オードリー若林 9年ぶりの日本アカデミー賞を語る

オードリー若林 9年ぶりの日本アカデミー賞を語る オードリーのオールナイトニッポン

(若林正恭)で、まあそうだな。それで現場に入ったら、9年前だって。俺が『ひまわりと子犬の7日間』で行ったのが。あれ、35ぐらいか。で、現場が全く一緒だからさ、すっかり忘れて忘れてたというか、もう記憶から消していて。黒歴史ですからね。それで現場に入ったら、思い出すね。場所が一緒だと。「ああ、ここだったわー」って思いながら。

(春日俊彰)一気にいろんなことがね、思い出されたりしますわな。

(若林正恭)そうそう。それで歩いていて。それで、レッドカーペットとかを皆さんが歩いていく、リハをやってるんだよ。首から「菅田将暉」とかプレートをかけて。

(春日俊彰)ああ、なんかスタッフの人が。代役みたいな感じで。

(若林正恭)そうそう。なんか「のん」とか「広瀬すず」みたいな感じで書いてあるのを首からさげてリハをやっているのを見て。「ああ、このレッドカーペットを歩いたわ」みたいな。俺、それで思ったんだけど。「誰かが言ってあげなかったのか」って腹が立ってきて。

(春日俊彰)うん?

(若林正恭)「35か……でもな、わからんて。35の、ケイダッシュステージの芸人に。そこにどういう意味があるのかなんて」って。どういうことかっていうと、俳優さんたちが美男美女すぎて。みんな、それを見に来てるから。そこで笑い取ろうなんて……たとえばモネの絵を展示するモネ展。そこで漫才をやるようなもんなんだよ。「いや、いい、いい、いい」ってなるじゃん?

(春日俊彰)ああ、なるへそ。はいはい。お呼びじゃないっていうね。

笑いは求められていない

(若林正恭)うん。「いや、いらないのよ」って。みんな笑いで構えてないから。だから「そういうの、なくて全然いいよ」っていう。それをなんで、誰も教えてくれなかったのかな?って、腹が立ってきて。俺、後輩に相談されたら言うけどな。「ただ、ラジオとかで10年使えるエピソードなるから、勝負するなら全然、した方がいいかもしれない。どっちみち得するから」みたいな。

でも、なんで誰も言ってくれなかったのかな? ただただ緊張して。「関節、なくなったのかな?」っていうぐらい歩き方がぎこちなくなって。あと記憶も飛んでるし(笑)。っていうをなんか、思い出して。「美男美女の俳優さんたちが揃う中、自分に場違い感を感じるから。なんか『俺は芸人だ!』みたいなのを自分で掴みたかったんだろうな。9年前の俺は」って思ったね。

(春日俊彰)なるへそ。

(若林正恭)面白いこととかを言って。「そんなの、いい、いい」っていう。

(春日俊彰)ああ、そうだね。そうかも。たしかにね。

(若林正恭)で、それが出てるから、滑っているんだと思うのよ。

(春日俊彰)なるほどね(笑)。自然じゃないっていう状態だよね? 「やりに来てる」っていう。そうだね。それはウケないよね。それがにじみ出るとね。

(若林正恭)その答え合わせ。9年ぶりの。みたいな感じで。でも、それで始まって、なんかこういうのって本当に映画好きな人は見るから。「映画が好きだ」っていう気持ちだけ持っていけばよくて。そんなCM前のボケとか、一言とか、ない方がいいなと思って。これ、ナイス判断じゃない?

(春日俊彰)いや、ナイスだと思うよ。

(若林正恭)で、リハを水卜ちゃんとやっていたの。そしたら、水卜ちゃんが……有村さんもリハをやっているわけ。で、その本会場のちょっと離れたところにブースみたいのを作って、離れた場所でやってるの。ちょっと離れた場所で。で、有村さんがリハをやってるのは、モニターに映ってるの。そしたら水卜ちゃんがドレスを着てて。「若林さん、これ、有村さんとかぶってません?」っつって。なんか、まあたしかに緑方向なんだ。グリーン方向なんだけど。「いや、でもデザインも全然違うし。色も違うし。デザインも柄もこうまで違うと、かぶっていると思う人、いないと思うよ?」「ですかねー?」みたいな。水卜ちゃん、そういうのを気にしているのよ。

(春日俊彰)うんうん。

(若林正恭)で、「本番です」って行ったら、真っ黒のドレスに変わっていたけどね。

(春日俊彰)結局、変えたんだね。気になって。

(若林正恭)だから「よかったね、予備を持っていて。でも、かぶってなかったよ?」「いや、でも一応、邪魔しちゃいけないと思って……」みたいな。気にしていて。で、リハをやっていたんだよ。適当にやっていて。水卜ちゃんとは慣れているから。そしたらさ、有村架純さんがさ、黒い、本当にただのペラペラのカーテンなんだけど。仕切りが。パッと開けたら有村架純さんがいらして。

本会場の人とは絡みがないのに挨拶に来てくれて。「よろしくお願いします」って。もう、めちゃいい人で。「めちゃめちゃいい人だな」っていう『日曜×芸人』の記憶はあるんだけども。なんか、それで映画も見てるからびっくりして。「ああっ!」って言っちゃったもん。やっぱり(笑)。

(春日俊彰)フハハハハハハハハッ! まあ、そうなるよね。うん。

(若林正恭)カーテンを開けて、そのごついスタッフが出入りしてるのしか見ないから。ごついスタッフ、着こなせてないのよ。タキシードみたいなの、スタッフさんも着せられるじゃん?

(春日俊彰)一応、だからちょっと見切れたりした場合用にね。

(若林正恭)それでフロアがさ、俺たちの高校のアメフト部の1個下のイワナガで。

(春日俊彰)えっ、ああ、そうなの? はー!

(若林正恭)そうそうそう。俺たちの高校の1年下のオフェンスラインのイワナガってやつがいて。それが制作スタッフをやってるっていうのは知っていたんだけども。よりによってイワナガでさ。「これは下手なところ、見せられないぞ」って思って。「俺の1個下なのよ」みたいになって。「ええっ?」みたいな、みんなでちょっとなったりしてさ。それで始まった時は、会場の客席のど真ん中で「いよいよ始まります!」みたいなのをやって。

そうね。もう慌てなくなっているよね。「若林さん!」とか言ってくださる方もいるのよ。本当に、お客さんなのに気を遣ってくれてるのよ。で、春日みたいな手の振り方をして。「わーっ!」ってみんな、手を振ってくれるんだけど。そういう、だから今の気持ちでやるから向こうも返してくれるんだろうね。緊張しながらじゃないから。

(春日俊彰)そうね。自然だからじゃない? まあまあ、そういう気持ちがあるっていうのがね。ないと、やっぱりバレますよね。

<書き起こしおわり>

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