菊地成孔さんがTBSラジオ『粋な夜電波』の中で、安倍政権の政策『アベノミクス 新三本の矢』について話していました。
(菊地成孔)びっくりしましたよね。新三本の矢が今度は準備されているのでしょうか。まあ、いま一生懸命サブがね、検索してますけど。まあ、なかったらなかったでいいですよ(笑)。ただ、あっ、いまね、矢島くん。数少ないスタッフ。っていうか戸波ディレクター以外唯一のスタッフが・・・出た!『アベノミクス 新三本の矢を放つ』(笑)。こんな、カンラカラカラ高笑いしちゃいけないですけど(笑)。
『そもそも旧三本の矢とは・・・』。なんか、いろいろなってますね。私、こういう社会派が苦手なんで。もう嫌々一冊本を書いたんですよね。それ、いま売ってるんですけど。本の宣伝ですいませんね。『時事ネタ嫌い』って言う本が文庫版になって、安くなってますんで。私がぜんぜん社会時事にリテラシーが低いまま書いた本なんですよね。
イースト・プレス (2015-09-10)
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で、そんな中でとにかく、我らがプライムミニスターが言ってる三本の矢っていうたとえは故事と違うんじゃないか?っていうのをずーっとしつこく言い続けてるんですね。
三本の矢の故事との違い
だって『あれ、一本一本は・・・兄弟三人に仲良くしなさいって、簡単に言うとそういう話ですから。第一の矢、第二の矢とかいうのはおかしい』って言い続けたら、とうとうね、メールをいただきまして。『菊地さん、お話は大変面白いんですが、安倍首相も一本ずつ射るとは言ってはいません。アベノミクスという・・・』。ノミクスっていうのはレーガノミクスから来てますけども。リーガノミクスですけどね。もうちょっと発音を正しく言うと。いわゆる、レーガンの頃に。ノミクスっていうのは経済政策ッて言うことですから。レーガン型経済政策。
で、安倍型経済政策でアベノミクスなわけでしょ?まあ、それはいいとして。『そこでは三本の矢が同時に、並走してるんだ。経済政策として』って。ああ、そうか!と思って。俺、長い間ずーっと我が国の首相のことを誤解してたな。悪いことしてた。取り消さなきゃと思って。一本ずつ行くんじゃないんだ。ただ、名前として第一の矢、第二の矢、第三の矢って言ってんだな。ああ、これはしまった!と思って。一本ずつ射るんだと思っちゃいましたからね。
まあ、それにしても首相、言葉、説明不足ですよ・・・とは思いましたけども。まあまあまあ、そうなんだというご指摘を受けて。それで、慣れぬことなんですけど、首相官邸ホームページっていうのがあるんですよ。まあ、いま、まさにそこを開いていただきたいところなんですけど。抱腹絶倒ですよ。あの・・・(笑)。首相官邸ホームページ。かわいい絵によって、イラストによって、安倍晋三さんの政策が説明されてんの。
首相官邸ホームページの詳しい説明
アベノミクス「3本の矢」 | 首相官邸ホームページ http://t.co/wSKMZmqiiG
フリップに続き、このイラストの酷さよ…。いまどきスーパーマンて。。 pic.twitter.com/ZLhoUL6L5z
— 橋爪勇介 (@prof_butterfly) 2015, 9月 25
ほんで、あの・・・(笑)。私、反省したばっかりじゃないですか。一本ずつ射るんじゃない。三本の矢はあるんだけど、これは同時に進めるんだから。元々の毛利元就・・・あんな面白いもんがあるんだったらインターネットももっと見なきゃなっていうぐらい面白いですよ(笑)。あの、そしたらそこに、『アベノミクス第一の矢、第二の矢はすでに放たれました』ってはっきり書いてあって(笑)。
[リンク]首相官邸ホームページ アベノミクス「三本の矢」
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/seichosenryaku/sanbonnoya.html
嘘じゃん!っていう(笑)。メールくれた人、ちゃんと紳士的なセリフで訂正なんかされるとつい信じこんじゃう。いい人間ですからね。私(笑)。なんだろうな?びっくりしました。はっきり書いてあるの。、『アベノミクス第一の矢、そして第二の矢はすでに放たれています』。やっぱり一本ずつ射つんじゃねーか!と思って。で、第三の矢について調べたんですけど、どこにも第三の矢のことが書いてなくて。誰も知らねえんじゃねえか?第三の矢のことは?っていうようなことが・・・私が読み足りないのかもしれないですけどね。
いずれにせよ、首相官邸ホームページはね、めっちゃめちゃ面白いんで。首相官邸ホームページだけいま開いて、目の前に置いて、1時間しゃべる自信がありますけど。まあ、そんなことやったら完全な社会派番組になるんで絶対にやりませんけども。そんなこんなしてゲラゲラ笑ってる間に、新三本の矢っての、ヤバいっすね。続三本の矢なら良かったんじゃないか?って気もするんですけどね(笑)。あのね、勝新太郎さんの有名な映画で『悪名』っていう映画があるんですよね。
で、『続悪名』ができたんですよ。好評につき。それでね、とにかくなにが言いたいか?っていうと、『続悪名』でもう終わる予定が、まだ作りたくなっちゃったんで。次に出たのが『新悪名』っていうのが出たんですよね(笑)。そんで、まだ作りたくなっちゃって。『座頭市』みたいにずーっとやりたくなっちゃったんで。結果としてね、『続新悪名』っていうのが出たっていう。まあ、このシリーズ化に関する言葉遣いで、まあ日本でいちばんオリジナリティーがある言葉遣いとして有名ですけどね。『続新悪名』ね。
三本の矢もその調子で行っていただけるとね、いいんじゃないかな?という。安倍先生もね。いろんな面白い言葉を考えつく先生ですから。はい。
<書き起こしおわり>