安住紳一郎『THE TIME,』仙台セリ農家中継と芹ゆうこを語る

安住紳一郎『THE TIME,』仙台セリ農家中継と芹ゆうこを語る 安住紳一郎の日曜天国

安住紳一郎さんが2023年1月29日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中で『THE TIME,』「出張!安住がいく」の仙台生中継についてトーク。セリ農家からの中継や、番組終了直前に登場した謎のフリーアナウンサー・芹ゆう子さんについて話していました。

(安住紳一郎)仙台市内から南側の名取市というところの下余田というところで営農してるセリ農家の三浦さんっていうお宅に車で、ハイエースで移動していたんですけど。たぶん7キロくらいだってドライバーさん、おっしゃってたんで。25分くらいで普段だと行けるところなんですが。ところがそこがほら、アイスバンだから。そんなに早く進まないし、渋滞していて70分から75分ぐらいかかるんじゃないかっていう見積もりが出て。

そうしたら、中継の時間にタイミングが間に合わないから。まあ、こちら側の都合だけどね。そんな時に勝手に行ってるわけだから。で、私は間に合わないかもしれないんだけれども、次のその三浦さんのセリの田んぼにカメラと中継システムは別チームが現場に入ってるんで。私だけが間に合わずに、でも映像と三浦さんや地元・東北放送の後藤アナウンサーがいらっしゃるから。自分だけがいなくても成立するんじゃないかなっていうことで、前の日に「なにかトラブルになったら、こうしよう」っていうことを決めたんですね。

で、「架空のリポーターを作ろう」ということになって。これ、妙案だと思いましたね。うちわみたいなボードに女性の絵を書いて。緑色の和服を着て、お団子ヘアにして眼鏡かけてっていうちょっと、定年を間近に迎えた厳しい宗教の女性の先生みたいな、そういうようなイメージで書いたんですけども。「この人がリポーターです。セリのリポートをするから『芹ゆう子』っていう名前にしてね。

(中澤有美子)そうでしたね(笑)。

(安住紳一郎)これがね、若いスタッフに伝わらなくてさ。私たちはもう、すぐにポピュラーソング歌手の芹洋子さん。「春を愛する人は♪」の『四季の歌』の芹洋子さんのオマージュで芹ゆう子さんだって言ってるのに、それは全く通じなくて。「芹ゆう子さんですか」なんて。「ええっ、芹洋子さん、知らないの? それは俺、許さないわ!」なんて思ったんだけどね。「許さないわ」っていうのもちょっと語弊があるかな? 「ええっ? 芹洋子を知らない?」って。まあ、繰り返しになっちゃってるけどね。ジェネレーションギャップも感じながらですけどね。

で、人形劇みたいにカメラの下からちょっとその芹ゆう子さんが出てね。古典的な手法だけども。昔はねよくやってましたよね。『まんがはじめて物語』とか『ハッチポッチステーション』とかさ。人形が出てきて話す。で、声だけ私が離れてても、車の中から電話でも何でも、できるからっていうことで。「じゃあ、それでやろう」っていう風になって。

で、結局三浦さんの畑のところは私が間に合ったんですよね。で、最後の番組エンディング3分ぐらいのところかな? だけが間に合わなくて、芹ゆう子さんにお願いするっていうことになったんですけどね。

(中澤有美子)そういうことだったんですね!

(安住紳一郎)で、そうしましたらですよ……ちょっと話が長くなって、ごめんなさい。もうすごく面白かったんで。私は。すいません。ちょっと聞いてる皆さんにとって、面白いかどうかはわかんないですけど。で、オンエア前の打ち合わせで、「番組の最後の安住の中継で安住が間に合わなかったら、フリーアナウンサーの芹ゆう子さんが代わりにリポートします」っていう連絡と資料を入れたんですよね。東京の赤坂に。

そうしましたら、東京のスタジオの担当が江藤愛アナウンサーですよ。皆さんの大好きなね。江藤さんですよ。で、彼女は仕事が丁寧。もうね、本当に近くで見たら驚くと思いますよ。ダラダラしてる学生なんか見たら、たぶんおしっこが出ちゃうと思う。

(中澤有美子)ああ、そんなに?

(安住紳一郎)もう、すごいから。オンエア前になんでもしっかり準備しておくから。もう本当にパーフェクトだから。もう本当に私も同僚だからね、あんまり持ち上げるのおかしいかもしれないけど。1人の仕事をする人間として、本当に立派で。「よくここまでできるな」と思う。他の人は絶対に真似できない。その完璧な江藤愛アナウンサーがやっぱり、本番前の打ち合わせで芹ゆう子さんに引っかかっちゃって。朝3時ぐらいなんだと思うんだけども。「芹ゆう子さんは……資料、ちょっといただけますか?」ってなっちゃって。

(中澤有美子)アハハハハハハハハッ!

(安住紳一郎)「芹ゆう子さん、ネットに載ってないですね。SNSとか、やってないんですか? リポーターさんで? フリーアナウンサーの芹ゆう子さん、どんな仕事をされてる方か、ちょっと知りたいです」ってことなっちゃったんだね。やっぱり事前に知っておきたいからね。江藤さんの仕事としては。

(中澤有美子)そうか。いつも、そこまでなさるんだ。

(安住紳一郎)そうそう。最高でしょう? かわいい、真面目、丁寧。信頼の品質。ねえ。「ロマン輝くエステールから、江藤愛」。ねえ。すごい!

(安住紳一郎)でもさ、ほら。こっちはさ、ノリで作った架空のアナウンサーだっていうことが言えなくてさ。で、俺は俺で人が本当に輪をかけてひどいからさ(笑)。「どんな人ですか?」「安住さんの知り合いみたいですよ」みたいなことになっているからさ。「なんか宮城でセリ専門のリポーターをやってるそうです」とか「意外に若く見えるけど、大正生まれっぽいですよ」とか、適当なことを言っていて(笑)。

(中澤有美子)悪い(笑)。

(安住紳一郎)悪いよね? 悪い。

(中澤有美子)だから、SNSにも載ってないと。

(安住紳一郎)なんかね、芹ゆう子さん……ごめんなさい。あの、この話、つまらないでしょう? どうかな? でね、もう一度、あの木曜日のオンエアもし、繰り返し見られる人がいるのだとしたら、繰り返し見てほしいですね。ワイプっていって右下に江藤愛アナウンサーの顔が小さく、小窓に映ってるんだけど。芹ゆう子さん。私が作ったふざけて作った勝手な架空のフリーアナウンサー、芹ゆう子さんが登場した瞬間、江藤愛アナウンサーがはっきり言ってるから。はっきりね、口がそうやって動いてた。「なんだ、これ?」って言っていた(笑)。

(中澤有美子)フフフ(笑)。

(安住紳一郎)「悪いことをしたな!」って思って(笑)。はっきり言ってた。

(中澤有美子)思っていたのと違ったんだ(笑)。

(安住紳一郎)もう、仏の江藤が「なんだ、これ?」って言っていたから。悪いことしたわ。

(中澤有美子)そんなことを言わせちゃって(笑)。

(安住紳一郎)悪いことをしたなと思いました。あ、どうだった? 俺はね、ものすごく……もうここ3年ぐらいで一番、楽しい出来事だったんだけど(笑)。ちょっと伝わったかな? どうかな?って思いましたね。芹ゆう子さんという架空の女性になりきって、紙芝居みたいなことをやったということなんですけどね。ボイスチェンジャーを使って、楽しかったんですけど。

(中澤有美子)そうか。遠隔でやっていたんだ。

仏の江藤愛が「なんだ、これ?」

(安住紳一郎)最近はVTuberとか。ほら、歌手のAdoさんなんかもそういうことになるんだろうとは……Adoさんは違うか? まあ見える部分はね、CGであったり、アニメであったり。で、声やその発言の内容だけが活動みたいな、そういう方がたくさん、最近はいますよね。覆面効果も手伝って、私もね、短い時間。2分半ぐらいだったと思いますけど、何か社会に見せている普段の自分とはちょっと違う部分を見せていいんだと思うと、なんかすごく饒舌になって。人間って怖いなと思いましたね。うん。すごい饒舌になっちゃって。で、なんかそのボイスチェンジャーを使って、帰りのハイエースの中も反省会に芹ゆう子さんが参加している体裁になっちゃって。

(中澤有美子)アハハハハハハハハッ!

(安住紳一郎)すごいなんかノリノリで。「あのね、ディレクター?」なんて。

(中澤有美子)「ああいう時はね……」なんて(笑)。

(安住紳一郎)「と思うんですよね」とか言ったりとかして。で、俺は俺でなんか「ああ、そうですか。芹さんから見たら、そういう風に思いました?」なんて言って。「いや、安住さんね……」なんて言って。「やっぱりみんなが理想とする社会ってのが、あるわけじゃない?」なんて言って。「ちゃんとそういうものが見せられた中継でしたか? と、申し上げたい」なんつって(笑)。すごいノリノリになっちゃって(笑)。

(中澤有美子)すごい! 1人歩き。

(安住紳一郎)1人歩きしちゃったけど。ねえ。最近はほら、なかなかね、ちょっと言い方は間違ってるかもしれないけれど。本音がね、あまり出さないっていうか、許されなくなっている傾向があるので。これからはそういう声だけ。全くの別人格になりきって、そういう主義主張をお話するっていうね、そういう可能性もあるな、なんて。真面目なことも考えてしまいました。

特にね、社会的な……もちろん、本当に人間としてダメだっていう場合はいけないですけども。なかなか社会に見せる面と本音の部分っていうのがなかなか出せない学校の先生とか、宗教系のお坊さんとかね、政治家とか。いろいろね、あると思うんですけど。なんかちょっとそういう、声だけ別人格でっていうので、そういうディスカッションとかすると、面白いんじゃないかな、なんて思いました。

(中澤有美子)そうですね。

(安住紳一郎)なんかさ、これも本当、こんなことは言っちゃいけないんだろうと思うけど。選挙の都合とかさ、党の決まりに縛られて。まあ保守系の政党から出ているけれども、実際自分の政治信条はもっとリベラルなんだみたいな政治家の人たちとかって、絶対にいると思うんですよね。もちろん、逆もいると思うし。そういう人たちが本音で語ったりとかすると、面白いだろうななんて思っちゃって。

で、私もねほら、相当破れかぶれな方ですけれども。それでも一応、リスナーの皆さんや視聴者の皆さんに見せてる顔と本当の自分とは全く違うっていうところがあって。その狭間で見せているノンフィクションショーみたいなところなんだけど。なんかちょっと、うん。カタカナでごまかしてるんだけど(笑)。なんかさ、ほら? あるでしょう? どうなるのかなとか、思ったりして。でもなんか、可能性は感じない? 皆さんも。

(中澤有美子)そうですね。「この手があったか」って。

(安住紳一郎)うん。という風に思いましたね。なので私も早速、ローランドっていうあの電子楽器メーカー、あるでしょう? キーボードとかを出している。ローランドから出ているボイスチェンジャー、VT-4っていうのをね、買おうとしている。

(中澤有美子)フフフ(笑)。ああ、そう? はー!

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(安住紳一郎)あとね、なんか自分自身も「芹ゆう子さんにもう一度、会いたい」って気持ちになってるんだよね。

(中澤有美子)なるほどね!

「芹ゆう子さんにもう一度、会いたい」

(安住紳一郎)なんかさ、ほら。やっぱり自分と近いものを持っていて。で、自分じゃないことを言ってるから。なんか芹ゆう子さんっていう人に自分の仕事を見てもらいたいみたいな気持ちがあって。で、そういうことを芹さんははっきり言うから。と思ったりとかして。「あれ? おかしいな?」と思って。「これ、もう少し思考が深くなったら、カウンセリングを受けなきゃな……」とか思ったりとかして。「でも、とりあえず芹さんに会ってみようかな」なんて。

(中澤有美子)芹さんが何を言うのか。

(安住紳一郎)芹さんが何を言うかね。ごめんなさい。本当、ちょっと思いました。あと、一番大事な話を忘れてた。セリ。宮城県香取市でセリを作っている三浦さん。三浦隆弘さんっていう方なんですが。素晴らしい方でしたね。本当に。ああいう方がいらっしゃるんだなと思って。

(中澤有美子)ああ、そうですか。

(安住紳一郎)本当にね、努力の人。農聖っていう感じだろうね。もう聖人に見えたね。「自分で作ったセリを誰がどうやってどう食べるかまで、きちんと自分は責任を持ちたい」って言ってね。本当に全国の料理人とか食通の人たちが「あのセリはちょっと違う」って言って、みんな買い求めに来るぐらいのセリなんだけれども。「自分の責任の範囲内で作りたいから」って、30アールっていうね、サッカーコート半分くらいなんですけども。30アールしか、作らない。全部、自分の手でやっている。それで根までしっかり食べられて、本当に……まあ泥がサラサラっていうのもおかしいけど。本当にもう、ちょっと振るともう下に落ちるような柔らかい泥の中で作っていて。本当にね、根が美味しいんですよね。

(中澤有美子)ああ、そうですか。

(安住紳一郎)あのね、ちょっと朝鮮人参のひげみたいな感じになっている根なんですけどね。もう本当に、細い糸のような、ごぼうのような、そういう食感なんですけどね。甘みも。そして根っ子らしい滋味深さみたいなのもあってね。本当に初めていただきました。あんなセリは。で、セリっていうのは元々、野草なんで。普通はほら、葉物野菜だと冬は雪とか霜がおりると全部ダメになっちゃうでしょう? でも元々セリは野草なんで、雪とか霜とか降っても全く問題ないっていう、たくましさで。で、苗の時ぐらいにはもう、人間がわざと踏みつけてやるんですって。

(中澤有美子)そうですね。言ってましたね。

(安住紳一郎)ねえ。雑草魂だね。やっぱりね。そして、自分の背丈よりもちょっと多いくらいの水を入れてやると、もうその水を超えてやろうって。グッと、お互いに競り合って出てくるんですって。その生命力をね、ちょっと自分の体の中に取り入れるっていうのも、いいじゃないですか。

(中澤有美子)そうですね!

(安住紳一郎)そして、何より美味しかったですね。ぜひ仙台に……なかなか三浦さんのセリは食べられないそうですけどもね。いろいろお店とか、三浦さんのセリを使った料理を出してるところもあるそうなので。ぜひ探してみて、行ってみられるのはいいのではないでしょうか。美味しかったなー。またね、食べたいなとは思います。

(中澤有美子)そうですね。うらやましいと思いました。

(安住紳一郎)今日のメッセージテーマはこちらです。「これは悪いことしたな」という話。今日は久しぶりにメッセージテーマに沿った話ができて。すごく今、自己肯定感にあふれています。

(中澤有美子)そうですか(笑)。

(安住紳一郎)本来はこういうスタンスだったんですよね。毎度毎度、こういうメッセージテーマに沿った話をするということでしたけども。どんどんどんどんとね、自己顕示欲がちょっとずれ始めましてですね。もっともっと違う話をするっていうことなっちゃって。ねえ。申し訳ない。

(中略)

(安住紳一郎)江藤愛さんは仕事が大変丁寧なので。今日、私がこの話をラジオでさせていただきますという連絡は事前にさせていただきました(笑)。

(中澤有美子)じゃあ、きっと聞いていらっしゃいますね(笑)。

(安住紳一郎)みんなが心配するからね(笑)。

<書き起こしおわり>

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