町山智浩 フロリダ州知事ロン・デサンティスを語る

町山智浩 フロリダ州知事ロン・デサンティスを語る たまむすび

町山智浩さんが2022年10月4日放送のTBSラジオ『たまむすび』の中でフロリダ取材の模様を紹介。共和党の大統領候補として挙げられているフロリダ州知事のロン・デサンティス氏について話していました。

(赤江珠緒)今日は町山さん、出張先のフロリダ州マイアミからのご出演です。もしもし、町山さん?

(町山智浩)はい、町山です。よろしくお願いします。

(赤江珠緒)そちら、いかがかしら? そもそも今回、出張の目的は何で行かれたんですか?

(町山智浩)今度、アメリカは11月にですね、中間選挙なんでその取材なんですけども。フロリダが今、今度の選挙でものすごく注目されててですね。ここで州知事の選挙をするんですね。フロリダの州知事がロン・デサンティスという人なんですけども。この人が2年後の2024年の大統領選挙で共和党の候補になるだろうと言われてるんですよ。

(山里亮太)ほう。

2024年の大統領選挙で共和党の候補に?

(町山智浩)というのは共和党、実はこのフロリダにですね、ドナルド・トランプ前大統領も住んでまして。彼もまた、大統領選に出そうだって言われてるんですね。

(赤江珠緒)ああ、トランプさんがまた出る?

(町山智浩)まあ、出る気をチラチラ見せているわけですけども。で、フロリダの州知事も出て。共和党の大統領候補争いをフロリダに住んでる2人がするっていうことになってるんですよ。まあ、そうなりそうなんですね。だからそれを取材しに来たんですけれども。今日は昼間、トランプ前大統領のフロリダの別荘がマール・ア・ラゴっていうところにあるんですけど。そこに行ってきましたよ。すごいお城です。で、あんまり近づけないんで、船の方から見たりもしてたんですけどもね。

で、このロン・デサンティスさんっていう人は非常に問題発言とか、問題を起こしてる人で。先日もですね、テキサスに入ったベネズエラからの難民をですね、なぜか彼がお金を出して。自分の州のお金を使って、飛行機に乗せて、はるか遠くの北の端のマサチューセッツにあるマーサズ・ヴィニヤードっていう大金持ちだけが住んでる別荘地みたいなところがあるんですけど。そこにベネチアからテキサスに入った難民50人を送りつけるっていうことをして。これ、アメリカ中の人が「なんでフロリダの州知事がそんなバカなことをするんだ?」って思うじゃないですかね。

で、すごく問題になっていることをしたのがこの州知事のロン・デサンティスっていう人なんですが。なぜ、そんなことをしたかっていうと、「難民がアメリカにどんどん入ってくるんだけれども、それをバイデン大統領はほっておいてるじゃないか。南部の、南の方の州は難民が入ってくるので苦労してるのに、北の方の人たちはそれに何も気にしてないだろう? 難民が入ってくることのつらさを知れ!」っていうことで、その50人を飛行機で送りつけたんですよ。

(赤江珠緒)いや、ちょっとその時、その意図は……。

(山里亮太)すごいな。

(町山智浩)完全な政治的なパフォーマンスなんですね。で、そういうわけのわかんない反移民的なことをやってるんで問題になってるんですけども。逆に、その保守的な人たちからは非常に過激なことをすればするほど、支持率が上がるという。

(山里亮太)すごいですね。そのトランプさんとロン・デサンティスさんが候補って……。

ドナルド・トランプとロン・デサンティス

(町山智浩)そうなんですよ。2人とも非常に反移民だったり、反LGBTだったりするところを逆に売りにして。過激にすればするほど、保守的な人たちの票を集めるという政治的なパフォーマンスをしてて。その2人がですね、このフロリダで争うということなんで、これは取材しに来なければということで来たんですね。はい。で、このデサンティスという人はですね、特にそのLGBT……ゲイの人たちに対する差別的な州法を作ったりして、非常に嫌われてたりするんですけれども。

で、このデサンティス体制というか、共和党がかなり、トランプさんがこっちに引っ越してからものすごくフロリダで強くなってるんで。なんとかそれと戦おうとしてですね、民主党側の人たちが選挙のために……これから、あと1ヶ月ぐらいしかないんですけども。「戦おう!」っていう感じで集会をするっていうので、その集会場所に行ったんですけれども。行ったら、どうも集会場所があるようなところじゃなくて。なんていうか、マンションやアパートが並んでいる住宅地なんですよ。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)で、住宅地の真ん中に突然1個だけ、ネオンがキラキラ輝いてる建物があって。「なんだろう?」と思ったら、ゲイホテルなんですよ。そのホテルひとつが完全にゲイの人たちが来て、泊まってラブラブができるところなんですね。で、下がゲイバーになっていて……っていうところで。いっぱい、非常にムキムキの美しい男性のポスターとか写真が貼ってあるようなホテルがですね、ゲイダリングっていう名前なんですけども。それが住宅地のど真ん中にあるんですよ。

(赤江珠緒)ふーん!

(町山智浩)これ、たぶん日本でやったら、他の街とかでも住民が反対して大変なことになるようなところなんですね。その、ゲイホテルの下のゲイバーで、民主党の議員の人たちが「これから討ち入りだ!」っていうことで集会をしてるという、すごい状況だったですよ。

(赤江珠緒)やっぱりゲイの方たちは共和党ではなく、民主党支持っていうことなんですね?

(町山智浩)まあ、それはこのデサンティスさんが非常にゲイの人を弾圧するような州法を次々と作ってやってるんで、そうなってきたっていうところなんですね。でね、やっぱりすごく真面目に「今度の選挙では……」っていうこととかをいろいろ、スピーチとかするんですけど。やってるところがゲイバーの中なので、そういう風に言ってる横に、なんていうか、まあちんちんのディスプレイとかがあるわけですよ。だからすごく奇妙な……。

(赤江珠緒)政治集会をするには珍しい場所ですね。

(町山智浩)珍しい場所なんですね。だから、非常に……これはテレビの取材で行ったんだけど。僕がBS朝日でやってるね、『町山智浩のアメリカの今を知るTV』で。画として、すごく不思議なものになったですけどもね。非常に真面目な政治集会だったんですけども、裸の男性の非常にムキムキの美しい姿の写真が真横にあったりするわけですよ。でね、今日はちょうど、先週アメリカで公開されたゲイのロマンティックコメディの話をしたかったんで。これはちょうどいいなと思ってるんですけれども。今日、ご紹介する映画は『ブロス(Bros)』というタイトルのロマンティックコメディなんですね。

<書き起こしおわり>

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