かせきさいだぁ でんぱ組.inc『くちづけキボンヌ』制作を語る

かせきさいだぁ でんぱ組.inc『くちづけキボンヌ』制作を語る SHOWROOM

かせきさいだぁさんが2023年2月7日放送の『猫舌SHOWROOM 豪の部屋』ででんぱ組.inc『くちづけキボンヌ』を制作した際の模様を話していました。

(かせきさいだぁ)で、その次はもういきなりでんぱ組になっちゃうからな。あ、でもその後がね、ブレッド&バターとか。意外とそのへんをね……ブレバトは結構、アルバムを半分書いたり。あとは佳孝さんに書いたり。あと永井真理子さんも2、3曲書いたり。そういうのをやっていたんですけども。そうしたら、でんぱ組から話が来て。「でも、でんぱ組ってなんだ?」って……。

(吉田豪)あれ? リキッドの時にはもう書いてたんでしたっけ?

(かせきさいだぁ)ええとね、まだね、最初何もやってない頃かな? 「今までの地下でやってた曲がいっぱいあるから、それにプラス1曲足してメジャーアルバムをトイズから出したいんだけど」っていうので。たぶんねむきゅんともふくちゃんが「かせきさんが好きだから、かせきさんに頼みたい」って言ってもらえて。で、最初はね、「『苦悩の人』みたいなのを作ってください」って言われたんですよ。でもそんなの、僕は散々盛り上がらないことを知ってるし(笑)。

(吉田豪)自分がね、経験者ですからね(笑)。

(かせきさいだぁ)そう(笑)。客がポカンとするのを見てきてるし。「ああいうのを作るわけにはいかないな」と思って。

(吉田豪)もっとポップな?

(かせきさいだぁ)そうです。それで、小暮さんがポップな曲を作れるんで、小暮さんに頼んで……みたいな。でも、タイトルの『くちづけキボンヌ』っていうのの「キボンヌ」。「これは死語すぎるだろう?」ってなって、それですごいモメたらしいです。向こうサイドで。「誰がかせきさんに『キボンヌ』はやめてくれってお願いにいくのか?」っていうので、ものすごい会議になったっていう。

(吉田豪)「これは私たちは歌えない」みたいな?(笑)。

(かせきさいだぁ)そうそう(笑)。「キボンヌ」が……まあ、でんぱって秋葉原の最新みたいなあれだったんで。それで、キボンヌは一番ヤバいっていうことで。それで延々とモメていたらしいんですけども。そしたらもふくちゃんが「ちょっと待って? こんなにモメるっていうことは、世に出したら『なんだ、これ?』っていうことで、話題というか、良くも悪くも……」って。

(吉田豪)引っかかりは出るはずだと。

(かせきさいだぁ)「良くも悪くも、ものすごく話題になるんじゃないか?」って言って。それで「キボンヌはやめてくれ」って言われなかったんですよ。で、僕ももちろん、そんなのはわかってんですよ。一番、ちょうどダサいっていうことは。

(吉田豪)最先端の言葉として使ってるわけじゃないっていう(笑)。

松本隆的発想

(かせきさいだぁ)でも、やっぱり松本隆先生が好きだったんで。イモ欽トリオの『ティアドロップ探偵団』というタイトルを聞いた時、「ダサッ!」って思ったんですよ。「ティアドロップがもうダサいし、探偵団も『怪人二十面相』じゃん? 小林少年とか。今、最新のイモ欽トリオにこんなダサいタイトルの曲、歌わせるのってどういうこと? 俺の好きな松本隆が?」って思って。ずっと心に思っていたんですよ。そしたら「ああ、逆にそのギャップとか、昔の人も知っている……知らない人はある程度、いないような死語みたいなものを使うっていうのは、結構大事なのかも?」と思って。

(吉田豪)ダサい方がね、忘れないんですよ。

(かせきさいだぁ)そうなんですよ。

(吉田豪)やっぱりトシちゃんの曲っていうと、『NINJIN娘』が出ますからね(笑)。

(かせきさいだぁ)『NINJIN娘』ね(笑)。

(吉田豪)ダサッ!っていう(笑)。

(かせきさいだぁ)『NINJIN娘』はダサいですよね(笑)。でもそのぐらいの方がいいなと思って。それで、「もうこれは『くちづけキボンヌ』一択だ」って。最初から、話が来た時からもう『くちづけキボンヌ』って心の中で決まっていて。それをやりましたね。で、その『キボンヌ』の前に松本先生が『星間飛行』を作っていたんで。

(吉田豪)はいはいはい。

(かせきさいだぁ)あれなんかも、歌詞を聞くとすごいエロいし。だから「これは打倒『星間飛行』だ!」と思って、ちょっと作ったんですよね。『くちづけキボンヌ』って。

(吉田豪)後にカバーすることになる。

(かせきさいだぁ)そうです。で、『星間飛行』は「キラッ!」があるから。『くちづけキボンヌ』もなんかそういうの入れたいと思って「キュンキュンの」っていうのをつけて。あれ、メロはついてなかったんですけど。小暮さんに「ここに『キュンキュンの』ってつけたいんだ」って言って。そしたら「ああ、いいよ」って言ってくれて。それでね、ちょっと思い通りにいきましたね。

(吉田豪)いや、素晴らしいですよ。

(かせきさいだぁ)いえいえ、ありがとうございます。あれ、偶然いい曲が(笑)。忙しくて、時間全然なかったんですけど。アシスタントの知り合いとか、頼んで呼んで作業してもらって。自分もちょっとやりつつ、パーッと書いて、みたいなのをやって。ギリギリ間に合わせて書いたんですけど。うまい具合に……ストーリーもうまくいって。あれはよくできましたね。自分で言うのもなんですけどね。

でんぱ組.inc『くちづけキボンヌ』

<書き起こしおわり>

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