町山智浩 『kotoba』特集・映画と本の意外な関係を語る

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町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で雑誌『kotoba』の特集、『映画と本の意外な関係』を紹介。自身が寄稿した原稿『映画の本棚』『アメリカ映画によく出てくる詩』について話していました。



(町山智浩)あ、そうだ。今日、プレゼントがあります。リスナーの方々に。集英社の言論誌『kotoba』っていう季刊誌にですね、新しい号が出まして。それにちょっと僕がアイデアを出しましたんで。特集に。それを5冊、リスナーの方々にプレゼントいたします。

(赤江珠緒)へー。

(町山智浩)特集のタイトルは『映画と本の意外な関係』というタイトルで。僕は2本、原稿を書いていますが。1本は『映画の本棚』と題してですね。映画の中に本棚が出てくる時、あるじゃないですか。

(赤江珠緒)はい。

映画の中の本棚の本が気になる

(町山智浩)それって、背表紙に何が書いてあるかって、僕、見ちゃうんですよ。一生懸命。DVDとか止めて。

(赤江珠緒)はー!うんうんうん。

(町山智浩)それとか、ぜんぜんセリフとかないのに、ただ主人公とか登場人物が本を読んでいて。ただ、それについてぜんぜん言及とかもなくて。ただ表紙だけがギリギリで見えて。『ええっ、なんだろう?なんだろう?』って読んだりすることがあるんですよ。僕。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)で、それを徹底的に書いたのがその『映画の本棚』っていう原稿なんですけども。

(赤江珠緒)えっ?その本棚にちょっと意味深なものが並んでる時とかもあるんですか?

(町山智浩)あるんですよ。結構。

(赤江・山里)へー!

(町山智浩)セリフの中とかドラマの中では、それが何も語られないんですけど。よーくその本棚を見て、その本が一体なにか?がわかると、そうだったのか!ってわかる時が時々、あるんですよ。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)そういうものについての原稿と、もう1本はね、アメリカ映画に出てくる詩の話なんですね。詩人とかの、詩を読んだりする詩なんですけどね。

(赤江珠緒)詩ね。ポエム。

アメリカ映画によく出てくる詩

(町山智浩)でね、すごくアメリカ映画にたくさん出てくる詩が3つ、あるんですよ。ひとつはですね、『インディペンデンス・デイ』っていう映画で・・・覚えてます?

(赤江珠緒)うんうん。

(町山智浩)大統領が最後に、地球の侵略者に対して立ち向かおう!って演説をするじゃないですか。あの演説っていうのは実は、ディラン・トマスという詩人の有名な詩からの引用をしてるんですね。で、その詩はいろんな映画に引用されているんですよ。

(赤江珠緒)ええ。

(町山智浩)たとえばですね、『ノーマ・レイ』っていう労働組合のことを描いた映画であるとか、『インターステラー』とかですね。『デンジャラス・マインド』とか。いろんな映画に引用されていて。それについてとかですね。あと、ウォルト・ホイットマンという詩人がいまして。アメリカですごい人気のある詩人なんですけど。その人の詩も、いろんな映画に出てくるんですよ。

(赤江珠緒)ふーん!

(町山智浩)で、それについて論じているんですけど。ウォルト・ホイットマンっていう人はどういう詩を書いていたか?っていうとね、『俺は偉い。俺はモテる。俺はものすごいエネルギーがあるんだ。セックスも最高だぜ』っていう、そういうことを詠っていて。そういう詩を何冊も何冊も。詩人なんですけど。『俺は最高!最高!』っていう詩ばっかり書いていた人なんですよ。

(赤江珠緒)ちょっと思っていた詩と違った(笑)。ああ、そうですか。

(町山智浩)いや、あのね、昔、三代目魚武(濱田成夫)さんっていう人がいましたね。詩人で。昔っていうこともないですけど。現在も活躍中ですけど。10年ぐらい前に人気だった濱田・・・なんだっけ?忘れました。三代目魚武っていう人は、『俺は俺を褒める詩しか詠わない』って言っていた人なんですけども。

(赤江珠緒)ああー。

(町山智浩)それがね、リンカーン大統領の時代の、南北戦争の時代にいた、ウォルト・ホイットマンがその最初の人なんですよ。

(山里亮太)へー!あ、モデルがいたんだ。

(町山智浩)『俺は俺を褒める詩を詠う!』って言っていた人なんですよ。すごいでしょ?元気になりますよ。読むと。すごい意味なく元気になりますよ。

(山里亮太)意味なく(笑)。

(町山智浩)で、その人の詩っていうのは、アメリカ人は大好きなんですよ。これ、だから酒を飲むみたいなもんですね。落ち込んだ時に読むと元気になる詩なんですけどもね。そういった詩と、もうひとつ。エミリー・ディキンソンさんっていう詩人がいて。この人は女性なんですけど、生きている間に、引っ込み思案すぎて1本も詩を発表しなかった人なんですよ。自分の名前では。

(赤江珠緒)詩人なのに?

(町山智浩)亡くなった後に引き出しを見たら、大量の詩が発見されたんですね。それで、だから逆なんですよ。『俺は偉い!』って言っている人と、『私の詩なんか・・・私なんか、世間に出ちゃいけないのよ』っていう詩を書いていた人と、2人の詩人がいて。その2人とも、アメリカではものすごく人気のある詩人なんですよ。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)全く逆なんですけどね。で、それが実は映画では非常に重要な意味を持っている場合があって。ただ、映画では説明されないので。『ソフィーの選択』っていう映画があるんですけど。ホロコーストを描いた映画なんですが。実はホイットマンとエミリー・ディキンソンをモデルにした2人の人物の恋愛の話になっているんですよ。

(山里亮太)へー!

(町山智浩)で、そういう風に論じられたことがいままでにないので。僕が論じています。この『kotoba』っていう雑誌の中で。

(赤江珠緒)ふーん!

(町山智浩)ちょっと真面目でしょ?

(赤江珠緒)いや、これはいいですね!映画と本の意外な関係で、だから町山さん以外にもいろんな方が映画と本について。

(町山智浩)そうなんですよ。川本三郎先生とか内田樹先生とかですね。あと、荒木飛呂彦先生も書いてますし。もう、四方田犬彦さんとか、青山真治さんとか、そのへん。大森望さんとかね。まあ、すごいメンバーで。僕の相棒の柳下毅一郎くんとか、ちょっといいメンバーが揃いましたので。ぜひ、読んでいただきたいということで。長くなりましたが、5名様にプレゼントです。

(赤江珠緒)はい。

<書き起こしおわり>

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