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町山智浩『町山智浩のシネマトーク 怖い映画』を語る

町山智浩『町山智浩のシネマトーク 怖い映画』を語る たまむすび
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町山智浩さんが2020年6月16日放送のTBSラジオ『たまむすび』の中で自身の著書『町山智浩のシネマトーク 怖い映画』を紹介していました。

(町山智浩)今日はですね、プレゼントがあります。新しい本が出ました。2週連続で新しい本が出ました。

(赤江珠緒)すごいペースですよ、町山さん。

(町山智浩)働いてますよ(笑)。ええと、『町山智浩のシネマトーク 怖い映画』という本が出まして。これ、スモール出版さんから出たんですけども。もう本屋さんに並んでると思います。これを5名の方にプレゼントしたいんですけど。

(町山智浩)内容はですね、僕がすごく好きな怖い映画をですね、それはなんで怖いのか? なんでこれが重要な映画とされているのか? みたいな話を9本の映画についてしているんですけど。たとえばですね、『カリガリ博士』っていう映画ご存知ですか?

(赤江珠緒)いや、ごめんなさい。『カリガリ博士』? ちょっと存じ上げないです。

(町山智浩)これはね、ほとんど世界最初のホラー映画。

(赤江珠緒)最初の?

(町山智浩)世界最初ですよ、ほとんど。これね、著作権が切れているんで、ネットで簡単に見れるんですけども。サイレント映画ですね。1920年の映画。だからぴったり100年前の映画。

世界最初のホラー映画『カリガリ博士』

(町山智浩)ただね、この映画を全然知らなくても見てみると「どこかで見たことがある映画だな」と誰でも思うと思うんですよ。というのはね、たとえばティム・バートンという監督がいますけど。『シザーハンズ』とか『バットマン』とか『ビートルジュース』、『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』などの映画を撮っている人ですね。これはもう誰でも、そのうちのどれかは見たことがあると思うんですけども。

(赤江珠緒)はい。

(町山智浩)それを見るとたいてい黒い服を着た人が真っ白なメイクをして目の周りを黒く塗っている、そういうキャラクターがかならず出てくるんですよね。それは『カリガリ博士』から来てるんですよ。

(山里亮太)へー!

(赤江珠緒)ええっ? あのジョニー・デップさんが『シザーハンズ』でやっていたような。あの感じ?

(町山智浩)そうそう。ああいうメイクとかあの動きであるとか、あと背景がですね、ティム・バートンの映画ってかならずその背景の建物とかがゆがんでるんですよ。ぐにゃぐにゃくにゃって。『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』とか、そうですよね。それはもともと『カリガリ博士』から始まってるんですよ。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)それで『カリガリ博士』という映画が100年前の映画であるにも関わらず今現在までずっといろんな映画に真似され続けていて。たとえばですね、『マトリックス』とかの原点でもあるんですよ。『インセプション』とか。そういったものも全部『カリガリ博士』の……まあネタバレになっちゃうんであんまり言えないんですが、その影響を受けていて。「ああ、ここから全てが始まったんだ!」っていうのがわかる映画なんですね。

(赤江珠緒)そんな昔のなのに影響を与えてるですね?

(町山智浩)100年前なんですよ。そういうことをね、ずっと書いていて。あと、最初のゾンビ映画っていうのがあるんですね。それはね、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』っていう映画で。これは1968年の映画なんですよ。で、ゾンビってゆっくりと死体が歩いてきて。で、人を食べて、それで頭を撃たないと倒せないっていう決まりがあるじゃないですか。それが最初に作られた映画が『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』っていう映画なんですよ。

(赤江珠緒)ほー!

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』

(町山智浩)それまではね、ゾンビってあったんだけど、怖くないものだったんですよ。ゾンビってね、不思議なことにね、「死体を蘇らせて働かせる」っていう伝説があって。あんまり怖くないんですよ。

(赤江珠緒)ええっ? そんな都合よくゾンビを使っていた?

(町山智浩)そうそう。元々ゾンビっていうのはそういうものだったらしいんですよ。カリブ海の方の話で。でもこの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』っていう映画から人を襲う怪物になっていったんですね。で、この『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』っていうのはその当時、1968年にものすごくヒットしたんですよ。それはどうしてか?っていうと、実はベトナム戦争があったからなんですよ。ベトナム戦争のニュースがアメリカのテレビでずっと放送されてたんですね。

(赤江珠緒)うんうん。

(町山智浩)その頃はアメリカ軍はテレビ記者とかを全部、ベトナムに入れちゃってたんですよ。

(赤江珠緒)戦場記者みたいに?

(町山智浩)そう。それで戦場の残虐な瞬間がお茶の間に放送されちゃったんですね。で、アメリカはそれ以降はやってないんですよ。ベトナム戦争で大失敗したから。だから湾岸戦争でもイラク戦争でも現場で爆撃されてグチャグチャになった人とか。アフガン戦争とかでも全然、映像が出てこないじゃないですか。あれはね、規制してるんですよ。それはベトナム戦争で記者を全部入れて見せちゃったもんで。それで反戦運動が起こったからなんですよ。

で、ベトナム戦争で一番すごかったのはその、直接的な残虐な映像を……人間の体が破壊されるのをテレビで、お茶の間で。日本でもですよ? 僕、子供の頃に覚えてるんですけど。日本テレビ放送してたんですよ。夜、日曜の深夜に。そういう異常な状況があったのでゾンビっていうのはまあ、グチャグチャな内容じゃないですか。あれが当時、非常に普通だったんですよ。テレビで見るとやってるものなんですよ。

(赤江珠緒)えっ、その現実とどこかリンクしてしまうところがあったんですか?

(町山智浩)そうなんですよ。そういう話をね、たくさん集めて1冊の本にしたのが『町山智浩のシネマトーク 怖い映画』っていう。怖い映画にはわけがある。どうして怖いのか?っていうと、その当時、なにが怖がられていたのかとかね。そういったことを論じていった本がこの『怖い映画』ですので。これをぜひ読んでいただきたいですが、リスナーの皆さん、5名様にプレゼントします。

(中略)

(山里亮太)もし、その映画を見ていても、これを読んでからもう1回見ると、最初に感じた怖さと違う怖さを感じたり、むしろ怖さが増したりするわけですよね?

(町山智浩)そうなんですよ。なんで怖かったかがわかんないのに怖い映画ってあるんですよ。たとえばね、『ポゼッション』っていう映画が最近、再公開されて。これ、結構昔の映画なんですけど、きれいなプリントで再公開されたんですけども。これね、出張に行っていた男が家に帰ってくるといきなり奥さんに「もうあんたのこと、好きじゃないから別れるから。出ていくから」って言われるんですね。

『ポゼッション』

で、「なんでだろう? 誰か男がいるんじゃないか?」って探してみると、どうも異様な怪物とその自分の奥さんが愛人関係にあることが分かっていくっていうホラー映画なんですね。『ポゼッション』っていう映画は。グチョグチョの怪物とね。それでなんでこんな映画を撮ったんだろう?って思ったら、これは監督のアンジェイ・ズラウスキーっていう人がポーランドの人だったんだけども。アメリカで映画を撮ろうという話になってニューヨークに行って、その準備をしてて。それでポーランドに帰ってみたら突然、奥さんに「あんたを好きじゃないからもう別れる」って言われたという実体験をそのままホラー映画にしているんですね(笑)。

(赤江珠緒)ええーっ!

(山里亮太)感じ方によってはホラーだったんだ!

(町山智浩)そう。「えっ、なんで? 俺のどこが悪いんだよ? 何が問題なんだよ?」って言っても「あんたにそれが分かったら、私はあんたのところから出て行かないわよ」みたいなことを言うんですよ。謎解きみたいになっちゃうんですよ。「ど、どこが悪いの?」「わからないの?」とか女の人って言う時、あるじゃないですか。ねえ。「わからないからダメなのよ」っていう。

(赤江珠緒)そう。わからないことがダメだ、みたいな。

(町山智浩)それこそホラーですよ。それがホラーなんですよ。それね、僕は最初に見た時になんだかわからない映画だったんですよ。この『ポゼッション』って。ただ、その後にDVDが出た時に監督がずっと解説していて。「いやー、俺ね、家に帰ったらカミさんにね、急に『別れる』って言われて。理由が全く分からなくて。あまりにも怖かったから映画にしました」って言ってるんですよ(笑)。

(赤江珠緒)アハハハハハハハハッ!

(町山智浩)そう。突然家事をしなくなっちゃうとかね。子育てをしなくなっちゃうんですよ。これ、最大のホラーですよ!

(赤江珠緒)なるほど。ホラーってそういう日常にも転がっているものなんですね!

(町山智浩)そうなんですよ。理由が全然わからないという。そういったものを集めています。

<書き起こしおわり>

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