かせきさいだぁさんが2023年2月7日放送の『猫舌SHOWROOM 豪の部屋』で松本隆さんの弟子になるなど、様々な大物たちとの交流についてトーク。「弟子力」や年上の人の懐に入り込むコツについて吉田豪さんと話していました。
（吉田豪）（コメントを読む）「かせきさんには『弟子力』っていう本を執筆してもらいたい」。
（かせきさいだぁ）ああ、「弟子力」ね。たしかに。そうですね。「弟子力」。
（吉田豪）その懐に入り込むというか、信頼される能力みたいなものはすごいと思いますよ（笑）。
（かせきさいだぁ）そうですね（笑）。そう言われてみると……僕ね、あれだったんですよね。子供の時に家、売り酒屋。普通に瓶とかね、ビールとか売ってる酒屋だったんですけど。道路向かって反対側が……そこは山の方だったんで、林業が終わった人たちが飲みに来る飲み屋をおばあちゃんがやっていて。そこで子供の時、毎日遊んでたんですよね。夜は。
そこに来る人はみんな年上で、その年上を喜ばせたり、笑わせたりするにはどうしたらいいんだ？っていうのを思ってたんで。なんか子供のギャグを言っても、鼻で笑う感じじゃないですか。「あはは」って。そういうんじゃなく、本当に「おっ、何それ？ 面白いね」みたいな感じになってほしかったんで。子供の時から、年上を喜ばせるというか。それは考えてましたね。
（吉田豪）絶対そういう環境は影響されますよね。
年上が大好き
（かせきさいだぁ）だから年上が大好きなんですよね。飲み屋でもね、知らないおじさんとかと話しちゃいますもんね。
（吉田豪）それが、とんでもない業界の大ベテラン相手にでも通用するというか（笑）。
（かせきさいだぁ）そうですね（笑）。「こういうのを聞いたら失礼かな」ってみんなが思うようなことが、実は失礼じゃなくて。本当は嬉しいんだよっていう。
（吉田豪）そうなんですよ。これはよく言われますけどね。大ベテランほど丁寧に扱われすぎるから、「ちょっと雑に扱われたい」っていう思いもあったりするんですよね。
（かせきさいだぁ）そうそう。そうなんですよ（笑）。
（吉田豪）だからヒロミさんとかがよくタモリさんとかをおじさん扱いするのとか。あのぐらいの失礼が心地いいんですよね。
（かせきさいだぁ）心地いいんでしょうね。そういうのに近いかもしれないですね。
大ベテランほど、ちょっと雑に扱われたい
（吉田豪）僕も真樹日佐夫先生に気に入られたのは、みんな真樹先生を怖がって近寄らなかったような時に「大好きなんです！」って近寄っていった。で、「好き」も伝わるじゃないですか。「あの作品が……」みたいな。ファンではあるし。それは大きかったと思うんですよね。
（かせきさいだぁ）僕も松本隆先生の歌詞を、最初はパクるというか、まんま引用しようだなんて思ってなかったんですよ。「これみたいな、俺流のすごい歌詞を書こう」と思ってやって。でも、どうやっても書けなくて。すごい悩んで、悩みすぎて頭がおかしくなったんですよね。「そのまんま使うのが一番失礼じゃない」っていう（笑）。
（吉田豪）「カットアップしよう」っていう？（笑）。
（かせきさいだぁ）「そのまんま使うのが一番、本人も喜ぶはずだ」って。頭がおかしくなったんですよ（笑）。それでバーッとやったら、本当に本人も喜んでくれたんですよね。
（吉田豪）なんなんですかね？ ヒップホップだから許されたんですかね？ ちょっと別ジャンルだからって。
（かせきさいだぁ）というのもあったんですかね。あれがやっぱり、ジャンルが同じだったら……。
（吉田豪）普通にJ-POPでやってたら「お前、なにやってるんだ！」ってなったと思いますよね。
（かせきさいだぁ）はっぴいえんどみたいな曲とかをやってたら、怒られると思いますけど、あれはヒップホップだから許されたっていう。
（吉田豪）別の畑の若い文化だから、なんとなくありになったっていう？
（かせきさいだぁ）だと思います。細野さんもそういう感じで褒めてくれましたね。なんかインタビューで「細野さんはなんで歌わないんですか？」って聞かれていて。「いや、かせきさいだぁとかがいるから俺が歌う必要ない」って答えてるのがあって。それを家宝にして今、家に置いてあるんですけど。だからそういう……そうですね。それで許してもらえている感はすごいありますね。今はもう、わかんないですけどね。許してもらえるか（笑）。
（吉田豪）まあね（笑）。若者が無邪気になんかやってるみたいなことで許されるっていうのがあったのが……。
（かせきさいだぁ）そうですね。もう55で、そういうのはちょっと通用しないかなとは思いますけどね（笑）。
（吉田豪）50代が70相手にやるようなものではないっていう（笑）。
＜書き起こしおわり＞
