吉田豪 真木蔵人を語る

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吉田豪さんが2006年5月と7月にTBSラジオ『ストリーム』の『コラムの花道』の中で真木蔵人さんについてトーク。雑誌『BUBKA』に掲載されている真木さんの切れ味鋭いコラムを絶賛していました。



(小西克哉)そろそろ、本題に行きますか。今日は豪ちゃんがこの『コラムの花道』について、一言申し述べたいことがあるという風なことを聞いたんですけども。

(吉田豪)そうなんですよ。この『コラムの花道』って「最強のコラムニストが登場」っていうキャッチフレーズがついているじゃないですか。

(小西克哉)ついてますよ。

(吉田豪)それがね、間違っていることに最近、気づいたんですよ。「最強」じゃないですよ。

(小西克哉)最強だよ。

(吉田豪)本当の最強のコラムニストがいるんですよ。世の中には。

(小西克哉)ええー? そうなの?

(吉田豪)いや、いますよ、います。まず僕自身が、肩書として「プロ書評価・プロインタビュアー」を名乗っているんですけど。コラムはあんまり、そんなに自信がないので、「プロコラムニスト」は名乗らないようにしているという。

(小西克哉)ああー、いいんだよね。番組的に「コラムニスト」って決めたら、もう。

(吉田豪)まあ、コラムも書いているんですけどね。いや、本当にもう、僕はこれは一生コラムニストは名乗れない!って思うようなコラムが最近、始まったんですよ。

(小西克哉)ガツーン!って、よくそういうの、やられる時あるよね。あんまり、たとえば本当に優秀な人に弟子入りしたお笑いコメディアンは成功しないとか、あるよね。

(吉田豪)すごいものを見ちゃうと。

(小西克哉)すごいものを見ちゃうと、なんか気が滅入っちゃうというか、なよっちゃうというか、ダメになっちゃうんだよね。

(吉田豪)はいはい。コラム初連載なんですけど、この人には勝てないと思った人が登場したんですよ。

(小西克哉)まあ、豪ちゃんはコラムニストを自分で名乗っていないからいいのかもしれないけど。それが?

(吉田豪)まあ、真木蔵人さんっていうね。

(小西克哉)真木蔵人さん。

最強のコラムニスト 真木蔵人

(吉田豪)『BUBKA』で先月号から連載が始まったんですけど。本当に最強でコラムニストでもあるという。

(松本ともこ)初めてなのかしら? こういうコラムは。

(吉田豪)コラム連載は初めてですね。

(小西克哉)真木蔵人さんについては、ここでも1回、取り上げていただきましたよね。

(吉田豪)そうですね。僕の『人間コク宝』っていうインタビュー集にも出ていただいていて。本当に人として非常に面白い。言語感覚から何から、考え方自体がやっぱり独特なんですよ。で、本当に自分の感覚。自分で経験したことしか語らない。借り物の思想とか、そういうのは一切ないんですよね。

(小西克哉)ああー、なるほど。

(吉田豪)だからコラム的なもので世相を斬ると、本当に独自の斬り方になるんですよ。

(小西克哉)なるほど、なるほど。

(吉田豪)「ああ、これをこういう風に斬るんだ」みたいな。

(小西克哉)へー! まあね、これが連載しているのは月刊BUBKAの……

(吉田豪)5月号から、リニューアルで始まったページがあるんですよ。僕がかかわっていると思われがちなんですけど、全然かかわっていなくて。僕と接点がある坂上忍さんとか、アイドルの小明さんとか、ヘアヌードの高須基仁さんとか。まあ、接点がある人たちだけで始まった、4人で2ページのコラムページなんですけど。とにかく真木蔵人さんが「ヤバい」の一言なんですよ。

(小西克哉)(笑)。一面をこの4人の人が占めていて。これ、字数にしたらそんなに多くないですよね。

(吉田豪)多くはないです。しかも、語りおろしなんですよ。ぶっちゃけた話。コラムっていうか。

(小西克哉)語りがなんか、そのリズムが出ているってことですか?

(吉田豪)ですね。

(小西克哉)ちょっと紹介していただけますか?

(吉田豪)1回目の書き出しからなんですけど。最近、千葉に住んでらっしゃるんですよね。彼はサーフィンとかをやっていて。千葉で喫茶店もやっているんですけど。

(小西克哉)タイトルが「東京の引力」。

(吉田豪)そうです。「最近、千葉に住んでるんだけどね。ちょっと外から東京を考えだした時にね、いつも断面図にして見るようにしているんだ。そうするとまず、地下にはメトロが走っている。すげー勢いで。で、地下にでっかい穴が空いているんだよね。だからこの街はちょっと引力が違うと思う」。このへんまでは、まあわかるじゃないですか。

(小西克哉)なるほど。空洞だからね。

(吉田豪)「それでみんな、地に足がついてねえんだよ。東京は。それを発見しちゃったんだ。俺は海辺の平屋に住んでるから、土から引力をバキッと感じてるけどね」っていう。まあ、引力がテーマなんですよ。本当に。

(小西克哉)なるほど。つまり、地下がスカスカだから。

(吉田豪)スカスカだから、東京の人は地に足がついていない。

(小西克哉)当然、引力が少ないからフワフワしてるだろうと。

(吉田豪)「俺は海辺の平屋に住んでいるから、引力をバキッと感じてる」って。まあね、このへんまではまあ、わかるかなってなったのが、そこから突然……「たとえば、いまの政治家はみんなボンボンでまさに地に足がついてねえ連中。普通の人間じゃねーんだよ」って。またここで話が飛ぶんですよ(笑)。

(小西克哉)うんうん。

(吉田豪)で、まあ政治をどう語るのか?っていうのもね……「結局、ヤバく金を増やしていた田中角栄様なら、その子供が『絶対にやりてえ!』ってなるのもよくわかる。(田中)真紀子さんみてーに。だからギャングスタいじゃん。いまだに、真紀子さんは」って。

(小西克哉)「ギャングスタい」(笑)。「いまだに」っていうのがすごいね(笑)。

(吉田豪)要はだから、政治家として根性が座っているかどうかなんですよ、基準は。「結局、他のやつらは汚職がバレるとすぐダメになる。あいつら、不良じゃねえのに不良っぽくいこうとするからダメだ。やるならとことんやれ。だから(堀江メール問題の)永田議員さんももっとやりきった方がよかったよ。あんな嘘をやるんだったら」っていう。

(小西克哉)(笑)

(吉田豪)「撤回とかはダメ。『ざけんな!』の一点張りよ!」っていう(笑)。感覚がもう、この時点ですごいじゃないですか。

(小西克哉)面白いよね。

(吉田豪)面白い。で、僕がもうとにかく目から鱗が落ちたのは、ヒルズ族の斬り方。六本木ヒルズの。

(小西克哉)どういう風に斬るんですか?

真木蔵人流 ヒルズ族の斬り方

(吉田豪)まあね、ヒルズ族の連中はネットを走りすぎちゃって、歩くのがタルくなっちゃったみたいね。だから基礎体力がない。警察に追われた時も、あいつらじゃ逃げられない。壁を上ったり、普段飛ばない20段ぐらいの階段を飛んだりとか、ありえない動きをできないんだよ。だから、すぐ捕まっちゃったじゃん」っていう。えっ?

(松本ともこ)ええっ?

(吉田豪)あれ、捕まったのって、そんな理由だったんだ!っていう(笑)。

(小西克哉)だから、ネットを走りすぎちゃったから、歩くのがタルくなっちゃったから……

(吉田豪)実際に動かなくて、基礎体力がないから、逃げられない。捕まった。「だから、六本木ヒルズの上から飛ぶわけにもいかないから。ヒルズじゃ、逃げられない。巨大ジェイルに住んでいるようなもんだ」と。

(小西克哉)「巨大ジェイル」っていいよね。

(吉田豪)いいですよね。「そんなところに自分から縛って。『俺は天下を取った』ってやっているあいつらはアホなんだよ。警察がやって来て、窓を開けて下を見たって、『あらー?』だろ。飛び降りれないでしょ? 悪いことするなら、平屋に住まなきゃ」って言う。

(小西・松本)(笑)

(吉田豪)「逃げる時は屋根に上ってタタタタタッて忍者スタイルでやんなきゃ。俺はそういうのを見て育って来てるから、鍛えてあるよ」っていう。本当に目から鱗が落ちたんですよ! こういう語り方があるのか、六本木ヒルズ族に対して。

(小西克哉)たしかに、ないですよね。いままではなかったですよね。

(吉田豪)画期的すぎます。「あいつらは体力がないから捕まった」っていう。で、平屋がいかに素晴らしいのか。そこなんですよね。だから、逆に言えば、平屋に住んでいるイコール悪い人がいるんじゃないか、みたいな錯覚もしてきちゃうんですけど。

(小西克哉)六本木ヒルズを「巨大ジェイル」っていう、まあ英語が出てくるんだけど。今日、新聞で六本木ヒルズのことを書いていた識者がいたんだけど。やっぱりね、ジェイルとは言わなかったけど。まあ、ある意味で要塞のようなところというような表現もしていましたけどね。この蔵人さんの「巨大なジェイル」が非常に面白いね。

(吉田豪)真木さん、結構「ジェイル」が口癖で。僕もインタビューした時に、「お父さんに、悪いことをすると俺はジェイルに閉じ込められてた」って言っていて。「ジェイルって、なんですか?」って聞いたら、階段の下が物置みたいになっていて。そこに閉じ込められて、学校も行かずにずっとそこに。「ジェイル、マジでヤバイよ」っていう、そういう(笑)。

(小西克哉)「マジでヤバイよ」(笑)。マイク真木さんですよね。そういえば、『ハリー・ポッター』も階段の下のところに閉じ込められてたね。

(吉田豪)ジェイルが。で、前にやったインタビューでもやっぱり真木さんが独特なのが、自分の感覚でしかしゃべらないという意味では、映画とか、『BROTHER』とか出ているじゃないですか。(北野)武さんの映画とかで評価されているんですけど、この人が好きな映画っていうのは、「昔の映画ってマジでヤバかったじゃん? 角川映画とか、東映まんがまつりとかさ」っていう。感覚が、そうなんですよ。

(小西克哉)(笑)

(吉田豪)だから実は今回の『CIRCUS』っていう雑誌の不良特集で再会してきたんですよ。インタビューしに行って。やっぱりそこでも出てくるのが、単語としては『バック・トゥ・ザ・フューチャー』と『スターウォーズ』と『ゴレンジャー』なんですよ。それがいかに素晴らしかったのかって。信用できるんですよね。背伸びしていない感じ。

(小西克哉)ああー、そうか。

(吉田豪)等身大。小学生のハートを失わない。とにかく、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』がいかにヤバかったのかっていう話で。「『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の悪役で、金を稼いででっかいビルを建てたやつ、いたじゃん? あれなんだよ、六本木ヒルズっつーのは。あんなもん、すぐなくなるよ!」っていう。

(小西克哉)なるほどね!

(吉田豪)あと、よく「ヴァイブス」っていうヒップホップ用語でもあるんですけど、そういうことを言うんですけど。

(小西克哉)黒人の言葉ですよね。

(吉田豪)「ヴァイブスって、それはたぶん『スターウォーズ』で言うところのフォースに通じるものがあると思うんですよ」って言ったら、「そうなんだよ!」って。非常に打ち解けて。で、「だからね、六本木ヒルズのあたりっつーのは本当にね、ダークフォースが渦巻いていて。あれはもう、ヤバいよ。あそこはもうすぐドカンだよ、そんなもの」って言う。

(小西克哉)(笑)

(吉田豪)「やっぱね、最近俺ね、映画とかあんまり出てないからあんま言えないけどさ。最近の映画、何がダメかって言うとね、『スターウォーズ』みたいに正義が勝つ、ああいう感じがねえんだよな。『ゴレンジャー』シリーズとかさ、よかったじゃん。『ゴレンジャー』」っていうね。信用できる!っていう(笑)。

(小西・松本)(笑)

(吉田豪)いいんですよ。視点が全て。

(小西克哉)なるほどね。いやー、だから視点が斬新ですよね。独り言っぽいですよ、たしかに。独白だけに。

(吉田豪)(コラムタイトルが)『蔵人独白(くろうどのひとりごと)』。で、最新の2日目のいま出ている号が、戸塚宏さんのことを語っているんですけどね。

(小西克哉)戸塚ヨットスクールの。戸塚さんも出まくってますよね! ジェイルから出てきたら。

(吉田豪)まあね、釈放されて。ジェイルから出てきて。「で、まあお縄になったら終わりだけど。戸塚宏さんのイズムはいまのやつらにも必要だったよ。あいつは生徒を溺れさせえて、いじめるのが気持ちよかったのかもしんねえ。本当に悪いやつだったのかもしれねえ。ヤバいじゃん。でもね、ポジティブな目でとって、人々を自然と触れさせたっていうことに俺は感動する。だって、海はヤベえから。マジで」って。

(小西克哉)(笑)

(吉田豪)海がどうヤバいのか?って思ったら、要はだから「俺は戸塚さんをぶっ飛ばせるけど、ヨットで海から帰ってこれねえ。自然はそういうヤバいもんだ。俺は海はぶっ飛ばせねえ」っていうことなんですよ。

(小西克哉)うんうん。

(吉田豪)「そういう意味で、海はヤバいと。で、海に連れて行った戸塚さんは正しい。自然はそういうヤバい、スピリチュアルなものだ」と。このへんまではまだわかるんですけど、突然、『オーラの○○』っていう番組批判が始まるんですよ。

(小西克哉)ほう。ええ。

(吉田豪)「『オーラの○○』っていう番組に出ている霊能者。リアルな人間はね、テレビとか出ねえんだよ。まず、地球のためを考えているんだ。芸能人は欠席なんかしません。だってテレビ番組でしょ。CMなんでしょ。視聴率のためなんですよ。あいつは全部、嘘だよ。俺のなにも当てられねえ、あいつには」っていうね。江原さんにはっていうね。

(小西克哉)なるほど、なるほど。面白いですよね。

(吉田豪)画期的すぎる。

(小西克哉)「俺はそれ以上のパワーを持っているよ」って書いてあるね。

(吉田豪)そう。「自然からパワーをもらっているから。あいつは俺の人生とかも当てられない」と。で、「オファーされたら、出ますか?」って聞いたんですけどね(笑)。「断るね」とは言ってましたね。

(小西克哉)ああ、それは断るんだ。なるほど。

(吉田豪)ただね、「江原さん批判ってなかなかいま(※2006年当時)タブーっていうかね、できないじゃないですか」って言ったんですよ。

(小西克哉)そうそう。芸能人の人でね、なかなかできないですよね。

(吉田豪)って言ったら、あっさり言われましたよ。「だってほら、気持ち悪いじゃん」って。サラッと(笑)。

(小西克哉)(笑)

(吉田豪)いや、そうでしょうけど……っていう(笑)。まあ、面白い!

(松本ともこ)すごいな(笑)。

(小西克哉)「結構タヌキが出たり、野ウサギが出るようなところに住んでいる」って書いてありますけど。

(吉田豪)そうですね。千葉の平屋で。

(小西克哉)やっぱり重力は結構なものがあるんでしょうね。引力っていうのはね。

(吉田豪)まあ、感じるみたいですね。で、「地球っていうのは本当に山と木とアニマルを育むためにある。ビルを建てるためじゃない」っていう。最近はもう、ビル批判ですね。基本的に。ビル、六本木ヒルズ批判。

(小西克哉)やっぱりビルは、不自然なんだ。

(吉田豪)でしょうね。だからこの間インタビューしたのが、実は「結構いい場所を取らなきゃ」って編集部が考えて、渋谷の高級なホテルの、すごい高いところを取っちゃって(笑)。下を眺めながらね、「こういうビルがいけねえんだよ!」っていう、そういう話に(笑)。

(小西克哉)なるほど。なってくると。

(吉田豪)「フェイクだよ、箱庭じゃん、これ。間違ってんだよ。潰した方がいいよ、こういうのは全部」っていう。こういうリアルなコラムニスト。特にね。

(小西克哉)これはすごいね、たしかにね。

(吉田豪)間違いなく最強でもあるわけで。コラムニスト界でたぶんステゴロで戦いあったらいちばん強いのは彼なわけで。間違いなく。

(小西克哉)なるほど。これ、でもここでこういうことを言うとさ、絶対にテレビに出そうとするようなプロデューサー、いるんじゃない?

(吉田豪)テレビじゃちょっと怖いんじゃないですかね、やっぱり(笑)。

(小西克哉)テレビじゃ怖いのか。ああ、そうなんだ。

(吉田豪)テレビだとやっぱり、自然の話とかをするみたいな大義名分があれば。『孝太郎スタイル』っていう小泉孝太郎さんの番組には出て。海の話とかをしたんですけど。伸び伸びといろいろと語ってもらおう、みたいなのは……

(小西克哉)生では怖いでしょうね。

(吉田豪)まあでも、この番組だったらいけるんじゃないか?っていう気はするんですけどね。

(松本ともこ)『コラムの花道』に。でも、コラムニストとして。

(小西克哉)もう書いている以上、コラムニストだからね。

(吉田豪)コラムニストだし、最強だし。

(小西克哉)ビルのこれもだから、危ないことを言ってますよね(笑)。

(吉田豪)相当危ないことを言ってますよ。当然。まあね、「ビルから人を落としたオヤジも、高いところからツバを垂らすじゃん? ペッて。あの感覚でいっちゃったんだろうね」って。本当に自然体な発言ですよ、全てが。

(松本ともこ)でも、世の中であったことをこうやってね、すごい書いてますよね。

(吉田豪)ぜひとも、ちょっとなんとかね。この番組でしか、たぶんできないと思いますよ。

(小西克哉)これ、そうですね。まだ2回目しか出ていないので。これからいろいろなことをどう斬っていくか?っていうことですが。真木蔵人さん自体、しゃべっていてこんな感じのしゃべり方になるの?

基本的にはフランク

(吉田豪)ものすごい……でも、基本的にはフランクです。敵と認識した人には、どうかわからないですけど。僕が出した『人間コク宝』っていう本で、結婚していることが発覚して。女性週刊誌が取材に行ったことがあったんですよ。で、真木蔵人さんの喫茶店の前の旅館に車を停めて取材していたことに激怒して。

(小西克哉)ほう。

(吉田豪)「なにやってんだ!」っつって。道路を挟んで向かいの車のところに行って。「俺のところに来るのが筋だろ? 車を停めるのが。お前ら、なにやってんだ! タイマン張ってもいいんだぜ? こっちはそのために身体を鍛えてるんだからよ。俺は全身真木蔵人で生きてんだよ」って言い張ったっていう記事が出ていたんですよ。

(小西克哉)なるほど。

(吉田豪)で、記者がビビッて帰っちゃったっていう。その話を突っ込んでみたら、実はその前の旅館っていうのが、「あのね、オヤジが本当にヤバいんだ、あそこ。元漁師かなんかで本当に強そうでさ。俺はもう、近所付き合いはすごい上手くやっているし、あのオヤジはマジで怖いしね。だから『そこに車停めるなよ、なにやってんだよ、お前よ!』っていう意味でさ、怒ったんだよ、俺はよ」っていう。

(小西克哉)(笑)

(松本ともこ)困るんだよ!っていう(笑)。

(吉田豪)そういうことで。「でも、ちょっと反省してるんだよ」って。「なんででですか?」「運転手ですげーマル暴みたいな強そうなやつを連れて来て。それにも頭来てさ。そいつら、帰ったんだけどさ。いまだに反省してるのがさ、やっちまえばよかったってこと」って(笑)。

(小西克哉)(爆笑)

(吉田豪)全てが、そういう話ですよ。もう1個、クラブかなんかで突然、写メール撮られて。で、怒ってちょっとトラブルが起きて。

(小西克哉)それは、一般の人なんですか? 写メールは。

(吉田豪)ちょっと記事になったことがあったんですよ。それを突っ込んだら、「実はちょっと、あれは罠だったんだよ。そうやって怒らせて、仲間とかを置いておいて金を取ろうっていう腹でさ」っていう。

(小西克哉)ああー。

(吉田豪)「そういうのにハマっちまった。本当に俺としてもね、だから俺が甘かったの一言なんだけどさ。まあ、いまだに後悔してるのがさ、どうせ金を取られるんだったら、もっとやっちまえばよかったってことなんだよ」っていう(笑)。

(小西克哉)かならず、それ(笑)。

(吉田豪)面白い!っていう(笑)。

(小西克哉)でも、そのへんも冷静に実際は考えているというか。

(吉田豪)ちゃんと落としていきますしね。で、実はもともと『CIRCUS』サイドからのオファーが「木村一八さんとの対談」だったんですよ。実は。で、僕、その話を聞いた時に、「たぶんそれは難しいんじゃないか。一八さんをサポートしている人とかだったら、復帰を応援するみたいな感じで対談とかをやるでしょうけど。たぶん最初は、普通事務所サイドが嫌がったりしますよ、そういうの」っていう風に言ったら、案の定、そういう風になった感じで、単独でインタビューになったんですよ。

(小西克哉)うん。

(吉田豪)で、真木蔵人さん曰く、「最初に対談って言われたけどさ、なんでこうなったか?って言うとね、いまこういう流れで対談とかになると、たしかに俺は面識がある。面識があって、先輩だよね。でもね、こういう場で何の前のセッティングもなしにいきなり会っちゃうと、バトルが始まるかもしんねーからさ」っていう。「不良って、そういうもんだからよ」っていう(笑)。「ああー、組まないでよかったです! 単独にしておいてよかったですよ!」っていう(笑)。

(小西・松本)(笑)

(吉田豪)スリリング!

(小西克哉)いやー、スリリングですね。ちょっとじゃあ、ぜひこのメンバーにも加わってもらいたいと思いますよ。

(吉田豪)ぜひ!

(松本ともこ)あと、続きも読みたいな。第3回。

(吉田豪)第3回、第4回とね。この続きで、どんどん行くはずなんで。

(小西克哉)興味のある方はぜひ、『BUBKA』を。

(吉田豪)いま、日本で面白い連載だと僕は言っているぐらいの。

(小西克哉)なるほど。ということで今日は真木蔵人さんの『蔵人独白』を紹介していただきました。最強とは言わないけど、しゃべる墓荒し、吉田豪さん、ありがとうございました。

(吉田豪)どもー。

吉田豪 再び真木蔵人を語る

2006年7月に吉田豪さんがTBSラジオ『ストリーム』の中で再び真木蔵人さんについて話していました。

(吉田豪)以前、最強のコラムニスト、真木蔵人さんの話をしたと思うんですけど。

(小西克哉)紹介しました。真木さんが連載しているコラムって、なんでしたっけ?

(吉田豪)『BUBKA』でやっている『蔵人独白』という。

(小西克哉)『BUBKA』という月刊誌ですね。

(吉田豪)そうですね。コアマガジンの。僕がいま、日本でいちばん面白いコラムはこれだ!って。

(小西克哉)吉田豪が「最強のコラム」と形容するわけだから。

(吉田豪)完敗を僕は宣言してますから。で、最新号の連載がまたよかったんですよ。ある人に、宣戦布告をしているんですよ。

(小西克哉)へー。

(吉田豪)まあ、「ちょいワルブームについて一言」みたいな感じなんですけど。「ほら、最近暴走族上がりとかいう俳優、いるじゃん? 元○○の総長をやっていましたっていう。それだけで人に威圧感を与えるわけじゃない。そんな経歴、隠して当たり前だよ。そんな、周りがワンワン騒ぎ立てて、自分では『いや、まあまあ。過去の話ですから』みたいなのがいちばんダサいね。ああいうのはムカつくね」って。

(小西克哉)(笑)

(吉田豪)ここまではまだ、いいじゃないですか。で、ちょっと追い込んでいくんですよ。「彼は自分が暴走族だったのを自分の営業のひとつにしているわけだよね。そんな看板立てるんだったら、わかったよ。俺ももう、思いっきりやってやるよ。こっちも暴走族スタイルでいいんだな? いきなり、楽屋を襲いに行って木刀でボッコボコにしてやっていいんでしょ?ってことだぜ。それがあっても、絶対に警察に言うなよ。絶対にニュースにチクるなよってことじゃない。いきなり襲ったり、いきなり襲われたりしたことねえのかよ? 元総長さんよってことなんだよ。あいつの言っていることは。いつかやることになるなって思っている。すげームカついてるんだ、俺は」っていう(笑)。

(小西・松本)(笑)

(小西克哉)宣戦布告だな、これ。

(吉田豪)完全に宣戦布告なんですよ。名前は出ていないんですけどね。

(小西克哉)でも、そんなにたくさんいらっしゃらないよね。

(吉田豪)まあ、1人ぐらいしかいないですよ(笑)。

(小西克哉)経歴からするとね。えっ、なに? 「楽屋を襲って、木刀でボコボコにしたっていいんだよってことだぜ。それでも警察にチクるなよ、絶対にニュースにチクるなよ」って?

(吉田豪)それぐらいなら、まだわかるんですけど。「いつかやることになるなって思っている」って言ってるのが(笑)。やるんだ!っていう。いや、すごい。まあ、仲良くなっておいてよかったって思う瞬間っていうか(笑)。

(松本ともこ)本当だ(笑)。

(小西克哉)真木蔵人さん、テレビのドラマとかになかなか起用できにくいよね。

(吉田豪)ただ、本当にこういうのを読むと、守るものがないっていうか、芸能界での自分を守る気がないっていうのがはっきりと分かるんですけど。で、これを読み進めていくと、後半に書いてあるんですね。「そういうようなやつらよりも、むしろニートとか超カルトなやつの方がヤバい」っていう話をしているんですよ。

(小西克哉)この「ヤバい」は、いまの若い人が使う「ヤバい」ですね。

(吉田豪)いい意味でですね。「だから、そういうやつらとは仲良くするようにしてる。リスペクトを与えて、リスペクトをもらうようにしているよ。そんなやつで才能のあるやつはやっぱり本当に才能があるし。オタクのイズムじゃないけど、いろんなことを知ってたりするしさ」って言っていて。これ、俺のことかな?っていう(笑)。

(小西克哉)(笑)

(吉田豪)「オタクのイズム」でね(笑)。いろいろ知っているし……っていう(笑)。

(小西克哉)総長さんとニートのこの比較がまた、なんかちょっと極端な比較だよね(笑)。

(吉田豪)まあ、ああいうやつらよりも、こっちの方がヤバいっていう。

(小西克哉)なるほど、なるほど。宣戦布告ですね、これ。「勝負する場所」。はー、そうですね。

(松本ともこ)相手もすっごく怒ったら、ねえ。

(吉田豪)大変なことになりますよ。ものすごい緊張感あふれることになるんですけど。

(小西克哉)これ、でも他のさ、たとえば高須(基仁)さんの……

(吉田豪)連載ですか?

(小西克哉)面白そうだね。

(吉田豪)で、そんな真木蔵人さんが出ているムックを最近、読んだんですよ。ちょっと前なんですけどね。2004年に宝島から出ている『別冊宝島 80年代ガキ大全』っていう。要は、80年代の子供文化のことをまとめた本で。そういうのについて、芸能人。要は70年代前半生まれの方、30人ぐらいにコメントを聞くっていう。

(小西克哉)たとえばどんな人なの?

(吉田豪)アジャ・コングですとか、大泉洋、PUFFY、河相我聞とか、神田うの、照英。そんな感じの人たち。

(松本ともこ)いろんな人がいますね!

『別冊宝島 80年代ガキ大全』の真木蔵人

(吉田豪)アンケートだけでまとめた、かなりざっくりした作りの本なんですけど。で、全然期待していなかったんですけど、そんな中に真木蔵人さんが入っていることで、奇跡が起っているわけですよ。

(小西克哉)すごいな!

(吉田豪)素晴らしいんですよ。

(小西克哉)羊の中にチンパンジーが1匹いる、みたいな。

(吉田豪)チンパンジーどころじゃないですけどね(笑)。

(小西克哉)ゴリラが1匹みたいな。

(吉田豪)だから、たとえばプロレスについてのところでも、みんな初代タイガーマスクがどうとか、薄っぺらい話ばっかりしている中で、真木蔵人さんだけは「ダイナマイト・キッドとデイビーボーイ・スミスのタッグチームはスピードとパワーがあってかっこよかった」って。えらいマニアックなことを言っていて。

(小西・松本)(笑)

(吉田豪)わかっているんですよ。センスが良くて。

(小西克哉)マニアックだなー!

(吉田豪)アニメ部門でも、みんなが『ガンダム』とか『うる星やつら』がどうとかっていう中で、一切空気も読まずに、「『はだしのゲン』のウジがわくシーンがすごくて。いまでも強烈に残っている」っていう(笑)。それ、アニメっていうか……っていう(笑)。

(小西・松本)(笑)

(吉田豪)もう、明らかにひときわ輝いている感じ。で、ああ見えて結構ヒーロー好きなんですよね。僕が取材した時も『ゴレンジャー』の話とかをしていたし。で、ヒーローの話とかでも、「正義感とか弱者を助けるとかいう内容がメインで。その時の気持ちは今でも、俺の中に強く残っている。ルーク・スカイウォーカーの生き様は、いまでも俺のお手本」とか。結構いいことを言ってるんですけど。

(小西克哉)うん。

(吉田豪)たとえば、その後を読み進めていくと……「男の転校生には、まず地元の定義を教えた(シメる)。女の子の転校生は即チェック。トイレでウンコは覗かれる、は基本だった。あなたはどっち?」とか(笑)。

(小西・松本)(笑)

(吉田豪)なにを聞いてるんだ!?っていう(笑)。あと、駄菓子屋のエピソードのコーナーがあって。みんな、駄菓子屋でこんなお菓子を買ったとか書いている中で、真木さんだけは、「駄菓子屋では、いろんなことを学んだ。たとえばカツアゲをする、される。万引き、怖い先輩に調子よく接するなど、いろんなことを学んだ」っていう(笑)。

(松本ともこ)「あなたはどっち?」みたいな感じで(笑)。

(吉田豪)また! いいんですよ。好きなアイドルコーナーでも、やっぱり三原じゅん子で。しかも理由は「不良だったから」。シンプル!

(小西克哉)(笑)

(吉田豪)遠足の思い出も、やっぱりみんな楽しいことを書いている中で、「バスの中でいちばん後ろの席で、先生にバレないようにタバコを吸った。あと、小梅キャンディーのすごさ、美味さを知った」。「すごさ」って(笑)。

(小西克哉)小梅キャンディー。そこで。お茶目なところ、あるよね。

(吉田豪)とか、ゲームの話とかでも、みんなが楽しくゲームセンターの話とかをしている中で、真木さんだけは「ゲームセンターは日本の不良のたまり場。テニスのガットで遊んだインベーダーゲーム。50円玉に紐をつけて遊んだギャラクシアン。電子ライターを改造してゲームに当て、ゲーム機を壊した。ゲームセンターでのカツアゲは、私立の子が狙い目」って(笑)。アドバイスまでしている。カツアゲの(笑)。

(小西克哉)(笑)

(吉田豪)すごい!

(小西克哉)いやいやいや。

(松本ともこ)「テニスのガットで遊んだインベーダーゲーム」がわかんないや。

(吉田豪)なんか、やりませんでした? ガットで、やれたんですよ。コイン入れるところに入れちゃうと、要はガーッて。お金を入れないでできた時代があったんですよ。

(小西克哉)へー、そうなんだ。

(吉田豪)まあ、いまは使えないですけどね。こうね、ざっくばらんとした、こういう思い出の語り方を。

(松本ともこ)みんなは、こうじゃないんだよね?

(吉田豪)全然違いますよ! みんな、爽やかですよ!

(小西克哉)珠玉のような発言の数々。

(吉田豪)面白かったのは、僕の中では真木蔵人さんと、あと1人。深作健太さんもよかったですね。光ってましたよ。

(松本ともこ)光ってる。どう答えていた?

(吉田豪)たとえば、深作健太さんが「親父に見てはいけないと言われた唯一の映画は『狂い咲きサンダーロード』。なぜかと思ったら、よく遊んでもらっていた小林稔侍さんのホモシーンがあった」っていう(笑)。

(小西・松本)(笑)

(小西克哉)「よく遊んでもらっていた」って、それは辛いね(笑)。

(吉田豪)小林稔侍さん、ホモの右翼の役をやっていて。その映画で。素晴らしかったんですよ。本当にリアルなホモっぷりで(笑)。

(小西克哉)上手そう。本当に。なにが上手そうなんだよ?(笑)。

(吉田豪)おすぎさん、そんなことを言ってますから。よくね(笑)。

(小西克哉)ああ、そうなの?

(吉田豪)言ってますよ!

(小西克哉)人気なんだ?

(吉田豪)ええ。そっちの世界で(笑)。

(小西克哉)なんでかならずこういうネタになるんだろう?(笑)。

(吉田豪)いいネタ、多いですよ。

(小西克哉)はい。本日のコラムニストは話題満載。真木蔵人コラムはチェックでございますね。しゃべる墓荒し、吉田豪さん、ありがとうございました。

<書き起こしおわり>

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