ジェーン・スーさんが2020年12月2日放送のTOKYO FM『山崎怜奈の誰かに話したかったこと。』に出演。山崎怜奈さんと『女のお悩み動物園』について話していました。
✨誰かに聞きたかったこと。✨#ジェーン・スー さん(@janesu112)がTOKYO FMに降臨!
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— 山崎怜奈の誰かに話したかったこと。 (@darehanaTFM) December 2, 2020
(山崎怜奈)ということで、この時間はジェーン・スーさんをゲストにお迎えしています。引き続きよろしくお願いします。
(ジェーン・スー)お願いします。
(山崎怜奈)さあ、スーさん。先ほど、ちょっと曲の前に話したように愛すべき欠点を見つけてあげる力っていうのがすごく大きいなと思っていて。お母様のことをお話しされたインタビューを読ませていただいた時、「母はちゃんとした欠点があるところも含めてほぼ完璧な素晴らしい人だ」って仰っていて。欠点を認めるって、どうしたらできますか? たぶんできなくて苦しんでいる方は多いと思うんですよね。
(ジェーン・スー)うーん……自分の欠点を認めてからの方が私は人の欠点を認めやすくなりました。逆の人もいると思うんですよ。人の欠点を認められるようになったら……っていう人もいると思うんですけど。自分自身への期待値が下がって、適度に自尊感情を持てるようになったら、人の欠点も気にならなくなる。だから人のことをわいわい言いたくなる時期ってあると思うんですけど、それは自分に自信がないんですよね。
(山崎怜奈)うんうん。たしかにそうですね。やっぱり自分の身を守ってくれるものがなかったりするから、言葉を塗り重ねたりとか。自分と人との間の部分を言葉でバーッと埋めて、お城を築き上げて籠城する感じ。それで守られてる感じもするけど、それは意外と諸刃の剣だったりするっていう。
(ジェーン・スー)そうですね。っていうか、諸刃というよりも、自分のことを守れないじゃないのかな?
(山崎怜奈)ああ、本当はそれが壁になってなかったりする?
(ジェーン・スー)そうそう。ジャスト剣(つるぎ)だと思いますよ。
(山崎怜奈)「ジャスト剣」(笑)。たしかに! ジャスト剣ですね。そしてですね、私が最近救われたスーさんの著書で言いますと、新刊で発売されました『女のお悩み動物園』という小学館から出版された本ですが。Oggiで5年に渡る連載を1冊にまとめた本なんですよね。これ、女性のその特徴とかをいろんな動物に当てはめて表現されているじゃないですか。どういう経緯でこういう発想に至ったんですか? 動物に当てはめるっていう発想があんまりそれまでなかったから。「なるほど。なんか動物占いみたいだな」って思ったんですよ。
(ジェーン・スー)そうそうそう。なんかあるあるってもっと昔は楽しかったんですけど。最近、なんかちょっとだんだん難しくなってきていて。人の足を引っ張ったりとか、「いるよね、こういう女」みたいな悪口のきっかけになったりするから嫌だなと思っていて。なんかもっとハッピーなあるあるがやりたかったのと、あとは動物にたとえると牡牛座、乙女座みたいなもんで。ちょっと客観的になれるじゃないですか。
(山崎怜奈)ああ、そうか!
動物にたとえるちょっと客観的になれる
(ジェーン・スー)「あなたは根性がないタイプ」とか言われると「クッ!」ってなるけど。「ウサギさんは臆病で」って言われると、「わかる。私、ウサギさん!」とかなるじゃないですか。
(山崎怜奈)アハハハハハハハハッ! わかりますね(笑)。
(ジェーン・スー)そういう、ワンクッションを置くことで……。
(山崎怜奈)受け止められるみたいなところ、ありますね。
(ジェーン・スー)それで一番やりたかったのは、「悩み」ってみんな言うんですけど、実は悩みっていっぱい種類があって。「介護のことで兄とうまく行ってません」「でもそれってお兄さんとあなたの問題じゃなくて、行政の問題じゃない?」とか。
(山崎怜奈)社会の仕組みの問題だから……っていう。
(ジェーン・スー)そうそう。「こういうことをやっても同期の男の子たちに抜かされていってしまいます。私が力がないのはわかるけど、どうしたらいいですか?」「それ、本当に実力の問題? 会社にちゃんと性別による公平性はある?」とか。だから実は自分のせいじゃなくて、社会のせいだったりとか。あとはもっとヤバいのは「彼がこういう風にしてくれません。私は被害者」「いやいや、それは完全にわがままの部類ですけども?」っていうのとか。
(山崎怜奈)たしかに。ありますね。
(ジェーン・スー)その仕分けをするとだいぶ楽になるということがなんとなく分かってきたので。そのお手伝いができればなと思ったんです。
(山崎怜奈)それこそ、今回の番組本編のテーマは「これ、意味ありますか?」なんですけど。自分にとって意味があるものとないものを仕分ける時に、客観的な天からの視線を持つために、この『女のお悩み動物園』みたいな本が役に立つっていう。
(ジェーン・スー)そうですね。
(山崎怜奈)ちなみにスーさんご自身はどの動物のパターンだと思いましたか?
(ジェーン・スー)私は、ええとヤマアラシの時期もあったし。アヒルっていう、何でもガーガー文句言っていた時期から、ヤマアラシっていう正義で人をぶっ叩くような時期があり。そしてそこから反省したものの、今はトラで。トラは全部自分でやっちゃって、人に頼れない。それでギリギリにならないと「わあ! 助けて!」って言えないというところで今がトラなんで。目指すところは、まずヒョウ。ヒョウは……。
(山崎怜奈)「環境の変化にするりと慣れる。しなやかに生きていく」。私、今Kindleで全部読ませていただいたので。手元に電子版があるんですけども。
(ジェーン・スー)ありがとうございます。勝手にサインして送りますね。
(山崎怜奈)いいんですか!? なんなら、他の本にも! 押しつけがましいですけども(笑)。
(ジェーン・スー)っていうかね、危うい。山崎さん、本当になにが危ういって、NegiccoのKaedeちゃん以来の危うい……私の中のセンサーがすごいことに。
(山崎怜奈)「危うい」?
(ジェーン・スー)私に興味を持ってるアイドルは危うい。
(山崎怜奈)えっ、嘘?(笑)。
「私に興味を持ってるアイドルは危うい」(スー)
(ジェーン・スー)本当。もうKaedeちゃんと会った時のことを思い出すわ。Kaedeちゃんと会った方がいいよ。すごいたぶんハモると思う。
(山崎怜奈)ハモりますかね。ああ、よかった。でもなんか、ヒョウ……「頑張り屋さんで素直な性格」がイヌさんっていう風になっていて。たしかに。「役に立ちたい」みたいなのってありますよね。
(ジェーン・スー)山崎さんはどれですか?
(山崎怜奈)私は……なんだろう? なんだと思いますか?
(ジェーン・スー)フクロウさんになろうとしているんだろうなと思うんですけども。
(山崎怜奈)「フクロウさんになろうとしている」……フクロウさんは「冷静に状況を見極める。人の事情がある」。わかるぅ~!
(ジェーン・スー)アハハハハハハハハッ!
(山崎怜奈)あの、たぶんどこかで誰とでも「深いところまでは分かり合えない」という諦めみたいなのがある方っていると思うんですね。私じゃなくても。そういう人ほど、その冷静に人との距離を測って、誰ともくっつかないけど、誰とも味方にも敵にもならないよ、みたいなスタンスでいる方っていると思うんですよね。でも、そういう方って孤独を感じやすいんですよ。
(ジェーン・スー)フフフ、なんで全部、人の話みたいにして話すんですか?(笑)。完全に大所帯の人の話じゃないですか(笑)。
(山崎怜奈)でも、そういうメンタルが落ちてる時ほど、注意とか指摘になってしまうとちょっと、自分を否定されたような気がして。「はあ!」ってなっちゃうけど、そういう時の感謝とか愛情とかがセットになった優しい言葉は、思ってるよりずっと沁みていて。
(ジェーン・スー)で、そういう時はもしかしたらね、言葉じゃないかもしれない。カピバラさん。カピバラさん、読んで。カピバラさんとにかく、全然関係ない話とかしながら、そばにいるだけ。それでなんとなく、「ちょっと気持ちが軽くなってきたな」っていう風になれる存在。
(山崎怜奈)なるほど。じゃあ、「自分はカピバラさんなんだ」とか「ウサギさんだからちょっと繊細なんだ」っていう風に落ち着かせつつ、「次はじゃあヒョウさんになりたいな」とか「トラさんになりたいな」とか。自分で変身を……心の中で変身しつつ、この乱世を乗り越えていけたらと思います。
(ジェーン・スー)この乱世を乗り越えていきましょうよ(笑)。
<書き起こしおわり>