PUNPEE 楽曲制作環境と方法を語る

PUNPEE 名前の由来を語る 宇多丸のウィークエンド・シャッフル

PUNPEEさんがTBSラジオ『タマフル』に出演。自宅で楽曲を制作するPUNPEEさんが、その制作環境や方法について、ライムスターの3人に紹介していました。

(宇多丸)はい。PSG、2009年のアルバム『David』より『PSG現る』、聞いていただいております。

これ、レコーディングとかっていつもさ、P様、自分の声とか全部入れてくるじゃん。家で全部録っているんですか?

(PUNPEE)家です。

(宇多丸)これも、家?

(PUNPEE)これ、家です。

(宇多丸)ああ、そう。

(PUNPEE)GAPPERが来てるんですけど、これ、ガム噛みながら録ってるんだよね。これね。

ガムを噛みながらラップ

(宇多丸)ガム噛みながらラップしてたの?

(PUNPEE)S.L.A.C.K.だけかな?たぶん。

(宇多丸)ガム感、入ってるの?

(PUNPEE)そうです。

(宇多丸)ああ、そう。

(PUNPEE)『ガム噛みながらラップしたらどうかな?』っつって。なんか、Ultramagnetic MC’sが昔やっていたのを真似してみて。

(宇多丸)あ、そうなんだ。へー。

(Mummy-D)あのね、俺、Marley Marlとセッションした時に、Marley Marlさんもガム噛みながら、『The Symphony』っていう曲があるんですけど、それの前説っていうがしゃべりをガム噛みながら、そういうフィーリングを出しながら、なんかやったって。

(宇多丸)ええーっ!?

(DJ JIN)はいはいはい!

(宇多丸)おお、JIN。なんだなんだ?

(DJ JIN)あのヒップホップクラシック『The Message』でお馴染み、Grandmaster Flash & The Furious Fiveのラッパー、Melle Mel。その『The Message』の曲中、Melle Melはガムを噛みながらラップしていた。

(宇多丸)おおー!

(Mummy-D)結構伝統的な。

(宇多丸)ガム手法。

(PUNPEE)ガム手法は俺、なんかそれを真似して。

(宇多丸)それ、聞いたことがあって、PUNPEEやったの?

(PUNPEE)そう。あの、イリシットツボイさんがなんかの雑誌で言っていた気がする・・・

(宇多丸)ああ、そう。えっ?ちょっと待って?ガムに突っ込んでっちゃうけど。ガム手法はどういう効果を得られるの?

(PUNPEE)いや、なんか効果とかわかんないっすけど、『ガム噛みながら録ってみようか?』っつって。

(宇多丸)なんかナメた感じが出るのかな?

(Mummy-D)ナメた感じになる。適当感っていうかさ。

(PUNPEE)これはそうやって録りました。いま、流れた曲は。

(宇多丸)ああ、そう。ガムの咀嚼音が入ってたりすると、ちょっとあんまり感じいいサウンドじゃない気もしますけど。咀嚼音は入れない?

(Mummy-D)でもほら、野球選手とかでもさ、ガムを噛んでいるとなんか強そうに見えるじゃん?

(一同)(笑)

(Mummy-D)なんか、敵わないなって。

(宇多丸)噛みタバコね。ピュッピュッ!ってね。なるほどね。そんな、ガムを噛みながらね。でもPUNPEEの、家でトラックとかいろいろさ、俺らもやり取りする時に、やっぱ完パケでさ、もうPUNPEEの世界がバランスからなにから、出来上がって来るじゃん。だからPUNPEEのラボでの、どんな作業してんのかな?って興味ない?

(Mummy-D)うん、うん。

(宇多丸)どんななって録ってるの?

PUNPEEの自宅の制作環境

(PUNPEE)なんか、起きてもうすぐ、『昨日の曲の続きだ』っつって。パソコンに向かって・・・っていう感じですね。

(宇多丸)声録りはじゃあ、自分でこうやって録って、編集したりとかしてやってるんだ。

(DJ JIN)自分の住んでいるところと一体化したところで、レコーディングを自分でしていくと。

(PUNPEE)そうですね。起きたらもう、3メートル歩けば・・・あ、いや、1メートル。そんな広く無いんで。

(Mummy-D)どっちでもいいよ!

(DJ JIN)(笑)

(PUNPEE)3歩あるけばもうスタジオなわけじゃないですか。だから、本当そうっすね。だから、結構メリハリをつけるのがすごい難しいっちゃ難しいんで。

(宇多丸)ああ、全自宅作業化時代は、きっとそれあるよね。あの、俺たち、スタジオやっぱりどうしてもさ、入る派は、やっぱりお金がもったいないから。まあまあ、いろいろケツを考えながらやったりするけど。無限にできるもんね。やっぱりね。

(PUNPEE)ああ、でも無限にやっちゃうんすよ。

(宇多丸)しかもさ、PUNPEE細かいじゃん。こだわりが、また。『あれ上げろ、これ下げろ、あれ切れ、あれやめろ、あれ、これ・・・』。

(Mummy-D)『0.2dB、0.05dB・・・』みたいなね。

(DJ JIN)(笑)

(PUNPEE)あの、俺もなんか、よくわかってないです。0.3dBとか。

(Mummy-D)あ、そうなの?

(PUNPEE)でも、だいたいそのぐらいかな?って。

(宇多丸)なるほど、なるほど。まあ、そんなこだわりというかね、PUNPEEはすごいPUNPEEの世界、あるんですけど。この番組的には、まあ、アメコミ超詳しいっていうの、あるじゃないですか。

PUNPEEとアメコミ

(PUNPEE)詳しいっていうか、そうですね。ヘッズですね。普通に、好きです。

(宇多丸)『ウォッチメン』とか、昔から好きだったんでしょ?いつ頃から好きなんですか?

(PUNPEE)あの、たぶん自分の世代って、何個かあるアメコミの盛り上がりの中でも、1個、すごい盛り上がったんですよ。カプコンが『マーヴル VS ストリートファイター』って格闘ゲームを出したりとか。あと、X-Menがアニメでやったりとか、タートルズがやってたりとかした世代なんで、結構普通に自然に、俺が小学生とか中学生の時に見ていた世代なんですよね。

(宇多丸)へー。あんまりじゃあ、そんなマニアックっていう意識よりは。入りは。

(PUNPEE)そっからコミックス買って行って、『かっけー!うわー、すげー。あ、なに?ここの2人とか、このグループが一緒のマンガに出てる。うわー!』みたいになって。

(宇多丸)その世界がね、広がっていく。

(PUNPEE)そこからでした。

(宇多丸)こう、クロスオーバーしていく感じが面白くて、みたいな。あと、映画も詳しかったりするもんね。

(PUNPEE)そうっすね。映画はビデオ屋でバイトしてたんで。その時にたくさん見て。

(宇多丸)結構ビデオ撮りとかレコーディングの合間に雑談しても、普通にぜんぜんついてくるから。『ああ、これはさすがだな』っていう感じがしましたけど。

(PUNPEE)でもそんなに、あんまり監督とかは・・・うーん。そこまで詳しくないですけど。まあ、たくさん見てます。

(宇多丸)映画Tシャツ、いつも着てるじゃん。映画Tシャツ。

(PUNPEE)(笑)

(宇多丸)ジョナ・ヒルのTシャツ、着てんじゃん。

(PUNPEE)ああ、着てました。ジョナ山さんの。

(宇多丸)ジョナ山さん(笑)。あと、アメコミの監修をすると?

(PUNPEE)ああ、これ、自分のTwitterではまだ言ってないですけども、DCコミックスの『LOBO』っていうマンガ、コミックスの監修をすることになりまして。翻訳しているのは、椎名さんっていう『サーガ』っていうすごい売れている最近の邦訳をやっている人なんですけど。それの言い方とかをかっこよくしたりとか面白くしたりしてっていう監修をすることになって。出すことになりました。

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(宇多丸)これ、8月24日発売予定。

(PUNPEE)いや、でもこれ、また延期しちゃって。アメコミ業界にも、ヒップホップ遅刻的な癖を別にしたかったわけじゃないですけど(笑)。

(宇多丸)ダメだよ、それ!

(PUNPEE)持ち込んでないですけど。

(宇多丸)ヒップホップ遅刻(笑)。それがヒップホップシーンがいまいち日本でメジャーになりきれない理由のひとつとも言われている。

(PUNPEE)でもまあ、9月かな?たぶん。出るんで、よかったら。『LOBO』という。なんか、面白いっす。いい感じです。

<書き起こしおわり>

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