伊藤沙莉と宇多丸と宇垣美里『映像研には手を出すな!』を語る

伊藤沙莉と宇多丸と宇垣美里『映像研には手を出すな!』を語る アフター6ジャンクション

(宇多丸)特にやっぱりその『映像研』の3人……田村睦心さん演じる金森さん。プロデューサー的なね、常にがっちり金勘定とかもしているような。このキャラがいるところがまたフレッシュですよね。それと、松岡美里さん演じる水崎ツバメ。カリスマ読者モデルでありながら、アニメーターとしてものすごく世界を見る目が鋭いというこの3人。やっぱり3人のアンサンブルっていうんですかね? それがこの魅力でもあるじゃないですか。

(宇垣美里)さらに爆発力を増すというか。いいですよね。

(宇多丸)ねえ。やいのやいのやっていて。あれ、録り方っていうのはじゃあ、同時にやっているんですか?

(伊藤沙莉)同時にやってるんですけど。それで私はもう本当に右の視界に誰かがいると安心するので、一番左のマイクを使わせていただいて。それで金森氏と水崎氏っていう並びでいつもやらせていただいてて。なんでそこでかけ合いでやっていて。

(宇多丸)フフフ、右の視界がっていうのは本当にこれ、伊藤さんのクセということ?

(伊藤沙莉)私のクセですね(笑)。

(宇垣美里)右側なんですね(笑)。

(宇多丸)こっち側に……いわゆる「視野見」っていうやつですか? 『勝手にふるえてろ』的な?

(伊藤沙莉)ああ、そうですね(笑)。

(宇多丸)松岡茉優さんと仲がいいということで。

(伊藤沙莉)ああ、そうですね。視野見、流行ってましたね(笑)。

視野見しながら声録り

(宇多丸)視野見をしているとちょっと……?

(伊藤沙莉)安心しますね。

(宇多丸)じゃあ、その映像を見ながら声を当てていく感じなんですか?

(伊藤沙莉)映像を見ながら当てていって。ただ、その音がかぶったりとかするんで、いまいち、それこそ実写と違うのがその自分の気持ちいいタイミングでツッコミができなかったりとか。そのひとつのセリフのお尻を食っちゃいけないっていうのがあって。そこが、そこだけ別録りだったりするんですよ。そこの難しさはありましたね。やっぱりグッと出ちゃいそうになるっていう。テンポ感とかを意識すると出ちゃうので。そこを、お尻をかぶらないようにっていうやり方が自分は今までやってこなかったので。そこが難しかったですね。

(宇多丸)なるほど。とはいえ、でもやっぱり一緒にいるっていうことで生じるあの3人のバイブス……。

(伊藤沙莉)バイブス、ハンパなかったです(笑)。

(宇多丸)フフフ、ハンパない(笑)。これ、実際に田村さん、松岡さんともやっぱりバイブス的に? バイブス満タン?

(伊藤沙莉)バイブス、ガチガチに合っていましたよ(笑)。

(宇多丸)フハハハハハハハハッ!

バイブス合いまくりの映像研の3人

(伊藤沙莉)もうめちゃくちゃ大好きなんですけども。本当に大好きな先輩方ですね。

(宇多丸)ああ、そうか。声優さんとしてはそういうことにもなるし。なにかアドバイスがあったりしましたか?

(伊藤沙莉)ああ、もうすごい基本的なところで言うと田村さんにはもうずっと台本のめくりのやり方をひたすら教えてもらったりとかしていて。

(宇垣美里)ああ、そうか。パラッていう音も……?

(伊藤沙莉)音も。マイクがすごい繊細で。パラッていうのがかぶるともうその人のセリフがやり直しなんですよ。で、結構なんかパラッて自分のでめくれたりして。「今、音かぶりました」とかなって結構罪悪感で。なんか「えっ、誰だろう?」みたいな顔とかちょっとしちゃったりしたんですけども(笑)。

(宇多丸)フハハハハハハハハッ!

(伊藤沙莉)そういうのでちょっと睦心さんに「ちょっとこれ、どうやってやってます?」って。睦心さんは超かっこよくて、片手で後ろに回しながらパラッてめくるんですね。これ、ラジオでは伝えづらいんですけども。

(宇垣美里)すごい! 片手なんですね。両手ですらない?

(伊藤沙莉)そうなんですよ。片手で後ろに振る感じでめくるんですね。

(宇垣美里)振り落とすみたいな感じで?

(伊藤沙莉)そうなんです。でもそれがすごい繊細だから、音が鳴らないんですよ。それがかっこよすぎて。「これ、終わるまでにやりたい!」って思って(笑)。

(宇多丸)フフフ、「これをマスターしたい」と。

(宇垣美里)練習しました?

(伊藤沙莉)めっちゃ練習しました。1回もできなかったです(笑)。

(宇多丸)へー! でもなんか僕らからするとこの実際のお三方もバイブス、すごい仲がよかったなんて聞くと、嬉しくね?

(宇垣美里)なんか安全っていうか……「だよね!」みたいな。「じゃないとあの感じ、出ないよね?」みたいな。

(宇多丸)ねえ。なんか噂によるとアドリブも結構、アニメでアドリブってだって……?

(宇垣美里)あんまりイメージないですね。

アドリブの入れ方

(伊藤沙莉)私も私も全然なくて、そのままの状態で行ってたんですけど。たとえばアドリブって言ってもこう、「はあ、はあ……」って走っているところの息だったりとかもアドリブになったりとか。ちょっと踏ん張ったりする時に「うんっ!」とかいうのは一切書いてないので。そういう言葉にならない声っていうのはすべてアドリブになっていて。そこが私はやっぱり指摘されないと、入れることがちょっと「どうしよう?」みたいになってたりとかするんですけど。やっぱり松岡さんと田村さんは常に用意してる方なので。もう最初のテストの段階でもう入れていて。

(宇多丸)元々持ってきたアイデアがあって?

(伊藤沙莉)そうです。それでもうぶち込むので、そこで結構あっけに取られてますね。「ああ、ここで入れるんだ」とか。もう、ちょっと表情が変わるだけでそこに「うん……」とかそういうのも入れたりしていて。そこのアドリブ合戦はすごかったですし。モブキャラというか、結構たくさん他の生徒の皆さんとか出たりとかもしていて。

(宇垣美里)文化祭とかもありましたしね。

(伊藤沙莉)そうなんです。そこの裏の声とかも実は私たち、やったりとかもしていて。

(宇多丸)ああ、他の人の声を?

(伊藤沙莉)はい。だけどバレないように。特に私なんかは不思議な声をしているので、だからちょっと小さめに出したりとかして。でも『映像研』の3人は壁側を向いて、結構いろんな……「◯◯でーす! 来てくださーい!」「◯◯部でーす!」みたいなのとかをやったりしていて。そこも完全アドリブなので。みんな。

(宇多丸)へー! じゃあの音、場面で。文化祭のあの場面、よく聞くといろいろ入ってたりするという?

(伊藤沙莉)よーく聞くと。

(宇垣美里)もう1回、聞こう!

(宇多丸)いろいろとふざけたことも言っている?

(伊藤沙莉)あ、でも結構ふざけていると思いますよ。マネキンの足を愛でる会とか。

(宇多丸)アハハハハハハハハッ! へー! ちょっとこれはまたね、見直したくなる作品ではあるけども。そういうディテールもね。

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