宇多丸さんがMXテレビ『バラいろダンディ』の中で「ジャッキー・チェンがチャップリンから大きな影響を受けている」という記事について話していました。
(阿部哲子)続いて、第7位はこちらです。
(蝶野正洋)第7位。太田出版ケトルニュース。「ジャッキー・チェンがチャップリンから学んだ教え」。
(阿部哲子)香港映画の大スター、ジャッキー・チェンは喜劇王チャップリンの影響を受けていたと雑誌『ケトル』が報じています。2人に共通するのは笑わせるギャグよりも人から笑われるギャグを得意にしていること。たとえばチャップリンの『街の灯』では素人のチャップリンが強豪ボクサーを倒すためにあの手この手のズルを交えて挑むことで、殴り合いの格闘シーンをコメディーに変えることに成功。ジャッキーもカンフー映画にコメディーの要素を取り入れており、そこにはチャップリンの影響が大きくあると記事は分析しています。
(蝶野正洋)宇多さん、どうですか? これは。
(玉袋筋太郎)これは鋭いね。宇多ちゃん。洞察力が!
(宇多丸)いやいや、鋭くなくて……。ちょっとこれは……。
(蝶野正洋)ああ、違う?
(宇多丸)これは、この記事を書いた人には申し訳ないけど、あのね、この人が言っていることはサイレント映画一般の作法の話をしていて。それを言うなら、ジャッキー・チェンはもうどう考えてもバスター・キートンなんですよ。バスター・キートンの明確な直接的な影響を……もうそのまんまやっているのもありますし。
バスター・キートンとジャッキー・チェン比較
(蝶野正洋)うんうん。
(宇多丸)もちろんチャップリンと共通点って、こういうレベルで言い出したらそうだけど。普通ね、ジャッキー・チェンというのはバスター・キートンというのがあれなわけ。だから、こういう記事を書くならば、「一般的にはジャッキー・チェンといえばバスター・キートンの影響が強いと言われていますが、実はチャップリンの影響も……」っていう、よっぽどの論拠がないとこういうことを書いちゃいけないのに。
(蝶野正洋)ダメですね。
(宇多丸)ええと、ねえ。よっぽど見識のある方が……
(一同)アハハハハッ!
(蝶野正洋)フハハハハッ! 言いますねえ。さすが映画評論家!
(玉袋筋太郎)恥ずかしくなるな、これ。
(宇多丸)なおかつ、これをピックアップする作家陣ももうちょっと勉強をしないと。これはね、恥ずかしい。正直。とにかく、バスター・キートンでございます。バスター・キートンの映画と見比べれば、むしろまんま先輩っていうのがわかると思います。
(玉袋筋太郎)やっぱりチャップリンの影響を受けてるのは松尾伴内とかね。
(プチ鹿島)微塵も感じられないですよ!(笑)。
(玉袋筋太郎)「チャーリー松尾」と言われたんだから。動きがね。うん。
(プチ鹿島)いやー、宇多丸さんの映画の話、生で聞けて感動しているんですよ。僕、さっきスタッフに「たしかにジャッキー・チェンはチャップリンの影響を受けていると思いますよ」って講釈をたれてきたばっかりなんで(笑)。
(一同)アハハハハッ!
(玉袋筋太郎)恥ずかしいよ、お前!
(プチ鹿島)恥ずかしいです(笑)。
(宇多丸)とにかくバスター・キートン、ジャッキー・チェン、トム・クルーズ。この流れが鉄板としてありますから。
(室井佑月)そうなんだ!
(蝶野正洋)鹿島さん、でも逆に影響を受けた芸人さん、先輩っていうのは?
(プチ鹿島)やっぱり、東京で時事ネタで漫才……爆笑問題さんです。
(玉袋筋太郎)おいっ!
(一同)フハハハハッ!
(玉袋筋太郎)ちょっと待て!
(蝶野正洋)同じ事務所(オフィス北野)ですよね? 先輩ですよね?
(プチ鹿島)はい。
(玉袋筋太郎)「食いねえ、食いねえ、寿司食いねえ」ってさんざん……。
(宇多丸)カウンターパンチがすごいよ、これは! すごいな(笑)。
(玉袋筋太郎)(よろめきながら)ガーン! だよ(笑)。
(阿部哲子)以上、第7位までお伝えしました。
<書き起こしおわり>