ZEEBRAさん、K DUB SHINEさん、DJ OASISさんのKGDRがTBSラジオ『Session22』に出演。クラブの営業時間などを規制緩和する改正風営法の成立について話していました。
(荻上チキ)その前にですね、先ほどニュースリミックスであったニュースについて、やっぱりちょっとコメントをひとつもらいたいなっていうのがありまして。それはですね、クラブの営業時間の規制緩和。風俗営業法が改正されてですね、24時間営業も可能になるというニュース。これはまあ、クラブシーンとかいろんな音楽にも影響が出てくるのかな?って感じもしますけども。ZEEBRAさん、いかがですか?このニュース。
(ZEEBRA)そうですね。もうとにかくこれに対してこの2年間ぐらい、ずーっと掃除をしてみたり、ミーティングしてみたり、警察庁に行ってみたり、いろんなことをやってきたんですけど。まあおかげさまで、とりあえず今日ね、参議院の本会議を通りまして。めでたく成立したんですけども。まあ、ちょっとあの、いくつかまだ問題点がありまして。
(荻上チキ)はい。
深夜遊興飲食
(ZEEBRA)今回で、まあ『ダンス』っていうもの自体は文言は減ったんですけども。逆に、『遊興』っていう言葉。『深夜遊興飲食』っていう新しい部類ができて。まあその、結局深夜にお酒を出して遊興。つまりエンターテイメントをすることを許可制にするっていう法律になるわけですね。
(荻上チキ)はい。
(ZEEBRA)で、これによって、中には『改悪だ』っていう言う人もいるんですよ。なぜか?というと、『なんで深夜にダンスだけじゃなくて、他にものまで許可を取んなきゃいけないのか?』っていう話になっているんですけど。実はこれね、いままでもダメだったんです。
(荻上チキ)ふーん。
(ZEEBRA)いままでも夜中にお酒を出すところでライブをやっちゃいけなかったんです。でもそれは、いままでは罰則がなかったということで、禁止はされていたんだけど罰則はなかったっていうことで、グレーの中でずっとやってきたことなんですね。実は。それが今回、許可を取れば完全にシロになるっていうことになったんで、まあ確実に一歩は進んでいるとは思うんですよ。ただ、問題はその遊興の定義っていうのが、まだ実は警察庁の方からはっきり出てなくて。
(荻上チキ)ああー。
(ZEEBRA)で、まあそれが一応今回、附帯決議案ってことで、これにくっついて、そのへんの定義をしっかりすることっていう話で。まだだから、1年間施行まで時間がかかるんで。それまでの間にちゃんとそういったところを問題がないようにやっていこうという話になっています。
(荻上チキ)そうですね。OASISさん、やっぱりこの箱が確保されたりとか、やっぱり舞台が設定されるっていうことがあるとないとでは、やっぱりシーンの盛り上がりとか、カルチャーの変化とかもね、ずいぶん変わりますよね。
(DJ OASIS)ですね。俺はやっぱりDJで。クラブで曲をかけるっていうのを仕事としてやっているから。やっぱりその、なんだろうな?クラブミュージックなんだよ、やっぱり。ヒップホップっていうのは。で、まあダンスとかもクラブシーンのひとつだと思うんで。やっぱりそれが、僕らみたいな仕事をしている人からすると、やっぱりそれを取り上げられちゃうと、やっぱり、見せる場もなくなるし。特にダンサーの人とかは本当に、たとえば関西とかね、前にすっごい厳しくなっていた時とかは、関西のダンサーの人たちを話すともう、『踊れない』って言うんですよ。みんな、口をそろえて言っている。
(荻上チキ)はいはい。
(DJ OASIS)だからやっぱりそれじゃあ困るし。
(ZEEBRA)まあね。それこそ、学校教育でね、ダンスを・・・
(DJ OASIS)そうそう。なんで学校でね、ダンスがあるのに。たとえばちょっと前なんて、あれじゃない?社交ダンスで、おじいちゃんとおばあちゃんが手をとって、こうするのもいけないみたいな。
(荻上チキ)行けなかったんですね。
(ZEEBRA)あれもね、レッスンまではいいんですけど。レッスン会場でワインを出した瞬間、ダメなんです。
(DJ OASIS)お酒があると・・・ってことなんだね。
(ZEEBRA)お酒とダンスと、みたいなものが一緒になった時に、享楽的雰囲気を醸し出し、それが犯罪につながる可能性があるっていうことがとにかくいちばん問題で。まあ、本当に権利っていう意味で言ったら、本当に憲法とかみたいなところで言ったら踊る権利とか、もちろん当たり前なんですけど。
(荻上チキ)うんうん。
(ZEEBRA)ただ、たとえば深夜で大音量で、たとえばそこでお酒を飲んでいたら、ほら。大音量のお店に入った後って、ちょっとつい声が大きくなったりするじゃないですか。出た後でね。そういうこともぜったいにあるから。
(荻上チキ)お酒も入っているし。
(ZEEBRA)クラブ自体がまったく世の中に迷惑をかけてないわけではないんですよ。だからやっぱりそういう権利と、義務とか責任とかっていうのの、やはり両方がないとバランスが取れないと思うんで。まあそういったことで、渋谷の街を掃除してみたりとか、いろんなことをやりながら。やっぱりコミュニティーの人たちとちゃんとやっていけるような。
(DJ OASIS)やっぱりその地域の人たちに対しての、このアプローチとか。対して、俺たちの気遣い。クラブで遊ぶ人や、仕事をしている人たちの気遣いっていうのがやっぱりぜったい必要。で、まあ掃除とかをしてるんだけど。やっぱり数年前はそこは、俺たちやっている側も遊んでいる側も、ぜんぜん気にしてなかったんだと思うんですよ。それは、はっきり言ってこっちも悪かった。
(ZEEBRA)そうそうそう。
(DJ OASIS)だからそこを、まあ上手く。やっぱり地域の人とコミュニケーションを取って。
(荻上チキ)ピンチになって考えだしてっていう。
(DJ OASIS)そう。そういう感じですよね。
(ZEEBRA)なんか、ね。別にうちら、本当に真面目に普通にやっているだけなんだけど。まあ外から見たら、そういう風に悪く見えることもあるのだとすれば、そういうところもやはり、一掃していかなきゃいけないっていうことで。我々がどれだけね、本気でやっているか?っていうことを見てもらおうっていうことで、そこでいろいろやっていたんですけど。
(荻上チキ)うん。ダンスもね、含めて。いろいろ国際大会とかもある中で、そもそもアスリートも競技場がないと育たないと言っているんで。ヒップホップが体育で入っている現状でですね・・・っていうのもありますよね。
(ZEEBRA)世界で一位になっているDJがいっぱいいますからね。日本人で。
(荻上チキ)はいはいはい。
(ZEEBRA)なんで、そういうやつらがどんどんどんどん育っていくべきでもあるし。まあ、本当にいまってたとえば、なんだろうな?それこそたとえば、小室(哲哉)さんとかの時代くらいから、あの音楽だってやっぱりダンスミュージックだったわけだし。本当にもう、当たり前のように日本の音楽業界の中にもダンスミュージックっていうのが入っているわけで。
(荻上チキ)そうですね。
(K DUB SHINE)マックス松浦がちゃんといい金の使い方をしなかったんじゃないの?
(一同)(笑)
(荻上チキ)そういう問題ですか?(笑)。渋谷のクラブ街の掃除の話とか振るのか?と思いましたけど(笑)。あの、どうですか?K DUBさん?この一連の流れについて。
(K DUB SHINE)えっとね、俺、正直言っちゃうとタバコが嫌いで。だからクラブ行くとみんなタバコ吸ってるじゃないですか。だからもう、みんな死ね!とか思っていたぐらいだから。
(荻上チキ)煙が苦手だっていう。
(K DUB SHINE)そう。で、酒もほとんど飲まなかったんですよ。でも最近、ちょっと飲むようになったんで。飲めるように、ちょっとずつなってきたんで。まあそういう楽しみ方もできるなって。今度、酒飲んでいっぱい踊ろうかなと(笑)。
(荻上チキ)でも踊る場所の今度、分煙とかってどうなってるんでしょうね?
(K DUB SHINE)それはうれしいですね。
(ZEEBRA)まあそれはそれでもう1個、あればいいと思うし。
(DJ OASIS)それは俺も希望だな。うん。
(ZEEBRA)そうっすね。なんか、どんどんそういう風になっていくんじゃない?
(DJ OASIS)実際、アメリカのクラブとか行ったらさ、タバコとかね・・・
(K DUB SHINE)禁煙。テラスでみんなでタバコ吸うみたいな。で、酒もカリフォルニアなんか2時とかに、法律で出すことができないんで。みんなそっから後はもう、炭酸水飲んでますよ。
(ZEEBRA)そう。だからまあ、朝までどうしてもね、クラブをやらなきゃいけないって、別に世界中そういうわけでもないんですよ。ただ、そういうところはお酒を禁じてるの。時間で。
(荻上チキ)うんうん。
(ZEEBRA)ただ、日本はそれは無理ですね。はっきり言って。
(K DUB SHINE)禁じれるのは韻辞典だけにしないとね。
(ZEEBRA)(笑)。お酒を禁じようとしてもね。
(荻上チキ)なるほど。解説いただきました。ありがとうございます。
<書き起こしおわり>
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