松尾潔 Russ『Serious』・Teyana Taylor『Gonna Love Me』を語る

松尾潔 Teyana Taylor『Never Would Have Made It』を語る 松尾潔のメロウな夜

松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中でRuss『Serious』とTeyana Taylor『Gonna Love Me』を紹介していました。

K.T.S.E. [Explicit]

(松尾潔)さて、続けて聞こえてまいりましたのは、ジャギド・エッジの『He Can’t Love U』という、懐かしい曲ですね。

ジャギド・エッジ、アトランタを本拠地とするボーカルグループ。112と並ぶアトランタの人気グループということはこの番組でも何度か申し上げてまいりましたけども。そのジャギド・エッジの『He Can’t Love U』を上手くネタ使いした、こんな新曲が出ております。この番組で初めてご紹介するアーティスト、ラスですね。ラスはあの、まあマック・ミラーがそうであったように、ラッパーでありシンガーでありソングライターであるという。もちろんプロデューサーでもあるという、まあ最近……今日びのマルチな才能という人なんですけどね。

まあ白人アーティストですよ。で、ジャギド・エッジの本拠地アトランタの出身でありまして、現在26歳になったばかり。ということは、物心ついた頃から、ジャギド・エッジというかジャギド・エッジの親分でありますジャーメイン・デュプリ率いるソー・ソー・デフサウンドを浴びるように聞いて育ってきたんじゃないかなっていう風に推測できるわけなんですが。そんな彼のジャギド・エッジ愛。もしくはソー・ソー・デフ愛あふれるこちらを聞いてください。『Serious』。

Russ『Serious』


2曲続けてボーカルグループの古典的なヒットをネタにした新曲をお聞きをいただきました。まずはアトランタを本拠地として活動しているラッパー、そしてシンガーのラスで『Serious』でした。この人はアトランタ出身という言い方をしましたけども、ミュージシャンとしての出身はアトランタと言って差し支えないかと思うんですけど、生まれはニュージャージーだそうですね。で、そのラス。26歳になったばかりだという風に言いましたけれども、2000年にリリースされたジャギド・エッジの『He Can’t Love U』。この頃はだから8歳とかだったのかな? その頃の、まあもちろん耳には残ってたはずですけどね。うまい具合に消化しておりましたね。こういうリスペクトの示し方もあるっていうひとつの好サンプルかと思います。

そしてティアナ・テイラー。彼女の『K.T.S.E.』というカニエ・ウェストが制作したミニアルバムっていうのはこれは本当にいい作品集ですね。今年、2018年の女性ボーカルの作品集としては屈指の出来ではないかと思います。僕、個人的には……今度、改めてご紹介いたしますけども、エラ・メイのはじめてのフルアルバム。そして最近よくこの番組でお話しすることが多いですがタミアの『Passion Like Fire』。そういったものと並ぶ位置づけですよね。『K.T.S.E.』。

今日は『Gonna Love Me』という今日をお聞きいただきました。この『Gonna Love Me』という曲はいまバックで流れている『Never Would’ve Made It』がゴスペルナンバーを下敷きにしているのとは対照的に、大変世俗的なヒット。デルフォニックスというね、スウィートなボーカルグループがいますけども。デルフォニックスの『For The Love I Gave To You』という曲のワンフレーズを執拗に何度何度も繰り返して。ちょっと回転数を変えるという、かつてカニエ・ウェストが得意としていた技をね、なんかこのタイミングでやってくれると本当に嬉しいですね。

同じような趣向のものとしては……そのカニエ・ウェストがボーカルグループの古典作品を回転数を変えて使うというやり方でいうと、まあアリシア・キーズの『You Don’t Know My Name』っていうものもございましたけどもね。ああいった手触りがこのティアナ・テイラーの『Gonna Love Me』。そしてアルバム『K.T.S.E.』にはありますね。「このカニエを待っていた!」という人も多いんじゃないかと思います。

<書き起こしおわり>

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