町山智浩と伊集院光 いちばんいい感じの映画解説を語る

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町山智浩さんがTBSラジオ『伊集院光とらじおと』にゲスト出演。おすすめ映画の紹介や、町山さんが考える、いちばんいい感じの映画解説・紹介について話していました。

(伊集院光)映画の話もすごいしたくて。いっぱい映画の質問も来ていましてね。(質問メールを読む)「いままでに見た映画の中で『チケット代を返せ!』と思った作品はなんですか?」とか(笑)。あと、(質問メールを読む)「自分で映画を撮りたいと思いますか?」って。

(町山智浩)ああー。撮ってました。前に。

(伊集院光)ええっ?

(町山智浩)ちょこちょこっと。まだフィルムの時代にね。

(伊集院光)そうなんですか。それは自主制作っていう?

(町山智浩)そう。8ミリ、16ミリとか。

(伊集院光)いまは?

(町山智浩)うーん……いまもやりたいですけどね(笑)。

(伊集院光)でも、作ると、映画評論って難しくなんないですか?

(町山智浩)それは別じゃないかなって思いますけどね。

(伊集院光)もう、「なんでもいいから」って言われたら、ジャンルとしてはなにが撮りたいですか?

(町山智浩)ああ、僕は結構ホラーが撮りたいですよ。

(伊集院光)へー!

(町山智浩)びっくりさせるのが好きなんですよ。結構、そういうのに興味があるんですよ。『ドント・ブリーズ』っていう映画が今度公開されると思うんですけど……

『ドント・ブリーズ』

町山智浩 ホラー映画『ドント・ブリーズ』を語る
町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で、アメリカで記録的な大ヒットとなったホラー映画『ドント・ブリーズ』を紹介していました。 #Regram @buckien...

(伊集院光)あ、そう。おすすめ映画も聞きたかったんですよ。

(町山智浩)今年中か来年(公開)だと思うんですけど。『ドント・ブリーズ』っていう映画が夏休みにアメリカで公開されて、ものすごく怖かったんですよ。おじいさんが一人暮らしなんで、そこからお金を盗ろうとする悪いやつらの話なんですね。で、そのおじいさんは全盲なんですね。目が見えない人。だから、その家に忍び込んで金を盗ろうとしたら、そのおじいさん、全盲なんだけど筋肉モリモリで、しかも元海兵隊の殺人マシーンだったっていう(笑)。素手で人を何十人も殺せる爺さんで、逆にそこに入った強盗たちがその爺さんに殺されまくるっていう(笑)。

(伊集院光)おおーっ!

(町山智浩)っていう話なんですよ。

(伊集院光)えっ、それは、ジャンルは?

(町山智浩)ホラーですけどね。ただ、お化けは出てこないし、SFXもないですよね。

(伊集院光)へー! いくつか、それこそもうDVDとかレンタルで出ているものでもいいんですけど。おすすめ作品がすごくたくさん聞きたくて。たとえばね、いいのが、ちょっとソムリエみたいな使われ方なんですけども。(質問メールを読む)「最後に『あっ!』となる映画をひとつ教えてください。僕がいままで見た中の好みは『ユージュアル・サスペクツ』がよかったです」と(笑)。だから、こういう好みも提示した上で、ラストが「あっ!」ってなる映画が知りたいと(笑)。

(町山智浩)ラスト、いちばんびっくりする映画は『赤い影』っていう映画ですね。

(伊集院光)『赤い影』?

(町山智浩)なにも情報を持たないで見ると、本当にびっくりします。

(伊集院光)僕、これがいちばん映画の幸せなところで。なにかしら、情報が出るじゃないですか。テレビなんて当然、画面に出すじゃないですか。

(町山智浩)はい。

(伊集院光)だから僕、思ったんだけど、『マトリックス』が出た時に、テレビでのけぞって弾丸を避けるところが出るんですよ。で、場所関係とかを見れば、その『マトリックス』、他の情報をなにも入れなくても「避けるんだ」っていうのはわかるじゃないですか。「これ、避けるんだ」ってわかっちゃうと……ねえ。

(町山智浩)(笑)

(伊集院光)でも、映画産業としてはやっぱり何にもなしだとみんな来てくれないから。だから、不幸っちゃあ不幸ですよね。

(町山智浩)まあ、ねえ。僕、昨日その『國民の創生』っていうサイレント映画をずっと解説したんですけど。この頃の映画って字幕っていう言葉がいま、残っていますけど。本来はスクリーン全体に幕、カーテンが実際に映って。そこに、そこからのシーンのセリフとかが入るのが字幕なんです。本来。

(伊集院光)えっ、どういうこと? もう1回教えてください。普通に映画、ありますよね。映画のスクリーンの……

(町山智浩)説明がしにくいんですけど、こういうステージがあって、両方に幕がある状態ってあるじゃないですか。

(伊集院光)両サイドに緞帳っていうか……

(町山智浩)そこに、字が入るんですよ。ペンで書いてますけども(笑)。

(伊集院光)「ここに」って。ペンで。

(町山智浩)まあ、カーテンに囲まれたスクリーンみたいなのが画面に出て。そこに字幕が出るのが本来の字幕なんですよ。

(伊集院光)要するに、もうお芝居はお芝居で見せたら、いったんその字幕用の画面になって……

(町山智浩)なるんですよ。

(伊集院光)「その時、鞍馬天狗は……」だけが出る感じの?

(町山智浩)そうそうそう。それがサイレント映画で。だから「字幕」っていう言葉があるんですけど。

(伊集院光)で、その横に幕があしらってあるから、それを「字幕」っていう?

(町山智浩)ところが、当時の字幕っていうのはそれから起こるシーンを解説するんですよ。先に。だからなにもびっくりがない……(笑)。

(伊集院光)ネタバレの最たるものが。

(町山智浩)そう。「これからヒロインは悪漢に捕まる」っていう風に字幕が出て、それからそのシーンが始まるんです(笑)。

(安田美香)(笑)

(伊集院光)「この後、彼がのけぞって……」。

(町山智浩)そう(笑)。「弾丸を避ける」(笑)。

(伊集院光)「弾丸を避けるのだが……」って。それで避けちゃうって……ダメだわ(笑)。確認作業だ、確認作業。

(町山智浩)そう(笑)。確認作業になっているんですよ。昔のサイレント映画って。笑っちゃいましたけどね。「すげえな、5分ごとにネタバレか!」って思って(笑)。

(伊集院光)でも、その『赤い影』みたいに何も知らないで見る楽しさみたいなのって、なかなか難しいですよね。

(町山智浩)まあ、ある程度情報があった方がいいんですけども。『赤い影』みたいな映画とか、説明しにくい映画ってあるんですよ。この間、国際映画祭でやった『メッセージ』っていう映画があって、宇宙から巨大な宇宙船がやってきて、宇宙人の言葉を翻訳しなくちゃいけないっていう話で。これ、それ以上のことは何も言えない映画なんですよ。

(伊集院光)でも、そこって本当に映画評論家のさじ加減とか見せどころがあって。「じゃあ、そういう映画は役者のことをちゃんと言おう。どんな人が出ています。どういう経緯で撮られています」とか……

(町山智浩)関係ない話をしているように聞こえて、見たくなって映画を見ると、「ああ、あの人が言っていたのはこのことなんだ!」っていうのが最後まで見たらわかるっていうのがいちばんいい感じなんですよ。

(伊集院光)なるほど!

(町山智浩)聞いた時は、なにを言っているのがわからなかったけど面白そうだなと思って。見てみたら、「あっ、このオチのことをこういう風に言っていたのか!」っていうような。

(安田美香)最後につながるんですね(笑)。

(伊集院光)いや、まだまだ聞きたい話がいっぱいあるんですが。最後にもう1回だけ、著書のお知らせをさせてください。10月26日発売になっております『最も危険なアメリカ映画』。これは集英社インターナショナルさんです。


10月29日、『さらば白人国家アメリカ』。講談社さんということで。


さらには、今週火曜日の『たまむすび』で、いつもはアメリカと電話を結んでますけども、スタジオ生出演ということになっております。

(町山智浩)はい。『最も危険なアメリカ映画』の説明はあんまりしなかったんですけども。これはよくテレビとかラジオで企画を持ち込んで、全部危険だから放送できないって言われた映画ばっかりを集めている本です。

(伊集院光)ああ、なるほど。で、プレゼントをしていただくということで……

(中略)

(伊集院光)町山さん、本当にありがとうございました。またぜひ、来てください。

(町山智浩)はい。どうもでした。

<書き起こしおわり>
※この放送の模様はradikoタイムフリーで聞けます!(1週間限定です)

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