(プチ鹿島)だから今回のそのハッシュタグの「#検察庁法改正案に抗議します」ってのはイコール、「もっと議論をしてください」っていう意味でもあるわけですよ。だから普段、声をあげない人も抗議をしている。声を上げざるを得なかったという、僕はこの時点の事実こそがマズいと思っていて。国会で堂々とした議論がないことがわかってしまった。だからきゃりーぱみゅぱみゅさんもね、抗議ツイートをした後でこういう風に言っているわけですよ。「自分なりに調べた中で思った」とか「自分たちの未来を守りたい」っていう。
だから歌手の活動にずっと邁進して。でももちろん、時事問題も追っていたと思う。だけど「友達と話している間に、この話が出てきた」って言ってるわけですよね。で、「自分なりに調べて思った」っていう。それでいいんですよ。だから「完璧にわかって言っているのか?」じゃなくて、別にいいんですよ。自分なりに調べて、これはマズいと思ったら、注意する。抗議するっていう。これはもう有権者として普通の態度で、全然批判をされる筋合いはないと思うんですよね。
だから僕はそんなことを思ったんですよね。で、あの抗議ツイート、きゃりーさんは削除をされたんですけども。まあね、やっぱりあれだけ影響力の大きい人だから、リプ欄とかコメント欄でいろいろ争いが起きるからって言うんですけど。でも「自分の中で考えておかしいと思った」っていうことで声を上げたのは、僕は全然おかしくはないと思うんですけどね。だってそれこそが間接民主制だし、プロフェッショナルに議論を任せたと思ったのにちゃんとした議論ができていないから、じゃあ自分で調べてみた。いいじゃないですか、それで。だって僕らは本業があるんだから。歌手なら歌手、俳優なら俳優で。
でも、そういう人たちが「おかしいぞ」って気付いたっていうことは、それは褒められることはあっても、バカにされる筋合いは僕はないと思いますよ。で、最後にひとつ。この社説をご紹介しておきますと、今日の毎日新聞ですね。「おごりと緩みゆえの失態」っていう。「今回は世論を軽視する、そうした政権のおごり、緩みが招いた結果だと言える」っていう風に毎日新聞の社説は書いているんです。
「おごりと緩みゆえの失態」(毎日新聞)
検察庁法改正見送り おごりと緩みゆえの失態 https://t.co/d3dPbrR95Y
— 毎日新聞 (@mainichi) May 18, 2020
「緩み」ってこれ、どこかで聞いたな?って思ったら今、「気の緩み」っていう……コロナでね、まだ緊急事態宣言、東京なんかでもそうですが、県や都市によってはまだ解除されてないわけでしょう? でも人出が多いっていう……それが「気の緩み」という。だから西村担当大臣はずっと「緩まないでください、緩まないでください」って言っているけど、でも自分たちがちょっと緩めたんですけどね。自分たちがだって5月4日の会見ではちょっとぼんやりしたことを言っていて。それで吉村さんとか小池さんが「じゃあ具体的に数字を出して……」って周りに突っつかれて。それであわててこの間の会見で「じゃあ……」ってなったでしょう? あれは自分たちが緩ませたんですよ。
でも、まあ「緩んじゃいけない」っていう警戒心は必要なんだけども、でもこれを見ると「いやいや、コロナ対応では『気を緩めるな、緩めるな』と言っているけど、そもそもその政権の姿勢が緩んでいるんじゃないか」っていう風に書かれているわけですよね。ただこれ、「おごりと緩み」っていうことで言うと……「緩み」って言うからには、「それまでずっと緊張感を持ってきた」っていうことの裏返しになるわけなので。これは「緩み」というよりは、たかをくくっていたということで「おごり」に近いのかなっていう風に僕は思いましたけどね。
まあ、産経師匠もね、「検察のあり方、本格議論を」ということで。『政府側が「特例による恣意的人事はない』と反論しても、黒川氏の定年延長で内閣による属人的措置をみた後では、これを信用することは難しい。」っていう。だから「政府側がそもそも今回、黒川さんの定年延長をしたっていうことを最初に頭に置いておくと、もう今から何を言っても信用することは難しい」っていう風に産経師匠にも書かれている。
「検察のあり方、本格議論を」(産経新聞)
《政府側が「特例による恣意的人事はない」と反論しても、黒川氏の定年延長で内閣による属人的措置をみた後では、これを信用することは難しい。》
これを信用することは難しいby産経師匠https://t.co/6vb62wdtU2
— プチ鹿島 (@pkashima) May 19, 2020
で、あとはやっぱり焦点は黒川さんですよね。定年延長を閣議決定で決めたことはたしかなんですよ、これは。で、半年ということは2月8日が誕生日だったので……またおじさんの誕生日を覚えちゃいましたけども。今度、2月8日から半年後の8月ですよ。8月までに黒川さんがどうなるのか? またおじさんの誕生日から計算して8月。さて、どうなるか?っていうね。まあ、普通に考えれば難しくなったとは思うんですよね。さらに昇進して検察のナンバーワンにするっていう人事はね。黒川さん自身が「もう、ちょっと……」って思ってるかもしれないですけど。
あとはこれ……これも新聞とかマスコミの見方で面白いのは、じゃあその黒川さんの生の声をね、誰が、どこが取るか?っていうね。まあ、文春なんかはもうずっと家の前に張っていると思うんですよ。犬の散歩なんかを迂闊にしたら……あとは、そういう非公式、公式を含めてどういうところが、どういう媒体が出すのか? それは読売・産経側なのか、朝日・毎日なのか。それとも、全然関係ないところなのかっていうね。ちょっとこれも楽しみだと思います。
<書き起こしおわり>