吉田豪と中島愛 WWEを語る

吉田豪と中島愛 WWEを語る SHOWROOM

(中略)

(吉田豪)はい。質問いきます。(コメントを読む)「ストーンコールドのベストバウトは?」。

(中島愛)ええーっ? どれだろう?

(吉田豪)試合じゃなくてもいいですね。ベストシーンでいいですけどね。

(中島愛)いっぱいあったからなー。でも私、プロレスとかそういうのでこれは言っていい、これは言っちゃいけないみたいなのがあんまりわかんないんですけど。すごい記憶に残っているのは私がたしか小学生の時か中学1年生の時、いきなりロウかスマックダウンでストーンコールドがすごい悪い人になった時があったんですね。あの時は部屋でめっちゃ泣きました。

(吉田豪)「すごい悪い人」。もともとヒールだけども、より悪くなって?

(中島愛)もっとなんかすごい悪い顔で笑って番組が終わった時があって、めちゃくちゃショックでしたね。それまではヒールっぽいけど割とベビーで。みんな、大衆に支持される感じだったんですけど。

(吉田豪)まあね、ビンスを倒すっていうね。

(中島愛)そう。みんなで権力を……みたいな感じだったのが、急に普通に悪い人になった瞬間があった気がして。本当に忘れられないんですよ。あれはもう、「あっ、あの机の落書き(Hell Yeah!)を消さなきゃ!」って思って(笑)。

(吉田豪)フハハハハハハハッ! 「ヤバい、もう推せない」って(笑)。

(中島愛)私、別の下敷きにも「Hell Yeah!」とかを油性ペンで書いていたんですけども。「もう、消さなきゃ……」って思って除光液で泣きながら消して(笑)。

(吉田豪)「ヒールじゃあもう推せない……」って(笑)。

(中島愛)「応援しているっていうか、好きだったのに……」って。

(吉田豪)そうか。好きだった人が本当に悪い人になっちゃったっていう。

(中島愛)それがめちゃくちゃ記憶に残っていて(笑)。

(吉田豪)すごいピュアにWWFを見ていたんですね(笑)。

(中島愛)本当にピュアに見ていて。でも誰にも言えないし。わかってくれないじゃないですか。「昨日、ストーンコールドがね……」って言っても(笑)。

(吉田豪)「ショックで……」って(笑)。

(中島愛)それで1人で部屋で泣いた記憶があります。

(吉田豪)へー。ビンスのことも「悪い人だ!」って思っていたんですか?

(中島愛)本当に悪い人だと思っていました。

(吉田豪)「社長なのになんでこんなひどいやつなんだ?」って。

(中島愛)そう。「なんで社長でいられるんだろう?」ぐらいの気持ちで(笑)。

(吉田豪)フフフ、いいなー。「これ、なんとかした方がいいよ。クーデター起こしたり……」ってね。

(中島愛)いまとなっては、ねえ(笑)。

(吉田豪)プロ意識のすごい人だっていうね(笑)。

(中島愛)そうそう。「誰よりも尊敬すべき人だったのかな?」ぐらいのね、感じですよね。

(吉田豪)そうだ。ストーンコールド、ショックなニュースが有りましたよね。最近、体調を気にしてお酒をやめたっていう。

(中島愛)そうそうそう! でも、「元気なのがいちばんだし……」とか思いながら。結構ね、プロレスから離れるのも早かったから。私が好きになってもう数年後には試合とかに出なくなっちゃったじゃないですか。

(吉田豪)そうなんですよね。

(中島愛)結構ね、だから本当に私は健康を大事にって、もうアイドルと同じ視点ですよ。「本当に健康をいちばん大事にね。楽しく生きてくれれば本当にそれでいい!」っていう。でもいまは本当にストーンコールドとかがTwitterをやっているのも見られたりするじゃないですか。私はそれだけで感動しちゃって。

(吉田豪)フフフ(笑)。

ストーンコールドのつぶやきが見れるだけで感激

(中島愛)ストーンコールドがつぶやいているんですよ。それが見られる時代だっていうのが本当に泣いちゃうっていう感じで。ベストバウトは……私、記憶力が全然ないタイプなので。リストとかを見ればハッと思い出すと思うんですけども。

(吉田豪)でも、本当に試合じゃないですもんね、WWEは。印象に残るのは試合よりもシーンじゃないですか。

(中島愛)そう! やっぱりあの語り方とか。あと、JR(ジム・ロス)とキングの実況とかがすごい好きだったんで。JRとストーンコールドが絡む時とかは胸アツで。「意外とみんないい人なのかもしれない」とかそこで思ったりとか(笑)。

(吉田豪)フフフ、ピュアに見ていたんだなー(笑)。

(中島愛)本当にピュアに見ていました。

(吉田豪)「キングはいやらしすぎるんじゃないか?」みたいな(笑)。

(中島愛)でも、「キングのちょっと色っぽいところがお母さんは好き」とか言っていて(笑)。「キングファンかい!」みたいな感じだったりとか。(コメントを見て)そう。ジム・ロスね。本当にあの実況と、あとは字幕ですね。字幕も面白さが本当にあったから。そういうので見ていましたね。

(吉田豪)ストーンコールドの有無はデカいですね。

(中島愛)なんか、なんだろう? 普通に顔とか体型とかも含めて大好きですね(笑)。声とかも。

(吉田豪)フフフ、全て?(笑)。

(中島愛)はい。本当に男の人としても好きなんですけど。

(吉田豪)異性として好き?

(中島愛)異性として好き。普通に好き。でも、ヒーローとしてストーンコールドみたいな人がいるっていうのは大きいなって。

(吉田豪)(コメントを読む)「日本のプロレスは見ないんですか?」。あんまり知らないんですよね?

(中島愛)あんまり知らないですね。

(吉田豪)まあ、別ですからね。

(中島愛)最近、やっと豪さんとかがインタビューされているのを見て、全女の本とかを読みだして。

(吉田豪)読んだんすか?(笑)。

(中島愛)はい。買って読んで。

(吉田豪)そんな、特殊な勉強を(笑)。

(中島愛)で、そこからすごい全女関連の本とかをいまは結構読んでいて。

(吉田豪)まあ、たしかに昭和アイドルの流れでもありますからね。

(中島愛)そうですね。クラッシュギャルズさんとか、レコードでは見たことがあったんですけど、試合とかは正直見たことがなくて。

(吉田豪)そうか。ハードオフではいっぱいめぐりあうけど(笑)。

(中島愛)そうそうそう! 結構、なんだろう? 日本語でやりあっていること自体がちょっと怖いと思っちゃう部分があって。

(吉田豪)「この野郎!」とかね。女子プロはうるさいですからね。

(中島愛)そうそう。結構声を出すじゃないですか。そういうところで勝手にちょっと怖いと思って見たことがほとんどなかったんですけど、少しずつ「これだ」って言われている試合とかを見て「面白いかも」って思い始めたんですね。

(吉田豪)全女の本からの勉強(笑)。

(中島愛)そう。生き様がすごい。本当に、なんて言うんだろう? プロレスをやる人の精神性が私、すごい好きで。すごい尊敬するんですよね。まあ、ガチだったっていうところも含めて私は本当に目玉が飛び出るかと思うほど……。

(吉田豪)全女が異常な団体だったっていうね。

(中島愛)そうそう。「そんなことがあるのか!」っていうね。ちょっとずつ、いまかじりかけたっていうぐらいですけど、勉強を始めて。

(吉田豪)運営が勝敗の賭けをするっていうね(笑)。そんなプロレス団体、世界のどこにもないですよ!っていう(笑)。

(中島愛)もう何事か?って思うぐらい。どっちも偉いなっていう。賭けが成立しない方もすごいプロだなと思うし、しちゃう方のもそれはそれでもう……。

(吉田豪)(コメントを読む)「ストンコになる前に新日に出てたね」。そう。蝶野正洋の首を破壊したのがストーンコールドっていうね。

(中島愛)そうかそうか。まだ髪の毛がある頃かな? あの頃は全然動きとか雰囲気、違いましたよね?

(吉田豪)全然違いますよ。あの時、スター性は全然正直感じなかったですからね。

(中島愛)本当に……「スタニング」っていう名前がついていた頃でしたっけ? スティーブ・オースティン。「オースチン」? そもそも「オースティン」ではない?

(吉田豪)ねえ。金髪フサフサ時代っていう。

(中島愛)そうそう! それはあれで知りましたね。ストーンコールドの自伝みたいなのでそんな時代があったって勉強した記憶があります。

(吉田豪)学習してますね(笑)。はい。まだまだ質問、待ってますよ。(コメントを読む)「女性アイドルがレスラーになるのはどう思いますか?」。

(中島愛)どうなんですかね? なんか、こうだって意見するほどではないですけど。本当にでもプロレスに魅せられているならアリなのでは?って。でも私も子供の頃に本当にプロレスラーにあこがれて。っていうか、(WWE)ディーヴァになりたかった。

(吉田豪)「ディーヴァになりたい」(笑)。

WWEディーヴァになりたかった

(中島愛)本当にあの、強くなりたくてしょうがなくて。必死で腕立てとかやっていたんですよ。男子と腕相撲を教室でやって勝つことに非常に快感を感じていた時代があったんですけど。でもやっぱり、プロレスをできる精神がある人じゃないと、真のプロレスラーには絶対になれないだろうなって思って。だから、それを持っている人ならすごくいいんじゃないかな?って思いますけどね。

(吉田豪)うんうん。ディーヴァはね、相当セクシーな格好をしなきゃいけないのに。

(中島愛)そうそう。だから、そもそも出るところが出て、締まるところが締まっていないと無理だから……。

(吉田豪)小学生で憧れるには相当ハードルが高い(笑)。

(中島愛)そう。だから前に話に出たクラスメートの男子に「君はちょっとそういうのじゃないと思うよ」ってやんわりと……。

(吉田豪)フフフ(笑)。「ディーヴァには向かないんじゃないか?」って(笑)。

(中島愛)オブラート何十枚も包んでサラッと言われてちょっとショックを受けるっていう。「ディーヴァっていう感じじゃないんじゃないかな?」みたいな(笑)。

(吉田豪)素晴らしい(笑)。

(中島愛)だからゲームの中だけですね。プロレスはね。

(吉田豪)(コメントを読む)「できた男子だ」(笑)。

(中島愛)フフフ、感謝している。あれだけね、「みんなは知らないんだよ」ってはっきり言ってくれてよかったと思います(笑)。

(吉田豪)マニアックすぎるよ、絶対に見てないよ! (コメントを読む)「今井美樹の『輝きたいの』はどうですか?」(笑)。

(中島愛)わかんないです、ごめんなさい。ドラマかな?

(吉田豪)今井美樹が売れる前に全女のドラマをやっていたんですよね。山田太一脚本で。

(中島愛)へー! 今井美樹さん、じゃあレスラーの役だったんですか?

(吉田豪)そうなんですよ。だから当時、普通に全女で練習とかしていたんですよね。

(中島愛)えっ、えっ? 今井美樹さんですよね?

(吉田豪)今井美樹です。ブレイク前の今井美樹はそっちでしたよ。三原じゅん子とか出ていて。

(中島愛)デビューシングルの『黄昏のモノローグ』よりも前?

(吉田豪)菅原文太とか出てましたよね。(コメントを見て)そう。ゴンゴン(小倉由美)とか。で、全女の中でアイドル売りできそうな子をそっちに入れて、ドラマに出しちゃったせいでジェラシーをされてややこしいことになっていくっていう。

(中島愛)そのドラマか! なるほど! いま、見られる術はあるんですか?

(吉田豪)難しいんじゃないですかね? 本ならうちにありますよ。

(中島愛)本?

(吉田豪)山田太一の脚本。

(中島愛)『輝きたいの』の?(笑)。

(吉田豪)なら、うちに何冊かありますよ。

輝きたいの
Posted at 2019.1.9
山田 太一
大和書房

(中島愛)なんでもあるなー!(笑)。マニアック。みなさん、本当にすごいですね。教えてほしい。勉強会を開催したいぐらい。

(吉田豪)フハハハハハハハッ! 学習したい気持ちがすごいあるわけですね。

(中島愛)そうそうそう。すごい詳しい方に「あのね、めぐみちゃん。これはこうでね、こういう解釈なんだよ」って教えてほしい。

<書き起こしおわり>

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