DJ YANATAKE POP SMOKEを追悼する

DJ YANATAKE POP SMOKEを追悼する WREP

DJ YANATAKEさんが2020年2月20日放送のWREP『DJ’s PLAYLIST』の中で亡くなったラッパーのポップ・スモークを追悼していました。

(DJ YANATAKE)昨日の夜、ポップ・スモークの突然の訃報が飛び込んできたということで。めちゃくちゃびっくりしました。それも最初、志保のツイートなんかで知ったんですけども。そこからブワーッと調べていまして。一応、ヒップホップ専門局ということもあるのでちゃんとお話もしておかなきゃなということです。ポップ・スモーク、今うしろでもかかってますけども。『WELCOME TO THE PARTY』っていう曲がバコンとヒットして。

POP SMOKE『WELCOME TO THE PARTY』

ニューヨークの出身のハタチの新星が現れまして。すごく面白いサウンドを……まあ「ブルックリン・ドリル」なんて言ってますけども。元々はドリルサウンド、いろんな派生形がありますけども。彼はイギリスのUKドリルというサウンドに影響を受けて、それをまたニューヨークで消化して作っていたような人で。本当に去年を代表するような1曲になっていて、これからの活躍が期待されていたところで。そしてアルバムもちょうど出たばかりというところで、なんでこんなことが起きるのかなっていう感じですが。

ジュース・ワールドの死なんかもありましたし、ちょっと最近ね、若いラッパーが簡単に死にすぎる。これは非常に悲しい出来事なんですけども。どういうことがあったのか、まずは知らない方もいらっしゃると思うのでお話をしたいと思います。今、ラッパーはやっぱり若い子……それこそポップ・スモークはハタチですから。1曲ボンと当たると本当に儲かるんだよね。アメリカは。

まあ、それはすごいいいことです。それですごいお金を持つと、「FLEX」なんて言葉も流行ったりしてますけども。あとは「どんだけ俺は儲かっているのか?」みたいなのを歌詞にしたり、SNSにマネーフォンとかありますけども。札束を電話に見立てて自慢したりとか。すごい高い貴金属を見せびらかしたり、すごい高級な車に乗ったり。そういうのを見せびらかすことで自分のラッパーとしてのステータスを見せつけるじゃないですけども。そういったスタイルが近年、主流になっています。

そんな中でポップ・スモークも本当にヒットをして、一気にスターダムを駆け上がったのでたぶんめちゃくちゃ儲かったんでしょうね。まあ、彼がどれぐらいの年収なのかは知りませんが。ひとつ、例を出すとリル・ナズ・X。去年すごいヒットをしまして。『Old Town Road』という曲を出す前は銀行に5ドルしかなかった人が、半年で14億円稼いだっていう。まあそれぐらいの規模で儲かるということがアメリカのヒップホップ市場でありますから、ポップ・スモークも1曲当てたんで相当儲かっていたはずです。

で、どんどんと身に付けるものとかも高価なものになっていった。それはいいんですが、何で行っていたのかはわからないんですけども。彼はニューヨークに住んでいる人なんですが、ハリウッドの方に行っていた。おそらくはバケーションな感じですかね。友達と行っていたようです。それでAirbnbに泊まっていたっぽいんですよね。家を借りるサービスです。

で、そこにすごいラグジュアリーな高級デニムのところからポップ・スモーク宛にプレゼントが届いた。すごい何万も何十万もするようなデニムなんでポップ・スモークもめちゃくちゃあがったんでしょうね。「こんなの届いちゃったよ!」っていう。それをインスタグラムのストーリーに投稿しました。そしたら、その送られてきていた袋にその住所が書いてあるのが写っていた。それで住所が、今どこにポップ・スモークがいるのかっていうのは割とそのインスタグラムを見ている人であれば、調べればわかる状態になっていた。

SNSの写真から居場所を特定される

そしてさらに一緒に行っていた友達とポップ・スモークも一緒にそのAirbnbの前で写真を撮る。すごいいい車の前で。その背景にはその泊まっているところの番地とかまで写っていた。それで今時、そんなのはグーグルマップとかを使えば簡単に居場所が特定できる。そんな状態にあった。そしてもう1個、別の写真ではポップ・スモークはめちゃくちゃ大金、現金をキャッシュで持ち歩いている写真もアップしていた。それで居場所がわかる。めちゃくちゃ高いジュエリーとかもつけまくっている。現金もいま、たくさん持っている。ということで、向こうの悪い人……まあ、ギャングの人だと言われてますけども。そこに強盗で押し入られて、撃たれて亡くなってしまうということが今回の事件のあらましだそうです。

まあ、まだいろいろと調べている最中なのでわからないこと、不確かなこともいろいろとあって。まあ、亡くなった病院がビギーが亡くなった病院と同じだとか。最初の通報はハリウッドの出来事なのに東海岸の方からあったとか、なんか不確定な情報もたくさんあってまだ整理しきれてないところがあるんですが。まあ大まかな経緯は今話したような感じだそうです。

で、やっぱりお金を持っていて見せびらかしたいのはわかるし。やっぱり日本もだいぶそういう状況になってきていますよね。すごく、本当に一発当てれば全国ツアーをバンバン回って、本当にフレックスしているラッパーも増えてきました。でも、やっぱりそれをよく思わない人もいるし、足元をすくうような人もいるので。

アメリカの方がいいわけでもないし、日本の方が治安がいいのはいいんでしょうけども。やっぱり、そのラッパーとしてのアティテュードは崩さないでほしいんだけども。でもなんか、そういうことをするひとつひとつを気をつけながらやるべきかなと思います。

本当にね、よく思わないやつらがなんかしてくるという可能性はなきにしもあらずっていうことで。こんなことはアメリカも日本もそうですけども。起きてほしくないし。そういう意味でもSNSの使い方みたいなのは改めて考えさせられるような事件でした。

というわけで、そうですね。追悼の意も込めまして、ここで1曲、行ってみたいと思います。本日のオープニング曲。本当にまだまだこれからクラブでも流行るんじゃないかと思っていた矢先ですので。いっぱいこれからみんなも彼の音楽はなくならないし、かけ続けていくと思うんだけども。最近の曲の中で僕もお気に入りの曲。こちらをかけさせていただきたいと思います。今日の1曲目はポップ・スモークで『CHRISTOPHER WALKING』。

POP SMOKE『CHRISTOPHER WALKING』

(DJ YANATAKE)ポップ・スモークで『CHRISTOPHER WALKING』でした。今、曲の間にDJ KOPEROさんに教えてもらったんですが。なんかアンバー・ローズがインスタにポストしたところによると、ポップ・スモークはアンバー・ローズの家に行く予定だったという……うーん。なにしに行く予定だったんだ?っていう感じですけどね。まあまあ、これからいろんな事実もわかってくると思いますけども。うーん。とにかく本当に残念な思いでいっぱいでございます。

<書き起こしおわり>

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