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町山智浩『ワンダーウーマン 1984』を語る

町山智浩『ワンダーウーマン 1984』を語る たまむすび
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町山智浩さんが2020年12月22日放送のTBSラジオ『たまむすび』の中で映画『ワンダーウーマン 1984』を紹介していました。

(町山智浩)それで今日もね、クリスマス映画を2本、紹介します。1本はね、『ワンダーウーマン 1984』ですね。これもう先週から上映が始まってるんですけども。これは『ワンダーウーマン』の二作目なんですが、これクリスマス映画なんですよ。

(山里亮太)そうなんですか?

(町山智浩)そう。見て「あっ、クリスマス映画だ」と思ったんですけど。これね、1984年が舞台ですね。で、前作は1917年ぐらいの第一世界大戦の地獄の戦場と言われたヨーロッパ西部戦線での非常に厳しい物語だったんですけれども。ご覧になりましたか?

(赤江珠緒)見ていないです。

(山里亮太)『ワンダーウーマン』、見れてないんですよ。

(町山智浩)あ、『ワンダーウーマン』の一作目はぜひね、娘さんとかと見るといいと思いますよ。女性の戦いの映画なので。で、男たちが戦争をしてるところに女が「お前ら、何やってんだよ!」って詰めにかかるっていう話ですから。殺し合いをしてるところにね。「くだらねえことやってんじゃねえよ、バカ!」っていう感じで喝を入れるっていう話なんで。

町山智浩 映画『ワンダーウーマン』を語る
町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で全世界で大ヒット中の映画『ワンダーウーマン』について話していました。 (海保知里)さあ、町山さん。今日は? (町山智浩)今日は、3日前に公開されて、日本を除く全世界で大ヒット...

(町山智浩)で、その後、ワンダーウーマンは人間の世界で生き続けるんですけど。その激しい戦闘の中でスティーブという恋人を失ってしまって。初めて愛した人なんですけども。その後、60年ぐらい……1984年までずっとですね、「寂しいわ……もう誰も愛せないの」ってずっと60年ぐらい、やってたそうですよ。

(赤江珠緒)ええっ?

(町山智浩)ワンダーウーマン自身は人間じゃないので、歳は取ってないんですけど。ずっとその失った恋人スティーブのことを思いながら、非常に寂しく生きてきたわけですけども。これ、1984年の首都ワシントンに……彼女、博物館のキュレーターが仕事なんで、そこに仕事で行くんですけれども。その84年というのをこの パティ・ジェンキンス監督がなんで選んだのか? 僕、インタビューしたんですけども、彼女自身、その当時人気だったTVシリーズの『ワンダーウーマン』を見ていた頃だったらしいんですよ。

なぜ、1984年なのか?

(町山智浩)ただ、なぜ84年なのか?っていうと、戦争はなかったんだけれども、もっとひどいことがあったんだって監督は言うんですね。で、ひとつは経済がバブル経済で、ものすごくその欲望が暴走した時代だった。株ので取引がすごく自由化されたんで、株がもう投機の対象として暴走したんですよ。この頃。だから『ウォール街』という映画もありますけども。で、特にその時に出てきたのがドナルド・トランプなんですよ。ものすごくニューヨークの地価が上がって、そこで不動産で大儲けしたんですね、彼は。

で、今回の敵はマックス・ロードというビジネスマンなんですが。まあどう見てもドナルド・トランプなんですよ(笑)。1984年ごろのトランプさんですね。で、彼がもう石油投資で詐欺のようなことをして儲けてるんですけども。で、もうひとつ、すごく84年に恐ろしいことがあったというのは、実はアメリカとソ連が核ミサイルを持って戦争する寸前だったんですよ。

これはね、当時の……僕はもう働いてたんですけども。バイトですけどね。本当にいつ、核戦争が始まるか分からないっていう状況だったんですよ。レーガン大統領が「ソ連を核攻撃する」とか冗談で言ったりして。で、全世界が大パニックになったりとかしてた時代なんですよね。

だから、お金儲けの一方で非常に恐ろしいことが起こっている。そこでそのマックス・ロードというトランプさんそっくりの人がですね、ドリームストーンという古代の願い石を手に入れちゃうんですよ。これはまあ、よく雑誌の広告に載っている「この石であなたはモテモテ」とか。ああいうのにそっくりなんですが(笑)。

(赤江珠緒)フフフ、ありましたね(笑)。

(町山智浩)そっくりなんですけども。レディースコミックとかに載っている広告にね(笑)。

(山里亮太)浴槽に札束をいっぱい入れてね(笑)。

(町山智浩)そうそう。ただね、これが本物なんですよ。あの広告の通信販売のやつと違って。本当になんでも願いが叶っちゃうんですよ。それで。で、このマックス・ロードがとんでもない願いをかけていって。それで全世界の人の欲望を吸い込んで、大変な事態になっていくという話なんですね。ただ、そう聞くとこれ、おとぎ話ですよね。

(赤江珠緒)まあ、そうですよね。

(町山智浩)前作は非常に第一次世界大戦のリアルな戦場を描いてたんですけど、今回はおとぎ話タッチなんですよ。でね、具体的にはこれ、『クリスマス・キャロル』という話がありますよね。

(赤江珠緒)はいはい。すごい守銭奴が出てくる。

(町山智浩)そうそう。ものすごいケチでね、金儲けばっかり考えているスクルージという男が出てきて。それがまあ、いろんなひどい目にあって、本当に大切なものは一体何なのか? お金じゃないんだってことを知るという物語だったんですよね。それを84年のトランプそっくりの男でやってるんですよ、今回は。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)だから一種の『クリスマス・キャロル』なんですけど。ただ、もうひとつはその願いが叶う石にね、思わずワンダーウーマンも願いをかけちゃうんですよ。

(赤江珠緒)えっ? ワンダーウーマン側も?

(町山智浩)どうしても、ねえ……。

(山里亮太)ああ、なるほど!

(赤江珠緒)ああ、そうか! 願いをかけるとしたら、あれしか思いつかないですね。

(町山智浩)そう。絶対に手に入らないと思っていた、帰ってこないと思ったもののことを思わず考えちゃうんですよ。っていう話で、これはね、非常に有名なアメリカの怪談があるんですけれども。それが元になってるんですね。それはね、W・W・ジェイコブズという人が昔、書いた『猿の手』という有名な怪談があるんです。

(赤江珠緒)ああ、はいはい!

(町山智浩)これ、ご存知ですか?

(赤江珠緒)はい。3本の指の猿の手。願いを叶えてくれるっていう手があるっていう。

W・W・ジェイコブズ『猿の手』

(町山智浩)そうです。その猿の手のミイラの指を……3本、あるんですが。それを1本折るごとに願いをかけると、どんな願いも叶うんですよ。で、ある夫婦がその1本を折りながら、「ものすごい大金がほしい」って願うと、いきなりその大金が転がり込むわけですが……それは息子が事故死した保険金なんですよ。

(赤江珠緒)そうそう。ちょっと『笑ゥせぇるすまん』的なね、怖い事が起きたりね。代償があるっていうね。

(町山智浩)そう。願い事にはかならず代償があるっていうことなんですね。で、あと2本、指が残ってるんですけど。その夫婦がどうしても帰ってきてほしいものは、ひとつしかないですよね。

(赤江珠緒)息子ですよね。

(町山智浩)でも、死んだんですよ。って怖い話なんですよ。

(赤江珠緒)それで「帰ってきてほしい」って言ったら……みたいな。

(山里亮太)へっ?

(町山智浩)そう。怖い話なんですよ。で、これが今回の『ワンダーウーマン』の元になっていて。やっぱり願いの話にしてるのは、クリスマスってやっぱりお願いする時なんですよ。特にアメリカ人にとって。まあサンタさんがね、デパートとかにいるんですよ。で、そこに子供が行ってお膝に乗って。「クリスマスに何がほしい?」ってサンタさんが聞くんですね。そうして、子供が何か答えると、まあそのほしかったものをそのデパートで買わせるっていう昔からあるキャンペーンがありまして(笑)。メイシーズっていうデパートが始めたんですけども。それから100年ぐらい、アメリカではそういうのをやってるんですね。

(山里亮太)へー!

<書き起こしおわり>

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