石山蓮華さんが2023年12月26日放送のTBSラジオ『こねくと』の中で映画『マエストロ: その音楽と愛と』について話していました。
(でか美ちゃん)で、蓮華ちゃんはね、以前に紹介していただいた『マエストロ』の方を。
(石山蓮華)見てきました。
(町山智浩)いかがでしたか?
(石山蓮華)レナード・バーンスタインの伝記映画ということで。以前に見ていた『TAR/ター』と本当に対になるような作品で、すごい見応えがありました。モノクロなので、陰影がすごくきれいで。モノクロじゃないシーンもあったりするんですけど、見応えのある素晴らしい映画でした。
(町山智浩)はい。あれね、モノクロになったり、カラーになったり。画面の画角がコロコロ変わるんですよね。あれはね、ほとんど全てのシーンに元になった映像が存在するので。
(石山蓮華)そうなんですか!
(町山智浩)ミュージカルのシーンがあったじゃないですか。あれは、あの頃のミュージカルのパロディみたいにしてやってるんで。あの頃のミュージカルの画角と画質になってるんですよ。
(石山蓮華)ああ、そうなんだ!
(でか美ちゃん)じゃあ、忠実にやっているんだ。
(石山蓮華)なんか、最後の方で「あれ? 急に画質が変わったな?」っていうシーンがあったりとかしたんですけど。
(町山智浩)それはフィルムとかいろんなものが向上した歴史に合わせて、その当時の画質になってるんですよ。
作中の時代に合わせて画質や画角が変わる
(石山蓮華)ちょっと今、Netflixで配信中なので。何度でも見返したいですね。
(町山智浩)あれね、縦に長かったでしょう? あれは、あのクライマックスでレナード・バーンスタインがものすごい指揮をするシーンがあるんですね。
(でか美ちゃん)6年間、練習したのでおなじみの。
(石山蓮華)体がすごい!
(町山智浩)すごいんですよ。あれを一番見たかったんで。あれ、元の映像がテレビなんですよ。だからテレビの画角に合わせて縦長になってるんですよ。映画全体が。すごい変なことをしてる映画ですね(笑)。
(石山蓮華)そうだったんですね! でも、なんか本当にすごい夫婦の話だなと思って、面白く拝見しました。
(町山智浩)でも、あのレナード・バーンスタインっていうのも大概な旦那でしょう?
(石山蓮華)そうですね。家族にいたら、かなり大変だろうなとは思います。
(町山智浩)ねえ。家族サービスはするんだけど、常に酒を飲んで、ドラッグをやって。しかも愛人の兄ちゃんを家に連れてきちゃうしね。やりたい放題ですね。
(石山蓮華)そうなんですよね。また、連れてくるシーンで『ウエスト・サイド・ストーリー』の曲がパッとかかったりとかして。いろいろ、なんかクスッていうところもありました。
(町山智浩)ねえ。あと奥さんが「もうあんた、いい加減にしてよ。あんた、そんなにめちゃくちゃやりたいんだったら、やればいいじゃないの!」って言うと、本当にやっちゃうところがまた……(笑)。
(石山蓮華)ねえ。マジか!って思いました。
(でか美ちゃん)だからその言葉の真意って「もう知らないよ」っていう意味なのに、そのまま捉えて?
(石山蓮華)そうそうそうそう。
(町山智浩)ねえ。でもあれ、最後に奥さんが一種の逆転で彼の愛を全部つかむっていうところもすごかったですね。
(石山蓮華)すごかったですね! ちょっと、ねえ。
(町山智浩)で、「素晴らしい夫婦として終わるのかな?」と思ったら、このおっさんはまたやらかしてるんですね。
(石山蓮華)いや、なんかあそこも本当にアップダウン、最後まで人生ってわかんないもんだなと思いながら。
(町山智浩)わからないですね。もう、夫婦というのもわからないよっていう話ですね。
(石山蓮華)本当ですね。
最後まで人生はわからない
(でか美ちゃん)Netflixでも見られるけど、劇場でも公開中ですからね。『枯れ葉』も『マエストロ』もね。
(石山蓮華)ぜひ、見ていただきたいですね。
<書き起こしおわり>