安住紳一郎さんが2023年8月27日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中でレンタルビデオ店の延滞料金についてトーク。レンタルビデオ店の経営を支えているのは延滞料金であるという話から「世の中は一部のだらしない人のおかげで回っている」と話していました。
(安住紳一郎)それから、お便りが来ていますが。この方はスイスにお住まいの方なんですが。「先週の放送で中澤さんがイタリア旅行に行き、日本にお帰りになった際、航空会社に預けた荷物が到着しなかったという話を耳にし、『ここは私の出番だ』と思いメールをいたしました」。その後、届きましたでしょうか?
(中澤有美子)おかげさまで、火曜日に届きましたですね。
(安住紳一郎)ああ、そうですか。それは宅配便で届くんですか?
(中澤有美子)宅配便で家に三つ、まとめて届きました。
(安住紳一郎)そうですか。よかったですね。
(中澤有美子)よかったです。とてもほっとしまして。ひとつは南京錠が壊れた状態で。ひとつは中身がどう見ても、見た上でかき混ぜて入れ直した感じで。あとの二つはさほど変わらず、入れた状態で届きました。
(安住紳一郎)よかったですね。なんか、今となってはね、宅配便で届いてよかったなみたいな気持ちにもなったりするみたいですね。まあ、当然ね、すぐ荷物は手元にあった方がいいけれど……っていうことですよね。
(中澤有美子)そうですね。手ぶらで帰れたっていうのはありましたね(笑)。
(安住紳一郎)手ぶらで(笑)。これ、でもね、2ヶ月、3ヶ月届かないって人もいますからね。「『ここは私の出番だと思い、メールをいたしました』。今から30年ほど前、私は航空会社の手荷物サービスセンターに勤務していました。そこでの仕事は毎日、未着手荷物の捜索や、壊れたスーツケースの修理手配など……」。未着手荷物っていうんですか。「未着手荷物の捜索や壊れたスーツケースの修理手配など、私のせいじゃないのに毎日怒られるという当時、20歳そこそこの若い娘には精神的にはかなり厳しい職場だったことを覚えています」。この方は、そうか。そういう航空会社のセクションで働いてたのね。
(中澤有美子)そうか、そうかー。
(安住紳一郎)「中澤さんのように『フランクフルトでの乗り継ぎも1時間くらいしかなくて走ったし、それで荷物が乗らなかったのかな?』という正しい状況判断ができるお客様はほんの一握りです」。あら。褒められてる。「放送上は」ですよね。それはね。中澤さん、もしかしたらね、空港でね、もうすごい、人を殺しそうな勢いでハチャメチャに怒り狂ったかもしれませんが。放送上では落ち着いていらっしゃいましたが。
(中澤有美子)そうですね(笑)。
(安住紳一郎)「正しい状況判断ができるお客様はほんの一握りです。ほとんどのお客様はとりあえず、めちゃくちゃ怒っています。わかります。長旅の最後、お土産の入ったスーツケースが届かない。本当にがっかりですよね。荷物が載らなかった原因は、乗り継ぎ時間が短かったことの他にも、カバンにつけていた行き先を表示したタグが取れてしまい、どの便に乗せたら良いか、わからなくなるケース。はたまた、行き先のタグがついているのに、全く違う便に乗っかってしまうこともあります。かと思えば、きちんとお客様と到着地に着いているのに、他の人が自分のスーツケースだと思い込み、間違って持っていってしまうケースが多いようです。
中澤さんが『未着手荷物の手続きにはいろいろ聞かれるんですよ』とおっしゃっていましたが、カバンに鍵がかかっている場合は、鍵自体をお預かりすることもあります。それはなぜかというと、これは未着手荷物をお客様にお返しするためには、税関検査を受けなければならず。当時は必ず税関職員の前で荷物を開け、代理通関を行っていました。その際、カバンの中に日本への持ち込みが禁止されているものが入っていた場合は没収となります。ワシントン条約で禁止されているものや、偽ブランド品などもその対象ですが、一番多いのは雑誌、DVDです。その場合は、お客様に必ずお伝えしないといけないので、電話口で『お荷物の通関が終わりまして、本日配送に出しますが、日本に持ち込めないものがおカバンの中にありましたので、これは没収となっております」と。
やはり悪いことをすると神様が見ているということなのでしょうかね。手荷物事故、起こってほしくありませんが、残念ながら、いつでも起こりうる可能性があります。2日分くらいの下着や薬は機内に持ち込みにする。または預ける荷物には必ず名前と住所を書いたタグをつけるなどの対策をおすすめいたします」というね、航空会社にお勤めの方。なるほど。代わりに税関の手続きをしてくれるっていうことなんですね。
(中澤有美子)そうだったんですね。
(安住紳一郎)代理通関。
(中澤有美子)代理通関をしていただいたんですね。雑誌やDVDを?
(安住紳一郎)はい。没収になるんですね。あれ? 知りません? これ、雑誌、DVDの。
(中澤有美子)知らなかったです。
(安住紳一郎)ああ、知らない? そうですか。
(中澤有美子)雑誌、DVDの内容によるんですか?
(安住紳一郎)ええっ? それ、聞きます?
(中澤有美子)やっぱり、そうよね。なんだって……ああ、そうなんだ。
(安住紳一郎)ほら、夏休みでキッズたちも聞いてるから。私、言いたくないわ。やらしい雑誌ですよ!
(中澤有美子)へー! そうなんだ(笑)。
(安住紳一郎)成人向け雑誌ですよ。信じられない……。
(中澤有美子)なにが信じられないんですか?(笑)。
(安住紳一郎)日曜日の朝から、言いたくなかったわ。
(中澤有美子)ああ、すいません。そうなんですか。そんなに持ち込むんですね。やっぱり(笑)。
(安住紳一郎)知らないよ! 聞いたこともないもの。
(中澤有美子)そうなんだ(笑)。
(安住紳一郎)ねえ。とっておきの話、しちゃおうかな? でも絶対にネットニュースに書かれるから、話したくないけどな……。お願い! スポニチのシモヤナギさん、お願い! これだけは書かないで! これ、書かれるときついから……。言うべき、か言わざるべきか。うーん(笑)。
(中澤有美子)フフフ、プリーズ。シモヤナギさん、プリーズ(笑)。
(安住紳一郎)プリーズ、プリーズ。うーん……世の中を信じていいのか? いいのか? どうだ? 言ってみるか? よしっ、言ってみるよ?
(中澤有美子)やった!
「シモヤナギさん、プリーズ」(安住)
(安住紳一郎)行ってみよう! ふぅーっ! 20年前ですよ。ずいぶん前の話になりますけど。私、海外出張が入っていて。当時、結構なんか毎日、ちょっとスケジュールが変則的で忙しくて。で、よく近所のビデオ屋さんで7泊8日のDVDを借りていたんだよね、昔はね……今はあんまりもう、皆さん使わなくなりましたけど。昔はもう、仕事帰りに毎日のようにDVDを借りて。いろいろ映画とかを見て。で、7泊8日にするとさ、390円とかで安かったんでだよね。
(中澤有美子)そうでしたよね。
(安住紳一郎)そうそう。で、6本セットとかで借りれるんだよね。で、行って6本セットでよく借りてたわけ。ところがほら、あれさ、延長料金が非常に高くて。延長料金で1泊すると600円ぐらい取られるからそれが6本だと3600円とか取られちゃうんだよね。それで、もう期日ギリギリになっていて。「今日の朝に返さないと絶対にダメだ」と思ってたから。「返そう!」と思ったの。それで、それがちょうど海外出張の出発の日だったから、成田空港に向かう足でそのレンタルビデオ屋さんの朝早くの返却ボックスっていうところに行ったら、なんか「今日は都合により返却ボックスはダメです」って言われちゃって。「ええっ!」って思ったの。「俺はこのDVDを6本とか7本持って、海外に出張に行くのか?」と思って。で、いろいろ考えたたわけ。でもケチだからさ。駅前のコインロッカーとかに入れてもね、6泊分となると結構延長料金かかるしな……とか思ったり。
で、まずもうそのビデオの延滞料金で頭がバーッて、カーッてなっちゃったわけ。そんな、そんな海外出張に行って帰ってくるのが4日後とか5日後だから。「はーっ! なんだ、これ? いや、参った!」なんて思って。「でももう仕方ない。ちょっとでもケチった方がいいら……よし、俺、これを持っていくわ」と思って。そしたらその海外の出張先の税関でさ、「What is this?」なんて言われちゃってさ(笑)。
(中澤有美子)アハハハハハハッ!
(安住紳一郎)うん。「ええと……Rental DVD」なんて言って(笑)。「あなた、何を持ち込もうとしてるの?」っていうことだよね。「えっ? レンタルDVDをなぜ、私たちの国に持ち込むのか?」みたいな。「これを販売しようとしてるのか?」みたいなことになっちゃうよね。「ノーノーノー! 延滞料金モッタイナイ!」なんて(笑)。全然通じないしさ。あと、この状況を説明できないもんね。「うーん……」なんて思ってね。で、ほら。仕事仲間はさ、「安住さん、なんかいけないものでも持ち込もうとしてるんですか?」なんて言って。「税関で長らくおつかまりになっていますけども」って。「時間かかってるな」みたいな。
知ってます? ビデオショップって、当時の話ですけど。7泊8日で390円とか、格安ですよね。安い旧作とかだと、120円とかで借りられた時代、ありましたよね。で、延長になると、急に高くなるじゃないですか。で、ビデオショップの利益って、延滞料金で出してんですよね。っていうことは、世の中っていうのは一部のだらしない人のおかげで回ってるってことなんですよ。だから、だらしない人に対しての敬意を持ってほしいなと思います。
(中澤有美子)フハハハハハハッ!
(安住紳一郎)いや、これは本当なんだって。恐ろしいよね。そういうことでしょう?
(中澤有美子)本当ですよね。おかげさまですよね。
世の中は一部のだらしない人のおかげで回っている
(安住紳一郎)おかげさまですよね。だからあんまりこの話、広げちゃいけないけどさ。お金借りてさ、期日まで返せなかった時の料金が高かったりするけど。それで利益が出てるような場合もあるわけでしょう? だからさ、だらしない人のおかげで、それぞれ得してる人もいるんだなって考えると、うん。「悔しい!」って気持ちになるから絶対、だらしない生活はしないようにしましょう!
(中澤有美子)そうですね(笑)。あと敬意をですね。いろんな、多様性に対して。
(安住紳一郎)多様性に対して? うん。そうなのかな、なんて言って。うん。ネットニュースを書く時は、私はどんなDVDかを言及してませんからね? もし、そういうDVDだなんていう風に書いたら、私は訴えちゃうから。
(中澤有美子)そうですよ。中身はわかんない前提で「これは何ですか?」って聞かれたからね。
(安住紳一郎)よろしくお願いしますね。そこはほら、持ちつ持たれつだから。お願いする! 今後もうまくやっていきたいから。おかしいんですよねえ。
(中澤有美子)アハハハハハハッ! 今後もうまくやりたいですよね(笑)。
(安住紳一郎)おかしいですよね。こんな斜陽のメディアですよ。AMラジオなんてね。電波出してんですから。
(中澤有美子)電波、出しているよ(笑)。たしかにそうですね。
(安住紳一郎)なのにですよ、Webメディアがラジオでしゃべったことをもうね、しゃぶり尽くして。ネットニュースになったりなんかして。おかしい。びっくりした。ねえ。どうぞこれからもよろしくお願いいたします。何の話してたんだっけ? あ、中澤さんのね、ロストバゲージの話ですよ。
(中澤有美子)そうでした、そうでした。勉強になりました。本当にありがとうございます。
(安住紳一郎)お土産などもようやく、手元に戻ってきたんですか?
(中澤有美子)そうですね。はい。無事でした。
(中略)
(安住紳一郎)さて、先ほど私のレンタルビデオ店の話をしましたが。お便りをいただいています。
(中澤有美子)ありがとうございます。
(安住紳一郎)ちょっとね、こういう話は最近、あまりテレビ、メディアから聞こえたことがないので。かなりエッジの効いた意見なので皆さんもちょっとびっくりされると思うんですけども。私、ちょっとびっくりしたので読んでしまいますね。「先ほどのレンタルビデオのお話の中で『ルーズな人のおかげで世の中は成り立っている』というお話がありましたが、実はスポーツジムも私たち毎日通う会員ばかりではジムは潰れてしまうようです。会費だけ払い、月に1回ぐらいしか来ない会員でジムは成り立っています。結構そういう人がたくさんいます。レンタルビデオ屋さんと同じですね」という。ああー……。
(中澤有美子)本当にそうだと思いますね。はい。
(安住紳一郎)しびれちゃうよね。うん。本当、しびれちゃう。
(中澤有美子)ああ、そう……支えたな、結構。
スポーツジムもほとんど通っていない会員によって支えられている
(安住紳一郎)そうね。思えば、自分はこれに貢献しているって思うものが何個か、ありますよね。
(中澤有美子)そうですね(笑)。
(安住紳一郎)その、会費だけ払って全く行っていないとかさ。ポイントを貯めたけども使ってないとかさ。
(中澤有美子)そうそうそう!
(安住紳一郎)なんかね、「失効しているな」みたいなね。うん。あらー、資本主義、怖いわー!
(中澤有美子)本当ですね(笑)。
<書き起こしおわり>