていう。

(長野美郷)衝撃的(笑)。

(プチ鹿島)これはもう、普通じゃあり得ない。

(吉田豪)普通じゃない親子ですよね。

(長野美郷)すごいですよね。ドラマの中みたいですけど。

(吉田豪)なかなかね、人生で味あわないじゃないですか。戸籍取りに行ったら兄弟できていたって(笑)。だってお父さん、パイプカットしてたわけですからね。それでできるんだっていう。作ったんだねーっていう。

(プチ鹿島)へー!

(吉田豪)あのね、お父さんの恋人とも僕、会ってますからね。このへんの話もすると、すごい長いんですよ。交流、ありすぎたんですよ。お父さんが、月を自分の意思で半月を満月にしたりできるっていう人なんですよ。角川春樹曰くね。

(プチ鹿島)そういうことをおっしゃる人なんですよね。

(吉田豪)で、『証人がいるから、待ってろ』って言われて。目の前で携帯で電話かけて、『ほら!』って言われて、当時の彼女が電話に出て(笑)。『私は見ました』みたいな証言を。そんなことを電話で言われたところで、録音してるから入んないんですよ。僕の声しか。『本当ですかっ!?』とか僕が言ってるだけで(笑)。『なにしてるんだろうなー、これ?』って。その人が、そうです(笑)。

(長野美郷)そうだったって。

(吉田豪)その後も会いましたけどね。

(プチ鹿島)はー!すごすぎて笑うしかないっていう。

(吉田豪)のがいっぱいありますからね。

(長野美郷)いままで生きてきた中では、聞いたことのなかった・・・

(吉田豪)角川さんは生きてきた中で見たこともないような話しかしないですからね。あの、手塚治虫の病気を治した話とかね。最高でしたもんね。

(プチ鹿島)治したんですか?

(吉田豪)治したんですよ。手塚治虫に会った時に、握手するとわかるんですよ。『お前、体の中に石があるな』って言って。本当になんかあったらしいんですよ。石が2つあって。『俺が取ってやる』って言って。

(プチ鹿島)取る?

(吉田豪)取れるんですよ。あの人、なんでも治せるっていう。本人曰く、人なんで。そしたらすぐに石が出て。手塚治虫が感謝して、『なにかお礼を』っていうことで、『火の鳥の権利、くれ』みたいな感じで。角川書店がだから当時、豪華本とか文庫とか火の鳥を出したんですけど。そういう流れなんですよ。

(プチ鹿島)石を取ったから。

(吉田豪)で、火の鳥の映画作ったりとか、ゲーム作ったりとか。火の鳥の連載も移ったりしたんですね。全部それは病気を治したからなんですよ。

(長野美郷)ええーっ!?

(吉田豪)でも、角川春樹が言ってたのは、『でもね、手塚がちょっとダメなのはね、あいつちょっと詰めが甘いっていうかさ。あいつ、火の鳥見たことないんだよな!』って言ってて。本物の(笑)。

(鹿島・長野)(笑)

(吉田豪)『俺は、ある!』って言い出して(笑)。『あるんですかっ!?』って。

(長野美郷)あるんだ(笑)。

(吉田豪)『ああいう、鳳凰みたいな、すごいゴージャスなんじゃないんだよ。ああいうんじゃないんだよ。もっと普通の鳥みたいなんだよ』って。

(長野美郷)違うんだ(笑)。すごいなんか仰々しい感じの。

(吉田豪)『ああいうんじゃなくて、もっと普通の鳥が燃えている感じで・・・』みたいな。

(長野美郷)ピヨピヨピヨって。

(吉田豪)そう(笑)。

(プチ鹿島)まあ、本人が見たって。それが火の鳥だって言うんだからしょうがない。

(吉田豪)『そうだったんですかーっ!?』って(笑)。こういう知らない話が普通に出てくるんですよ。面白いですよ。

(長野美郷)面白い(笑)。

(プチ鹿島)へー!超人ですね。

(吉田豪)超人ですよね。

(プチ鹿島)スーパースターですね。いやー、親子の話、ありがとうございます。

(長野美郷)ありがとうございました。

<書き起こしおわり>

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