鈴木もぐら 高円寺北口で出会ったもぐら私設警備おじさんを語る

空気階段の踊り場

空気階段の鈴木もぐらさんが2023年9月11日放送のTBSラジオ『空気階段の踊り場』の中で高円寺北口ロータリーを歩いていた際に50代後半ぐらいのおじさんに声をかけられ、いろいろあってそのおじさんがもぐらさんの私設警備隊になった話を紹介していました。

(鈴木もぐら)あと今週は、夜ね、ライブ後だったかな? ライブ終わりに高円寺の家に帰る時、俺は家が北口なんで。高円寺の駅前って北口にはね、ロータリーがあって。そこでみんなすごい、夜通し飲んでる人とかもいるんですよ。それももうすごいね、あそこは人種のるつぼって言われていて。そこにもう本当にいろんな国の人から、おじさんから、若い女の子まで、いろいろいるんだけども。で、そこをみんな通って。そこを渡らないと高円寺の純情商店街には行けないんですよ。

(水川かたまり)ああ、あそこって渡らないといけないんだっけ?

(鈴木もぐら)渡らなきゃいけない。一応、グーッて回る通り道はあるんだけど。結構遠回りになっちゃうから、みんなロータリーを突っ切っていくんですよ。で、俺も純情商店街を突っ切っていかないと家に帰れないから。あそこのロータリーのところ通るんですけど。そこを通った時に、50代後半ぐらいのね、赤いキャップかぶったおじさんがいて。きたろうさんみたいな。身長は俺よりちょっと低いぐらい。

(水川かたまり)160センチぐらいの。

(鈴木もぐら)で、そのおじさんに声をかけられて。「もぐらさんじゃないですか!」「ああ、そうです」「いやー、高円寺にもぐらさん、本当にいるとは思いませんでしたよ。高円寺に住んでるって聞きましたけども、はじめて見ました」「ああ、ありがとうございます」「いやー、僕、もぐらさんのことが本当に大好きで。お会いできてよかったですよー!」って。で、飲んでいるのかどうか、わからなかったんだけど。お酒、持ってなかったから。もしかしたら、しらふかもしれない。で、「握手してもらっていいですか?」「ありがとうございます」って握手して。で、そのまま帰ったの。

それでその純情商店街をちょっとしばらく行くと、公園があるのね。で、その公園をまた突っ切って帰るっていうのが1個の近道なんだよ。で、商店街に入って、3分ぐらい歩くと公園があるわけですよ。で、公園を歩いてたら、人気がないから。もう夜遅いから。10時とか11時ぐらい。それでザッザッて後ろ、結構すぐ近くに聞こえて。「誰か、すぐ後ろにいるな」って思って振り返ったら、それがさっきおじさんだったの。

で、おじさんがいて、びっくりして。「うわっ! どうしたんすか?」って言ったら「いや、もぐらさん。ちゃんと前、見てくださいよ」って。それで前を見たら、なんか若いあんちゃんが歩いていて。昔の江口洋介みたいな。ちょっと長髪で、キャップをかぶってる若者がいたのよ。Tシャツ、ジーパンでさ。で、「どうしたんすか?」っつったら「あいつ、危ないでしょう? あいつはね、もう見るからに危ない。危ないですよ、もぐらさん。あんなやつと同じ方向に帰っていたら。もう、私がちゃんと守りますから」って(笑)。

(水川かたまり)心強いな(笑)。

(鈴木もぐら)「もう、危ない。危ないから。私が守りますからね。ちゃんと安心して帰れるように。ちゃんと警備しますから」って。

(水川かたまり)そんな危なそうな感じなの?

(鈴木もぐら)で、俺からしたら別に普通の青年なんだよ。江口洋介っぽいっていうか、高円寺っぽいっつーのかな?

(水川かたまり)ちょっとおしゃれな感じの。

(鈴木もぐら)で、別にこっちを見てくるとか、ないんだよ。なんか、睨んでくるとかないし。普通に、まあちょっとゆっくりめで俺の前を歩いている。でも、そのおじさんからしたら、危険なんだって。「もう、私が後ろで見守りますんで。どうぞ、先を行ってください」って言われて「ああ、わかりました」っつってそのまま……。

(水川かたまり)後ろで守るの?(笑)。攻撃されたら、手遅れにならない?(笑)。

3歩後ろで警備するおじさん

(鈴木もぐら)いや、そうなんだけど。前じゃなくて後ろで守ってくれてるんだよね。数メートル先にその江口青年がいて。で、俺がいて、そのすぐ3歩後ろぐらいにおじさんがいて。で、そのまましばらく歩いて。俺の家の近くに十字路があるんだけど。左を曲がったら俺の家みたいな。で、その青年はその十字路をまっすぐ行ったわけ。だから「ここ、左を曲がったら俺の家なんで。あの青年もまっすぐ行ってるんで、たぶん大丈夫だと思うんで。ありがとうございました」っつったら「いや、まだわかりませんよ。そんなの。まだ見えますからね。いや、ちゃんと私は最後まで、お見送りします!」って言うから「わかりました」っつって。それで家の前まで行ったの。で、「ここ、俺の家なんで」って(笑)。

(水川かたまり)そっちの方が嫌じゃない? 江口青年より、知らないおじさんに……おじさん、もう家がわかったわけでしょう?

(鈴木もぐら)で、そのおじさんが「ああ、もぐらさん、こんなところにいるんですか」「そうです。ここが俺の家ですよ。今日はもう、すいません。ありがとうございました。駅前からこんなところまで来ていただいて。すいません」って。そしたらおじさんが「あれですね。この距離ですね。ここがもぐらさんの家ですね。わかりました。じゃあもう私、明日から毎日、もぐらさんことを守ります!」って。

(水川かたまり)やめてくれよ(笑)。

(鈴木もぐら)「もう、もぐらさんのことを守りますんで。だからもう、絶対に北口を通ってください。私は絶対に北口のロータリーにいますから。北口を通って帰ってください。そしたら必ずもぐらさんの警備をしますから」って。

(水川かたまり)なんでSPができてるんだよ。

(鈴木もぐら)で、「わかりました」っつって帰って。で、次の日。夜。ロータリーのところを通ったの。そしたらおじさん、いなくてさ(笑)。

(水川かたまり)いねえのかよ!(笑)。

(鈴木もぐら)俺、すげえ寂しくなっちゃって。何なんだろう、この寂しさ?っていう(笑)。

(水川かたまり)「明日から守ります」って言ってくれたじゃん(笑)。なんだったんだよ?

(鈴木もぐら)1日だけのSPっていう(笑)。行きずりのSP(笑)。おじさん、もし聞いてたらいつでも来てください。はい。Mr.Childrenで『君がいた夏』。

Mr.Children『君がいた夏』

<書き起こしおわり>

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