渡辺志保 Ye(Kanye West)SoFiスタジアムライブを語る

渡辺志保 Ye(Kanye West)SoFiスタジアムライブを語る MUSIC GARAGE:ROOM 101

渡辺志保さんが2026年4月10日放送のbayfm『MUSIC GARAGE:ROOM 101』の中でYe(Kanye West)がロサンゼルスのSoFiスタジアムで2日間にわたって開催したライブについて話していました。

(渡辺志保)ではここで最近の気になるニュースとともにもう1曲、お届けしたいと思います。こっちもですね、『POPYOURS』と同じく家で配信で見てましたという方もたくさんおられるかもしれませんが。先週、アメリカ現地時間の4月1日、4月3日の2日間にわたってカニエ・ウェスト改めYe、ここでは便宜上「カニエ」という風に呼びますけれども。カニエさんが2日にわたってライブを行いました。場所はアメリカの西海岸にありますSoFiスタジアム。で、SoFiスタジアムはキャパシティ8万人のスタジアムということで、連日8万人の観客が押し寄せたということでございます。

で、カニエがアメリカで大きなショーをするのは2021年以来5年ぶりということで。まあこの5年の間にいろいろとありましたけれども。チケットは最後までソールドアウトしなかった……私が追っていた情報ではソールドアウトしてなかったようにも見えるんですけれども。まあそれでもね、8万枚のチケットは売れたということでやはり根強いファンがいる……まあそりゃそうだという感じもしますけれども。

でですね、私も1日目はInstagramでカニエ・ウェスト自身が配信していて。で、Instagramで1日目のライブをちょこちょこ見ていて。で、2日目の4月3日に行われたライブの方はYouTubeで配信されていたんですよね。で、それを見て。片方はYouTubeでカニエを見て。で、もう一つの携帯では『POPYOURS』を配信で見てっていう、もうすごい何がなんだか、みたいなね、もうずっと興奮しながら忙しい週末を過ごしていたわけなんですけれども。

で、1日目はですね、割と音響とか照明に不備があったらしくて。ライブ中にカニエ自身が「なんだ、これは? リハーサル通り、ちゃんとやれ」みたいな感じでちょっとキレる場面があったりとか。で、他のレビューの記事を読んでも音源のオケがうまくミックスされてなくて全然ビートが聞こえなかったとかね、なんかそういうちょっとネガティブなレビューもたくさんありました。

で、4月3日に行われた2日目の公演なんですけれども、より照明とか音響は改善されていたみたいで。かつ、ゲストアーティストがめちゃくちゃ豪華だったのが2日目だったんですよね。で、どなたがいらっしゃったかと申しますとトラヴィス・スコット、シーロー・グリーン、そして娘さんでありますノース・ウェスト。そしてそしてなんとびっくり、ローリン・ヒルも登場してカニエと一緒に歌ってらっしゃいました。

で、トラヴィス、シーロー・グリーンは今回のアルバム『Bully』に参加していらっしゃいますのでその『Bully』に収録されている楽曲をやったんですよね。で、ノース・ウェストはお父さんと一緒に『PIERCING ON MY HAND』という自分名義の曲もラップで披露していたりとか。あと一番最初に作ったすごいかわいい曲があるんですけれども。

「It’s your bestie, Miss, Miss Westie♪」っていうすっごいかわいい曲があって。それとかも披露してたんだけど。で、この番組でも前に話したけどノース・ウェストが自分がプロデューサーとして曲作った時に使用するプロデューサーのボイスタグが「ノースちゃん!」っていうボイスタグを使っていて。で、まあ現地にいたわけじゃなくて、あくまで配信で見てただけですけれども。まあそのスタジアムにですね、「ノースちゃん!」っていう彼女のかわいいボイスタグ、しかも日本語のね、「ノースちゃん!」っていう声が響くたびにすごいニヤニヤしちゃって。すごいなんか面白いなと思いながら見てたんですけれども。

そしてそして2日目はなんとローリン・ヒルも参加してですね、カニエと歌ってらっしゃいました。で、カニエ・ウェストとローリン・ヒルと言いますと往年のファンはすぐに「あれだ!」っていう風に思うと思うんですけれども。私もその往年のファンの1人なんだけど。カニエ・ウェストがデビューアルバム『The College Dropout』を出した時、シングルとして『All Falls Down』という曲を発表したんですね。2004年にリリースされたシングルです。

で、この『All Falls Down』という曲はもともとローリン・ヒルの楽曲をサンプリングしていたんだけど当時のそのレーベルの間のサンプリングの許諾がうまくいかなくて。結局、ローリン・ヒルの声をサンプリングすることが叶わなかったんですね。で、その叶わなかった曲というのが彼女が2002年に発表した『MTV Unplugged No. 2.0』に収録されている『Mystery of Iniquity』という曲なんですけれども。その一節をカニエがサンプリングしていたんですが、なかなか許諾が下りず。もう業を煮やしたカニエ・ウェストはですね、同じシカゴのシンガーでありますシリーナ・ジョンソンをスタジオに呼んで「ここをサンプリングしたいけど、できなかったからローリンっぽく歌ってくれ」っていうことで。で、ローリンがもともと歌っていた一節をシリーナ・ジョンソンが歌い直して、それが正規のシングル楽曲として発表されたわけなんですよね。

で、このエピソードはすごく有名でファンの皆さんはみんな知ってることだと思うの。なのでローリン・ヒルが現れた瞬間に「うおー!」と思って。で、それでローリン・ヒルが『Mystery of Iniquity』を歌い始めて。で、まあそれが『All Falls Down』につながっていくわけなんですけれども。「これが実現するの!?」っていう。その、カニエ・ウェストがずっとサンプリングしたがっていたローリンのボーカルを生でコラボレーションしてこんな風に披露することができるんだ、みたいなのに当時も大好きでやっぱり聞いてた自分としてはですね、すごく胸が震える瞬間でした。

ローリン・ヒルとの『All Falls Down』共演

(渡辺志保)で、その他、ローリン・ヒルは『Doo Wop』とか『Lost Ones』とか、あとYGマーレイと一緒に自分が作ってた曲とかね、『All Falls Down』と『Mystery of Iniquity』以外にも数曲、ローリン・ヒルタイムが設けられていて。すごい……なんかすごい。すごかったです。感じるものが非常に多かったです。はい。

で、やっぱりカニエといえばそのステージ設計が毎回、非常に話題になるわけなんですけれども。今回も球体というか、地球。地球をこう、半分に割った形。すごく私の説明が稚拙で申し訳ないですけれども、半球の地球がスタジアムの中央にポーンと置かれていて。その上にさらに大きな幕が上から垂れ下がっているみたいな設計で。配信は全てモノクロで配信されていたんですよね。照明もすごいこう、美しくて抽象的な感じの照明が常に当たっていてレーザー光線みたいなものもあったし。で、あとは全体をすごく霧が覆っていた。で、実際に行った方のレビューを読むと、その霧が濃すぎて全然カニエが見えなかったみたいな、なんかそういうレビューもあったんですけれども。非常にアトモスフェリックなステージ設計で。

で、そのステージを設計したオースさんという方がいらっしゃって。で、その方がご自身のSNSにこの今回のステージのレファレンス……こういうものが着想源になっているというイメージボードみたいなものをSNSにアップしてたんだけど。それがことごとく日本のアニメだったんですよね。最初にこの半球型のステージは『AKIRA』のワンシーンを再現しているものじゃないんだろうかっていう憶測がSNS上を駆け巡ったんですけど。実際に設計したオースさんのイメージボードにあったのは……これは私もちょっとなんだろう?って思ったから、私の夫にもちょっと確認したんですけれども。基本的にドラゴンボールのイメージでしたね。

技を仕掛けて光線がピューンと走っている感じであるとか。球体とか半円の惑星をこう、攻撃しているような感じであったりとか。そうそうそう。なので、もちろんカニエ周りがね、日本のカルチャーに非常に影響を受けているっていうのは前々から明白でありますけれども。今回もその日本のアニメ作品、漫画作品がそのステージのインスピレーション源になったんだなということを改めて確認しましたし。

ステージのイメージはドラゴンボールZ

(渡辺志保)カニエはやっぱりアルバムをリリースするごとに、そのステージの設計をめちゃくちゃ斬新で革新的で非常にこう、今のご自身の頭の中っていうのをそういう風にインスタレーション的に表すことに関しては本当に本当に才能が長けている方なんですよね。私も2016年かな? 『Saint Pablo Tour』というツアーをわざわざシカゴまで見に行ったんですけど。その時も天井から鉄の板がこう、吊り下げられていて。その鉄の板の上で吊り下げられながらカニエがラップするんですよね。アリーナ席にいる観客たちはその鉄の板の下に立って、もう文字通りカニエのことを見上げながらある意味、崇拝するような形で見上げながら彼のパフォーマンスを一緒に熱狂して楽しむっていうステージ設計になっていて。

今回もだから、そのステージ設計がやばいっていうのがニューヨークタイムズのアート面一面、写真でフィーチャーされていて。なのでやっぱりそういうところは非常に高く評価されているんだなということが分かりましたし。

(渡辺志保)で、カニエ・ウェスト、さっきも言いましたけど約5年ぶりのアメリカでのライブということで。アメリカでは非常にここ数年、キャンセルされまくっていたカニエなんですけれども。そこにローリン・ヒルが参加したり。あと楽屋の写真なんかもSNSに上がっていたんですけれども。そこにはですね、本当にアメリカを代表するコメディアンのデイヴ・シャペルがいたりとかね。

なので、ある意味ブラックコミュニティにはまた、受け入れ始められているのかなっていうのをそうした写真もわざわざ載せるっていうことは、そういうことなのかなと思ったし。ローリン・ヒルもついこの間もグラミー賞でディアンジェロとロバータ・フラックのトリビュートステージやっていて。それもやっぱすごく評価が高かったわけですから。なんかその、カニエとアメリカのブラックコミュニティのバランスっていうのも今回、ちょっと刷新されたのかなということも感じました。

が、やっぱりね、その新人種差別的な発言であるとか、特に反ユダヤ的な発言っていうののそのネガティブな影響はまだまだ色濃く特にアメリカ国内には残っていて。完全に復活っていうところまではですね、まだまだ遠い道のりなんだろうなということも感じましたし。たとえば今回のそのSoFiスタジアムでのライブもですね、ピッチフォークが1日目のライブのレビューを書いてらっしゃったんですけれども、めちゃくちゃ酷評してましたね。本当に。

その方もライブのレビューで「カニエの名前を出すこともためらわれる」とかね、「正直に彼の名前を言うことができない。もう何が楽しいのかわからなくなってきた」みたいなことをレビューで書いてらっしゃって「厳しい!」と思いながら読んでいたんですけれども。

あとはですね、その6月にロンドンで行われるワイヤレスフェスティバルで3日間のヘッドライナーを務めるということもアナウンスされたと先週、お話ししましたけれども、それに対してイギリス側がカニエ・ウェストに対して入国拒否の姿勢を取るということもニュースで流れてきました。正式にまだ拒否されたわけではないんですがそうした声もあるということで今、また騒動になりそうです。

しかしながらこうした、本当にカニエ・ウェストを巡る一連の問題であるとか、彼自身が抱える問題や環境の難しさっていうのはやっぱりその彼自身が何か重罪を犯した。で、それが裁判で裁かれるっていう性質のものではなく、やはり彼自身がその双極性障害を患っており、それに起因する心ない言動であるとか、ちょっとしっちゃかめっちゃかになってしまう状況であるとか。そうしたことがその精神疾患によって引き起こされているというのがまた非常に複雑だなという風に感じます。

というわけで、そのライブの配信を見てやっぱり私はずっとカニエのファンだったから。非常にうおーっ!って思ったんだけど。で、それこそ年が離れている日本のラップリスナーの子と話したら、やっぱり世代によってね、カニエをここ最近知った、ここ数年でカニエ・ウェストのことを知った……ざっくりここ10年ぐらいでカニエのことを知ったっていう方はやっぱり、どうしてもなんかちょっとよくわからないみたいなね。なんか、「なんであんなすぐ変なこと言っちゃうんだろう?」とかね、「ラッパーとしてどう評価すればいいかわからない」みたいな感じのことをおっしゃっていて。「まあ、そりゃそうだよな」っていうのをしみじみと感じるところでもございます。

というわけで、今日はですね、ローリン・ヒルがカニエ・ウェストのライブでちょこっと披露しました彼女のアンプラグドライブからの曲をお届けしたいと思います。ローリン・ヒルで『Mystery of Iniquity』。

Lauryn Hill『Mystery of Iniquity』

今回もYeのステージ設計に驚かされましたね。AKIRAだと思っていたけどドラゴンボールZに着想を得ていたとは……言われて納得という感じです。ローリン・ヒルが出てきたのも激アツでした!

MUSIC GARAGE:ROOM 101 2026年4月10日

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