フワちゃん おじいちゃんの死と『ブラッシュアップライフ』を語る

星野源『ブラッシュアップライフ』を語る フワちゃんのオールナイトニッポン0

フワちゃんが2023年3月13日放送のニッポン放送『フワちゃんのオールナイトニッポン0』の中で大好きだったおじいちゃんが亡くなったことについてトーク。ドラマ『ブラッシュアップライフ』を見ていたおかげで救われたという話をしていました。

(フワちゃん)まあこんなん、冒頭からする話でもないかもしれないんだけど。ちょっとな、3日前におじいちゃん、亡くなってん。ちょっとあの、結構急だったんだけど。もう、マジでなんかね、私と同じ顔で。鼻の穴がすっげえ大きくてさ。私が子供の頃からハゲてる、いい感じのおじいちゃんだったのよ。なんかね、放浪が好きで。自分の車をキャンピングカーみたいにさ、改造していろんなところに行ったり。

70歳の時とかにね、もうパラグライダーのライセンスを取って。老後ハマる趣味にしてはだいぶいかつめのチョイスして、ガンガン空を飛びまくったり。もう本当、ザ・私のおじいちゃんっていう感じ。もう自分でも「血、引いてるわー」ってわかるぐらい、見た目も中身もそっくりやってん。

なんかさ、しょっちゅうおじいちゃん家も行っていたんだけど。改めて「思い出」って言われると、本当にしょうもないのしか出てこなくてさ。なんかじょうろをラッパみたいにして吹いてくれたな、とか(笑)。寝る前にいつも話してくれた昔話で、旅人が雪山で足止めくらって「泊めてください」ってノックした人の家が山姥の家で……みたいな。そんなんがあったけど、いつも途中で寝て1回も最後まで聞けたことないな、とか。

あとおじいちゃんといつもお風呂に入ってる時に「痛え」っつってんのにいっつもおじいちゃんが使ってる硬いタオルでゴシゴシされたな、とか(笑)。糠床を触った後の手の匂いを嗅がされたな、とか。そういうしょぼいのとかさ。後は昔は結構礼儀とか厳しくて。お箸の使い方とか厳しかったのに、最近は私のTwitterを見て、なんか言葉使いとか真似しちゃって。「草」とか「ワラ」とか(笑)。そんなのをLINEで使ってきて。すっかり丸くなったな、とか。

おじいちゃんが亡くなるまでのファインプレー

(フワちゃん)なんかそんなプチ話ばっかだけども、大好きなおじいちゃんだったのよ。だからもうもちろん、めちゃくちゃ悲しいんだけど。今回、あのおじいちゃんが死ぬまでの私の行動が結構ファインプレーで。っていうのもね、やっぱり自分の大切な人が死んだ時って、少なからず後悔とかがあると思うのね。なんか「もっと会いに行ってやればよかった」とか、「もっと一緒に写真を撮っとけばよかった」とか。

でもさ、私ちょうど自己啓発本を読んでて。「もし明日死んでもいいように、後悔なくやりたいことをやろう。会いたい人に会おう」的なさ、そういうよくあるザの本、あるじゃん? 私、それを読んでめっちゃ感動して、まんまと影響されて、おじいちゃんに結構会いに行ってたのね(笑)。

本当に。もうマジで不純なきっかけではありますよ。もう勝手に自己啓発本を読んでね、まんまと影響されて会いに来たなんて、こんなダサい動機、さすがにおじいちゃんにももちろん、言ってません(笑)。「孫として当然でしょう」顔で会ってました。たしかにもう、声を大にして言える動機ではないんだけど。でも、これのおかげで「ちゃんと会いに行ってればな」みたいな、そういう心残りが一切なかったのよ。

だからこれはもうデカい。やっぱり動機がどうであれ、実際に会いに行っていたっていう事実が相当デカくて。だからおじいちゃんも孫に会えてWin-Win。私もおじいちゃんに会えてWin-Win。もう完全にWin-Winのファインプレーなの。マジで自己啓発本、ナイスで。もうね、自己啓発本に影響される性格もマジでナイスで。マジで後悔するところだったから。「あぶねー!」って思って。「会っておいてよかった!」っていう。本当に、マジでナイス!って思ってさ。

でね、これの他にもう1個、ファインプレーがあって。これもまあまあ、不純です。もう不純な動機ですけど。「おじいちゃんさ、ワンチャンYouTubeのショートに使えんじゃね?」って思って。私、結構おじいちゃんの動画、撮ってね(笑)。だからさ、意外とね、親戚におじいちゃんの写真は持ってる人はいても、動画を持ってる人ってあんまりいなくて。だから今、私は親戚の中で相当スターなんだよ。「おお、よくやった!」って(笑)。

なんか、何気ないおじいちゃんの日常とか、ちゃんとメモリーが残っているっていうのは、相当なファインプレーで。おじいちゃん、急に死んじゃったからさ。なんか、お風呂のその寒暖差的な、老人のよくある系のやつでさ。だからみんな、まさか死ぬって思ってなかったから、そういう思い出も残してなかったみたいで。だから結果、そのショートみたいなのは、動機はどうであれ、もう身内にYouTuberがいたっていうのは思わぬラッキーで。みんな「でかした!」ってなっていて。

やっぱり鮮明に残るからね。動画っていうのは、写真よりも。でもさ、正直全部、ショート用に撮ってたから、縦動画で(笑)。残ってるおじいちゃんの動画が全部、TikTokの画角なの(笑)。だからなんかたぶん身内で寄せ集めたさ、おじいちゃんの思い出とかを集めたスライドショーとか、そういうのを作った時にこれが混じっていたら全然違和感があるぐらい、めっちゃ縦なのよ(笑)。

だからまあまあ、でもとは言ってもね、思い出的にはもう、この動画も相当ファインプレーでした。ということで……でもね、最後のあのファインプレーが、これはもう本当に自分の心持ちだけなんだけど。『ブラッシュアップライフ』を見てたのがめっちゃデカくて(笑)。マジでタイムリー! もう本当、さっきからずっとミーハーなことばっかり言って。すぐね、本とかドラマとかに影響されて、とてもダサいんですけど。

でも、これも自分の心的にマジでデカかったのも。やっぱり、おじいちゃんめちゃくちゃ大好きだったし。その思い出もたくさんあるし。悲しい事はもちろん悲しいんだけど。『ブラッシュアップライフ』を見てたことで「ああ、おじいちゃん、1周目が終わったかー」ぐらいの感覚に持ってこられたから。決して、その命を軽視してるとか、おじいちゃんがどうでもいいとか、そういうことじゃなくて。単純に心持ちが楽になったのよ。一時的にでも。

だからもう、ここまでフィクションのそのドラマに死生観が影響されるチョロいやつっていうのも、なかなかいないのもわかってるけど。でもみんなも、おじいちゃん死んだら真似してみてほしいの。想像して? バカリズムと安藤サクラのあの白い空間に、おじいちゃんがいて。次の人生の手続きしてんの。聖地巡礼じゃん(笑)。かわいい、おじいちゃん! あそこ、生きている人、誰も行けないんだからね。おじいちゃん、すごいんだよ(笑)。

ごめんごめん。やばいさすがにここまで軽いノリではなかった。私も盛った。さすがに「死んだ」って聞いて、ここまで軽くはなかったけども。でも実際、残された側のね、うちらがこうやって『ブラッシュアップライフ』を見た影響で、ちょっとでも心が軽くなったってのは本当で。もうマジでバカリズム、ファインプレー。本当にありがとうございました。

バカリズムへのDM

(フワちゃん)でもさ、これはちょっとまた別の話なんだけど。本当に私、おじいちゃんのことがある前から、純粋に『ブラッシュアップライフ』がもう面白すぎて。どうしても伝えたくて、バカリズムさんにDMを送ったのよ。「内容の面白さはもちろんのこと、最近の生きがいになっています。すごい面白い!」っていうのを伝えて。で、もう1個私、さっきから結構軽めに話してるんだけど。結構私、死ぬの嫌派で(笑)。それはみんな嫌だとは思うけど(笑)。

嫌派なの。死ぬの、結構本当にNGなの。私。結構ね、大きめにNGで。まあ人って、100%死ぬじゃん? これは避けられないことだから、定めとして。「いつか死ぬのはしょうがないことじゃん」っていうのを踏まえて……統計的に見て、みんなそこまで長生きに固執してないっていうか。なんか、それよりもみんな、今を楽しく幸せに生きることだったり。「人並みに幸せに年をとって死ねたら、それでいい」みたいな人が割と多い気がするの。なんとなく話を聞く限り。

でも、私はもう結構NGで。もう幸せだろうが、長生きしようがなんだろうが、絶対に死ぬのが嫌な! ノー情報。幸せ関係ない。とにかく死にたくない! 「周りの友達がどんどん年老いて死にますが、1人きりになっても、それでも不老不死になりますか?」みたいな、こんな意地悪な質問されても喜んで「はい!」って答えるぐらい死ぬの、嫌なのよ。もうとにかく一生、生きていたい。もうガチ派の……結構過激派。死ぬのアンチ(笑)。そっち寄りの本当にガチだったんだけど。

『ブラッシュアップライフ』を見て、結構本当に死ぬのが怖くなくなったのよ。なんか、イメージの世界だからさ。結局、死後のそういう世界って。だからああいう風に死を感情と切り離して、めっちゃ超手続きの一環みたいに描いてるのを見ると、一気に何か死ぬことが終わりじゃなくて、まだまだ続く人生の延長線上の出来事みたいに思えて。なんかすごい死ぬことへの恐怖が和らいだのよ。

だから、これはすごいドラマにも感謝してるんだけど。さすがにそのバカリズムさんにね、この話の量を初DMで送るわけにはいかないから。ちょっとね、「死ぬのガチ嫌派だったんですけど、ちょっと怖くなくなりました」みたいな。素敵的なことも添えてお礼を伝えたら、そのバカリズムさんがわざわざ丁寧に返事をくれて。そこに「ちなみに僕も死ぬのガチ嫌派です」って書いてあって。私、「えっ? バカリズムさんもガチ嫌派なんだ!」って(笑)。超嬉しくってさ。マジ、ごめんね? 全然関係ない話して。

でもね、なんか私とバカリズムの共通点なんて絶対にないと思ってたのよ。あんな面白い話作れる人も、死ぬの嫌派なんだよ? すごくない? 絶対私、バカリズムさんなんてさ、「死ぬことは遺伝子のプログラム上、避けようのない事実なので。そこに固執するのは野暮ですね。死ぬことに良いも悪いもないです」とか、そういう系かと思ってたから(笑)。

絶対そうだと思ってたけどさ、死ぬのガチ嫌派とか、なんかかわいくない? バカリズム。私、Aマッソ加納さんと「死ぬのガチ嫌同盟」を組んでるんだけど、バカリズムも入れようかな?(笑)。メンバー募集中ですけど。まあ、ちょっと本当にさすがにおじいちゃん関係なくなっちゃったからは話を戻すけど。なんかさ、ちょっと私、「ここでも怒るか」って思って。自分にも引いたんだけど。さすがに今日はないと思ってたでしょう? 私がブチキレる話。あんのよ(笑)。

おじいちゃん死んでるけど、あんのよ。なんかさ、結構今まで私、仕事とかでさ、「もう物理的に無理です。しょうがないです」ってこととかでもさ、頑なに「嫌だ!」って言い続けて全然受け入れずにさ、わがままを貫いてきたこと、多かったじゃない? このラジオだってそうよ。元はと言えばさ、去年のフワちゃんのオールナイトニッポンXで終わるはずだったラジオを「嫌だ! 嫌だ! 絶対終わりたくない! どうにかして! 嫌だーっ!」って文句言い続けてたら、まさかのゼロで復活したじゃない? そう。これが全ての元凶(笑)。

もう、こういうわがままの積み重ねで脳みそが「世の中に不可能なんてない」ってことを覚えちゃって。それのせいでね、本当にお母さんからその電話が来て。「おじいちゃんが亡くなった」って言われた時に私、「悲しい」とか「今までありがとう」とかよりも先に、「えっ、それさ、どうにかなんないの?」って怒っちゃって(笑)。ヤバいよね? マジでヤバイ。前代未聞の無茶。「どうにかなんないの?」って、さすがに無理だって。もう、あれだけ語ってたさ『ブラッシュアップライフ』精神論のファインプレーが完全に全部ゼロになる、劣悪プレーです。ダメだよ、私(笑)。

100歩譲ってさ、口に出す前に「変なこと言おうとしてる」って気づけよ!って思うんだけど。でも、もう言っちゃったから。そこで私も「ああっ!」って思って。「いや、なんか意識不明とか、そういうことかと思ったから」とか、補足はしたけど。さすがにおじいちゃんも引いたんじゃない? 本人も。いや、もう芸能人だからってね、世の中なんでも思い通りにいかないね。さすがに。さすがに生き返りはしないね。

まあ、でも多少のそういう糞プレーも混じりましたが、トータルで今回、そのおじいちゃんが亡くなったって聞いた時に、実際後悔よりも「死ぬ前にこれ、やっていてよかったな」って思うことの方が多かったのは、なんかたまたまそういう本読んだりとか、きっかけがあったからで。もしかしたら、その本を読んでなかったりしたら、「仕事が忙しいから」って言って後回しにしてた世界線もあったかもしれないのよ。

だから、もうたとえ動機が純粋じゃなかったとしても、ミーハーな影響があったとしても、とにかく連絡してみてよかったなって思ってるし。なんか啓発本の影響とかモロに受けてね、「ダサいわー」とか「ハズいわー」とかって、それは生きていて初めて成立する感情だから。「死ぬ」ってなったら「ダサい」も「ハズい」とかもないからさ。だからとにかくまだ、おじいちゃんとかおばあちゃんとか生きてる人はもう、生きてるうちに優先して、時間取って。いろいろと会話しておくこと。そして、ムービーをちゃんと横動画で残しておくことっていうのをおすすめします! 本当にみんな、後悔しないように、ちゃんと連絡してね。

後悔しないように、ちゃんと連絡した方がいい

(フワちゃん)おじいちゃん、今日は私もこんな深夜のキモ時間に生放送、頑張ってます。おじいちゃんも天国でリアタイしてね! って言っても、おじいちゃんがこのラジオを聞いてるって話は一度も聞いたことなかったけど(笑)。なんか『モニタリング』とかは見てるって言ってたけど(笑)。棺に『モニタリング』のDVD、入れておくか?(笑)。おじいちゃん、またお盆にお会いしましょう! というわけで、今週も始まるよ。フワちゃんのオールナイトニッポン0!

<書き起こしおわり>

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