ジェーン・スーさんがTBSラジオ『久米宏ラジオなんですけど』に電話出演。久米宏さんと著書『今夜もカネで解決だ!』や大盤振る舞い、そしてケチ根性など経済観念について話していました。
(久米宏)先ほど、手放すことを身に着けた女性、稲垣えみ子さんのお話。いいお話を聞きました。お金が余っちゃっている。使い道がない。使うことがないっていうことでしたね。ここでまた、別のライフスタイルを提唱している女性論客にしてコラムニストの意見を聞いてみたいと思います。今日のメッセージテーマは「たまには大奮発。なのに残るケチ根性」なんですが、それにケンカを売るかのように『今夜もカネで解決だ!』と言い切っている女傑ですね。
(堀井美香)はい。
(久米宏)たしかにお尻は大きいです。女傑。最新号のAERAのコラムでは、バリ島で豪遊と散財をしまくっている様子がつぶさに書いてありました。電話したいと思います。女傑、ジェーン・スーさんです。こんにちは。
(ジェーン・スー)こんにちは。お金大好き、ジェーン・スーです。どうもー。
『今夜もカネで解決だ!』
(久米宏)(笑)。新しい本、いま手元にあるんですけど。女性版孤独のグルメ マッサージ編っていうすごい本なんですけども。前からマッサージ、通ってらっしゃいますよね?
(ジェーン・スー)好きでしたね。はい。そうですね。ずっと好きです。
(久米宏)これ、時々ちゃんと金額も書いてあるんですけど、やっぱり万を超える時もありますよね。
(ジェーン・スー)もちろんそうですよね。
(久米宏)それはやっぱり、お金には代えられない快感っていうか、得るものはあるんですか? マッサージを受けると。
(ジェーン・スー)そうですね。疲れて、人の手で癒してもらうっていう。あと、やっぱり下にも置かない扱いっていうのをお金で買うっていうことですね。それによって癒やされて、また使った分を稼ぐっていう。経済を回すっていうことをずっとやっているような自覚をしておりますけども。
(久米宏)お金の出入りが財布から激しすぎて、財布とお金の摩擦熱でお財布が燃えそうだっていう話も。
(ジェーン・スー)そうなんです。火が吹きそうです。もう、完全に。
(久米宏)(笑)。それと好対照な話をアフロヘアーの稲垣さんからお伺いしたばっかりなんですけども。
(堀井美香)そうそうそう(笑)。
(ジェーン・スー)同じ雑誌で連載をしているとは思えなくて。
(久米宏)お金の使い道がなくてね、余っちゃって困っているって稲垣さんは。
(ジェーン・スー)譲っていただいて結構なんですけどね。こちらに。
(堀井美香)「カネで解決しても面白くない」っておっしゃってました。
(ジェーン・スー)ええ。美香さん、こんにちは。
(堀井美香)ああ、こんにちは。
(ジェーン・スー)こんにちは。どうもお世話になっております。
(久米宏)昨日も会ったじゃないか。
(ジェーン・スー)そうなんですよ。
(久米宏)あの、稲垣さんが言うには、「お金じゃなくて工夫だ。生活の上で工夫をすれば……お金を使うよりも工夫でそれをしのいでいった方がはるかに面白い」っておっしゃっているんですが、あなたは「カネで解決だ!」なんですね?
(ジェーン・スー)カネで解決です。工夫をしている時間があったら、お金で解決できるところは解決したい。
(久米宏)工夫をする時間があったらね。
(ジェーン・スー)はい。そうなんですね。
(久米宏)節約とケチっていうのは違いますか?
(ジェーン・スー)そうですね。節約とケチは違うものだと思うんですけど……私がいまわからないのは、適正価格とケチの違いなんですよ。というのもこの間、バリに私、行ってまいりまして。8年ぶりの夏休みだったんですね。
(久米宏)8年ぶり?
適正価格とケチの違い
(ジェーン・スー)8年ぶりの長期休暇なんで、もちろん8年ぶりの軍資金をバーン!って入れて遊んできたわけですが……これ、タクシーがなかなかやっぱりバリは難しくて。ブルーバードタクシーっていうのがあるんですよ。これはかならずメーターがついている。で、青いんですよ。タクシーが全部。それに乗れば、適正価格でどこにでも連れて行ってもらえるんですが……まあ、バリの人はすごくたくましいんですね。ブルーバードタクシーが人気だとわかったら、タクシーが全部青くなっちゃったんですよ。
(久米宏)(笑)
(ジェーン・スー)バリ中のタクシーが全部青なんです。で、わかんないんです。止めるまで。で、止めると、いま一応1000ルピアが8円なんで、だいたい日本円にして500円で6万ルピアっていうすごい金額になるんですよ。
(久米宏)もう単位で驚いちゃいますよね。
(ジェーン・スー)そうなんです。で、「10万ルピアだ」って言われるんですけど……「行きは8万ルピアだったじゃない?」みたいなこともあるわけですよ。その差は150円ぐらいですよ。正直。でも、そこでその150円を多めに払うこと。本当はそこ、カネで解決すればいいわけじゃないですか。だけどどうしても、なんかこう、不利益を被らせられたような気になってしまって。
(久米宏)特に10万ルピアはこたえますよね。数字が。
(ジェーン・スー)かなり、その2万ルピアの差っていうのがね、私のお財布の中で、この2万を出すべきかどうか?っていうのを考えましたよね。
(久米宏)ただ、6万ルピアが500円なのにね。
(ジェーン・スー)はい。たかだか数百円なんですよ。だからそんな数百円なんて払えばいいじゃんって思うんですけど。自分で考えて、じゃあなんでお金を払うのかな?って思ったら、やっぱりそこには何かをやってもらったとか、工夫をしてくれた、作ってくれた、時間を割いてくれたってことに対する敬意も含めて、私はお金を払っていると思うんですよ。
(久米宏)うん。
(ジェーン・スー)だから、そこがないものに対して吹っかけられると、途端にケチになりますね。私は。
(久米宏)つまり、適正価格じゃないものに関してはケチになると。ちゃんとした対価があるものだったら、払ってもいいけど。
(ジェーン・スー)それは払わなきゃダメですよ。逆に。と、思いますね。
(久米宏)豪遊と散財は違いますか?
(ジェーン・スー)ほぼほぼイコールだと思います(笑)。
(久米宏)あの……あなたの愛しのお父様は豪遊と散財は両方経験した方ですか?
(ジェーン・スー)そうですね。あの、ブレーキのない車に乗っていたようなものなので。最後は崖から突っ込んで行きましたけども。
父親からの影響
(久米宏)稲垣さんはお母様の影響はあまり経済観念に関しては受けてないとおっしゃったんですが、ジェーン・スーさんはパパの影響っていうのは経済観念は……。
(ジェーン・スー)受けています。受けています。良くも悪くも受けていますね。良い意味ではやっぱり、「ケチるな」っていうのはすごく言われるんですよ。まあ、「ケチるな」の末が君だと思うとなかなか心配だなとも思うんですけども。父を見て。ただその、適正価格を払うということだったり、お世話になった人にちゃんとお金を使うとかっていうことに関しては、比較的厳しく言われてきたので。そこはあるんですけども。まあ、悪い見本としては、それをやりすぎると、身の丈に合わなくなっていって、身の丈どころか明日食べるものがなくなるぞっていう心配もあるので。蓄えも必要かなと思いますね。
(久米宏)自分で「ケチだな」と思う時、あります?
(ジェーン・スー)「ケチだな」と思う時は、そうですね。それこそ、バリでお土産とかを買っている時に、たくさんの人に買うじゃないですか。ラジオ番組のスタッフとかっていう時に、「うーん。これじゃなくて、こっちの小さいサイズでいいかな?」って、小さいサイズを選んでいる自分がケチだなと思いました(笑)。
(堀井美香)(笑)。でも、この人スタッフにいっぱいお土産買ってきますからね。大人数に。大盤振る舞いです。いつも。
(ジェーン・スー)いっぱい買ってくるのは楽しいんですけど、そこで「小さいサイズでいいかな?」っていう自分が嫌ですね。ちょっと、やっぱり。
(久米宏)それはね、持ち運びのことを考えたら、できるだけ小さい方がいいですよ。
(ジェーン・スー)っていうエクスキューズを使いました。私も、自分に。
(久米宏)貰った方もね、変にデカいものをもらうよりも、小さい方がありがたい時は多いんですよ。
(ジェーン・スー)そう言っていただけるとありがたいです。
(久米宏)堀井美香に関しては何か、アドバイスはありますか? 全然関係ないけど(笑)。
(ジェーン・スー)堀井さんはいま、完全にもう全戦全勝の力士みたいな感じなんで。このまま行っていただきたいですね。
(久米宏)全戦全勝の力士?
(ジェーン・スー)はい。15戦全部勝っているような力士なんで。ここでケガをしないように。
(久米宏)どこがですか、それ?
(ジェーン・スー)なんでしょうね? いちばん最初にお仕事をした『トップ5』の時は、こんなことなかったんですけど。最近、ちょっともう輝きが……もう神がかっているんですよね。「神ってる」ってやつですよ。
(久米宏)神ってるのか。
(ジェーン・スー)はい。
(久米宏)全然気がつかなかった(笑)。
(堀井美香)(笑)
(ジェーン・スー)久米さんの前ではね、出してないんですよ。
(久米宏)そうかー。
(ジェーン・スー)鬼のいぬ間にものすごい洗濯していますから。
(久米宏)ああ、そう? がんばってくださいね。金曜日、よく聞いてますから。
(ジェーン・スー)ありがとうございます。
(堀井美香)そうなんです。久米さん、聞いてくださっているんですよ。スーちゃん。真面目にやろう。もう、金曜日(笑)。
(ジェーン・スー)嘘つけ!(笑)。
(久米宏)がんばってくださいね。
(ジェーン・スー)ありがとうございます。
(久米宏)旦那さんによろしくお伝え下さい。あ、いなかった(笑)。
(ジェーン・スー)いないですよ(笑)。いませんけど!
(久米宏)ありがとうございました(笑)。
(ジェーン・スー)ありがとうございます(笑)。
(堀井美香)「いませんけど」って面白い(笑)。
<書き起こしおわり>