町山智浩さんがTBSラジオ『赤江珠緒 たまむすび』の中で、師匠みうらじゅんさんの切り抜きスクラップブックについて語っていました。
(山里亮太)町山さんのご友人の・・・
(赤江珠緒)園子温監督が・・・
(町山智浩)逮捕?
(赤江)(笑)。違う違う!
(町山)新聞に載ってるっていうから、園子温新聞に載るって逮捕以外ないじゃないですか。そんなもの。
(山里)ちゃんと受賞されての。
(赤江)『地獄でなぜ悪い』ね、町山さんがご紹介いただいたあの映画が、カナダで開かれたトロント国際映画祭のミッドナイト・マッドネス部で観客賞を受賞と。
(町山)ミッドナイト・マッドネスって、世の中の頭どうかしてる人っていう映画祭で観客賞って(笑)。まあ、そんな映画ですよ。
(赤江)あ、そうなんですか(笑)。
(町山)はい。どうかしてる映画ですね。
(赤江)めちゃくちゃ喜んでらっしゃいますよ。一度はこういう賞がほしかった!っていうね、お話を・・・
(町山)賞がほしかったのかな?本当にそうなのかな(笑)。
(山里)めちゃくちゃなものを作って、めちゃくちゃなもののキングになったっていうのは。
(町山)そう。めちゃくちゃキングで、園子温らしいですね。
(赤江)そして町山さん、今日のメッセージテーマ『切り抜いて取って』とありますけど、町山さん、いろいろと取ってある・・・
(町山)僕、まったく取ってないんですけど、僕の師匠が切り抜きの帝王ですよ。日本一の切り抜き王ですよ。
(山里)えっ、町山さんの師匠?
(町山)僕の師匠、みうらじゅんさんっていって。あの人は切り抜きの帝王ですから。
(山里)あっ、あのエッチなスクラップブック。
みうらじゅんのスクラップのこだわり
(町山)スクラップブック。そうそうそう。僕、はじめて会ったの30年ぐらい前ですけど、その時に見せられた時に既に30冊ぐらいあって。それから30年間、どんどんどんどんスクラップを増やしていって。で、そのスクラップっていうのは、エッチなスクラップなんですけど。
(赤江)たしかにいろんなものをね。
(町山)そう。いわゆるエロ本とかにのっているやつとか、ヌードグラビアじゃないんです。普通の広告とかに出てる、女の人がたとえばしゃがんでる時に内股のところが見えるとか、胸の谷間が見えるとか、汗の玉が見えるとか、そういうのを熱心に切り取って。子供の頃から。
(山里)(笑)
(赤江)子供の頃から?
(町山)子供の頃からずっと。いまでもやり続けてて。で、すごくあの人、忙しくなっちゃったじゃないですか。切り抜きアシスタントを雇ったりしたことも・・・
(赤江)ええー!?
(山里)お仕事としてというよりも、ご趣味のやつを?
(町山)それ、一切金にならないんだけども、やっぱり取っておかないとならない人なんで。だから、『こことここ、切り抜いて貼っておいて』っつって、やらせるんですけど。ある日、彼の家に遊びに行ったら、なんか剥がしてるんですよ。スクラップブックを。で、貼り直してて。『わかってないんだよ・・・』とか言って。
(赤江)あ、ダメで。
(町山)『貼り方が悪いんだ!』って言ってるんですよ。
(赤江)なんかあるんですか?ルールが。
(町山)『やっぱりここに和服の美女の色っぽい写真の横に、すごいボンテージのSM嬢の写真をのせる、この面白さが分かる!?』みたいな。
(赤江)わかんないよ!
(山里)すげーなー!
(町山)『この組み合わせなんだよ!』みたいな(笑)。そのセンス、わかんないよ!
(赤江)隙間に上手に貼ればいいってもんじゃないですね。
(町山)そうそう。『ただ貼ればいいんじゃねーんだよ!』みたいな。『これはモンタージュなんだから、組み合わせによって別の物語が出てくるんだ』とか言うんですよ。これ、人にやらせんなよ!って思いましたよ。
(山里)たしかに、助手無理だなー、それは(笑)。
(町山)という先生なんで。それを見てね、『あっ、俺は切り抜きとかスクラップとか、この人には及ばないからやってもしょうがない』と思いましたね。
(山里)たしかに、それを見ちゃってたら僕らもやってなかったな。
(町山)帝王だもん。だって部屋いっぱいだもん。スクラップブック。すっごいですよ。あの人。
(赤江)子供の頃からって、年季が違いますね。
(町山)年季が違いますよ。
(山里)対談でもおっしゃってましたけど、エロいワードとかも。下ネタワードとかも切り抜いて。それがちっちゃいところのやつだと、たまたまね、切り抜いた後、自分のズボンの裾かなんかに入ってて。それが子供の前でハラっと落ちて、変な空気になったりするって。対談でおっしゃってましたけど。
(赤江)かっこ悪い(笑)。
(山里)ものすごい下ネタワードとかを子供の前で落としちゃったり(笑)。そういうリスクも背負って作ってるっていう。
(赤江)落としましたよっていうと、そういうね。エロいワードっていう。変なセクハラみたいな。
(山里)◯◯奴隷みたいなのが出てきちゃうっていう(笑)。
(町山)だってあの人、『やりにげ』っていう本だして、自分がやり逃げた女の子のことを書いた本があって。それ出した時に娘さんがまだ、ちっちゃかったんです。3歳か4歳だったか。『やりにげ』ってひらがなで、それしか読めないから。『やりにげ、やりにげ』って。部屋ん中、走ってましたけど(笑)。
(赤江)(笑)
(山里)どうなるんだろう?娘さん、相当な、ある意味英才教育を受けてますね。
(町山)そうなんですけどね。もうずいぶん前の話です。
(山里)その愛弟子の町山さんですからね。
(町山)はい。
<書き起こしおわり>