プチ鹿島さんがYBS『キックス』の中で斉藤由貴さんについてトーク。スキャンダルによって斉藤由貴さんを排除してしまうことで損失を被るのは誰か? という話をしていました。
(プチ鹿島)だから僕、口を酸っぱくして言ったでしょう? 斉藤由貴さん。すごくパージされましたけど……スポンサーの方とか家族の方が怒るのはしょうがないと思うんです。当事者だから。だけど、回り回って僕らも一緒になって「斉藤由貴、けしからん!」なんて言うと、これ僕らがいちばん損しているんですよ。「僕ら」っていうのは観客席にいる人たちです。
(塩澤未佳子)はい。
(プチ鹿島)だって、そうでしょう? 「この役は斉藤由貴さんしかいないな」っていうんでオファーをするわけですよ。で、そのオファーしたい役の人がもういなくなるわけ。もしくは、降板するわけ。で、二番手の人ががんばる。それはそれでいいけど、少なくともそれによって制作者が「この役をいの一番にやってもらいたいな」っていう、見事にフィットするであろう斉藤由貴さんという方の演技が見れないわけですよ。観客が。これ、誰の損ですか?っていう話ですよ。
(塩澤未佳子)本当だ。
観客がいちばん損をする
(プチ鹿島)僕らが損しているんですよ。で、斉藤由貴さんの話をした後に僕、『三度目の殺人』っていうのを見に行ったんです。もう、びっくりして。斉藤由貴さんが。もう、いま言われているような役というかキャラというか。もう、そのものなんですよ。本当に。最初はある事件の被害者の奥さんなんですけども、見ていくうちに、「あれっ? この人ってなんか裏があるの?」とか「あれっ? この人、なんだろう?」とか。こう、観客をざわざわ、半信半疑にさせるわけです。「この人、なんだろう?」って。その妖艶なというか、あやしい(怪しい・妖しい)。これ、どっちも当てはまるんです。それってやっぱり演技が上手いだけじゃ出せないものなんですよ。
(塩澤未佳子)もうその人だからこそ出せるっていう。
(プチ鹿島)絶対に。斉藤由貴さんの、あえて言いますけども非常識な私生活とかプライベートとか。この20年、30年のね。それが、出ているわけですよ。それはたしかに家族の方とかスポンサーの方は、「もうちょっと普通に暮らしてくれない?」って言うかもしれないけど、僕らはある意味、そこのオイシイ部分を役に投影して、それを僕らは見させてもらうだけだから。僕らがいちばん利益があるわけですよ。こんなリアルな役、よくできたな!って感心しちゃうじゃないですか。だから僕は……。
(塩澤未佳子)そこはそうか。止めない方がいいんですね。
(プチ鹿島)「止めない」というか、少なくとも当事者じゃない限り……で、「なにかいい作品を見たい」という欲望であれば、観客はそんなことは二の次にすべきだと思うんですよね。
(塩澤未佳子)本当ね。
(プチ鹿島)だってあの斉藤由貴さんのあやしい感じ。誰がいま、他にできます?
(塩澤未佳子)いやー……。
(プチ鹿島)って言っていたら、この間の週刊文春で倉本聰さんが同じようなことを言っていた。なんか、俺の話を聞いていたのかな?って思って(笑)。んなことはない(笑)。
(塩澤未佳子)すごい妄想(笑)。
(プチ鹿島)でも本当、倉本聰さんも「ちょっと前まで斉藤由貴さんは特に興味はなかったけど、最近のは『なんだ、あれ?』っていうぐらい演技が素晴らしい。だから、もったいない」って。
(塩澤未佳子)うわーっ!
(プチ鹿島)どうですか? 僕、倉本聰と同じことを言っていますよ(笑)。
(塩澤未佳子)(笑)
(プチ鹿島)だから、結局……まあね、たしかにいま、このご時世、ああいうのを「どうなんだ?」って。そりゃあ、ねえ。責めたくはなるけども、でも責める人の優先順位ってあると思うんですよね。で、僕らはむしろそこは、「守ってあげる」って言ったら変ですけども。観客としては、いちばん損しているのは僕らですよね。
(塩澤未佳子)そうね。そこに気づかないからね。大目に見るっていう感じですかね。
(プチ鹿島)そう。
<書き起こしおわり>