高橋芳朗 アメリカのロックバンドが歌った広島・反戦歌を語る

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高橋芳朗さんがTBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』の中で1960年代にアメリカのロックバンドが発表した、広島への原爆投下をテーマにした反戦歌『I Come And Stand At Every Door』を紹介していました。



(ジェーン・スー)さあ、というわけで今日のテーマをお願いします。

(高橋芳朗)はい。今日はですね、オバマ大統領の広島訪問にあわせて、こういうテーマを用意しました。『60年代 アメリカのロックバンドが歌った広島』。はい。今日の午後、現職のアメリカ大統領としてはじめて、オバマ大統領が広島を訪問するわけですけども。それにちなんで、60年代にリリースされました、広島の原爆投下を題材にしたロックの反戦歌を紹介したいと思います。

(ジェーン・スー)はい。

(高橋芳朗)曲はですね、ザ・バーズ(The Byrds)。フォーク・ロックの代表的な存在ですけども。『Mr. Tambourine Man』とかが代表曲かな。そのザ・バーズの『I Come And Stand At Every Door』という、1966年の作品になります。結構ね、バーズみたいな有名バンドが広島を題材にした曲を歌っていた。しかも、彼らの人気の絶頂期の作品だったりするので。その事実だけがまず、衝撃的とも言えるんですけども。ちょっと曲を聞いて頂く前に、この曲の背景を簡単に説明させてください。

(ジェーン・スー)はい。お願いします。

(高橋芳朗)この曲、歌詞は原作があるんですよ。バーズが書いたものではなくて。ナーズム・ヒクメット(Nazim Hikmet)というトルコの詩人が広島の悲劇をつづった『死んだ女の子』という史が原作となっています。1955年に発表された詩ですね。で、バーズの『I Come And Stand At Every Door』はこの『死んだ女の子』を英訳して、メロディーをつけて歌ったものになります。で、もともとはピート・シーガー(Pete Seeger)というアメリカのフォークソングの第一人者が1962年に歌ったんですね。それをバーズがカバーしたと。

(ジェーン・スー)なるほど。

(高橋芳朗)そういう感じですかね。で、このナーズム・ヒクメットの『死んだ女の子』という詩は英語圏に限らず、様々な国で翻訳されてメロディーがつけられて歌い継がれているんですね。ここ日本も例外ではなくて、フォークシンガーの高石友也さんが1967年にアルバムの中で取り上げていますね。バーズが歌った翌年ですか。



(高橋芳朗)で、2006年には元ちとせさんのカバーバージョンがリリースされております。いま、かけていただきましょうか。



(高橋芳朗)こちら、プロデュースは坂本龍一さんが手がけておりまして、寺島しのぶさんが主演してました映画『キャタピラー』のテーマソング、主題歌にもなっている。で、リリースは2006年なんですけど、その前年の2005年の8月にはTBSテレビ『NEWS23』の中で、原爆ドームの前で元ちとせさんがこの曲をパフォームするということがありましたけどもね。こういう背景を持っているナーズム・ヒクメットの『死んだ女の子』という詩を元にしたバーズの『I Come And Stand At Every Door』をこの後、CMを挟んで聞いていただきたいと思います。

(CM明け)

(ジェーン・スー)『ジェーン・スー 生活は踊る』、この時間は音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんによる『高橋芳朗のミュージックプレゼント』をお送りしています。今日はオバマ大統領の広島訪問に合わせて、『60年代 アメリカのロックバンドが歌った広島』をテーマにしてお送りしています。

(高橋芳朗)はい。じゃあさっそくですがそのザ・バーズが1966年にリリースしました広島への原爆投下を題材にした『I Come And Stand At Every Door』を聞いていただきたいんですけども。その前に、この曲の歌詞全文をちょっと紹介したいと思いますので。堀井さんの方から、朗読していただけますでしょうか?

(堀井美香)題名は『死んだ女の子』。

(高橋芳朗)国内盤のバーズのアルバムでは『死んだ少女』というタイトルがつけられております。

『死んだ少女』歌詞

(堀井美香)私は誰の家の戸口の前でも立ちます
でも、私の足音を聞く者は誰もいません
ノックをしても、やはり誰にも見えません
なぜなら、私は死人だから
私はわずか7才で死にました
遠い昔、広島で
いまもあの時と同じ7才
死んだ子供たちは、いまも彷徨っています
私の髪は 燃えさかる炎に焦がされ
目はかすみ、やがて見えなくなりました
史が訪れ、私の骨を灰に変え
それは、風にまき散らされていきました
果物はいらない ごはんもいらない
お菓子もパンもいらない
私は何もいらない
私は死んだのだから
もう死んだのだから
私の願いは平和だけ
今日もどこかで戦争が起きている
この世界に住む子供たちが
笑い、遊びながらすくすくと育つことだけが
私の願いなのです

(高橋芳朗)はい。じゃあ聞いていただきましょう。ザ・バーズで『I Come And Stand At Every Door』です。

The Byrds『I Come And Stand At Every Door』



(高橋芳朗)はい。ザ・バーズで『死んだ女の子(I Come And Stand At Every Door)』を聞いていただきました。このバーズのバージョンはもちろんなんですけど、1967年に出た高石ともやさんのバージョン、あと元ちとせさんのバージョンもiTunesで簡単に入手することができますので、この機会にぜひみなさん、聞いてみてはいかがでしょうか。はい。でね、オバマ大統領がどんな声明を発表するかが注目されるところですけどね。

(ジェーン・スー)そうですね。この曲を聞きながら、いまヨシくんと堀井さんとも話していたんですけども。これを受けての、軽々しいコメントとかを出せないよね。

(高橋芳朗)そうだよね。うん。

(ジェーン・スー)みんなで、リスナーの人と一緒にこの曲を聞くっていうことがいちばん正しいような気がするんだよね。

(高橋芳朗)この体験だけでね。うん。

(ジェーン・スー)これを聞いてさ、「やっぱり忘れちゃいけないですね」とかさ……まあ、その通りなんだけど。とかさ、「このことを考えると、辛い」みたいな。いや、口からペラペラッと出そうと思えばなんでも出てくるんだけどさ……っていう話だよね。

(高橋芳朗)うん。まあでも、このタイミングでね、こういう曲をみなさんと共有できたっていう。それが意味があるかなと。

(ジェーン・スー)それがいちばん大事だなと思いながら聞いていました。

(高橋芳朗)はい。

(ジェーン・スー)というわけで、来週は?

(高橋芳朗)来週は……6月に入りますから、たとえばジューン・ブライドですからね。ウェディングソングだったり……

(ジェーン・スー)「花金」はいつやるの?

(高橋芳朗)「花金」はもうね、抑えとしてズルズルズルズルのばしていきたい。

(ジェーン・スー)わかりました。じゃあ来週はジューン・ブライドイメージで。

(高橋芳朗)あと、雨が降ったら雨にちなんだ歌とかもできますし。

(ジェーン・スー)ご存知、「決まっていない」っていうことですね。

(高橋芳朗)(笑)

(ジェーン・スー)というわけで、高橋さん。ありがとうございました。

(高橋芳朗)ありがとうございました。

<書き起こしおわり>

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