サイプレス上野さんがTBSラジオ『ザ・トップ5』の中で、日本語ラップ初心者の外山惠理さんに推薦曲を紹介。大神『大怪我』について解説していました。
【日本語ラップ】〈新入荷中古12"〉大神 / 大怪我[4,629円]BUDDHA BRAND + SHAKAZOMBIE!!!
日本語ラップ金字塔!!http://t.co/Ulm1wq9Afm pic.twitter.com/oJOUkKGDKj
— ディスクユニオン 中古ヒップホップ (@diskunionUsedHH) 2014, 11月 19
(サイプレス上野)はい。さて、このランキングの締めくくりは恒例のこちらのコーナー。『日本語ラップKILLA☆2015 師走も(仮)』。『師走も(仮)』になっています。このコーナーは私、サイプレス上野がちゃんえりに日本語ラップを聞かせ、ちょっとでも日本語ラップを好きになってもらおうというチャレンジ企画です。
(外山惠理)おおー。
(サイプレス上野)だいぶきてると思いますけどね。
(外山惠理)ええ。だいぶ好きになりましたよ。
(サイプレス上野)あ、本当ですか?揺れ動いている感じはビシビシと来てるんで。さらにね、揺れ動いてもらいましょう。食らってもらいましょう。今日、紹介する曲は大神で『大怪我』という曲でございます。これが96年に、先週流させてもらいましたECDさんが開催した『さんぴんCAMP』という野外のイベント。ECDさんたち側と、あと、スチャダラパーの。1週間であったっていう話がありましたけども。
(外山惠理)うんうん。
(サイプレス上野)そのさんぴんCAMPっていうどデカい祭りのコンピレーションCDに入っていて。あと、ブッダブランド(BUDDHA BRAND)のCDにも入っているのかな?たしか。ブッダブランドとシャカゾンビ(SHAKKAZOMBIE)っていう別々のグループが合体して。それが大神っていう。
(外山惠理)大きな神なんだね。あの狼かと思った。動物の。
(サイプレス上野)じゃなくて、大神で『大怪我』っていう。もうタイトルと名前がどうかしちゃってるじゃないですか。そういう時代だったのかもしれないですけど。
(外山惠理)インパクトがあるね。
人気グループ ブッダブランドとシャカゾンビのユニット
(サイプレス上野)そのメンバーが集まったら、本当大神だって。でっかい神だみたいな感じで。本当に二大スターというか。ブッダブランドは日本に帰ってきてものすごい影響力あって。シャカゾンビはシャカゾンビで、もともとスチャダラパー派閥というか、クルーであるLBネイションの方にもいたんですけども。そっちの方からデビューはしたんですけど、さらにCutting Edgeに移籍したミニアルバムですさまじい衝撃とかを俺たちは受けたりとかして。
(外山惠理)ふーん。
(サイプレス上野)大神『大怪我』っていうのにはさらに、シャカゾンビバージョンには『輸血MIX』っていうのがあったりとか。もうなんのことだかよくわからないじゃないですか。そういう、なんのことだかよくわかんない曲なんですけど、パワーがすさまじいんですよ。もうあのメンバーではおかしいぐらいのパーティーチューンな感じであって。なんかそれだけ強面の人たちが、こんな感じで軽やかに歌うのかなっていう風に。それぐらい衝撃を受けたんですね。
(外山惠理)へー。
(サイプレス上野)みんな迷彩とか着てるのに。で、さらにこのPVで素晴らしかったのは、ラッパーだけじゃなくて、ダンサーと、グラフィティライター、そしてDJとかをちゃんとフォーカスしているっていう。そういうPVになっていて。そういうのにまた、『ああ、この人たち信頼できるな』っていう。文化が、そっちもないがしろにしていないっていう。
(外山惠理)みんなを。
(サイプレス上野)みんなで俺たちは作っているんだっていう。けど、大神で『大怪我』っていうタイトルだから、そのユニティー感がよくわかんないっすね。みんな大怪我しちゃってるんじゃねえか!みたいな感じで。
(外山惠理)(笑)
(サイプレス上野)本当にこれがさんぴんCAMPで一発目にやったんですよ。1曲目だったんですよ。その時にもう、お客さんウワーッ!って前に行って。『大怪我!』っていうサビがあるんですけど。その瞬間にパーン!って特効、紙吹雪みたいな。ドーン!って出た瞬間にみんなビクッ!ってするっていう。前に突っ込んで行ったら、返り討ちにあうっていう。『大怪我!』『おおっ!?』みたいな。そういういいシーンも生まれたりとかしてますんで。
ぜひ聞いていただきたいと思います。それではお送りしましょう。大神で『大怪我』!
大神『大怪我』
(サイプレス上野)大怪我!っていう風に。ここでみんな言いたくなっちゃうっていう。もともとはFunky Four Plus Oneっていうアメリカのオールドスクールラッパーが『That’s The Joint』っていう曲がありまして。それが同じようなフレーズなんですけど。それを日本に持ってきて。和訳したんですかね?これ、なんか。
(外山惠理)へー。
(サイプレス上野)してないと思いますけど。なにを言っているかよくわからないけど、熱量がすごいっていう。この当時の、96年の日本語ラップを表しているような曲だと思うんで。ただ盛り上がろうぜ!とか言わなくてもみんな踊れた曲でしたね。これは。
(外山惠理)でもさ、やっぱりわかんないところもあるんだけど。なにを言ってるか。でもなんかこう、言いたいことはなんか伝わるよね。
(サイプレス上野)あ、そうなんですね。伝わる。熱量がすごいんですよね。なんか、『コロンボも胃液吐くようなケース』とか『時代はラー油より辛い』とかもあったりとかして。そんな辛いかな?みたいな。そういう、当時はそれすらも考えてなかったっすけど。
(外山惠理)でも、わかるじゃない。『時代はラー油より辛い』っていう風にね。
(サイプレス上野)世知辛い世の中なのかな?みたいな感じで。そういう風ないろんな思いが入った1曲なので。ぜひ、最後まで聞いていただけたらと思います。どうでしたか?よかったですか?
(外山惠理)よかったと思います。
(サイプレス上野)パーティーチューン、来ましたんで。先週はマスに対してコアな部分が、挑戦状を叩きつけるというか。『やってやるぜ!やってやるって!』っていう気持ちの曲で。今週は、同じ時期のそういう、『みんなでパーティーしよう!』っていう曲でございました。
(外山惠理)なんかでも、共通してみんなに別に好かれなくてもいいやっていう感じのところが、すごく好き。なんて言うんだろう?この、たとえば『女子たちにはこういう歌詞だったらいいんじゃないか?』じゃなくて。
(サイプレス上野)はいはいはい。そこなんですよ。そこなんですよ。もう本当に、当時の俺たちはみんなが見向きもしないから大好き!っていうのがあったっすね。それが全国から集まったら3千人集まるみたいな。こんなに同士たちがいたのか!っていう。けど、めちゃくちゃ売れてるんですよ。この曲とか。レコードとか本当、何万円とかするぐらい、値が上がっていたんです。
(外山惠理)へー、そうなんですか。
(サイプレス上野)それぐらいいたんでね。ぜひ、そのスタイルで俺たちも行きたいと思います。さあ、これで日本語ラップ、気になった人は今夜、1時26分からテレビ朝日で放映される『フリースタイルダンジョン』もチェックしてみてください。
(外山惠理)うん。
(サイプレス上野)そしてなんとなんと、この『フリースタイルダンジョン』がきっかけで、12月14日月曜日の『たまむすび』に俺、出演決定しましたー!
(外山惠理)あ、竹山さんの日。竹山さんがきっかけだったんだってね。なんか。
(サイプレス上野)Twitterとかで書いてくれていて。
(外山惠理)竹山さん、私大好きなので。本当にいい人ですし。よろしくお伝えください。
(サイプレス上野)本当に、二度と立ち上がれないぐらいまでディスってきますよ(笑)。
(外山惠理)(笑)。ダメダメ!
(サイプレス上野)ラップのフリースタイルとは何か?っていう特集をするそうで、一応俺、専門家として、モンスターとして呼ばれました。まあ、ディスだけがフリースタイルじゃないんで。ちゃんと『たまむすび』の空気を受け取って、楽しみたいと。
(外山惠理)でも、ディスっていうのもさ、相手を別に尊重している上でのだから嫌な感じがしない。そういう風な人じゃないと嫌な感じがしちゃうけどさ。
(サイプレス上野)ああ、そうですね。それです。やっている方もそうなんで。竹山さん、俺、好きなんで。お会いしたことあるんで。本当にその手のひらを返す、大怪我をさせるかもしれないですけどね(笑)。
(外山惠理)いいな。楽しみ。12月14日ね。聞きます。
(サイプレス上野)出させていただきます。ということで、以上、『サイプレス上野の日本語ラップKILLA☆2015 師走も(仮)』でした。
<書き起こしおわり>