インパルス板倉と佐久間宣行 ロバート秋山を語る

インパルス板倉と佐久間宣行 ロバート秋山を語る 佐久間宣行のオールナイトニッポン0

インパルス板倉さんが2021年12月15日放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』にゲスト出演。佐久間宣行さんとロバート秋山さんについて話していました。

(佐久間宣行)昔の話に行くとさ、NSCに入って一番最初にロバートに入ったんだよね?

(板倉俊之)ええとね、その時は秋山と馬場で入ってきてたんですよ。で、秋山で「あ」でしょう? で、板倉で「い」で、もう近かったんですよ。体育座りする位置が。で、すぐに仲良くなって。「面白い」と思ってて。で、僕は1人で入ってて、2人でネタ見せやったんですよ。

(佐久間宣行)秋山と板倉で?

(板倉俊之)いや、竜次と馬場でやったんですよ。で、竜次は今と全く変わらないです。もう最初から完成されてて。

(佐久間宣行)えっ、恐ろしいね……。

最初から完成されていた

(板倉俊之)タクシーのおじさんの役でめっちゃ演技うまいんですよ。笑い方とか。で、面白いボケを言ってるんだけど、後部座席に座ってる馬場がすげえニコニコしてるから。「なに言ってるんですかー(笑)」っていう、なんかもう「かわいいな、こいつ!」って思うしかないやつ(笑)。

(佐久間宣行)あんなに強烈な運転手がいるのに?

(板倉俊之)なのに、かわいいんですよ。で、被害を受けてる感じがしないし。で、そこに俺、仲良かったし。「ちょっと2ボケにして、俺を突っ込みでやらせてくれないかな?」みたいになって。「えっ、全然! ちょっと、お願いしたいよ!」みたいな感じで。で、そこからもう秋山の家、6畳のところに3人で泊まったりとかしてネタを作ったりして。そんな風にやってたんですよ。で、まあ評判もよくて。結構在学中から7丁目劇場とか出させてもらったりしてて。ただね、ネタ見せの時に毎回、僕がダメ出しされるんですよ。毎回。

(佐久間宣行)どういうことを?

(板倉俊之)「声が小さい」とか。「突っ込みなのに声が小さい」って。でもそんなのね、今だったら関係ないじゃないですか?

(佐久間宣行)まあ、矢作さん以降ね、結構ね。

(板倉俊之)しかも「いや、ピンマイクあるんだろう?」とか思ってたし。

(佐久間宣行)フハハハハハハハハッ! 「お前に聞こえねえだけだよ?」っていう(笑)。

(板倉俊之)そう(笑)。「お前に聞こえねえだけだよ、ジジイ!」とか思いながら(笑)。で、その時に、ええとね、なんか「突っ込みがな、突っ込みがな……」って言われたんですよ。で、竜次としゃべってることを僕が一応、ノートに手書きして台本にして持っていって、それを合わせて固める。覚えるみたいなことをやってたんですけど。「俺、ちゃんと参加して書いてるのに、なんで俺ばっかり言われなきゃいけないんだ?」って。だんだんそれがもう、イライラして。

(佐久間宣行)ネタ作りまでしてて。まあまあ、一緒に作っているとはいえ。それで突っ込むまでやってるのに、自分だけ評価が低いってことでしょう?

(板倉俊之)そう。だから竜次が考えたことをどうにかストーリーにはめ込んでいくっていう作業をしていて。で、なんかだんだん腹が立ってきて。秋、冬とかで。で、冬ぐらいにはもう耐えられなくなって。「じゃあ、もうボケてやるよ!」と思って。「ちょっと竜次、ごめん。マジ、ごめん。もう、切れちゃった」っつって(笑)。

(佐久間宣行)フハハハハハハハハッ! 呼び出して?

(板倉俊之)「ごめん、もう無理だ、俺。ちょっともう、ボケるわ」っつって(笑)。

(佐久間宣行)「ごめん。もう突っ込みは無理だ。ボケるわ」って言って、じゃあ袂を分かとうっていう話になったの?

ロバートと袂を分かつ

(板倉俊之)そうです。で、その時ってまだ、自分たちがこんな売れるなんて思ってないし。ただその場の意地とか、目先のそいつに対して復讐してやるとか、そのぐらいのレベルだったから。で、抜けて。その時にね、ヒロシ(山本博)がね、結構いろんな人と組んでは別れ……ってしてたんですよ。

(佐久間宣行)まあ、わかる。ヒロシがしっくり来る人、あんまりいなそうだもんね?

(板倉俊之)そう。ちょっとエロい中3の先輩みたいな(笑)。で、よくみんなが集まる喫茶店があったんですよ。で、そこにヒロシと、当時はウチコシくんっていう子が組んでて。で、なんか次のネタ見せで一緒にネタ見せでやるからっていうんでネタ合わせしているところに僕が入っていって。「おう。ちょっと、解散することになったわ」って言ったらヒロシ、天然だから。「ええっ? こんなことしてる場合じゃねえじゃん!」っつって。ウチコシくん、「ええーっ!?」みたいな顔をして(笑)。

(佐久間宣行)フハハハハハハハハッ!

(板倉俊之)「こんなこと」って言われて(笑)。

(佐久間宣行)「こんなことしてる場合じゃない! えっ、ロバートに入れるじゃん?」ってこと?(笑)。

(板倉俊之)それでそこから……別に竜次と喧嘩したわけじゃないから。「ヒロシ、いいよね」みたいな話をしてて。で、僕は駅から家まで歩く間にヒロシに電話して。「ちょっと、突っ込みやらない?」って言ったんですよ。そしたらあいつ、麻雀を打ってる途中で。「えっ? 俺が突っ込みをやるなんて、考えもしなかったわ」って言ってて。それで竜次もたぶんヒロシを誘っていたんですよ。で、ヒロシが秋山を取ったんですよ。

(佐久間宣行)ええっ? 板倉と秋山の間でヒロシの取り合いがあったの?

(板倉俊之)そうです。

(佐久間宣行)ええっ! それは全然知らなかった。そう考えると、ヒロシ、すごいね!

(板倉俊之)そうそう。で、今でこそヒロシってああだけど、ヒロシが作るネタ、面白かったんですよ。養成所で。

(佐久間宣行)ああ、そうか。ヒロシのピンボケ、面白いもんね!

(板倉俊之)で、特に僕とすごい合うんですよ。漫画好きが作るセリフとかがポンポン出てくるようなネタだったから。でもまあ、あっちに行って。で、私はまあ、彼と……。

(佐久間宣行)ちょっと待って? ヴォルデモートじゃないから。名前、言えない人じゃないから(笑)。「彼」じゃないのよ(笑)。まあ、彼も同期なんでしょう?

(板倉俊之)彼も同期です。彼も……結構目立っていましたね。

(佐久間宣行)まあ、そりゃそうだよね。

(板倉俊之)だからヒロシの柔の剣と剛の剣が残っていて。で、堤下は組んでいたんですけども、誘って解散して僕と組んだっていう感じですね。

(佐久間宣行)すごいね。それで全員売れてるんだもんな。

(板倉俊之)いや、でもね、本当に秋山竜次という人間がいてくれてよかったなと思いますよ。

(佐久間宣行)それ、どういうこと?

(板倉俊之)あの、全部先にやられるんですよ。で、僕は自分から抜けた手前、「置いていかれたらダサい」っていうのをずっと思いながら食らいついていくっていう構図がずっと続いていて。だから『はねる』の前にネタ番組……。

(佐久間宣行)『新しい波』?

(板倉俊之)そうそう。『新しい波8』もロバートってすぐ、スッと受かったんですよ。で、すぐに。もう3回目とかに出て。

(佐久間宣行)ああ、覚えてるわ。めちゃくちゃウケてたもんね!

(板倉俊之)で、インパルスは全然受からず。で、僕もネタの作り方がブレてきたんですよ。「あれに受かるためのネタってどう作ればいいんだ?」って。

(佐久間宣行)ああ、そのオーディションごとのネタ作りになっちゃったっていう?

(板倉俊之)そうです、そうです。だから「フジテレビのスタッフに気に入られるネタを作ろう」という無意識に始めちゃっていて。で、そうするとだんだん笑いも薄くなっていって。で、「もういいや。あれ、出なくてもいいや」と思って、もう自由に作ったんですよ。そしたらまたウケるようになってきて。で、ネタ見せに行ったらそのネタがいいって言われて、滑り込めたんですけど。最後らへんだったんで。僕らは。

(佐久間宣行)でもそれってやっぱり、ロバートが先に受かっていて。「これ、何もかすらなかったらかっこ悪いな」っていう気持ちがどこかにあるっていうこと?

(板倉俊之)そうです。

(佐久間宣行)ああ、なるほどね!

(板倉俊之)もう全部……そうですね。全部、先に行かれて。追いついてはまた引き離されてっていうのがずっとで。

(佐久間宣行)なるほどね(笑)。

先に行かれて、追いついても引き離される

(板倉俊之)今もだから、あれですよね。『クリエイターズ・ファイル』も最初、始められた時には正直、「うわっ! 先にやられた!」って思ったんです。いろんなキャラをやって、ロケコントを作るって。だけど僕がやっていたとしたらたぶん、20回ぐらいで終わってたと思うんですよ。

(佐久間宣行)それはそれ演技力とかの問題?

(板倉俊之)いや、もうね、あの人は何だろう? 温泉みたいに湧いてくるから。

(佐久間宣行)まあね! わかる!

(板倉俊之)もうね、尽きないんですよ。僕の場合ってなんかね、変にこだわっちゃうところがあって。「もう前に作ったのを超えられないだったら、作る意味はない」とか言って、捨てちゃったりするんですよ。

(佐久間宣行)方法論から開発して、方法論がかぶったらもう捨てちゃうっていうタイプね。そういう人、いるよね。

(板倉俊之)だから……そうなんですよね。だからもう今、本当に引き離されちゃって。背中が見えないぐらいまで行かれちゃっているんですけども。

(佐久間宣行)そんなことはないよ(笑)。そんなことはないけども。まあでも、バケモンだよ。それは間違いない。

(板倉俊之)そうなんですよ。それで一瞬だけ……たぶん全国的にコンビ名が知れ渡ったのは、僕らがちょい早なんですよ。それは『エンタ』とかで。

(佐久間宣行)『エンタ』の時、異常なスケジュールだったもんね。

(板倉俊之)異常でしたね。その時に『内P』とか、いろいろ出しさせてもらっていて。で、その後に『はねる』がゴールデンに行ったとり……だから『はねる』の深夜、見てた人とかはもう「秋山が天才」っていうのは知ってるんですけど。お茶の間にまで行ってたか?っていうと。

(佐久間宣行)そうか。その頃は本当に若いお笑い好きだけか。

(板倉俊之)それで結局ね、『キングオブコント』で直接対決しても、敗北して(笑)。

(佐久間宣行)フハハハハハハハハッ!

(板倉俊之)ずっとなんか……ずっと親友であり、その彼の背中を追っているような。

(佐久間宣行)そうか。だって俺さ、板倉も秋山もこんなに仲いいのにさ、「竜次」って呼んでるのって初めてちゃんと聞いたかもしれない。

(板倉俊之)これね、竜次って僕、ずっと呼んでいて。で、ヒロシってヒロシじゃないですか。で、佐久間さんもヒロシって言うじゃないですか。で、秋山って結構いるじゃないですか。

(佐久間宣行)ああ、ハナコとか、アキナとか。

(板倉俊之)そう。だから竜次を浸透させていきたいんですよ、僕は(笑)。竜次の方が、よくないですか? みんなに竜次って言われて。

(佐久間宣行)先週さ、オークラさんが来て。オークラさんの本って要はさ、バナナマンとかおぎやはぎとかの世代が自分を見つけるまでの格闘の歴史じゃん? で、それってやっぱり俺は馴染みがある。でも今聞くとさ、俺はだって秋山と板倉のドラマも見たいよ(笑)。だってよく考えたら『キングオブコント』の決勝で……あんなバケモンと袂を分かってさ。そんなの、もう『はじめの一歩』みたいじゃん? すごいよ、本当に!

(板倉俊之)もう天性のハードパンチャーに「パンチが軽い」って言われてるやつが挑んで(笑)。

(佐久間宣行)フハハハハハハハハッ! そうか。階級が違うんだ(笑)。いや、すげえ話だよ。めちゃくちゃ面白いな!

<書き起こしおわり>

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