菊地成孔 今、一番気になる若手ミュージシャンを語る

菊地成孔 今、一番気になる若手ミュージシャンを語る α-STATION

菊地成孔さんが2022年11月8日放送のα-STATION SPECIAL PROGRAM『Lunar Eclipse Vibes』の中で今、一番気になる若手ミュージシャンについて話していました。

(菊地成孔)次に私が今、気になってる若手ミュージシャンを……若手ミュージシャンはいっぱいいます。気になっているミュージシャンもいますし。リスナーとしてただただ聞いてるだけのミュージシャンも、あとはこの業界におりますとジャズと言わず、ジャズ周辺の若いプレイヤーもいますよね。若い人はもうね、4、50代だとなんか男の4、50代は説教盛りで。「若い奴ら、なっとらん!」とか「最近の若いやつらは!」とか言ったりするらしいですね。本当にこれ、嘘じゃないですけど。僕は1回もそれ、やったことないですよ。後輩に説教というのは。恐れ多くて。

僕なんかもうバブル世代ですから、チャラチャラチャラチャラやっているうちにここまで来ちゃったんで。そんな、若くして一生懸命、不景気の時代に練習した子たちにそんな、説教するなんてね。メシや酒は奢りたいだけ奢りますけども、説教はしたことがない上に、さらにもう還暦の声を聞き始めるとですね、もう本当になんというか、「もう彼らがいるなら別に俺がやることは何もないな」っていう気分にさせてくれる、本当に非常に健全な「世代が回っていく」ってことをね、牽引してくれる。回してくれるで。もう何の文句もないですね。

若い人……「最近の若いミュージシャンは……」とか、なんかいろいろ言う人もいるんですよ。デジタライズが進んじゃっていますから、それがどうしたこうしたって言いますけど。もうそんなの、いつでも、どんな時代でも若い人の才能が明日を作るわけなんで。未来を作るわけなんで。まあ、どのジャンルのどんな若手の方にも、何の文句もないですね。

どのジャンルのどんな若手の方にも何の文句もない

(菊地成孔)とはいえ、これでは1曲紹介する話に全然ならないんで(笑)。あの、ある程度やはりこの仕事をやってますと、僕程度のステータスでも、「うわあ、菊地さん!」とかってなって関係しちゃったり……(笑)。「関係しちゃったり」っていうのは、ただの音楽の話ですけどね。その、気軽にできないっていうようなのも、まああるんですよ。なので、とはいえ、今、たくさんミュージシャンっているでしょう? 昭和と比べたら、たぶん1000倍ぐらいいるんじゃないですかね? もう目に見えて1000倍、いますよね。

だからもう好きで、ブラインドでファンになり放題っていうかね。YouTubeを僕、よく使うんで。YouTubeで若いミュージシャンの音楽を……世界中のを聞いて。「いやー、素晴らしいな。若い人って、いいな!」って思いながら聞いてますね。その中で「一番は誰?」って言われたら「難しいですよ」っていう人もいるかもしれませんが。僕にとっては難しくありません。ぷにぷに電機です。ぷにぷに電機っていう言葉を聞くと……これ、バンド名なんですけども。なんと、女性がやってるユニットなんですが。

ある程度より世代が上の方は明和電機みたいな感じでね。「どうせテクノだろ?」とか思ったりする方もいるかもしれませんけど(笑)。ぷにぷに電機はなんとR&Bでですね、本当に素晴らしいです。ぷにぷに電機×Kan Sano『ずるくない?』。

ぷにぷに電機×Kan Sano『ずるくない?』

<書き起こしおわり>

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