しまおまほと宇多丸『ストレイト・アウタ・コンプトン』を語る

しまおまほと宇多丸『ストレイト・アウタ・コンプトン』を語る 宇多丸のウィークエンド・シャッフル

しまおまほさんがTBSラジオ『タマフル』の放課後ポッドキャストの中で、N.W.A.を描いた映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』について宇多丸さんと話し合っていました。

(宇多丸)なになに? なんか思いついたの?

(しまおまほ)『ストレイト・アウタ・コンプトン』を見たんですよ、私は。

(宇多丸)おおーっ! しまおさんにしては、だいぶあれじゃない。タイムスパン、いいじゃない。

(しまおまほ)あれ、面白かった―! もう、最高ですね(笑)。

(古川耕)なにが最高?

(しまおまほ)アイス・キューブが出ていてね。あと、ドクター…

(宇多丸)ドレ?

(しまおまほ)ドレ、かっこいいねえ!

(宇多丸)あれ、ちょっと実物よりかっこよくなっちゃってますけどね。

(しまおまほ)あれ、いいですね。

(宇多丸)そうですか。あれはいい映画ですよ。

(しまおまほ)アイス・キューブ、そっくりですね(笑)。

(宇多丸)本当ですよ。

(古川耕)ズバズバ来ますね!(笑)。

(宇多丸)アイス・キューブは知っていたんですか?

(しまおまほ)いや、あの……

(宇多丸)旦那、ラッパーじゃないですか!

(しまおまほ)後からパンフレットを見て、「そっくりじゃん!」っていう。

(宇多丸)だってそんな、さすがね、いくらテイストが違うからって、そりゃあかせき(さいだぁ)さんだってN.W.A.の解説ぐらいできるでしょう。それは、だって。「この人はこうでね。まほ、わかるかい?」って。

(しまおまほ)ああー。その話はあんまりしなかったです。

(宇多丸)N.W.A.の話はしない?

(しまおまほ)うーん。なんか言ってたかな?

(中略)

(しまおまほ)いやー、あれさー、トミカ、いいよね。トミカ(イージー・E夫人)。

(宇多丸)あれですか、『コンプトン』?

(しまおまほ)あのさ、本当にあの人、嫌だ。

(古川耕)シュグ・ナイト?

(しまおまほ)そう。シュグ。

(宇多丸)シュグ・ナイト、似てるんだ、また。

(しまおまほ)なんで、あんな闘犬みたいなのしてさー。

(宇多丸)あれ、でもね、あんな同じ場面じゃないけど、結構やっぱり業界あるあるですよね。要するに輩が絡んできて、話がちょっと……って。

(しまおまほ)でも結構、普通に……もっと人が死んだりとか、途中でいろいろ事件が起るかと思ったけど、割とスラッとした話ではありますね。

(宇多丸)基本的には、だって彼ら自身が別に銃を撃ちまくるとか、そういうわけじゃないから。

(しまおまほ)ああー。でも巻き込まれたり、もっとしたりとか……

(宇多丸)するのは、2パックとかですよ。あそこにチラッと出てきた2パックとかが、まさにあのシュグ・ナイトとかがかなり関わった感じで。いまだにその犯人、捕まってないけど、死んで。その後にビギーっていうニューヨークのラッパーが死んで、みたいな。えらいこっちゃですよ。

(しまおまほ)いやー、えらいこっちゃ、えらいこっちゃ。面白かったー。

(宇多丸)ちなみに、あれですよ。『ストレイト・アウタ・コンプトン』はあまりに――プロデューサーがキューブとドレだからしょうがないんだけど――あまりに2人寄りで描かれすぎだという。イージー・Eが悪くというか、噛ませ犬役として描かれすぎだっていうんで、イージー・Eサイドのドキュメンタリーもね、作られて。いま、やってんのかな? ちょっと前にやっていたのかな?

(しまおまほ)見た?

(宇多丸)見ました。ただそれは、やっぱりイージー・Eサイドの言い分すぎて。逆に。「いや、それはそれでさ……」っていう。

『N.W.A & EAZY-E:キングス・オブ・コンプトン』

(しまおまほ)映画としてはどうでした?

(宇多丸)映画としては、正直……うん。まあでも、僕は「あっ、コケインだ!」とかね。そういう人が出てきて、「おおっ!」みたいになりました。

(古川耕)ラッパーの名前です。

(しまおまほ)ふーん。

(宇多丸)あと、あの中で出てくるワールド・クラス・レッキン・クルーのロンゾ。

(しまおまほ)ああ、ロンゾね(笑)。わかる! なんでわかるんだろう、私(笑)。

(宇多丸)すごいですよ。しまおさん、だってあの映画が公開されるまで、やっぱりワールド・クラス・レッキン・クルーのロンゾまでは出てこないからね。普通。

(しまおまほ)ロンゾね。はいはいはい(笑)。

(宇多丸)の、証言もありましたよ。そうそうそう。

(しまおまほ)ねえ。ジュリーもちょっとかわいそうな感じがしましたよ。

(宇多丸)ジュリー・ヘラーね。ポール・ジアマッティが。

(しまおまほ)あんなに守ってくれたのにね。

(宇多丸)うん。でも、あのくだりはよかった。アイス・キューブの『No Vaseline』っていう曲が出て。みんなで聞いていてさ。

で、DJイェラだけさ、「うん、おもしれーじゃん!」なんて言っちゃって。「面白くねえよ!」って。でも、MCレンっていうのも映画では脇役ですけど、全然すごい優秀なラッパーだし。ねえ。そのジュリー・ヘラーが「反ユダヤ主義だ!」って、そこだけめちゃくちゃ怒るとかさ。実際、あの当時キューブはそこから批難を受けたりしていたんで。

(しまおまほ)ふーん。

(宇多丸)あれはね、ヒップホップが好きだとニヤリとさせられるね。

(しまおまほ)濡れ濡れパーティーがね、楽しそうでした。

(宇多丸)あと、途中で交通事故にあっちゃいましたっていう。あれはThe D.O.Cっていう、アイス・キューブが抜けて以降のN.W.A.を……

(しまおまほ)ああ、喉をダメにしたね。

(宇多丸)めちゃめちゃいいラッパーだし、N.W.A.の大ヒットアルバムの歌詞をほとんど書いていたりとか。素晴らしい人なんで。あの扱いの軽さとかね、ちょっとね、ありますよ。

(しまおまほ)ちょっといまからハマろうかな?

(宇多丸)80年代、90年代ヒップホップ? 行きますか?

(しまおまほ)YO! YO!(笑)。

(宇多丸)レクチャーしますよ。っていうか、旦那に聞けばいいじゃない!

(しまおまほ)やめてよ! やめてよ、もう!

(宇多丸)(笑)

<書き起こしおわり>

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