高橋芳朗 5月がテーマの洋楽特集

高橋芳朗 5月がテーマの洋楽特集 ジェーン・スー 生活は踊る

音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんがTBSラジオ『生活は踊る』内のコーナー、『高橋芳朗のミュージックプレゼント』で5月をテーマにした洋楽を紹介していました。

(高橋芳朗)高橋芳朗のミュージックプレゼント!

(ジェーン・スー)時刻は11時27分になりました。この時間、月曜から木曜までは『毒蝮三太夫のミュージックプレゼント』。金曜日は『高橋芳朗のミュージックプレゼント』です。お待たせいたしました。それでは呼んでみましょう。音楽ジャーナリストの、高橋芳朗さーん?

(高橋芳朗)ようようよう! ゴールデンウィークだな。2人とも元気か?

(ジェーン・スー)イエーイ!

(高橋芳朗)俺の名前、言ってみろ―?

(ジェーン・スー)よーしちゃん!

(高橋芳朗)英語で言うと?

(堀井美香)ヘーイ! ミスター・ヨシーッ!

(一同)フォーッ!(拍手)。

(高橋芳朗)……僕はなるべく穏当に進めたいんですけど。なかなかスタッフがそうさせてくれないという。

(堀井美香)怒られる。

(ジェーン・スー)鬼のいぬ間に……

(高橋芳朗)(笑)。ちょっとこのコーナーの趣旨を説明させてください。月曜から木曜までお送りしているのは、『毒蝮三太夫のミュージックプレゼント』。しかし金曜のこの時間はですね、私、音楽ジャーナリストの高橋芳朗が素敵な音楽をお届けします、文字通りミュージックをプレゼントする洋楽コラムとしてのミュージックプレゼントをお送りしたいと思っております。で、テーマ曲はマムシさんが使っておりますエドムンド・ロスの『WHIPPED CREAM』をそのまま使わせて頂いております。

(堀井美香)はい。もう高橋さんにはこの番組『生活は踊る』の選曲監修もしてもらっているんですけども、『久米宏ラジオなんですけど』に出ています林家彦いちさんという落語家の師匠がいるんですが。「堀井さん、あの選曲すっごい好きなんですよ。僕、1日目から全部、iTunesでダウンロードしてます」って。

(高橋芳朗)おおー! ありがとうございます!

(堀井美香)「最近、追いついてないです」って言ってました(笑)。

(高橋芳朗)それはモチベーションになりますね。本当にうれしいです。

(堀井美香)全部、買っているみたいです。

(ジェーン・スー)買っているってすごいよね。

(高橋芳朗)ね、ね、ね! いかがですか? 今週とかは。

(ジェーン・スー)ニーナシモン(Nina Simone)がかかったことをすごく昨日、喜んで。昨日はたしかにちょっと趣向が違って。

(高橋芳朗)ジャズ。

(ジェーン・スー)ジャズだけど、いわゆる「ズージャー」ではないっていう。

(高橋芳朗)そうなんですよ。あんまりストレートなジャズをかけてしまうと……あんまり小洒落すぎてもね。

(ジェーン・スー)(粋な)昼電波だしな。こっちはな。

(高橋芳朗)居心地悪いでしょ? 居心地悪いだろうし、きっとスーになんかいろいろ文句言われるだろうと思ったから……

(ジェーン・スー)昼電波だから。何度も言うけど。

(高橋芳朗)そのへんのさじ加減、気をつけました。

[リンク]2016年4月28日(木) 第14回放送(下部にオンエア曲リストあり)
http://www.tbsradio.jp/30203

(ジェーン・スー)でも、かわいらしいジャズっていう形でかかって。しかも雨でさ。ちょうどよかった。

(高橋芳朗)たしかにね、天候が味方してくれたというかね。

(ジェーン・スー)そうそう。しかしまあ、パーソナリティーが私なんで。お洒落な感じにはならず……

(高橋芳朗)しゃべった途端にね。口を開いた途端にね。

(ジェーン・スー)というのがございますけども。さあ、今日はどんなテーマでしょう?

(高橋芳朗)その前に、今日の選曲のテーマをちょっと説明させて。今日はですね、お二人の悪ノリを加速させる意味でも、ディスコチューン縛りでやっているんですが。さらにもう一歩言うとですね、スウェイビートっていうディスコの曲。これ、どういうことか?っていうと、DREAMS COME TRUEの『決戦は金曜日』のビートですね。いま、ちょっと後ろにかけてもらっていますけども。

スウェイビートのディスコチューン

(ジェーン・スー)もうね、何らかのことを思い出しますよね。相談はなくとも踊っていたあの頃を思い出しますよ。

(高橋芳朗)(笑)。だから、今日のオープニングでかけたシェリル・リン(Cheryl Lynn)の『Got To Be Real』。

(高橋芳朗)その次にかけたエモーションズ(The Emotions)の『Best Of My Love』。

(高橋芳朗)たくさんありますよね。同じようなビートだと思うんですけど。今日は番組を通して、このスウェイビートのディスコチューンがかかりますので。こちらをお楽しみいただけたらと。

(堀井美香)大工さんからメールがあって。「楽しい、踊れる曲を」って言ってました。仕事がはかどるようにね。

(高橋芳朗)渋滞中の方もね、ディスコチューンを聞けば気が紛れるかなという気がしますので。そちらもあわせてお楽しみください。

(ジェーン・スー)はい。

(高橋芳朗)ほんでですね、今日のテーマは5月にちなんだ洋楽を紹介したいと思うんですけども。5月にちなんだ洋楽で定番中の定番と言いますとね、こちらになります。ビージーズ(Bee Gees)の『若葉のころ』。

(ジェーン・スー)ああ、邦題が『若葉のころ』。

(高橋芳朗)うん。1969年の作品なんですけど。これ、映画の『小さな恋のメロディ』の挿入歌としても知られていますし、日本だとまさにTBS系テレビドラマの『若葉のころ』。

(堀井美香)KinKi Kidsですか?

(高橋芳朗)そうです。まだ『硝子の少年』でデビューする前のKinKi Kidsが主演を務めたドラマの主題歌として使われて。当時、シングルカットされて、オリコンで25位まで。洋楽にして上がったらしいです。しかも、10万枚売れたんだって。

(ジェーン・スー)ええっ! 恐ろしい。25位で10万枚の時代があったってことですね。

(高橋芳朗)たしかに、そうですね(笑)。そうそう。だから世代を超えてお馴染みの曲だと思うんですけど。原題が『First of May(5月1日の)』っていうタイトルなんです。だから本当に、モロに5月ソングなんですけど。

(ジェーン・スー)どんな歌詞ですか?

(高橋芳朗)歌詞的には、これ聞いてもらうとすぐにわかると思うんですけど。「クリスマスツリー」っていうフレーズが出てくるんです。結構印象的に。で、5月にクリスマスの頃を振り返っているんです。若い恋人同士が。

(ジェーン・スー)稲垣潤一ってこと? 「クーリースーマスキャロルが♪」って。

(高橋芳朗)(笑)

(ジェーン・スー)「なーがーれーるーころには♪」って、だからクリスマスじゃないんだよ。あれ。

(高橋芳朗)振り返っているんだ。クリスマスを回想している。

(ジェーン・スー)回想じゃない。先のことを考えてる。

(高橋芳朗)先のことを考えてる。こっちは、回想している感じになります。「昔はクリスマスツリーを見上げる感じだったんだけども、僕たちも成長して。いまはクリスマスツリーと同じぐらいの背丈になったね」みたいな。

(ジェーン・スー)はー、なるほど!

(高橋芳朗)そういう歌詞なんです。じゃあちょっと、聞いてみましょうかね。ビージーズで『若葉のころ(First of May)』です。

The Bee Gees『First of May』

(高橋芳朗)はい。ビージーズの1969年のヒット曲で『若葉のころ(First of May)』、聞いていただきました。聞き覚え、ありますよね?

(ジェーン・スー)あります、あります。「青春」っていう感じの。だけど、青春でこういうのをすごした記憶、ないんだけど(笑)。捏造の青春の記憶っていう感じです。

(高橋芳朗)だから50代ぐらいの人にとっても青春ソングだし。もしかしたら、30代ぐらいの人にとってもそうなのかもしれないですね。

(中略)

(ジェーン・スー)先ほどは、定番の5月ソング、ビージーズの『First of May』を聞いてもらいました。もう1曲、あると聞いていますが。

(高橋芳朗)もう1曲。実は、この名曲が5月がキーワードになっている曲なんですけども。テンプテーションズ(The Temptations)の『My Girl』。

(ジェーン・スー)あ、意外。

(高橋芳朗)1964年の全米ナンバーワンヒットでございますけども。「僕の彼女は最高なんだ」って、自分の恋人を称えるようなラブソングなんですけども。これ、本当実は5月がキーワードになっているんです。ちょっと歌詞を説明しますね。

(ジェーン・スー)お願いします。

(高橋芳朗)1番のフレーズね。「I’ve got sunshine on a cloudy day.(どんよりした曇り空の日でも、僕の心は晴れ模様)」。で、次のラインでございます。「When it’s cold outside I’ve got the month of May.」。これ、さっきの「cloudy day」の「day」と韻を踏んでいるんですけども。「外は凍えるような寒さでも、僕の心は5月のように心地よい」と。

(ジェーン・スー)うん。

(高橋芳朗)で、「I guess you’d say(君はこう言うだろうね)」。「What can make me feel this way? (そんな気分になるのはどうしてなの?)」。そして、「My girl♪」。

(ジェーン・スー)「My girl♪」。

(堀井美香)「My girl♪」。

(一同)「Talkin’ ‘bout my girl♪」。

(高橋芳朗)「(my girl)♪」っていうことでございます。だからテンプテーションズは踊りもエレガントだし、コーラスもエレガントなんですけど、歌詞も最高にシンプルでかっこいいんですね。これ、スモーキー・ロビンソン(Smokey Robinson)が書いているんですけども。スモーキー・ロビンソンはモータウンレーベルの副社長であり、自らもシンガーとして活動しておりますけども。スモーキー・ロビンソンね、作詞家としても非常に評価が高くて。アメリカだと。

(ジェーン・スー)ああ、そうなんですね。

(高橋芳朗)ボブ・ディラン(Bob Dylan)が「ポップミュージック界で最高の詩人だ」という風に賛辞を送っていたりもするんですね。

(ジェーン・スー)そうなんだ。知らなかった。

(高橋芳朗)じゃあ、そんな感じで歌詞に注目して聞いていただきましょう。テンプテーションズで『My Girl』です。

The Temptations『My Girl』

(高橋芳朗)テンプテーションズで『My Girl』、聞いていただきました。これ、あれですね。マコーレー・カルキン主演の同名の『マイ・ガール』っていう映画の主題歌にもなっていましたね。で、ビージーズの『若葉のころ』も『小さな恋のメロディ』の挿入歌だったし。なんだろう? やっぱり5月を歌った曲っていうのは生命力を感じさせるというかですね。

(ジェーン・スー)初恋の季節なのかもしれないですね。

(高橋芳朗)両方とも初恋の映画に使われているっていうのが面白いなと思いますけども。

(ジェーン・スー)やっぱりこうやって知っている曲を改めて、聞き所を聞くの、いいですね。

(堀井美香)そう。なにを言ってるかわからないで聞いていたので。「ああ、そういうことなんだ」って。

(ジェーン・スー)「オンナー、オンナー、オンナー♪」って歌っていると思ってました?

(高橋芳朗)(「My Girl」を)直訳するとね(笑)。

(堀井美香)そういうことなんだって改めて、違う角度で。埼玉県の24才男性の方から、いまメールをいただきまして。「芳朗さん、かっこいい!」と一言。

(高橋芳朗)かっこいい?

(ジェーン・スー)どこがでしょうね?

(高橋芳朗)最初の「ようようよう!」のところですかね? たぶん、そこだと思いますけども。

(堀井美香)「ヘーイ! ミスター・ヨシーッ!」のね。

(高橋芳朗)(笑)

(ジェーン・スー)「Hey, Mr. Yoshi♪」って(笑)。

(高橋芳朗)ほどほどにしましょう(笑)。

(ジェーン・スー)はい。金曜日、ふざけすぎです。さあ、来週のテーマは何でしょう?

(高橋芳朗)来週は5月8日。母の日目前ということで、洋楽のお母さんソングを。

(ジェーン・スー)いっぱいあるじゃん!

(高橋芳朗)お届けしようかなと思っています。

(ジェーン・スー)楽しみでございますけども。最後の最後まで、私たちをギリギリまでいじってくださいよ。この音楽が流れてきても。

(堀井美香)そうですよ(笑)。

(高橋芳朗)(笑)

(堀井美香)そのプレッシャーのかけ方、ちょっとかわいそうですよ(笑)。

(高橋芳朗)あ、そんなのもあるの? 早く退散したくてしょうがないのに(笑)。

(ジェーン・スー)どんどん、最後まで。

(堀井美香)まだヨシ蝮三太夫になって日が浅いですからね。

(ジェーン・スー)まだまだです。さようならー!

(高橋・堀井)さようならー!

<書き起こしおわり>

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