ダースレイダー・宇多丸が語る 高校生ラップ選手権とは何か?

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全国大会開催決定! BAZOOKA 高校生ラップ選手権

ダースレイダーさんがTBSラジオ タマフルに出演。大人気の高校生ラップ選手権について、宇多丸さんに紹介していました。まずは、高校生ラップ選手権とは何か?という説明です。

(宇多丸)ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル、ここからは特集コーナー、サタデーナイト・ラボのお時間です。今夜お送りするのはこちら。もうひとつの甲子園がここにある!高校生たちの熱いバトルに感動せよ!話題の高校生ラップ選手権って何だ?特集!はい。夏の甲子園、大盛り上がりしましたけども、もうひとつ、高校生たちの熱い戦いがあるのをご存知でしょうか?それがBSスカパー!にて放映されている『高校生ラップ選手権』。いま、ヒップホップシーンの内外を巻き込んで盛り上がっているこの大会を、真正面から取り上げて行きたいと思います、ということで、案内役は高校生ラップ選手権で公式レフェリーを務めるラッパー、ダースレイダーさんです!いらっしゃいませー。

(ダースレイダー)よろしくお願いします。

(宇多丸)ダース、この番組初登場なんだね。意外にも。

(ダース)はじめてです。あの、マンク(MONDAY MIC CHECK・TOKYO FM)とか呼んでいただいたことは。

(宇多丸)マンクっていきなり言っても(笑)。ライムスターが前やっていた番組ね。いきなりマンクって言っても、なんのこっちゃ?ってなるからね(笑)。

(ダース)それぐらいのね、タイムラグありましたけど。

(宇多丸)あと、TBSラジオでなんだっけ?フリースタイルやらなかったっけ?なんかの番組で。

(ダース)赤坂サカスできた記念で、フリースタイル特集を。なんの番組だったっけな?

(宇多丸)やったよね?他の番組で。俺、その放送を当時の橋Pとか古川さんと一緒に雨そぼ降るどっかの路地で、ラジオに耳よせながら聞いた覚えがあるんですよね。

(ダース)あ、バツラジ。バツラジで、ちょうど赤坂サカスオープン(こけら落とし公演)で、クレさん(KREVA)がライブをやるから、それに絡んだラップ、ヒップホップ企画でどうですか?みたいなので、フリースタイル、させてもらいましたけど。

(宇多丸)なんかあまりにも近いし、いろんな活動してるから出た気にもなっちゃってたけど、初登場ということで。改めましてダースレイダーさん、紹介しますと、ラッパー、プロデューサー、そしてレーベルオーナー。Da.Me.Recordsというね、非常にいろんな才能を輩出・・・本当、輩出だよね!

(ダース)結構、出しましたよね。出がらしになっちゃいましたけど。

(宇多丸)レーベルオーナーでもあるという。そして高校生ラップ選手権では公式レフェリーを務めているという。こういうあれですよね。ダースくん、頭いいからしょうがないんですけど、日本のヒップホップ業界のね、全然金にはならない、得にはならないことをね、身を持っていろいろやってくれる人というね。

(ダース)もうね、出尽くしたんじゃないか?ぐらいのポジション・・・まだそのポジション、あるのか?みたいなね。まだ俺のやっていないポジション、あったのか?みたいな(笑)。

(宇多丸)俺のやっていない、金にならないこと(笑)。ね、あの風営法のこととかも。またそのことでも出てもらいたいんだけど。

(ダース)あの、(タマフルの)来週の特集、お金作ろうっていう話じゃないですか?参考にさせていただきます!

(宇多丸)メイクマネー特集(笑)。

(ダース)ビッグ・ビッグ・マネー、つかみたいなと。

(宇多丸)とりあえず今日は高校生ラップ選手権について、いろいろレクチャーしていただこうと思うんですが。今回はこの高校生ラップ選手権を紹介するため、大会主催者のBSスカパー!さんから過去大会の素材をお借りして、実際にバトルを音で聞いてもらいながら。いちばんわかりやすいですからね。音ですから。ヒップホップのこと、よくわからない人でもわかるように解説していただこうと思っております。

(ダース)はい、借りてきました!

(宇多丸)それでは、行きましょうか。さっそくね。まず前半は、高校生ラップ選手権とは何か?また、そもそもラップで戦うとはどういうことなのか?基本的なところから説明していきます!まず第一章、高校生ラップ選手権とは何か?

(ダース)高校生ラップ選手権とは何か?って、まあBSスカパー!の番組『BAZOOKA!!!』の中の回で行われているものなんですけども。まずそのBSスカパー!のBAZOOKA!!!っていうのは、司会が吉本の小藪一豊さんと、宇多さんもご存知、AKTIONこと真木蔵人さん。

(宇多丸)真木蔵人さん。すばらしい俳優であり、すばらしいラッパー。そしてすばらしいコラムニスト!

(ダース)の2人がメイン司会で行っている番組の中のコーナーで誕生したものなんですけども。高校生たちを集めて、ラップで対決させる。ジャッジとして、ZEEBRA、DABO、SIMONが集まって、どっちの高校生が優れているか?ジャッジしながら進めていくものなんですけども。

(宇多丸)現状の日本のシーンのトップどころが・・・

(ダース)もうラップはわかってるぞ感のちゃんとある人に見てもらいながら、フリースタイル・バトルというものを高校生同士で行って。で、現在もう三回行われていて、いま四回目の予選。ちょうど先週オーディションをやってきたばっかりなんですけども。70人以上の高校生、僕と大阪のHIDADDYっていうラッパーの2人で、ちょっと見てきて。

(宇多丸)これ、審査するの、特に予選というかその段階だと人数とか・・・試合見通すだけでも大変だよね!

(ダース)とにかく、ラッパーにまず登場してもらって、ラップしてもらってから、『部活やってますか?』とか『彼女いますか?』、『童貞ですか?』みたいな。

(宇多丸)『童貞ですか?』大事ですよ!これ。

(ダース)『童貞ですか?』大事なんですよ。すると、『この間別れたばっかりです・・・』とか。『まだ好きですか?』とか言って、『まだちょっと・・・』とか。

(宇多丸)キミの口調、なんで猪木口調なんだっていう(笑)。

(ダース)(笑)。で、そのことについてラップしてください!みたいなのをいきなり振って、できるかどうか見るとか。

(宇多丸)バトルとは別にそういう・・・

(ダース)そうですね。『バレー部です!』とか言ったら、『じゃあバレーの動きやってみて』とかやって、『それをやりながらラップできます?』とか。

(宇多丸)そういうイジリもあるの?

(ダース)それを、結構フリースタイルでこなせる奴らが揃ってきてるんで。

(宇多丸)いいね!たのもしいね。これね。

(ダース)すごいんですけども。まあ、三回やってく中でどんどんレベルも上がってて。フリースタイル、そもそも高校生ってラップできるの?っていうところ、あったんですけど、ラップできるどころか、もうフリースタイルラップ、ガンガンやれる。

(宇多丸)もう即興で、ある程度韻踏んだりとか、意味通したりとか。それも全然できるっていう。

(ダース)まあ、フリースタイルラップっていうの説明をしておくと、要はラップって歌詞を書いてきたものじゃなくて、その場で『はい、どうぞ!』って言われた時に、その場の状況だったり思っていることを、ちゃんとラップというヴォーカルの形式で演奏するっていう。

(宇多丸)出して。で、その相手は相手の言ったことを受けて、お前さっきこう言ったけど、こうだ!とか返したりするとか。

(ダース)そうですね。だからフリースタイルバトルっていうのは、まさにそういうやりとり。即興でのその場のやりとり。

(宇多丸)どっちがうまい感じのラップしたか?っていうような。うまいこと言った!もそうですし、当然音楽的な面でかっこよかったかどうか?とか。

(ダース)それをジブさん(ZEEBRA)だったりにジャッジしてもらうっていう大会で。もう四回目に突入しようとしてますね。

(宇多丸)これさ、いろんな映像とかがスカパー!で放送された後、いろんなやり方でね、うっかり見ちゃった人が。ネット上の・・・

(ダース)はい。これはね、誰が上げてるのか全く分かんないんですけど、どういうわけか削除されないものがYouTubeにね。

(宇多丸)でも、見てもらうのはありがたいことで。

(ダース)予告編だと思ってもらって。

(宇多丸)すっごいさ、それで明らかに普段の日本のヒップホップのいろんな動画とかあるけど、そういう人数じゃない人数がもう・・・

(ダース)あの、100万回とか再生されていて。僕も含めて、日本人のラッパーで100万回見られているヤツ、どんだけいるよ?みたいな話になっちゃいますね。

(宇多丸)ないないない!いちばん売れている人でも、なかなかそれは。

(ダース)だから、高校生たちの方が全然ラッパーとして認知されているっていうね。

(宇多丸)そういう現象ってさ、高校生ラップもそうだし、たとえばYoung Hastleが、Vネックの歌うたってるよ、日焼けの歌うたってるよっていうのが、外側に伝わってったりっていう、そういう回路が時々あるんだよね。



(ダース)そうですね。これだから、日本語ラップ、それを大切にしてこない文化だったんで。なんかちょっと大切にしたいな、みたいな。ちなみにですね、僕その100万回再生されているのにはレフェリーとして出てるために、完全にレフェリーとして認知されていて。

(宇多丸)(笑)。ダースレイダーが。

(ダース)多くの人には。具体的な例で言うと、DJ KEN-BOさんという方がバトルのビートを出す係をしているんですが。で、ヒップホップのバトルの形式として、バトルのスタートの合図として、『DJ KEN-BO bring the beat!』、ビート鳴らせ!って。『DJ KEN-BO bring the beat!』っていうのを毎回試合の前に言ってるんですよ。そしたら、とある若い子たちのMCバトルのイベントをたまたま見る機会があったんですけど、そこの司会役の子が、『DJケンボー、ブリンザ・ビーッ!』って言ってたんですよ。

(宇多丸)あー!もう決まり文句だと思っちゃってるんだ!それ、回す子が別の子なのに。

(ダース)別の名前だったら、そこの『KEN-BO』のところは名前変えるんだよっていうのが伝わってなくて、『DJ KEN-BO bring the beat!』っていうのと、『ジャンケンお願いします!』っていうのの言い方が全く一緒っていう(笑)。

(宇多丸)それも形式化しちゃってるっていう。そんな言い方、なんだっていいんだよ!っていう。まあそんぐらい、見られてるっていう。ちなみに、伊賀大介さん。先週ちょっと出演していたスタイリストのね、伊賀さんもすごい好きな。面白いっすよね、あれ!って言ってたから。そういう感じにも届いてるってことですよね。

(ダース)結構いろんなジャンルの方がね、見てるなと思って。YouTubeで見て、それで面白いと思った人はBSスカパー!に加入していただいて、お楽しみいただければなと、思いますけどね!



(宇多丸)今日の特集を通じて、これは面白そうだ!と思っていただける方がいっぱい出るんじゃないかと。とにかく、高校生がやってるっていうので、みなさんどういうイメージを思い浮かべてるかわかりませんが、これですよ。スチャダラパー曰く、おじさん泣いちゃう。熱い、笑える、感動する。要するに、甲子園って、高校野球ってプロ野球を見るのとは全然違う。俺、全然その高校のこととか知らないけど、普通プロじゃ絶対しねーエラーとかさ、すっごい大逆転がおきたり、当然一試合終わるごとに泣いたりとか、プロはしないから。やっぱり違うグッと来るのがあるじゃないですか。よっぽど。それに近いのかな?って思いますよ。

(ダース)今回出場していた高校で、すごい礼儀正しい学校がありましたよね。最後、グラウンド上で土下座して、ありがとうございました!って帰ってった。ああいうのって高校生ならではっていうかね。盗塁禁止とかね。

(宇多丸)ああ、汚いこと禁止。

(ダース)逆にね、カット打法のとかあったりとか、いろんなスタンスの高校生がいるんですけど。ラッパーにもいるんですよ。

(宇多丸)いや、それすごいみなさん、楽しみにしていただきたいと思っております。ちなみに、どうしてはじまったの?これって。

(ダース)これもですね、僕の個人史で言うと、ずーっと思っていたことがあって。僕も36なんですけど。いま。やっぱり最近なんかラップが売れないとか盛り上がらないとかっていう、不景気な話をよく聞くんですけど。そもそもその原因ってなんだろう?って思うと、スター不在だなと。具体的に言うと、石川遼くん的な存在。

(宇多丸)若くて才能あって、いい子で(笑)。いい子は別にいいけど。

(ダース)でもそれは年齢とかわかんないですけど、なでしこジャパンもそうだし、当時の柔道の柔ちゃんとかもそうなんですよ。やっぱりそういった、ポン!っていうのがあれば、元々やっていた面白さっていうのは一気に理解されるっていう。

(宇多丸)入り口がね。

(ダース)を作る努力っていうのをしなきゃいけないだろうなって思っていて。それっていちばんわかりやすいのは、10代のヒーローだと思うんですね。元々のアメリカだったら、LL Cool Jとか15歳でデビューしてるっていうのもあるわけだけども。やっぱりいちばん体力有り余っていて、時間も有り余っている奴らに火がつけば、もうボワッ!っと燃え上がっていくだろうと。

(宇多丸)しかもラップで、即興でラップすること自体は、全くなんにも元手がいらないから。

(ダース)そうなんですよ。ギター買うとか、高いし。DJになるのも結構やっぱりハードル高いんですけど。ラップは本当、口さえパクパクって動かせれば、いくらでもできるぞ!みたいな。

(宇多丸)あと手拍子たたきながらで全然いいわけだからね。

(ダース)だから、10代の力有り余っている奴らの中からヒーローを生み出すために、いろいろやっていこうと。で、B BOY PARKっていうイベントで、僕が最初、Under20っていうMCバトルを企画して。

(宇多丸)そもそもB BOY PARKで、MCバトルみたいな試みは99年のB BOY PARKから始まったんですね。そっから少しずつやってという。

(ダース)この番組のね、構成作家の古川(耕)さんが審査員。

(宇多丸)っていうか、司会俺で。レフェリーじゃないけど、仕切りは俺で。っていうか、俺これの時の全体のルールっていうか進行形式を作ったの、俺だからね。

(ダース)おー!もう日本のMCバトルの・・・

(宇多丸)MCバトルの父ですよ!

(ダース)ゴッド・ファーザー!

(宇多丸)バトルは強くねーけど、父ですよ!オラー!ってそれだけ強気。

(ダース)お父さん!

(宇多丸)いやいや、積み重ねてきたんだけど。はいはい。



(ダース)ちなみにね、僕、1回めに出場してます。

(宇多丸)出場もしていただいて。っていうところで積み重ねてきて。で、名も知れた人も出たりとかあったけど、それのアンダー20。

(ダース)はい。アンダー20っていうのは、そもそもB BOY PARKって昼間やっていて、誰でも来れるイベントだったんで、暇な高校生とかも来れるだろ?ってことで、そういう子たちを目立たせよう、そっからヒーローを生み出そうっていうことで、アンダー20 MCバトルっていうのをやったんですね。

(宇多丸)はいはい。かなり近い試みですね。

(ダース)で、10代のヒーローを生み出そう!みたいな。ただ、そのB BOY PARKっていうイベントの性質上、いろいろユルいパーティーでもあり、だんだん21歳のヤツが出てたりとか、そういうことに・・・

(宇多丸)(笑)。ちょっとルーズな。

(ダース)ルーズになってて。あれ!?とか思っている時に、BAZOOKA!!!の方から、こういう高校生のラップ選手権って企画を思いついたんだけど、そもそも実行可能ですか?と。

(宇多丸)発想としてはダンス甲子園とかあるから、あれのラップ版とか無理っすかね?と。

(ダース)できるのかな?みたいなのを言われて、いや、それはやりましょう!みたいな。

(宇多丸)あ、じゃあ一致したわけだ。

(ダース)そうですね。タイミング的に一致して。しかもその中で、ラップコンテストとしての選手権なのか、フリースタイル、どっちがいいでしょうか?って話をした時に、僕はフリースタイルでいきましょうと。

(宇多丸)コンテストにすると、音源を作るとかそういう、1個ハードルが上がっちゃうんだよね。

(ダース)そうです。その才能が必要になって。作曲能力だったり、演奏能力が必要になってくるけども。フリースタイルだったら、ラップができればとりあえず目の前のことをラップしてるってことで伝わるものもあるし。拙さも含めて、その場でやっているっていうことが伝われば、イケるんじゃないかと。

(宇多丸)そっちの方が10代のアレとしては相応しいかもしんないと。

(ダース)ただ、やってみるまではレベルがどうか?はわかんないけど、少なくともそれなら形にはなるだろうと思って始めて。目標はその中からヒーローが生まれたらいいなと、思って始めた企画です。

(宇多丸)ダースらしいアレですね。もう自分の得ではなく、全体のことを考えて!こんな体の具合、壊してまで。

(ダース)ゆくゆくは、そういった子がラップ始めて、じゃあ昔やってた人ってどんなの?みたいなので、昔の音源買ってくれたりとか、もっと長くやってる人の・・・

(宇多丸)遠回りすぎるだろ!君の金になるのが!

(ダース)フィードバックもあるんじゃねーかな?と。

(宇多丸)みんな成功した人、とりあえず毎月1000円ずつぐらいは払ったほうがいいんじゃない?元Da.Me.Recordsの連中は。

(ダース)あの、なんか金くれ!っていう話ですけどね。

(宇多丸)(爆笑)。まあ、そんなダースレイダー。苦労しながら積み上げているところでございます。でも実際ね、スターが生まれる素地が出来つつあるのかどうか?是非後半、実際に高校生たちのバトルの様子を聞いていただきたいと思います!

<書き起こしおわり>

ダースレイダーが選ぶ 高校生ラップ選手権 ベストバトル 5試合 に続きます。