松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中でジ・インターネットのシドのソロ曲『Body』とソングライター マーク・ロウの『Swngn』を紹介していました。
(松尾潔)さあ、ジョニー・ギルをお聞きいただきましたところで、ジョニー・ギルといいますと、もともと天才少年としてソロで出てきて、で、ニュー・エディションに途中で加入しまして。で、その後もソロ活動とグループ活動を並行しているという、音楽人生の中でソロとグループとがついてまわる人なんですが。これからご紹介する女性もグループのメンバーでありながらソロアルバムをリリースしたという女性でございますね。シドでございます。
シドっていうのはどういう出自かと言いますと、ジ・インターネットっていう男女混成のR&B、そしてヒップホップの生グルーヴにこだわった人たちですね。いま、バッグでお届けしております『For The World』という曲。これは聞き覚えがあるという方も多いのではないのでしょうか?
The Internet feat. James Fauntleroy『For The World』
『松尾潔のメロウな夜』が選ぶ2015年のメロウ・オブ・2015の年間トップ20っていうのをご紹介しましたけども、その時に第17位に選びました。去年の1月の放送でお届けしたんですが。
その『For The World』という必殺メロウ・チューンをモノにしたジ・インターネットの女性メンバー、シドのニューアルバム『Fin』。この中から1曲、聞いてもらいましょう。実はこのシドちゃんは去年のグラミー賞の会場で僕、会っていまして。で、話しかけて。「ここのステージに立つ予定はないのか?」って聞いたところ、「うーん、どうでしょう? 立てるといいわね」なんてことを言っていたんですけども。今年のステージには立っていませんでしたが、そのタイミングでソロアルバムを作っていたんですね。そんなシドの曲は『Body』。
Syd『Body』
MarcLo『Swngn』
2曲続けてお楽しみいただきました。まずはジ・インターネットという僕の好みのグループから女性メンバー、シドによりますソロナンバー『Body』でございました。ジ・インターネットは昨年のグラミー賞にアルバムが、ベストアーバンアルバム部門か。ノミネートされていたんですね。『Ego Death』っていうアルバムが。まあ、惜しくも授賞は逃しましたけども、十分に存在感は示せたんじゃないかと思いますね。で、恐らくはこのソロアルバムが来年の賞レースではいい動きを見せるんじゃないかな?っていうぐらいの力作に感じました。この『Fin』というアルバムの方も、もう1曲ぐらいアルバムの中からご紹介したいなという風に思っております。本当に才能というよりも、個性を持ったアーティストですね。
で、ジ・インターネットというグループはオッド・フューチャーというヒップホップ集団の中から出てきて。オッド・フューチャーっていうのはそれこそ破天荒なキャラクターたちを備えてましたよね。まあ、そこからいろんな人たちがスターになっていますからね。フランク・オーシャンなんかもその1人ですけども。なんとなく、あの集団名に名前負けするようなメンバーも実際のところいるかと思うんですけども。シドなんていうのはそういう意味では、どのグループだとかどのクルーにいたとか、なんかあんまり必要としないぐらいの普遍的な魅力もあるのだなと思いました。
続いて聞いていただきましたのは、これはゴキゲンなナンバーでしたね。シドとは一転して。マーク・ロウという男性アーティストの『Swngn』という曲です。表記は母音を取り除いて表記するというね、そういうかっこよさがありますけども『Swngn』。5文字のタイトルでございます。この人は、もともと曲のライターですね。The Monsters and the Strangerzというライター集団がおりますけども、その中の一員でございまして。これまでにリアーナ、ビッグ・ショーン、ジェイソン・デルーロ。こういった人たちと仕事をして、彼らに曲提供を続けてきたりしていたのですが、ここでアーティストとしての前線浮上なるか? というところですが。
まあ、そんなことは置いておいて、この曲大好きです。さっき話したことを伏線にするわけじゃないんですけども、ジェレマイの『I Think Of You』をご紹介する時に「モンテル・ジョーダンの『Get It On Tonite』という曲が下敷きになっている」ということをお話ししました。で、その『Get It On Tonite』もヒット曲ですけど、モンテル・ジョーダンと言えばやはりデビューヒット『This Is How We Do It』に尽きるという方もたくさんいるでしょう。で、その『This Is How We Do It』を見事に換骨奪胎したのがこのマーク・ロウの『Swngn』と来てるじゃないでしょうか。
このマーク・ロウ(MarcLo)という……ずっと僕、早とちりしていましてね。スペルをね。「マルコ・ポーロ(Marco Polo)」っていう感じで覚えていたんですけどもね(笑)。賢明なるリスナーのみなさまにおかれましてはそういうことはないかと思いますが、はい。マルコ・ポーロに非ず。マーク・ロウでございました。
<書き起こしおわり>