安住紳一郎 八甲田山と酸ヶ湯温泉の思い出を語る

安住紳一郎 八甲田山と酸ヶ湯温泉の思い出を語る 安住紳一郎の日曜天国

安住紳一郎さんが2021年11月28日放送のTBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』の中で八甲田山と酸ヶ湯温泉の思い出を話していました。

(安住紳一郎)ニュースなど見ますと北日本では季節外れの大雪で北海道・朱鞠内で98センチの積雪を記録。幌加内町というそば粉の名産地ですけども。朱鞠内で98センチ。それから青森県の酸ヶ湯ですね。青森県酸ヶ湯でも1メートル弱の積雪を記録しています。酸ヶ湯はね、本当に雪降りますからね。

(中澤有美子)そんなイメージがあります。

(安住紳一郎)私も1度、酸ヶ湯にお邪魔したことありますけれど。もともとね、豪雪中の豪雪地帯ですので。温泉場がもう、電気が途切れることを前提にしてお客さんを迎えてるんですよね。びっくりしましたけど。なので部屋に備えてある暖房器具が電気を使わなくても起動する、LPガスから燃料を引いているような。初めて見ましたけどね。昔ね、壁から出ているガス栓に水色とかオレンジ色のガスホースを繋げて起動するようなガスストーブ、ありましたけど。それがもう完全にLPガス。タンクのLPガスから引いているガスストーブでしたもんね。

電気ゼロになっても大丈夫ですよね。「へー!」と思って。もう既にそういう……完璧ですよね。「へー!」と思いましたけどね。ただ私はそこの酸ヶ湯温泉に行こうと思って、酸ヶ湯にたどり着いたわけじゃなくて。まだ15年ぐらい前ですか? お話ししましたけどね。岩手の方から少しなんか無頼漢を気取って。行き先を決めずにドライブに出たっていう時代がありましてね。お話、しませんでしたっけ?

(中澤有美子)ああ、八甲田山の?(笑)。

(安住紳一郎)そうです、そうです。

(中澤有美子)なんとなく覚えてる(笑)。

(安住紳一郎)八甲田山の方に行ってしまいましたね。あれは何だったんでしょうね? 若気の至りですけども。ええ。盛岡で冷麺を食べてから、盛岡でレンタカーを借りて。2日パックかなんかのレンタカーを借りて、まあ東北を周遊しようなんて言ってね、行ったんですよね。で、「カーナビなどに頼っている現代は軟弱だ!」なんて言ってね、自分の思うがままに車を動かしてたんですよね(笑)。八幡平の方に行って、もうテンションが上がってしまいましてね。「ああ、素晴らしい! まだまだ知らないことが多い!」なんて言ってね。

(中澤有美子)そうですよね。ワクワクしますよね。

カーナビに頼らず、思いのままに車を走らせる

(安住紳一郎)あの、カーナビに目的地を入れて目的に着くと、ただそれは目的地に着いたってだけなんですけどね。こう、カーナビゲーションに目的地などを入れずに車を走らせていると、行く先々で見るものが新鮮なんですよね。「ここ、何だろう?」とかね。「この美しい渓谷は何?」とか言ってね。いちいち、そして地図とか……まあ結局、カーナビを開いちゃったりするんですけども。「ここは、なに? ああ、奥入瀬渓谷? へー!」なんて思ったりとか。そうしているうちに、道に迷い始めちゃって。グルグルグルグルやってたら、八甲田山中に出ちゃったんですよ(笑)。

(中澤有美子)かの有名な(笑)。

(安住紳一郎)かの有名なね(笑)。それで日も暮れてきて少し、これはなんかちょっとマズいな。そろそろカーナビゲーションをつけなくては……」なんて思っていて、辿り着いたら八甲田山中雪中行軍の碑っていうのが出ちゃってね。「ああ、これは……古の時代、帝国軍人たちが演習中に迷った挙句、何百名もの死者を出した日本での雪中遭難。最も悲惨な遭難の事件の顛末じゃないか!」と思いまして、怖くなりましてね。大至急、文明の力を借りましてね、近くで宿泊っていうのを探しましたらですね、酸ヶ湯温泉を案内されましたんでね。酸ヶ湯温泉に宿をお借りしましたですね。

(中澤有美子)そうか。その距離感なんだ。

(安住紳一郎)懐かしいですね。そんな話をしましたよ。覚えてないですね? もう15年ぐらい前の話は堂々と「初めてだ」ということでお話してもいいかもしれませんね。

(中澤有美子)アハハハハハハハハッ! そう思いますね(笑)。すごく今、楽しくお聞きしましたよ。ええ。

(安住紳一郎)それで、あれですよ。酸ヶ湯温泉で宿を取っていただいてね。急に1人で行ったもんですから、靴を隠されてしまったりしたんですけども(笑)。そりゃそうだっていう話なんですけど。予定もなく、急に1人で赴くままにお邪魔してますなんて。

(中澤有美子)本当、本当。心配だわ(笑)。

(安住紳一郎)心配ですもんね。とてもいいお湯で、いいお宿だったんですけど。

(中澤有美子)靴を隠された(笑)。

(安住紳一郎)夜中、逃げ出さないように。まあ、いろいろ心配してくれたんだと思うんですけれど。そしたらほら、これも話しましたけど。私、着てたシャツをね、備えつけのロッカーというか、なんて言うんですか? そのお布団が入っているような戸袋の横にあるようなハンガーかけみたいなところに入れたんですよ。浴衣を着た時に自分の服をね。そしたら翌日、その服を出してみたらですよ、何か散弾銃で撃ち抜かれたような感じでシャツに破れ目が入っていて。

で、昨日が昨日でほら、八甲田山中の雪中行軍の碑なんか行って、ワーワー騒いだもんですから。なにかちょっと、そういうところでお怒りを買ったんじゃないかと思ってね、急に青ざめたんですよ。でもまさかね、そんなことないだろうと思って冷静に「どういうことだ?」って考えたら……「うーん、うーん」って考えたんですよ。そしたら、シャツのその破れ目のところをよく見ると、何か染みが入ってるんですよね。で、その染みのところをちょうどくり抜いたみたいな感じになってるわけですよ。

「どういうことだ? この赤いお醤油のような染みは、なんだ?」と思ったら、それは昨日、盛岡で食べた冷麺のツユを飛ばしているわけですよね。シャツに。で、その冷麺のツユを飛ばしてたところをネズミがかじってるっていうことの顛末のようなんですよね。どうです? どう受け止めていいか、わからない話ですよね?

(中澤有美子)いやいや、もう1回、背筋が寒くなりましたね。

(安住紳一郎)そうですか? まあ、それはなんですか? 私が冷麺のツユを飛ばしながら食べてるという、その独身の虚しさに背筋が寒いんですか?

(中澤有美子)違う、違う。うっすら覚えてるんだけど。でもやっぱり、そのボロボロだったシャツのことを想像すると「ああ、ゾゾゾゾゾッ」ってなりました。

シャツについた冷麺のツユをネズミにかじられる

(安住紳一郎)朝ね、さすがにちょっと私もね、「えっ、これどういうこと?」って思ってね。で、あんまりほら、服をネズミにかじられた経験もないから。

(中澤有美子)ないですよね(笑)。

(安住紳一郎)「これ、なんだ?」って思ったんですけどね。だから、私のシャツからもう、ちょっと乳首がちらちら見えてるみたいな感じになっちゃったら恥ずかしいからね。あんまり立ち止まることなく、スッススッスと動いて。

(中澤有美子)アハハハハハハハハッ!

(安住紳一郎)他所様に見られたら困りますんでね。立ち止まることなく。

(中澤有美子)移動して。お風呂など。

(安住紳一郎)そうです、そうです。お会計の時なんかもサイドステップを踏みながらね。ちょっとこう、右右、左左ってチラチラチラチラと。あんまり止まるとね、破れているところから私の体が見えるから。「すごい落ち着きのない人だな」みたいな感じで。「えっ、なんですか? はい、追加、ありません。冷蔵庫のものは取ってません」なんて。

(中澤有美子)「お気をつけてー!」って(笑)。

(安住紳一郎)「お気をつけて」みたいな。その通り。「やっぱり夜中に急に1人で来る人は変わってるな」と思われましたけどね。酸ヶ湯温泉、もう一度行ってみたい。千人風呂っていうね、とってもいいお風呂とね。まあ、やっぱり山なのでね、仕方ありませんよ。ネズミが出るって言ったってね、仕方ありませんけどね。

(中澤有美子)ねえ。それも含めてすごくエンターテイメントですね(笑)。

(安住紳一郎)そうですね。昨日、酸ヶ湯で1メートル弱の積雪を記録したというニュースを見て思ったことです。長いよね?

(中澤有美子)アハハハハハハハハッ!

(安住紳一郎)思ったことが長い。仕方ありませんね。

<書き起こしおわり>

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