スポンサーリンク

町山智浩『ジョン・ウィック:パラベラム』を語る

町山智浩『ジョン・ウィック:パラベラム』を語る たまむすび
スポンサーリンク
スポンサーリンク

町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で『ジョン・ウィック』シリーズ第三作、『ジョン・ウィック:パラベラム』を紹介していました。

(町山智浩)今日はですね、あの『アベンジャーズ/エンドゲーム』という世界最大のヒット映画をですね、興行成績で抜いて1位から引きずり下ろした『ジョン・ウィック3:パラベラム』という映画を紹介します。

(赤江珠緒)へー! すごい、大人気。

(町山智浩)これ、すごいですよ。あれだけお金をかけた史上最大規模の超大作『エンドゲーム』を引きずり下ろしたのがキアヌ・リーブスがずっと悲しそうな顔をしながら人をガンガン殺しているだけの映画ですからね。

(赤江珠緒)フフフ、えっ、そうなの?

(町山智浩)そうなんですよ。これはジョン・ウィックっていうのは世界最高の殺し屋なんですね。キアヌ・リーブスが演じているんですが。彼が最初から最後までガンガンガンガン人を撃ったり殴ったり蹴ったり刺したりして殺し続けるだけの映画ですね。

(赤江珠緒)えっ、そんな身も蓋もない紹介ですけども(笑)。

(山里亮太)町山さん、『1』ではキアヌ・リーブスが飼っている犬を殺されて。それでブチ切れてずっといろんな人を殺しますよね?

(町山智浩)そうなんですよ。飼っていた犬を強盗に殺されて。それがロシアン・マフィアだったんで、そのロシアン・マフィアを殺そうとするとそれがボスの息子、お坊ちゃんで。で、それを守ろうとするものだからものすごい死体の山になるんですけども。その一作目でキアヌ・リーブスが1人で何人を殺したのかって言うと、一作で85人です。

(赤江珠緒)フフフ、うーわ!

(町山智浩)2時間ぐらいの映画なんで、すごい量なんですけども。銃で73人、刃物で6人。素手とか……ああ、そうだ。この人ね、すごくいろんな物を使うんですよ。武器以外にもね。本とか洗面台とか布とか、いろんなものを使ってトンチのきいた殺し方をするんですけども。

(山里亮太)フハハハハハハハハッ!

(赤江珠緒)いや、ちょっと……トンチとかってはじめて聞きました(笑)。

(町山智浩)それで6人殺していて。で、二作目ではまたスケールアップをしまして。こちら、合計殺害数は119人です。

(赤江珠緒)うーわ!

(山里亮太)記録、伸ばしていくな!

(町山智浩)で、今回の三作目。銃だけで124人。刃物で32人。素手で11人なんで、合計で167人やっていますね。

(赤江珠緒)この映画が興行成績1位?

(町山智浩)興行成績トップですよ。

(山里亮太)なんで、また?

(町山智浩)これがね、なんというか……『マッドマックス/怒りのデス・ロード』っていう映画がありましたよね? あれはカーチェイスなんですけども、普通は映画っていうのは物語があって、「誰がどうして、この人はこういう人で、こういう理由でカーチェイスが始まりました」っていうので普通は映画1本なんですよ。で、「どうなりました」っていうのが普通は映画の2/3ぐらいなんですね。で、1/3がクライマックスっていう感じですよね。時間配分的には。

(赤江珠緒)はい。

(町山智浩)ところが『怒りのデス・ロード』は最初からいきなりカーチェイスが始まって、最後まで続くんですよ。クライマックスしかない映画なんですよ。で、この『ジョン・ウィック』という映画もその方式なんですよ。

(赤江珠緒)はー!

(町山智浩)だからこの今回の三作目は、いきなりジョン・ウィックに対して賞金がかけられるんですよ。映画の頭で。で、このジョン・ウィックっていうシリーズは殺し屋の中で「ハイテーブル」と呼ばれるネットワークがあるという世界観なんですね。で、それはたとえると、『ハリー・ポッター』シリーズは現実の世界の裏に魔法使いたちのネットワークが世界中に広がっているっていう世界だったじゃないですか。あれが殺し屋になっていると思ってください。

(赤江珠緒)ああー、はいはい! うん、わかりやすい。

(町山智浩)全世界の殺し屋がネットワークでつながっているんですよ。それで、そこで突然ジョン・ウィックに賞金がかけられて。14ミリオンドルだから15億円ぐらいの賞金がかけられて。全地球の殺し屋がジョン・ウィックを殺そうとするっていうところで始まります。

(赤江珠緒)はー!

(町山智浩)で、あとはもうそれをずっと殺しながら逃げ続けるんですよ。

(赤江珠緒)フフフ、ある意味しんどいですね(笑)。

(町山智浩)そういう話なんですよ(笑)。

(山里亮太)シンプルでいいですよね。なにも考えないでいい感じで。

(町山智浩)すげえシンプルな映画なんですよ。ただ、これがまあ今回もいきなり最初の殺しが分厚い本で殺すんですけども。まあ、そのやり方とかがお客さんがみんな「うわあ……!」って言っていましたからね。

(赤江珠緒)ええーっ?

(町山智浩)「うわあ……!」っていう感じなんですよ。

(山里亮太)シンプルにドンと殴るとかじゃないんですね。

(町山智浩)そんなんじゃないんですよ。みんな、引いていましたよ。お客さん、いきなり。で、とにかくこの映画は監督がチャド・スタエルスキっていう人なんですけど、この人はもともとスタントマンなんですよ。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)で、そういうアクション、銃撃戦とか格闘のアクションの専門家の人なんですね。で、そのアクションの見本市として存在する映画なんですよ。

(赤江珠緒)ふーん!

スポンサーリンク

スタントアクションの見本市

(町山智浩)だからストーリーは置いておいて……っていう話なんですよ。で、この映画ね、どうして作られることになったかっていうと、この人がもともと『マトリックス』というキアヌ・リーブスの大ヒット作がありますよね。1999年の作品。あれのスタントのコーディネート……だから振り付けとか格闘をデザインして。しかも、キアヌ・リーブスのスタントダブル。キアヌ・リーブスがどうしても危険な時は彼の役を代わりにやるという人だったんですよ。

(赤江珠緒)ああ、うん!

(町山智浩)で、その関係で「スタントだけで映画を作ってみよう!」っていうことでできたのが『ジョン・ウィック』シリーズなんですよ。とりあえずスタントが第一なんですよ。で、ありとあらゆる銃撃戦の術……「センター・アクシス・リロック」という撃ち方をしたり。たぶんわかんないと思いますが。

(山里亮太)はい。

(町山智浩)あとはサンボとか柔術とかカリとか、もうとにかく世界中のありとあらゆる格闘・銃撃の技術を全部1本に詰め込んでいる映画なんですよ。

(赤江珠緒)ああ、そういうことか! はー!

(町山智浩)そうなんですよ。満漢全席みたいな感じなんですよ。しかも、キアヌ・リーブスが99%のアクションを自分でやっているんですよ。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)これ、ちゃんとビデオがDVDを買うとおまけでついているんですけども。キアヌ・リーブス、全部やっていますよ。

(赤江珠緒)ああ、そうですか? でも結構お齢じゃないですか? 『スピード』とかに出たのもだいぶ前ですよね?

(町山智浩)俺よりひとつ下。

(赤江珠緒)ええーっ!

(町山智浩)すごいですよ。55ですよ。

(山里亮太)どうですか。自分の1個下の人間がやっているアクションとして見たら……考えられないですか?

(町山智浩)考えられないですよ! だって、『マトリックス』から20年目ですよ!

(赤江珠緒)そうか。もう20年か!

(町山智浩)20年でこの動きですよ。全然変わらない。すっげー!って思いましたよ。

(山里亮太)ストイックに鍛え続けてるんでしょうかね。

(町山智浩)もう徹底的に鍛えているんだと思うんですけども。ただね、ずっと戦っている間……そうだ。今回、敵がすごいんですよ。敵はすきやばし次郎の大将ですよ。

(赤江珠緒)ええっ?

(町山智浩)すきやばし次郎っていうお寿司屋さんに二郎さんっていう寿司職人がいるじゃないですか。あれそっくりの人が今回の敵なんですよ(笑)。

(赤江珠緒)アハハハハハハッ!

(山里亮太)見たい!

(町山智浩)マーク・ダカスコスという非常に格闘アクションのスターの人なんですけど、完全に二郎さんのキャラクターになっているんですよ。

スポンサーリンク

すきやばし次郎的な殺し屋

(山里亮太)それをイメージしているんですか?

(町山智浩)完全にイメージしていますね。ニューヨークのなぜかガード下にすごい美味い寿司を食わせる店があって……(笑)。

(山里亮太)ああ、じゃあ完全にそうだ!

(町山智浩)そう。そこに行って殺しを依頼するとそのすごい包丁さばきで殺してくれるっていう寿司職人兼殺し屋っていう設定ですよ。

(赤江珠緒)フフフ(笑)。

(町山智浩)この寿司屋ね、たしかに包丁さばきがすごくて美味そうなんですけど……なぜかきゃりーぱみゅぱみゅさんの『にんじゃりばんばん』が大音量でずっとかかっているっていう。こんな店で寿司を食いたくねえよ!っていうお店でしたね(笑)。

(赤江珠緒)フハハハハハハハハッ!

(町山智浩)どうかしている映画でしたね。本当に。すごかったですけども。ただね、この『ジョン・ウィック』シリーズってすごく不思議なポイントはね、キアヌ・リーブスがずーっと悲しそうなんですよ。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)キアヌ・リーブス、ずーっと悲しそうな、物憂げでアンニュイな顔で170人ぐらい殺していくんですよ。もう本当に悲しい顔をしながらどんどんと殺していくんですよ。でもね、殺し方がまたね、丁寧なんですよ。雑じゃないんですよ。

(赤江珠緒)ほう。

(町山智浩)どう雑じゃないかっていうと、バーン!って撃って相手が倒れるじゃないですか。で、もうそいつが動けなくなったり、まあ撃ち返してこない状態になったら、次に行けばいいじゃないですか。そんな雑な仕事はしないんですよ。このジョン・ウィック職人は。ササッとそいつのところに行って、バンバーン!ってあと2発、脳天にブチ込むんですよ。

(赤江珠緒)ええーっ?(笑)。

(町山智浩)丁寧な仕事をする殺し屋なんですよ!

(山里亮太)仕上げもしっかり。

(町山智浩)すごいですよ。170人ぐらい殺しますけど、全部ちゃんととどめを刺していきますよ。2発から3発ずつ、ガンガン、ガンガンガンガン!って。まあ、この映画はすごいですけど、弾がいくらでも出るわけじゃなくて、ちゃんと弾の入れ替えとかもやっているし、超リアルなんですけども。そのへんはね、もう徹底的にリアルなんですが、まあすごい熱砂の砂漠に行くんですけどもね。ジョン・ウィック、今回。それでもいつものダークスーツにネクタイを締めたまま、ネクタイを絶対に緩めなかったりするんですけども。砂漠で死にそうなのにね。

(赤江珠緒)フフフ(笑)。

(町山智浩)そのへんはなんだろう?って思うんですけども。どこまでが本当で嘘かはわからないんですけども。ただね、なんでこんなにいつもキアヌ・リーブスは寂しそうなのか? あんまりにも寂しそうなので、おもちゃまで出ているのをご存知ですか?

(赤江珠緒)ええっ?

(町山智浩)ほら、コップに座るキャラクター、あるじゃないですか?

(山里亮太)ああ、コップのフチ子さん。

(町山智浩)そう。あれと同じ形で「寂しいキアヌ・リーブス」っていうおもちゃが売っているんですよ。

(赤江珠緒)ええっ、そうなんですか? ああっ、本当だ!

(町山智浩)そう。それ、ちゃんとオフィシャルなんですよ。

スポンサーリンク

寂しいキアヌ・リーブス

(赤江珠緒)役じゃなくて?

(町山智浩)あのね、キアヌ・リーブスって1人でよくロサンゼルスをウロウロしていることが多くて。普通に道端のベンチとかに座って寂しそうにしているのがよく見られている人なんですよ。

(赤江珠緒)ええっ? プライベートがそういう人なの?

(町山智浩)そう。写真を撮られたりしているんですよ。で、「悲しいキアヌ・リーブスっていうおもちゃを作ったんで売らせてください」って言ったら、タダで売らせてくれたんですよ。「いいよ」って。

(赤江珠緒)ええっ? 珍しい。それは、いいの?

タイトルとURLをコピーしました