宇多丸さんがTBSラジオ『タマフル』でライムスターの新作アルバム『Bitter, Sweet & Beautiful』から『Kids in the Park feat. PUNPEE』を紹介していました。
（宇多丸）さあ、そんなライムスターのですね、まあ要はですね、今月29日にライムスター2年ぶり10枚目のアルバム『Bitter, Sweet & Beautiful』、発売されるということでのプロモーションであちこちを回っているということですけど。ここんところ、この番組では毎週ライムスターの新曲をこの番組で宇宙初オンエアーしております。そのアルバムから。そのシリーズ、まだまだ続けたいと思います。今夜も新曲をオンエアーしたいと思います。今回はですね、この間、『SOMINSAI』というね、曲を先にかけましたけど。
今回、アルバムで5曲プロデュースしていただいております。もう我々より2回りぐらいは若手と言っていいでしょうね。2回り以上。PUNPEEくんというね、まあすごい、いまのヒップホップシーンを牽引している素晴らしいラッパーであり、DJ。PUNPEEくんによるプロデュース曲を今日、お聞きいただきたいと思います。こちらはですね、アルバムがかなり設計図的にね、前から言っているようにコンセプト的にかなり固まって。本当にこれ、コンセプトアルバムで行ける！っていう時に、PUNPEEが、ずっとトラックは出してもらってずいぶん曲作ってたんだけど。『ついに決定的な自信作ができました』っていうのが今回の聞いていただく曲なんです。
PUNPEEの決定的な自信作
『すごいのができました』って。で、実際に聞いたら、『こりゃ、すごいね！ちょっとPUNPEEのトラックの中でも、ネクストレベルに行ったね！』みたいな感じで。で、まあPUNPEE入魂のトラックということで。それだけに本当にね、コンセプトから曲の仕上げまで、本当になんて言うんですかね？この曲がいちばんPUNPEEとのせめぎ合いを本当にグイグイやった曲でした。お互い忌憚なくというか、細かく意見を言った。大筋で、それこそ『みんなのうたでもかかっていいような』みたいな。公園で遊ぶ子どもメタファーっていうか。
まあ、子どもの話でもいいんだけど。たとえば公園という場。学校の校庭とは違って、先生の監視の目もないし。何時に帰らなきゃ行けないっていう決まりもなくて。決まりは要するに、自分たちで決める。プラス、クラスとかそういう単位じゃない人とも出会いうる場みたいなところで。まあ、一連の今回のアルバムのテーマとも一致する。たとえば、後はもうグチャグチャにドロドロになって遊ぶ時も必要とか。要するに学校とか親が教える世間的な正しさルールとは違うものを学ぶ場ですよとか。
なんだけど、その中に自分たちの中で作る秩序がありますよとか。そんなこと、今回のアルバムのテーマにばっちり収まる。『子ども・公園』っていうメタファーがね。ハマる曲なんですけど。PUNPEE側もすごくね、これは本当こだわっていて。ヤツの中にその、特に音的な、曲的な完成図っていうのがあるみたいで。たとえば、『宇多さんの3番ヴァースなんですけど、いま16あるんだけど、これ、8でいいと思います』とか、そういう。初めてそんなリクエスト受けて。で、『まあ書きなおすかな？』と思ったんだけど、『構造的に8から切れるから、じゃあ8でいいよ』とか。そういうことをやったりとかですね。細かい言い回しとかニュアンスとか。
で、いろいろ試しながらもPUNPEE、『やっぱり元の方がいいってわかりました』とか。試したら元の方でいいってわかったとか。そういうので、いろいろせめぎ合いをグイグイやって作った曲でございます。ということで、PUNPEE的にも自信作ですし、僕ら的にもなかなか、メタファーとしても面白いものができたと思う。キャッチーだけど、深くて毒っ気もあるというような曲になったんじゃないかなと思いますんで、お聞きください。ニューアルバム『Bitter, Sweet & Beautiful』より宇宙初オンエアー。ライムスター『Kids In The Park feat.PUNPEE』。
RHYMESTER『Kids In The Park feat.PUNPEE』
（宇多丸）ここから『Pain Killer』に行くっていうね。この流れがたまらないものがあるアルバムなんでございます。ということで、『Kids In The Park feat.PUNPEE』をお聞きいただきました。ええと、断片的にね、少しずつ曲をお聞きいただいているんで。全体像がね、少しずつ見えてきて。まだまだわかんないと思いますけど。本当、全体はまると、ああ、こういうピースの一部だったのか！というのがわかるようなアルバムの作りになっておりますので。ぜひね、『Bitter, Sweet & Beautiful』。全体を通して聞いていただくのが本当に楽しみでしょうがないんですが。
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