安住紳一郎さんが2025年11月23日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中でラジオ番組の中にちょくちょく挟み込まれるサウンドステッカーの意味について話していました。
(安住紳一郎)前橋市の女性の方、ありがとうございます。「私は毎日、お鍋でご飯を炊いています。丁寧な暮らしを目指しているわけではなく、ミニマリストというわけでもなく。単にキッチンが狭いので炊飯器を置きたくないんです。お鍋で炊くご飯はちょっとした火加減で焦げたり硬くなったりします。『おこげが美味しい』なんて、キャンプでハイテンションになっている子供にしか通用しませんよ、おこげなんて。おこげは歯に張り付いて大変なんだから。最近は毎日、そこそこ美味しいご飯を炊けるようになりましたが月に何度か蓋を開けた瞬間に『おおっ!』と歓声を上げたくなるようなピカピカふわふわのご飯が炊き上がる時があります。その時は何とも言えない幸福感に包まれます」。ありがとうございます。
(中澤有美子)ありがとうございます。
(安住紳一郎)年齢は55歳。うーん、やってますねー。たしかに自分の火加減のコントロールでびっくりするほど美味しくご飯が炊き上がった時は嬉しいだろうね。そうだよね。
(中澤有美子)ねえ。他人任せの炊飯器じゃないから。
(安住紳一郎)そうですね。炊飯器だってね、ちょっと水加減とか、水に浸す時間の長い短いで炊き上がりが不安定になる時、ありますよね。上手にね、自分好みで炊き上がってた時とか嬉しいよね。
(中澤有美子)そうですよねー。
(安住紳一郎)私は昔から「年寄りくさい、年寄りくさい」って言われるんだけれども、少し柔らかめが好き(笑)。
(中澤有美子)私もそうかも。
少し柔らかめのご飯が好き(安住)
(安住紳一郎)ああ、そう? お米好きの人からするとさ、ちょっと硬めの方が通好みなんでしょう? 「おうおう、そんな柔らかく炊いたら、おじやだろう?」みたいな風に私も昔からバカにされてましたけども……心から柔らかい方が好き。
(中澤有美子)そうですか。粘り気を10分に感じるようにね。
(安住紳一郎)そうですね。言われませんでした?
(中澤有美子)私は若い時は硬い方が好きだったんで言われませんでしたけど。最近は堂々と「柔らかいものがいいな」という。
(安住紳一郎)そうですか。どっちかっていうと関東の人は硬め、関西の人は柔らかめに炊くみたいな、伝統的なそういうような風潮があったようですけどね。ねえ。柔らかめの方が美味しいと思うんだけどな。でもほら、冷めるとちょっとね、クチャってなっちゃうからね。
(中澤有美子)そう。その一瞬でいただきたいんですよね。
(安住紳一郎)あとはちょっとほら、転用。おにぎりとかにする時は柔らかいお米ではね、ちょっと変な感じになるじゃない? おはぎみたいになっちゃうから。まあ、そこまで柔らかくはないけれど。ねえ。「三度炊く 飯さえ硬し軟かし 思うままにはならぬ毎日」なんていう川柳がね、ありましたけれど。はい。年寄りくさいパーソナリティーで申し訳ない。「こんな川柳もありました」なんて。
(中澤有美子)アハハハハハハハハッ! ねえ、本当に感慨深い(笑)。
(安住紳一郎)そうでしょう? 活躍の幅が広いでしょう? そのうち都々逸とかやり始めるから。いや、でもね、本当にこの川柳を聞いた時ね、「本当にそうだな」と思いました。なんか皆さん、暗唱している昔からの川柳とか、ありますか? まあ「こんな川柳がありました」って披露する機会、ないんだけれども。でも本当にそう思ったんですよ。「三度炊く 飯さえ硬し軟かし」って。本当にそうだよね。毎日毎日、人生の中で三度三度炊いて。まあ今はそんなことはないかもしれないけれど。そんなご飯の炊き上がりさえ思うままにはならないんだ。そんな世の中ですね、なんていうね、ことですよね。まあ、解説されたくないけど。こんな簡単な川柳を(笑)。まあ「よく覚えていたな、俺」っていうところまでかもしれませんね。
(中澤有美子)そんなにね、やっぱりこだわりがあったんですね。
(安住紳一郎)ねえ、そうだよね。昔、ほら、番組のコーナーとコーナーの間のサウンドステッカーとかって言ったりしますけども。「SS」って私たちは呼んだりするけれど。「安住紳一郎の日曜天国」みたいなね。あるもんね、あれでたしか言ってるはずだと思いますよ。
(中澤有美子)そうでした、そうでした。
(安住紳一郎)サウンドステッカーでね。あれ、サウンドステッカーってなんであるか、皆さんご存知ですか? 最近、聴き始めたっていう方にはラジオの基本のきからね、説明を申し上げないと誤解される時があるから。あれ、ダジャレを言いたくて言ってるんじゃないんですよ(笑)。ねえ。ちょいちょい入るね。30分に1回以上、入るかな? そうだよね、うんうん。「桃栗3年 柿8年 仕送り断念 ガキ留年。お聞きの放送は安住紳一郎の……」って言ってるでしょう?
(中澤有美子)あれのファンの方もね、多いです。
(安住紳一郎)そうだよね。で、あのSSをクリーニング屋さんの看板に掲げてくださってるっていうお店があったりとか。山梨の方のうどん屋さんでは食事を食べるあのテーブルのところにそういうのが標語のようにかかっているっていう。「神様は見ていらっしゃいます」の横にね、「桃栗3年 柿8年 仕送り断念 ガキ留年」とかさ。「みかん きんかん お酒お燗 関取裸で風邪ひかん」みたいなのを書いてくれてるみたいですけど(笑)。
(中澤有美子)日曜天国から引用(笑)。
(安住紳一郎)そうね、ありがたいね。あれ、何の話しようとしてたんだろう?
(中澤有美子)なんのためにあるんですか?
(安住紳一郎)ああ、なんのためにあるか?っていうと、テレビとかだと字幕スーパーでこの番組が何かっていうのはずっと、右上の字幕テロップとかで出てたりするんですけど。ラジオの場合は途中から聞いた人がこの番組が何かっていうのがわからないので、サウンドステッカーを15分に1回ぐらい貼り付けて「この番組はこういう番組でTBSラジオです」っていうことをこう、復唱して言ってるんですよね。
(中澤有美子)そうだったんですね。
テレビのテロップ代わりのサウンドステッカー
(安住紳一郎)あとはラジオ番組に必ず出演者の名前が先につくじゃないですか。『荒川強啓デイ・キャッチ!』とか『大沢ゆうりのゆうゆうワイド』とかね、つきますよね。そうですよね。『生島ヒロシのおはよう一直線』とかね。全部、終わっちゃいましたけども。それも「この人がやっている」っていうのがわかりやすいように言ってるっていうことで。私もね、働き始めの頃は「なんでみんな、自分の名前をつけて。なんて自己主張が強いんだろう、先輩方は」と思ったんですけど。「番組名に人の名前、つけるのをやめませんか?」なんていう風に言ったんですけどね。まあ、ついてないのもありますよね。でも、そうやってつけるとそのタイトルを言っただけで出演者がわかるからっていう風にね、言っていました。
(中澤有美子)なるほど、なるほど。なるほどです!
(安住紳一郎)あの、ほら。私がゲストのインタビューとかしている時に何回も「磯田道史さんに今日はお話を聞いています」みたいな、繰り返し言うのも途中から聴いた人がこの人が誰なのかがわからないからっていうことで。それで10分に1回ぐらい名前を言ったり。あとは自分の名前を言ったりするのも途中から聴いた人がこの人たちが誰なのかがわかるようにという、そういうことで昔ながらのラジオ番組をやってるんだけど。若い人はほら、それを知らないからさ。「お前の名前、2回言わなくていい」とかなんか……「何を言っちゃってるんだ、こいつ?」みたいなことを言ってくるんだけど。もう、やだなあと思って。
(中澤有美子)そうですねー(笑)。
(安住紳一郎)こんなこと、放送で言いたくなかったよー。
(中澤有美子)そうか。そうねー。
(安住紳一郎)そんな時、ありませんでした?
(中澤有美子)いやー、私はでもサウンドステッカーの意味、20年この番組をやっていて今、初めてわかりました(笑)。
(安住紳一郎)知りました? じゃあサウンドステッカーって何のためにあると思ってたんですか?
(中澤有美子)やっぱり安住さんが自分のセンスを誇示するために……(笑)。
(安住紳一郎)なるほどね。「なんか手の込んだお通しみたいなのを食事中に4回も5回も出してくるな」みたいな? やめてくださいよー。そうなんだ。お願いしますよ? ねえ。そうですよね。「お聴きの放送はTBSラジオ AM954」。
(中澤有美子)「FM905」。
(安住紳一郎)FM905? ごめん、パーソナリティなのに失念していたわ。
(中澤有美子)ああ、大丈夫です。並べて言うやつです。
(安住紳一郎)そうね。954、905。どうぞ今日もお付き合いください。
長年、ラジオを聞き続けてきたけれど、ラジオのサウンドステッカーの意味なんてちゃんと考えたことがありませんでした。あるのが当たり前みたいな感覚だったので、安住さんの説明を聞いて中澤さんと同様、「そういうことだったのか!」とやっと理解した次第です(笑)。日曜天国、勉強になるなー!