プチ鹿島 下町ボブスレーとパワーワード「下町」を語る

プチ鹿島 下町ボブスレーとパワーワード「下町」を語る YBSキックス

プチ鹿島さんがYBS『キックス』の中で平昌オリンピックでジャマイカチームにソリを提供した下町ボブスレーの問題についてトーク。「下町」という言葉が持つパワーワード性について話していました。

下町ボブスレーの挑戦 ジャマイカ代表とかなえる夢

(プチ鹿島)「下町ボブスレー」もちょっとパワーワードになっていますけどね。僕、あれ思うんですけど……下町ボブスレーって説明はしなくていいですか? あれ、ジャマイカに大田区の下町の企業が作ったボブスレーが使われると。そしたら、タイムが遅くて他の国(ラトビア)のものにジャマイカが変えたんですよね。そしたら、それを(契約違反で)訴えるみたいな話をして、逆に「えっ?」って。まあ、それは置いておいて……「下町」ってつくと、なんか油断しますよね。

(塩澤未佳子)フフフ(笑)。そうね。

(プチ鹿島)「下町」ってパワーワードですよね。

(塩澤未佳子)ああー、なんかね、「下町」って聞くともうイコール「人情」みたいな。

「下町」=「人情」のようなイメージ

(プチ鹿島)そう。今回もだからそうですよ。いい話、いいプロジェクトっていうので、それが目的なんでしょうね。だから「下町ボブスレー、いいんじゃない?」みたいな感じでなんとなく聞き流してきましたけど、あれよーく話を見ていると、「これはえげつないな」っていう話になって。「下町」ってすごいですよね。「下町」が前につくと、ものすごい毒消し感というか美談的空気が一気に浮かびますよね。

(塩澤未佳子)本当だ!

(プチ鹿島)「下町アルマーニ」とかどうですか?

(塩澤未佳子)アハハハハッ!

(プチ鹿島)なんかいい話なのかな?って。

(塩澤未佳子)なんか、あまりにも両方が強すぎて(笑)。

(プチ鹿島)いい話なのかな?って一瞬思っちゃいますよね。

(塩澤未佳子)どっちだろう? みたいな(笑)。

(プチ鹿島)「下町セクハラ」とか、どうですか? 一瞬、1秒ぐらいは「あれ、これ美談なのかな?……いや、違う違う違う!」って(笑)。

(塩澤未佳子)アハハハハッ!

(プチ鹿島)でも、そういう迷いかける罠があるんですよ。

(塩澤未佳子)すごいね、「下町」のパワー!

(プチ鹿島)「下町」パワーワードすごいですよ。

(塩澤未佳子)すごいですね!

(プチ鹿島)だから、実はみんな下町のことを幻想だけでしか知らないから、パワーワードなのかもしれないっていう。

(塩澤未佳子)本当だ。だってイメージしかないもの。

(プチ鹿島)そう。だから、昭和30年代のノスタルジックな映画、あったじゃないですか。吉岡秀隆さんが出た……『三丁目の夕日』。あれなんか見ると、昭和のあの頃の牧歌的な夕焼け。まあ、漫画ありましたよね。

(塩澤未佳子)もうあんなの、たまんない!

(プチ鹿島)「ああ、いい時代だったな」と思うけど、実際にあの時代を暮らした人からすると、「いや、治安悪いよ」って言うし、「街も臭かったよ」とか。

(塩澤未佳子)アハハハハッ!

『三丁目の夕日』の昭和30年代は本当にいい時代なのか?

(プチ鹿島)「いや、勝手に幻想化するなよ!」みたいに言うもんね。「臭えよ、街。あの頃、臭かったし、本当に治安が悪かった。いまの方がいいよ!」って言うんだよ。っていうことは、やっぱり知らない人が幻想を楽しんだり。もしくはあの時代……人って忘れるじゃないですか。あの時代を生きてきた人も、やっぱりいいところしか覚えていない。そういうところ、人間あるじゃないですか。だって田中角栄ブームだってそうじゃないですか。角さんの器のデカさ、度量、名言とか……僕も見ていて面白いなと思いますけど、でもよーく考えてください。80年代末まで、「田中角栄政治の支配が続くようなら日本は滅びる!」ってみんな言っていたんですよ。それこそ、『朝まで生テレビ』とか。

(塩澤未佳子)ああーっ!

(プチ鹿島)田中支配からの竹下支配みたいな。ねえ。でも、こういうのがあるのは中選挙区制で自民党とか大きな党の中で、みんなが対立して。それだったら小選挙区しかない! みたいなことを『朝まで生テレビ』で言っていましたからね。で、小選挙区制になったらどうなったか?って言ったら、いまの感じですよ。むしろ、党の名前でうっかりした人が受かっちゃうわけでしょう? 名前だけでね。

(塩澤未佳子)うん。

(プチ鹿島)で、そうなるとみんな、あれだけ田中角栄批判。功と罪が言われていたのが、美しい角さんの話しか思い出せないんですよ。

(塩澤未佳子)いい情景だけ残って。

(プチ鹿島)いま、田中角栄政治が始まったら、俺、それはそれで大問題だと思って(笑)。お金配っちゃったりなんかしてね(笑)。

(塩澤未佳子)アハハハハッ! 不思議ですね、人はね。

(プチ鹿島)そういうところ、あるんですよ。なんか、都合のいいところだけ美化しちゃうっていうか。

(塩澤未佳子)本当だ!

(プチ鹿島)「下町○○」っていうのも俺……パワーワードすぎて。これからはちょっと用心した方がいいのかな?って思いましたね。だいたいそういうプロジェクト、そうですよね。なんか怪しいんだよ。

(塩澤未佳子)フフフ(笑)。

(プチ鹿島)で、なんかそういう頭のいい人が周りを囲んでいるんでしょ?……「囲んでいるんでしょ?」って迂闊なこと言ってますけども(笑)。

(塩澤未佳子)そうね(笑)。

(プチ鹿島)そうそうそう。思いました。「下町」のパワーワード、すごい。で、だいたい言っている人は下町のことを、僕も含めて知らねえんだろうなって。

(塩澤未佳子)ねえ(笑)。

<書き起こしおわり>

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