菊地成孔さんが『猫舌SHOWROOM 豪の部屋』に出演。幼少期から周囲の人にモテ続けてきたという菊地さんがモテすぎることの弊害について吉田豪さんに話していました。
#猫舌SHOWROOM 吉田豪オーナー
?「豪の部屋」?#菊地成孔 とお届けしました、ご視聴ありがとうございました?✨@H_Naganuma次回10/22(火)20時~もお楽しみに❣️
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(吉田豪)そもそもなにかの野心って持ったこと、あるんですか?
(菊地成孔)全くないですよ。本当に。いま、誰にも怒られずに楽しければいいと思っているだけの人間で。それが56年間続いていますよね。
(吉田豪)本当に、ねえ。よくある「ミュージシャンの大半はモテたいから始める」っていうの、あるじゃないですか。でも菊地さん、全くないですよね?
(菊地成孔)僕は生まれた時からモテまくりだったんで。
(吉田豪)フハハハハハハッ!
(菊地成孔)これを言うと嫌がられる……「イヤミだ」とか言うけども、本当にね、声を大にして。便も大にして。性器も大にして言いたいですけども。
(吉田豪)フハハハハハハッ!
(菊地成孔)モテまくったって、いいことはひとつもないですよ。
(吉田豪)ああ、そういうもんですか?
(菊地成孔)いいこと、ひとつもないです。女性でね、モテまくっている人に話を聞けばわかるけども。いいことがあるとしたらね、ビジネス化した時だけ。
(吉田豪)それを。
モテていいことがあるのはビジネス化した時だけ
(菊地成孔)うん。キャバクラでトップになるとか、俳優さんになるとか。で、僕も一応は……もう端くれも端くれですけど、ショウビズで板の上に立っているので。それをやるようになって、まあまあなんていうか、ジャズミュージックとはいえ「素敵!」ってなる仕事でもあるじゃないですか。一部がね。だから、それによってなんか水平化されましたけども。ただの野良犬っていうか、ストリートで生きていてモテまくったっていいことなんにもないですよ。危険ばっかりで。面倒くさいことばっかりで。僕ね、なんかしらないけど生まれた時からめちゃくちゃ、地区全体からモテていて。
(吉田豪)「地区全体から」(笑)。
(菊地成孔)肉屋のおばさんとか床屋のおっさんとかからもめちゃモテしていて。
(吉田豪)現状、本当にわかりやすくモテオーラが出ているじゃないですか。前からですけども。
(菊地成孔)ああ、本当ですか?
(吉田豪)いや、イベントとかで菊地さんを見た人がみんな言いますよ。「オーラが違う」って。
(菊地成孔)本当ですか? フハハハハハハッ!
(吉田豪)あんまり女子を出したことがない、僕とかのイベントに来ているお客さんとかが完全にメロメロになる様とかを何度か見ていて。いや、僕とかでも思いますよ。別種のなにかを出しているっていう。
(菊地成孔)ああー。それで、家の近所にストリップ小屋があって。そこのストリップ小屋に出前に行っていたんですよ。ガキの頃に。で、出前に行くとストリップ嬢さんがブワーッと並んでいて。端の方で上手く踊れない方がね、マネージャーにぶん殴られたりしてシクシク泣いたりしているんですけども。そこでももうモテまくりで。ポケットというポケットにお菓子を詰め込まれて……。
(吉田豪)当時、いくつぐらいですか?
(菊地成孔)当時ね、あれもね、労働基準法に絶対に違反しているっていうか、生きていたら親父を訴えたいと思うんですけども。下手したら5つぐらいからやっていますよ。
(吉田豪)おおう……。
(菊地成孔)うん。小学校に上がる前から。だから何歳からやっているのか覚えてないんですけど。「これとこれを持ってあのストリップ小屋の楽屋、行って来い」って言われて。
(吉田豪)子供1人で?
(菊地成孔)そうです。危険極まりないですよね。で、案の定、まあこれ言っていいのかギリギリですけども。ええと、いまで言うところのロリコンの男の子が好きな妙齢のストリッパーの方が……。
(吉田豪)ああ、ショタコンというか。
(菊地成孔)そうですね。僕が5つか6つで、あちらさんが40がらみかな? もうお局ぐらいの方で。その方にちょっとね、まあそういう経験がある方も見ている方でいらっしゃるでしょうからうっかりと言えないですけども。ちょっとイタズラっていうかね。性的な……。
(吉田豪)うわあ……。
(菊地成孔)それを、されかけて。あん時に完全にいかれていたら、相当僕の人生も大変だったかなって。
(吉田豪)絶対にトラウマになるじゃないですか。
(菊地成孔)まあね。まあ、トラウマはなにがトラウマになるかわからないけども。まあまあ、その時はギリギリで助かったんですよ。ゲロを吐くことで(笑)。
(吉田豪)フハハハハハハッ! 子供ならではの(笑)。
(菊地成孔)子供ならではの。子供は吐きやすいじゃないですか。その吐きやすさを天が……その時もね、「よし、ここで俺はきっと狙われるに違いないから、ヤバいのに『ちょっと外に出よう』って言われたらゲロを吐いて逃げよう」とか計画したわけじゃないんですよ。全然。で、呼び出されて。神社でちょっと……まあまあ、これは言えないですけど。で、ちょちょちょちょちょっとなって。「このまま行ったら大変なことになるな」って思った時にはもう吐いてたの。ブワーッと。そうすると、熱くヤバい液体がそのかがんだ女性の頭にバシャバシャッてかかって怯むじゃないですか。で、その隙にゲロ吐きっぱなし。下は丸出しのをグッと上げて、家まで走って帰ったんですよ。
(吉田豪)うわあ……。
(菊地成孔)もうその時のモテ方も半端じゃなかったですよ(笑)。
(吉田豪)たしかにそれは嫌なモテ方ですよね(笑)。
(菊地成孔)だいたいね、僕はきれいな女の人……カヒミ・カリィさんとかね、一般的に「きれいだ」って言われている人、いるじゃないですか。仕事で女優さんでも音楽家でも「きれいだ」って目されている方とお仕事をすると、「お美しいからモテて結構ですね」なんて言えないオーラが出てますからね。「キツい」っていう。
(吉田豪)はいはい。余計なトラブルを次々とそれによって……。
(菊地成孔)沢口靖子さんとね、同じロケバスになったことがあるんですよ。
(吉田豪)へー(笑)。
きれいな人からは「キツい」というオーラが出ている
(菊地成孔)フハハハハハハッ! もう昭和もここに極まれりですけども。『科捜研の女』とかそういうレベルじゃないですよ。デビューしてちょっとしたばかり、まだピカピカの頃にフジテレビのイベントで僕の師匠の山下洋輔が隅田川の花火大会で花火とセッションをするっていう。
(吉田豪)「花火とセッション」?
(菊地成孔)とにかく無茶振りをなんでもやっていくっていうのは山下のやり口ですから。で、僕はその時に山下組の若い衆だったんで、連れて行かれて。で、それのね、サブ司会みたいなのが沢口さんで。ロケバスがね、もうしょうがないからっていう感じで一緒だったんですよ。それでそこで着替えなくちゃいけないっていうんで、沢口さんいる前でみんなで着替えて。ケツ出したりしていたんですけども。で、まあ仲良くなって。僕、初対面で男性と女性、どっちと仲良くなるのが得意かっていうと、圧倒的に女性なんで。沢口靖子さんと仲良くなっていろいろと話したんですけども。「おきれいですね」とか絶対に言っちゃダメ。
(吉田豪)うん。
(菊地成孔)「もうそんなことは聞きたくもない」みたいな感じになっていて。つまらない話とかね……逆にグロい話とかもしないみたいな。どうでもいい話をしている時はいちばん機嫌がいいんですよ。で、自分がどんだけ……あの方って伝説があるじゃないですか。あの方が体育の授業になると街中の男子校の生徒が集まって、それを警察が鎮圧に来たとか。
(吉田豪)そのレベルの伝説のある人。
(菊地成孔)「大変におきれいな方だな。だから『おきれいですね』って言ったら絶対にシカトだな」って思って。「どうもどうも」っつって(笑)。
(吉田豪)軽い感じで(笑)。
(菊地成孔)そうそう。仲良くしていたんですけどね。だから、モテてもロクなことないですよ。ショウビズにしちゃうしかないですよね。
(吉田豪)ちょうどいまGACKTさんの新刊を読んでいたら、GACKTさんは当然モテる人で。音楽を始めた時に考えたのが、それまでは水商売をやっていたけども、水商売を続けていてはダメだ。新しくやるためになにが必要なのかって考えたら、パトロンをいっぱい集めることだっていうことで、街で声をかけて100人のパトロンとその人たちからお金をもらいながらやることはやるみたいな関係。まず、それを作ることから始めたって書いてあって。モテることをそうやってビジネスに結びつけるのは有りだっていう?
(菊地成孔)そう、そう。あんなクレバーな人、いないね。うん。それはもうはっきりしていて。いちばんいいんじゃないですか? 超日本人級の感じですよね。考え方がね。
(吉田豪)きちんとそれでお金も稼いで……っていう。目的意識がはっきりしているという。
(菊地成孔)うん。自分の言葉は古いですけども、フェロモンが金になるっていう感じだから。もう金にする以外にね、混乱しかないですからね(笑)。
(吉田豪)フハハハハハハッ! なるほど。
(菊地成孔)だから僕程度でも商売にしないとマズいなっていうぐらいはモテたんですよ。だからモテなかったことはないんで。もう商売にしたら早かったですから。逆に商売にしちゃうと今度はすっきりするというか。全然モテなくなっちゃう。路上とかでは。だからまあ、よかったなと思いますけどね。
<書き起こしおわり>