プチ鹿島さんがYBS『キックス』の中で東京都港区の防潮扉で発見されたというバンクシーと思われる黒いネズミの絵をめぐる騒動についてトーク。小池百合子都知事などについて話していました。
(プチ鹿島)ちょっと僕が面白いなって思っているのが、バンクシーって知ってます?
(塩澤未佳子)えっ?
(プチ鹿島)正体不明のアーティスト、バンクシーの作品に似ているという絵が東京都港区の防潮扉っていうのかな? そこに描かれていたという。こういう絵なんですけど。ネズミが黒い傘をさしている。で、覚えてらっしゃる方もいると思うんですけども、あるオークションでそのバンクシーの絵が落札された時、自動的に額縁が作動してシュレッダーされて絵がダメになっちゃったっていう。
(塩澤未佳子)ああーっ!
(プチ鹿島)これ、読売新聞の1月20日なんですけども。「1990年代にイギリスで活動を始めたとされるが、氏名・年齢・個人かグループかさえも判明していない」という。そういう人というか作者なんですよね。
(塩澤未佳子)謎ですね。
(プチ鹿島)で、「世界各地の街頭に忽然と現れ、戦争や難民、格差社会などをテーマに社会風刺や反権力を象徴する絵をスプレーなどを使って描いてきたと言われる。昨年10月、ロンドンのオークションでバンクシーの絵画『少女と風船』が1億5400万円で落札された。だがその直後、額縁に仕掛けられたシュレッダーが動き出し、絵の下半分を裁断。バンクシーはSNSを通じて自身の仕業だと公表して世界の注目を集めた。逆にこのハプニングにより作品の価値はさらに上がった」という。
(塩澤未佳子)はい。
(プチ鹿島)で、港区のだからこれは海岸というか倉庫なのかな? 東京湾そばの扉の隅に描かれていた。昨年末に情報が寄せられ、東京都はその防潮扉を外していまは倉庫に保管しているということです。で、黒いネズミが傘をさしているっていう絵なんですけども、バンクシーの活動に詳しい東京藝術大学の教授の方によると、「都会で駆除の対象となるネズミをモチーフにした絵を多く描いてきた」という。で、実は作品集には今回の絵を反転させたような作品が収められているんです。で、欄外には「TOKYO 2003」って記載があった。
(塩澤未佳子)ええっ?
(プチ鹿島)だから、その絵を反転させている。つまり逆にしているだけで「TOKYO 2003」っていう絵がもう作品集にはあるわけです。だから本人、もしくはその人たちが来て描いたんじゃないか?っていう。で、面白いのが小池都知事がどうやらTwitterに「あのバンクシーの作品かもしれないカワイイねずみの絵が都内にありました! 東京への贈り物かも? カバンを持っているようです。」ってツイートしたわけです。ご自分が横にしゃがみこんだ写真で。
カワイイねずみの絵が都内にありました!
あのバンクシーの作品かもしれないカワイイねずみの絵が都内にありました! 東京への贈り物かも? カバンを持っているようです。 pic.twitter.com/aPBVAq3GG3
— 小池百合子 (@ecoyuri) 2019年1月17日
(塩澤未佳子)ええ。
(プチ鹿島)で、これがまたいろんな論議を呼んでいるんですね。「そもそも落書きは落書きだから、ねえ。本来なら器物損壊罪にあたるんじゃないか? バンクシーならいいのか?」とか。「落書きは許されるものではないが、本物だったならば保全の必要がある」っていう風に都の担当者が答えたりとか。面白いですよね。
(塩澤未佳子)へー!
(プチ鹿島)だからこういう騒動も含めて狙ったんじゃないか?って言われている。で、さっき言ったように社会を風刺したり、反権力。権力をおちょくるのが作風なわけですよ。で、まんまと小池さんはそれに……まあ、小池さんはそういうの、大好きだからね。権威的なものを。まんまと利用してこう、PRをしたら逆に「それ、自分も笑われる対象になっているんじゃないですか?」みたいなツッコミもいま来ている。
(塩澤未佳子)フフフ(笑)。
(プチ鹿島)で、面白いのは東スポで。「『カワイイねずみ』と喜ぶ小池氏だが、バンクシーの作品は反権力や社会風刺だ」っていう風に東スポも解説していて。思い出してください。小池さんが登場した時を。「かつて都政に巣食う権力を『黒い頭のネズミ』と評した」っていう。そんな小池氏がいま、ネズミを喜んでいるのか?っていう(笑)。
都内防潮扉にバンクシーのお宝絵画!?小池氏「かわいい」と喜ぶネズミの皮肉 https://t.co/FiLdIxQNph #tospo
— みやーんZZ (@miyearnzz) 2019年1月22日
(塩澤未佳子)アハハハハハハッ!
(プチ鹿島)ただ、まあこの絵自体は10年ぐらい前からあったということなので、別に小池さんが都知事になったから急に描かれたものではないらしいんですけども。でも、面白いですよね。だから落書きっちゃあ落書きだし、それが価値のある人もしくはグループが描いたんだとしたら、すぐにそれをありがたがってしまう小池都知事みたいな。これ、いろんな面白さがあるわけですよね。
(塩澤未佳子)本当だ(笑)。
(プチ鹿島)で、日刊ゲンダイは昨日、「小池知事大はしゃぎ あのバンクシーのネズミの絵 型紙が売られていた」っていう、そういう記事なんです。で、実はイギリスの通販サイトがバンクシー作品の型紙を販売していることをゲンダイが発見したという。型紙の上からカラースプレーを吹き付ければ、壁などに作品が浮かび上がる代物。日本円にして850円~2000円で購入できるという。だから実はこれ、誰かがその型紙を利用して、黒いスプレーを吹きかけたものなんじゃないか?っていう説ですね。
早とちり小池知事…都が鑑定の“バンクシー作品”には型紙が https://t.co/SchTZmjGXr #日刊ゲンダイDIGITAL
— みやーんZZ (@miyearnzz) 2019年1月22日
(塩澤未佳子)ああーっ!
(プチ鹿島)で、残念ながら型紙が何年前から販売されているのかは確認できなかったが、小池知事の人気取り策が早とちりで終わり、みっともない結末を迎える可能性も出てきたっていう。
(塩澤未佳子)フフフ(笑)。
(プチ鹿島)だからオヤジジャーナルはいま、バンクシーに夢中ですね。
(塩澤未佳子)本当に(笑)。そうだったんですか。小池さんもなんか、早いですね。
オヤジジャーナルはバンクシーに夢中
(プチ鹿島)すぐに飛びついちゃう(笑)。たしかにそう。黒いネズミが傘をさしているんですけど、「黒い頭のネズミを」って批判していた人がいま、黒いネズミのことをありがたがっているっていう。もうそこまで人気がねえのか?っていうような、そういう解釈ももしかしたら作品として……もちろんその絵はずっと前からあったんですけども。そういう風に解釈できちゃうのが皮肉ですよね。
(塩澤未佳子)ねえ。
(プチ鹿島)面白いわ、これ。
(塩澤未佳子)この絵でだいぶ盛り上がりますね。
(プチ鹿島)そうなんですよ。だからその解釈をめぐって。面白いですね。正体不明で。で、たまに自分からそういう仕掛けをした時はメッセージを。で、いろいろとマスコミが問い合わせているんですが、返答はないらしいですね。だから謎なんです。これが本物なのかどうか。でも、どうやら詳しい人からすると「これは本物の可能性があるな」っていう。で、本物と分かれば食いついてくる人もいるしね。政治家とかね。面白いですね。だからこれ、ネズミをモチーフにしたらネズミ取り的なね。誰が引っかかってくるのか? みたいな。そういう壮大な実験の可能性もあるしね。
(塩澤未佳子)そうね。
(プチ鹿島)10年以上前からそこにはあったんじゃないかっていうことです。
<書き起こしおわり>