菊地成孔・漢 a.k.a GAMI・OMSB リリックをスマホに書くラッパーを語る

菊地成孔・漢 a.k.a GAMI・OMSB リリックをスマホに書くラッパーを語る 菊地成孔の粋な夜電波

漢 a.k.a GAMIさんとSIMI LABのOMSBさんがTBSラジオ『粋な夜電波』にゲスト出演。菊地成孔さんとリリックをノートに手書きするか? スマホに書くか? について語っていました。

(菊地成孔)はい。『菊地成孔の粋な夜電波』、ジャズミュージシャンの菊地成孔がTBSラジオをキーステーションに全国にお送りしております。今週はオープニングでもご紹介させていただきましたMC漢さんとSIMI LABのOMSB’Eatsをお迎えしての4H、『Holly Hip Hop Hour』。ヒップホップ特集ですね。日本を代表するフリースタイラーが2人、私の目の前に座っていますけども、突如としてバトルが始まるということはありません。

(OMSB)(笑)

(菊地成孔)はい。なにしろTBSラジオ初出演ということで、MC漢さんにお越しいただきました。ありがとうございます。

(漢 a.k.a GAMI)いえいえ、こちらこそ。ありがとうございます。

(菊地成孔)漢さんはとにかく、この番組的に言うと、まず俺が『ヒップホップ・ドリーム』を読んで。あれ、『ヒップホップドリーム』って『フリースタイルダンジョン』の直前ですよね?

(漢 a.k.a GAMI)そうですね。始まる前です。

(菊地成孔)始まる前ですよね。で、本を読んで「これはヤバいな」っていう。その前からもちろん、CDとしての、要するに音楽の方は聞いていたんですけども。よくある、突如としてある音楽家が本を出したらめちゃくちゃに面白かったというパターンで番組で読ませていただいて。

菊地成孔 MC漢 ヒップホップ・ドリームを夢中で読んだ真夏の夜の話

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菊地成孔さんがTBSラジオ『粋な夜電波』の中でMC漢 a.k.a GAMIさんの著書『ヒップホップ・ドリーム』を絶賛。真夏の深夜にファミレスをハシゴしながら夢中になって読んだ話をしていました。(菊地成孔)はい。『菊地成孔の粋な夜電波』でござ...

(菊地成孔)それから、トントントンとありまして、時間の省略のために真ん中を飛ばしますけども。最終的に現状としては、JAZZ DOMMUNISTERSという、私とTani-O(大谷能生)という、まあ少々頭のおかしいのとが一緒にやっているユニットのフィーチャリングとして2曲、最新アルバムに参加していただいておりまして。

(漢 a.k.a GAMI)はい。

(菊地成孔)で、オムスの2曲。

(OMSB)そうですね。

(菊地成孔)で、今日はそのアルバムの特集じゃなくて……そのアルバムは後で大谷くんと2人で特集するとして、今日はレコーディングが終わったばっかりで、オムスはさっきまでレコーディングしてたんだよね。

(OMSB)そうっすね(笑)。

(漢 a.k.a GAMI)お疲れ様です。

(OMSB)お疲れ様です。とんでもないです。

(菊地成孔)漢さんに2曲参加していただいて、本当にアルバムに厚みが出たっていう感じなんですけども。

(漢 a.k.a GAMI)まあ、そうですね。

(菊地成孔)漢さんにオファーすると、鎖(グループ)って……番組とかを見ると、全部お持ちじゃないですか。スタジオとか、カフェとかまでお持ちで。だから、きっと漢さんにオファーしたら、鎖の方からラップのトラックだけが送られてきて。で、「勝手にビートに乗っけろよ」っていう感じになるのかな?って思ったら、現場の方に実際にお越しいただいたんで、みんなが緊張してたんですけど(笑)。

(漢 a.k.a GAMI)いやいや(笑)。

(菊地成孔)エンジニアとかが「えっ、来るの? MC漢が?」とかって言っていたんですけどね。

(漢 a.k.a GAMI)ああ、そういう雰囲気だったんですね。たぶんそれがもう跳ね返りすぎてしまって。またこっちにも違う空気感に感じて。僕も読み取ってしまったんで。違う読み取り方をしてしまいまして。

(菊地成孔)本当ですか(笑)。

(漢 a.k.a GAMI)終始僕はもう、硬直状態になっていましたから。

リリックをスマホに書く派のOMSB

(菊地成孔)いやー、すごいですね。僕、結構感動したんだけど。オムスとかと一緒にやっていると、もう彼らはリリックがスマートフォンなんですよね。

(漢 a.k.a GAMI)ああ、その世代か。

(菊地成孔)うん。スマートフォンに書き込んで、スマートフォンで直して、録る時もスマホを持ち込んで録っているんで。すごい、なんて言うの? まあまあ、歳も離れているんでしょうがないんですけど。

(OMSB)(笑)

(漢 a.k.a GAMI)よくできますよね、あれ。あんなの見ながら、こう歌うっていう。

(菊地成孔)本当(笑)。俺、漢さんがスタジオの廊下の隅の方でなんか一生懸命に紙に書き込んでいるのを見て……(笑)。

(漢 a.k.a GAMI)若干、あれもう恥ずかしかったですよ。書いている姿が。自分で。

(菊地成孔)いやいや(笑)。

(OMSB)いや、スマホ恥ずかしいっすよ。スマホで……普通に紙に書いている人の前でやるってなった時に、異様にやっぱり恥ずかしくなるんですよ。

(漢 a.k.a GAMI)何? あんな得意気な感じにやっているけど。恥ずかしいもん、あるの?

(OMSB)なんか、こういうところで見られているんじゃねえかな?って思って。

(菊地成孔)いや、でもスマホ持ちが恥ずかしそうに感じないけどね。

(OMSB)そうですか?

(菊地成孔)誇らしそうにしか感じないけど。

(OMSB)全然誇らしくないっす(笑)。

(菊地成孔)いや、俺だから漢さんがくたびれたノートにペンでこうやって細かい字で書き始めてたんで、「やった!」っつって。すんごい安心感がありましたけどね。

(漢 a.k.a GAMI)ひとつだけ秘話としてはですね、あれ、実は僕、2つのノートを自宅の方で共有してしまっていて。で、最初にラフを書いて、清書っぽく書いたものがあったんですけど、持ってくるのを逆で来たんですよ。また。出だしから。

(菊地成孔)なるほど(笑)。ありがちですね。

(漢 a.k.a GAMI)なんで、「この間の言葉、なんだっけ?」とかから始まっちゃったんで。それも隠すの必死だし。もう耳もバカになりかけるぐらいに「やっべー!」とかブースの中でなっちゃって。危なかったっす。

(菊地成孔)いやー、なんか……(笑)。「鎖の作り方かな、これが」ってみんなで……。「入ってから、考えるんだ」って思って。「さすが、フリースタイラー!」とかって。こう、始まってからどんどんビートを回している間にずーっと、「じゃあ、行きます。ブツブツブツ……」ってなかなか始まらないから「どうしたのかな?」って思って。だんだん整ってきて、「ああ、そうか。こういう形になってたんだ」っていうのに数時間かかったりして。「いや、ああやってやってるんだね、きっと。すごいね」とか言っていたんですけどね。ノートが逆だったんですね。

(漢 a.k.a GAMI)そうですね。なんで、ちっと言い訳じゃないですけども。むしろ鎖流っていうか僕流のこの……機会があれば本当、見てもらいたいですね。僕がやっている作り方ですね。もう面倒くさすぎて何も持たずにブースに入って作り出すっていう。調子がいいと1時間なんだけど。

(菊地成孔)うんうん。

(漢 a.k.a GAMI)だけどまあ、「ここではやってはいけない」って思ったんで、ちゃんと書いて行ったんですけども(笑)。

(菊地・OMSB)(笑)

(漢 a.k.a GAMI)忘れちゃって。逆にして。ノートを。びっくりしました。あの時は。

(菊地成孔)まあ、書いたおかげで忘れちゃうっていうリスクが発生するっていうね。

(漢 a.k.a GAMI)「携帯、うらやましい」って思いながら。

(菊地成孔)携帯、うらやましいよね。なんかね。

(OMSB)でもなんか、悪い場所っていう感じにはバッチリなりますからね(笑)。

(菊地成孔)そうだね(笑)。

(OMSB)「そのまんまだ」って思って(笑)。

(漢 a.k.a GAMI)もうこのきっかけが、僕の本を読んでもらったからというよりは、僕がこの番組を聞いたからっていうのがむしろきっかけであって。そこから、スナックの取材で一緒に対談して。

(菊地成孔)『BRUTUS』ですね。あん時はこんな話をしている場合じゃなかったですもんね。双子のママにやられて。

(漢 a.k.a GAMI)はい。

(OMSB)双子の?(笑)。

(菊地成孔)双子のおばあさんにぶっ飛ばされて。

(漢 a.k.a GAMI)きゃべつが本当にすごい場所で。

(菊地成孔)きゃべつっていう場所があるんだけどさ。

(漢 a.k.a GAMI)スナック。

(菊地成孔)そう。スナックなんだけど。オムスに説明しづらいんだけど、区役所通りっていう通りがあって。その通りの中に雑居ビルがあって、その上にある、まあ何ていうか新宿そのものっていう感じの……そう。おばあさんの双子がやってるの。『ツイン・ピークス』みたいなさ、もうヤバいところで。

スナックきゃべつ

菊地成孔さんと漢 a.k.a GAMIさん、スナックに行く!

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(漢 a.k.a GAMI)「あーん」なんてされちゃって。それを食って、もう菊地さんが笑うみたいな。俺が「あーん」してるのを見て、すかさず笑って「ヤベー!」みたいになっているのが。

(菊地成孔)(笑)。「なんでもいいから、食べなさい」って言われて。雪印のカマンベールとか、雪印の切ったハムとか、雪印攻めになったりして(笑)。楊枝の刺したやつを漢さんに「あーん」って(笑)。

(漢 a.k.a GAMI)「食うしかねえ」みたいな。

(菊地成孔)「これ、『食うしかねえ』って思って食ってんな」って思って(笑)。もう笑いをこらえるので死にそうになっちゃって。なんか。

(漢 a.k.a GAMI)がっつり笑ってましたもんね。ヤバかったっす。

(菊地成孔)いやー、楽しかったですよね。で、あの後にChim↑Pomに呼ばれてセッションは。

(漢 a.k.a GAMI)あのセッションは何だったんですかね?

(菊地成孔)あれ、わからない。

(漢 a.k.a GAMI)へー。じゃあ、いろいろシンクロしてるんですね。一応、こう。僕ら以外の力でもこう、めぐり合わせじゃないけど。セッションさせてもらっているということは。

菊地成孔 漢 a.k.a GAMI&DJ BAKUとの歌舞伎町ライブを語る
菊地成孔さんがTBSラジオ『粋な夜電波』の中で漢 a.k.a GAMIさん、DJ BAKUさんとChim↑Pomの個展『また明日も観てくれるかな?』で行った深夜の歌舞伎町セッションを振り返っていました。※記事の最後にセッション動画があります...

(菊地成孔)そうかもしれないですね。

(漢 a.k.a GAMI)でもすごいあのライブは気持ちよかったです。

(菊地成孔)ああ、よかったですね。

(漢 a.k.a GAMI)楽しかったです。

(菊地成孔)楽しかったですね。

<書き起こしおわり>

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