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高橋芳朗・渡辺志保・DJ YANATAKE 90年代ヒップホップ名盤を語る

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高橋芳朗さんがblock.fm『INSIDE OUT』にゲスト出演。高橋さんが選盤・監修して2015年に再発された90年代ヒップホップ・R&Bの名盤たちついて、渡辺志保さん、DJ YANATAKEさんと1枚ずつチョイスし、話していました。


(渡辺志保)というわけで今回もですね、高橋芳朗先生が企画・選盤にもかかわっている再発企画がドドン!とまとめてタイトルが発表になったというわけで。まず、前半はですね、ヒップホップクラシック特集という感じで。ジャネット・ジャクソン(Janet Jackson)の来日に合わせてというところも・・・

(高橋芳朗)そうですね。そういうところもあったりします。

(渡辺志保)ユニバーサルとワーナーさんからドドン!と再発のタイトルがリリースされまして。それを肴に我々の思い出深い1曲をそれぞれ紹介していくと。で、後半はですね、先日発売になったばかりでございます。こちらもN.W.A.の、『ストレイト・アウタ・コンプトン』。映画の公開も絡めて・・・というところでございますけども。ギャングスタラップ再発企画っていう。

(高橋芳朗)そうですね。もう銃声が鳴りまくると思います。今日は。

(渡辺志保)カチャバン!カチャバン!っていうね。

(高橋芳朗)カチャバン!カチャバン!

(DJ YANATAKE)インターネット放送ですからね。もうダーティーバージョンで。ガンガン。

(渡辺志保)はい(笑)。それはまた、各々が思い入れのあるギャングスタシットをお届け、紹介するという。

(高橋芳朗)『シットをお届け』(笑)。いいなー、最高ですね。『INSIDE OUT』。

(渡辺志保)はい。後半はね、銃声がカチャバンする感じでお届けしたいと思いますが。さっそくじゃあ・・・

(高橋芳朗)あ、もう行っちゃうんですか?

(DJ YANATAKE)なんかありますか?

(高橋芳朗)ないです!

(DJ YANATAKE)フリースタイルとか、大丈夫ですか?

(高橋芳朗)ないです(笑)。

(渡辺志保)でも、ヨシ先生も選盤に参加されたということで。あの、こういう時ってどういう風にセレクションの内容を決めるのかな?って。ちょっと1リスナーとして興味があります。

(高橋芳朗)じゃあそれは、それぞれのセクションでしゃべりましょうか。

(渡辺志保)あ、わかりました。

(DJ YANATAKE)大丈夫ですか?1枚選盤したらいくら貰えるとか、そういう話は大丈夫ですか?

(高橋芳朗)あ、そういう生々しい話も。

(DJ YANATAKE)後ほど(笑)。じゃあですね・・・すいません(笑)。もう正月なんでね、いまビールを飲みながらね。普段は『INSIDE OUT』、真面目なんでね。飲まないんですけども。

(高橋芳朗)正月じゃないですけどね(笑)。

(渡辺志保)もう11日が経過してますけども(笑)。

(DJ YANATAKE)じゃあですね、ヤナタケが。僕も高橋芳朗先生から連絡をいただきまして、この企画をやるんで解説なんか書いてみないか?って言っていただいたこのアーティスト!アキネリ(Akinyele)!

(渡辺志保)アキネリ(笑)。

(DJ YANATAKE)アキネリ、キターーーッ!

(高橋芳朗)キターーーッ!

(DJ YANATAKE)来てないね(笑)。

(渡辺志保)いま、『アキネリ、キターーーッ!』でテンション上がったリスナーの方、どれぐらいいるんでしょう?(笑)。

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90’sヒップホップ・R&Bキャンペーン

(高橋芳朗)まあでもこれ、キャンペーンの詳細を話した方がいいかもしれないですね。いいですか?じゃあ、僕の方から。これ、さっき志保ちゃんからもね、説明があった通り、ジャネット・ジャクソンの来日もあわせて。昨年の秋ですか。ニューリリースのアルバムと来日にあわせて組んだようなところもあるんですけど。90’sヒップホップ・R&Bキャンペーン。で、ユニバーサルさんとワーナーミュージックさんの合同企画で。全44タイトル。

(渡辺志保)44タイトル。

(高橋芳朗)これ、なんで44か?っていうところが深い・・・

(DJ YANATAKE)深いんですか?

(高橋芳朗)はい。あの、6タイトルは土壇場で発売NGが出ちゃいました。

(DJ YANATAKE)(笑)。そんなこともあるんだ!

(渡辺志保)あ、そうか。じゃあ本来50タイトルでリリースっていう予定だったんですね。

(高橋芳朗)そこにはReal Liveとかが入っていたんですけども。

(渡辺志保)あ、そうだったんですね。あらー。なるほど。

(高橋芳朗)ちょっとね、Real Liveは出したかったなっていう。

(渡辺志保)ふーん。なるほどー。

(高橋芳朗)で、これが去年の11月11日にリリースされました。ユニバーサル音源、ワーナー音源で。で、ヤナタケさん、志保ちゃんにもライナーノーツをお願いしたりしたんですけども。そこで、ヤナタケさんに振ったのがアキネリ。

(DJ YANATAKE)そうなんですよね。なんで僕、アキネリを振られたのかよくわからないんですけど。

(渡辺志保)(笑)

(高橋芳朗)エロいからです!

(DJ YANATAKE)エロいからなんですかね?でもね、そこなんですよ。当時、アキネリの代表曲と言えば、志保さん?

(高橋芳朗)志保さん、得意なところですね。

(渡辺志保)いやいや、ぜんぜん得意じゃないですよ(笑)。

(DJ YANATAKE)あの、『Put It In Your Mouth』っていうね。『プリインヤマーウス♪』っていう曲があるじゃないですか。



(高橋芳朗)何の曲ですか?

(DJ YANATAKE)どういう曲なんですかね?内容的には。

(渡辺志保)あらららら・・・まあ、お口にね・・・ここで、止めておいていいですか?

(DJ YANATAKE)止めておいて。そういう、かなりナスティーな曲で。なんかとにかくアキネリ、その曲があまりに大ヒットしたのと、その大ヒット以降はとにかく下ネタ王みたいな。

(高橋芳朗)そういうイメージ、ありますよね。

(DJ YANATAKE)ありますよね。で、しかもこの僕が解説を今回書かせていただいたアキネリの93年に発売した『Vagina Diner』というですね・・・



(渡辺志保)(笑)

(高橋芳朗)どう訳せばいいんでしょうか?

(DJ YANATAKE)ええとですね、『膣食堂』。

(一同)(爆笑)

(高橋芳朗)本当ですか!?(笑)。まあ、直訳したらそういうことですよね。

(DJ YANATAKE)まあ、ストリップクラブみたいなことなんですかね?

(渡辺志保)まあまあ、並んでいるんですかね。きっとね。おピンクなね。

(DJ YANATAKE)だから、本当に日本のね、結構中古レコード屋さんのサイトとかを見ても、『あのエロラッパーの』『下ネタ代表の』みたいな風に書いてあるんだけど。これ、でも実はね、タイトルはそうなんだけど、今回の解説にあたって、すっごい調べたんですよ。もちろん、リアルタイムで聞いていたけど。ぜんぜん違うの。内容が。

(渡辺志保)あ、なるほど。なるほど。

(高橋芳朗)そんな感じなんですか?

下ネタ以外のアキネリ

(DJ YANATAKE)そう。びっくりしちゃって。まあ、なんて言うのかな?いろいろ話すことがあるんですけど。たぶんね、当時のマーケティングなんだよね。それはね。おそらくね。

(渡辺志保)ピンク売りっていうことですね。

(高橋芳朗)ピンク売り(笑)。

(DJ YANATAKE)あ、違う違う。じゃなくて、いまかかっているね、『Da Bomb』っていう曲はセカンドシングルなんだけど。いわゆる90年代前半のニューヨークハードコアの、その感じのビデオなわけよ。いわゆるプロジェクトのちょっと暗いところでモブモブしながら後ろで焚き火がたかれているみたいな。ハードコアビデオなの。



(渡辺志保)(笑)

(高橋芳朗)ああー!あのドラム缶でなぜか焚き火をたいてしまう。

(DJ YANATAKE)あれ、誰がスタートなんですかね?

(高橋芳朗)あれはノーティー・バイ・ネイチャー(Naughty By Nature)な感じ。

(渡辺志保)バット持って焚き火みたいなね。

(DJ YANATAKE)EPMDとかも。

(高橋芳朗)あ、EPMDもやってますか。

(DJ YANATAKE)そうなんですよね。だから、結構ぜんぜん内容もハードコアなんですよ。あと、結構女の子ネタの曲とかもあるんだけど。なんなら、ビッチ的なのとかはぜんぜんヘイトするような。『そんなのダメだよ』ぐらいのことを歌っていたりするんですよね。

(高橋芳朗)ああー。でも、そもそもさ、アキネリはやっぱりメインソース(Main Source)の『Live At The Barbeque』っていうね、名作ポッセカットでデビューしたわけですから。

(渡辺志保)デビューシングルじゃないけど、世に出た・・・

(DJ YANATAKE)ナズ(Nas)のいわゆる出世作ですからね。で、要するにメインソースというのはラージ・プロフェッサー(Large Professor)がいたグループで。フィーチャリングがアキネリとナズと。で、ちょっとナズのあまりの鮮烈デビューの影に隠れちゃった感はあるんですけど。アキネリはその名曲に参加しているよと。で、これ、どういう感じか、ラージ・プロフェッサーがだからフックアップしてる感がすごいあるじゃないですか。

(渡辺志保)うんうんうん。

(DJ YANATAKE)でもね、これね、よくよく調べたら違うんですよ。ラージ・プロフェッサーとアキネリとナズは同じ学校なんですよ。

(渡辺志保)あ、そうなんですね!

(DJ YANATAKE)いちばん上がアキネリなんですよ。パイセンなんですよ。

(高橋芳朗)すごい学校ですね(笑)。

(DJ YANATAKE)で、ラージ・プロフェッサー、ナズの順番みたいで。で、そのさらに上にはクール・G・ラップ(Kool G Rap)がいるみたいな。

(高橋芳朗)うわっ、すっげー学校だな!

(DJ YANATAKE)すごい学校で。でも、アキネリとナズが同じ学校の食堂でフリースタイルしている音源とかが発掘されたりとか。



(渡辺志保)ああー、そうなんだ。

(DJ YANATAKE)で、まあそういうこともあったりするんだけど。つまり、年功序列でいくと、このアキネリのこのアルバムは全曲ラージ・プロフェッサーがプロデュースした唯一のアルバムなんだけど。たぶん、これは想像ですよ。想像だけど、パイセンに作らされた(笑)。

(高橋・渡辺)(笑)

(DJ YANATAKE)『お前、ちょっと俺のアルバムを・・・』って。

(高橋芳朗)ビートを作れと。お前、調子いいみたいだからと。

(DJ YANATAKE)そうそう。ただですね、このアルバムはもうちょっと言っておきたいことがあるんですけど。これ、日本で高橋芳朗セレクトによりうっかり再発なんかしてしみましたけど。再発する直前まで、eBayで200ドル以上。

(高橋芳朗)マジで!?

(渡辺志保)そんな高値がついてたんだ。

(DJ YANATAKE)プレミアドアルバムなんですよ。

(高橋芳朗)レア盤化してるっていう話は聞いてたんですけど。そんな値段がついてましたか?

(DJ YANATAKE)そんな値段で。しかも、iTunesとかで売ってないんですよ。だからCDを買うしかないし、日本の再発に、おそらく世界中のコレクターがちょっとどよめいたんですよね。なので、日本版もたぶんそんなに数も多くないし。いまのうちにこれをゲットしておいた方が・・・

(高橋芳朗)いや、本当それ、そうなんですよ。去年もやったじゃないですか。再発企画。ウルトラマグネティックMC’s(Ultramagnetic MC’s)の『Critical Beatdown』。いま、プレミアついてます。もう、amazonで。

(渡辺志保)もう?

(DJ YANATAKE)マジだ?だからこれ、再発とはいえ、高橋芳朗セレクト。これ、油断できないぞと。これ全部ね、1400円とかなんですよね。

(高橋芳朗)もう激安ですよ。これがね、ちょっと目離してるうちに2万円とかになっちゃいますから。

(DJ YANATAKE)そうなんですよ。だからこれね、アキネリ。そういう意味でもやらせてもらって非常に。もともとね、レコード屋の、そういうレコードにプレミアをつけてきた人間としては・・・

(高橋・渡辺)(笑)

(渡辺志保)ご自身としては(笑)。

(DJ YANATAKE)なかなか興味深いアルバムをやらせてもらって。で、今日かけたい1曲なんですけども、このアキネリのデビュー曲で『Ak Ha Ha! Ak Hoo Hoo』っていう曲なんですけども。

(高橋芳朗)(笑)

(DJ YANATAKE)これ、でもね、いまだにスネアで『カンッ!』って始まるんで。結構DJとか2枚使いしやすかったりとか。あとね、結構これも下ネタラッパーなんて言われていたけど、いわゆるすごいヒップホップのベタなビデオなんですよ。だから結構ダンサーが普通に踊っていたり。DJの人がバンバンこすっていたり。でも、そのDJは実はエクスキューショナーズ(The X-Ecutioners)のロブ・スウィフト(Rob Swift)なんです。

(高橋芳朗)そうそうそう。

(DJ YANATAKE)で、ロブ・スウィフトはラージ・プロフェッサーにビートメイクの弟子入りしていたような時期なのかな?なので、結構そのへんがつるんでクイーンズの一時代を作っていたと。

(高橋芳朗)あの、ね。ロブ・スウィフトの『Dope On Plastic』という曲がありますけども。あれ、ラージ・プロフェッサーがラップしてますね。



(DJ YANATAKE)あれも大好きなんですよ。

(高橋芳朗)かっこいいですよね。あれ、タケちゃんのミックスに入ってたっけ?

(DJ YANATAKE)入ってますね。『Breakfast @ Denny’s』に。



(高橋芳朗)聞いてますよ!

(DJ YANATAKE)ありがとうございます(笑)。

(渡辺志保)素晴らしいですね。そのへんも差し込んで来て。さすがですね。

(高橋芳朗)ありがとうございます。はい。

(DJ YANATAKE)そんなわけでですね、アキネリのデビュー作ですね。僕が推薦曲としてかけさせていただきたいと思います。ラージ・プロフェッサープロデュース。アキネリの『Ak Ha Ha! Ak Hoo Hoo』。

Akinyele『Ak Ha Ha! Ak Hoo Hoo?』



(DJ YANATAKE)はい。いま聞いていただいてますのはアキネリの再発している『Vagina Diner』に入っているデビューシングル・・・

(高橋・渡辺)(爆笑)

(高橋芳朗)ひでータイトルだな、もう(笑)。聞くたびに、ひでータイトルだな(笑)。

(渡辺志保)どんなご馳走が出てくるのやら?っていうね。

(DJ YANATAKE)これ、本当に結構調べて。この解説をね、ぜひ手にとって読んでいただければですね、まだまだしゃべり足りないぐらい。最新アキネリ情報まで。

(高橋・渡辺)(爆笑)

(高橋芳朗)どうやって調べたんだよ!?

(渡辺志保)あなたが知りたい最新アキネリ情報(笑)。

(DJ YANATAKE)あのね、去年書いていた時に、『俺、なんで2015年にこんなにアキネリで頭がいっぱいになってんだよ?』っていうね。でも、それぐらいがんばって書いたんで。まだね、若干お店に残っているところ、あると思いますんで。探して、アキネリのアルバムを買ってください。

(高橋芳朗)たしかにこれね、ちょっとなくなったらヤバいことになりますんで。早めの入手をおすすめします。

(渡辺志保)本当ね。そうね。うんうん。

(DJ YANATAKE)まだまだプチ情報、いっぱいあるんで。アキネリ。

(渡辺志保)(笑)。アキネリトリビア。

(DJ YANATAKE)お願いします。

(高橋芳朗)ありがとうございます。

(DJ YANATAKE)じゃあ、続いて?

(渡辺志保)はい。では続いて私めが選んだ1曲を紹介したいと思うんですけども。一応ね、紅一点。私、唯一のこの番組の女性MCとしまして選んだのはトータル(Total)の『No One Else』ですね。まあ、なんだろう?この間もプッシャ・T(Pusha T)の新曲を紹介した時に、彼の最新の楽曲の中にもトータルのメンバー、Kima、Keisha、Pamの名前が出てきて。彼女たちのデビュー曲『Can’t You See』のタイトルがリリックの中に盛り込まれたりしてるんですよみたいな話をちょうどしたばかりですのでチョイスしたんですけども。

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(DJ YANATAKE)おおー。

(渡辺志保)もちろんね、みなさんはご存知かもしれないですけども、あのバッドボーイですね。ショーン・パフィ・コムズ(Sean Puffy Combs)率いるバッドボーイ・レコーズからデビューした女性3人組R&Bトリオということになりますけども。私、当時このアルバム。96年に出たトータルのファーストアルバムですね。デビューアルバムですけども。それを聞いて、この『No One Else』。ネタ元は超有名な『South Bronx』ですけども。

大ネタ『South Bronx』使い



(高橋芳朗)ブギーダウンプロダクションズ(Boogie Down Productions)。

(渡辺志保)ブギーダウンプロダクションズの。これを聞いて。フィーチャリングがダ・ブラット(Da Brat)なんですよね。

(高橋芳朗)ああー、そうだっけ?

(渡辺志保)それで、はじめて私、生まれてはじめて女性ラッパーの存在をそれで知った気がする。

(高橋芳朗)マジで!?すげーな。

(渡辺志保)もちろん、リル・キム(Lil Kim)とかもシーンにはいたんですけども。私もなんかそのタイミングではじめてトータルのアルバムを聞いて。知らなかったんですよね。きっとね。その当時。まだウブだったから。

(DJ YANATAKE)まあでも、ぜんぜんそうでしょう。だって、お若い頃でしょう?

(渡辺志保)お若い頃(笑)。

(高橋芳朗)ウブかどうかは関係ないと思いますけども。

(渡辺志保)広島のね、ウブな中学生です。中1ぐらいですね。それではじめて、『あ、女の人もラップするんだ!すごい!かっこいい!』みたいな。しかもトータルも、なんて言うんでしょう?いままで、R&B作品とか聞いていたけど。それこそ、ジャネット・ジャクソンとかメアリー・J.ブライジ(Mary J.Blige)とか聞いてましたけど。まあ、メアリーもちょっとハードコアなイメージがありましたけど。ジャケ写からして、サングラスかけたショートカットの黒人の女性がね、全身黒いレザーの服とか着て・・・



(高橋芳朗)たしかにね。

(渡辺志保)『サグい!こんなサグい女性ボーカリストがいるアメリカって、すごいな!』と思いまして。なんでしょう?サグの扉を開いてくれた・・・

(高橋芳朗)サグの扉(笑)。『サグ』と『扉』という言葉の愛称の悪さったらないですけども。でもね、バッドボーイのジャケットは当時のR&Bからすれば、洗練されていた方だと思いますけどね。

(渡辺志保)あ、そうなんですか?

(DJ YANATAKE)いや、ぜんぜんそうですよ。めっちゃかっこよかったっすよ。いやいやいや。

(渡辺志保)あれがかっこよかったんだ。まあ、たしかにね。

(高橋芳朗)もうファット・ジョー(Fat Joe)とかに比べれば、ぜんぜんかっこいいですよ。テラー・スクワッド(Terror Squad)とか。

(DJ YANATAKE)ファット・ジョーも悪く無いですよ!もっといなたいの、いっぱいありますよ。『Vagina Diner』よりはいいですよ!

(高橋・渡辺)(笑)

(渡辺志保)たしかに、たしかに。それもね、パフィーのね、コマーシャル戦法のひとつだったのかな?なんて思いますけども。本当ね、このトータルのアルバムは、みんなヒップホップヘッズはね、ビギー(The Notorious B.I.G.)とやった『Can’t You See』がいちばんリマーカブルな曲かも知れないですけども。当時、まだ私もそんなにラップ自体に免疫がなかったから、こういう大ネタ使いのわかりやすいコーラスの『No One Else』がいちばん響いたっていうところもありまして。で、もうこのアルバムは本当によく聞きましたね。というわけで、ぜひ、みなさまにも聞いていただきたいんですけど。ちなみに、このトータルのアルバムをリストに入れ込んだ、なんか素晴らしい逸話とかございますか?

(高橋芳朗)ないです!

(渡辺志保)あ、ないですか?(笑)。

(高橋芳朗)いや、でも、ちょっとバッドボーイ。また再始動し始めたところもあったので。ちょっと代表作はフォローしておきたいかな?っていうのはあったんですけども。

(渡辺志保)なるほど。しかも、96年に出たオリジナルのライナーノーツは高橋芳朗さんが当時、執筆してらして。私もそれを読んで、このネタ使い、サンプリングみたいなものをヨシさんのライナーノーツを読んで知ったって言うね。

(高橋芳朗)もうね、ジジイもジジイですね。そう言われると・・・

(渡辺志保)なにをおっしゃいますやら(笑)。

(高橋芳朗)でも、当時、タケちゃんとかもわかると思うんだけど。これ、僕最初、『No One Else』ってミックステープで聞いたんですよ。で、最初に聞いた時、たぶんライナーノーツにもそういったことを書いていたかもしれないですけども。これがオリジナルバージョンだとは思わなかったんです。

(渡辺志保)ああー、まんま使いすぎてっていうことですか?

(高橋芳朗)そうそう。だから、『South Bronx』のビートに何かしらのアカペラをのせたブレンドかと思っていたんですけども。まあ、これがオリジナルだったっていうのが、まあそれなりに結構衝撃的でしたけどもね。

(渡辺志保)パフィー商法っていうね、感じがしますけども。じゃあ、そんな私のサグの扉を開いてくれた・・・

(高橋芳朗)気に入ってますね。

(渡辺志保)はい。気に入っちゃって使ってますけども(笑)。聞いてください。トータル feat.ダ・ブラットで『No One Else』。

TOTAL ft. Da Brat『No One Else』



(渡辺志保)はい。というわけでいまお送りしておりますのは私が選んだ1曲でございます。トータルで『No One Else feat. Da Brat』。

(DJ YANATAKE)これね、僕もちょっとだけ話があって。あの、シスコってレコード屋で働いていた時にで買い付けでニューヨークに行って。結構そのサンプルのカセットとかをいっぱいもらうんですよ。いっぱい買ったりするとね。で、バッドボーイサンプラーみたいな、3曲か4曲入りぐらいのカセットがあって。まだぜんぜんデビューする超前。本当に、まだビギーも出ていないころかな?『Flava In Ya Ear』が出て、それがパーン!って行った後に、ビギーとトータルのこれが入っていたんですよ。

(渡辺志保)へー!

(DJ YANATAKE)で、2個、そのカセットを持って僕は帰りの飛行機に乗ったんですよ。したら、同じ飛行機にMUROくんがいたんですよ。

(渡辺志保)えっ?すごーい!

(DJ YANATAKE)で、まだその頃、そんなに仲良くなくて。ご挨拶程度だったんで、『お近づきの印に・・・』っていう(笑)。

(高橋・渡辺)(笑)

(渡辺志保)そのカセットを?

(DJ YANATAKE)そのカセットを1本。『これ、バッドボーイっていうレーベル、いま来てて・・・』みたいなことを言って。それをきっかけに、僕、MUROくんと仲良くなって(笑)。

(渡辺志保)あ、すごい話!MUROさんとヤナタケさんのブリッジをつないでくれたのがこのトータルっていうね。いい話ですねー!(笑)。

(高橋芳朗)なるほどね!でも、この頃は本当にしょっちゅうね、みんなニューヨークとか行ってたもんね。

(渡辺志保)ああ、買い付けをしにね。いや、いい話ですね。本当に。感動的な逸話が。ありがとうございます。

(DJ YANATAKE)感動的かな?(笑)。

(渡辺志保)ありがとうございます。

(中略)

(渡辺志保)じゃあ、ヤナタケさん、私と続きまして、いよいよ、真打ち。高橋芳朗師匠の選んだ1曲をお聞きしたいと思います。

(高橋芳朗)はい。私はですね、やはり、現在公開中の映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』の関連盤としてですね、The D.O.Cのデビューアルバム『No One Can Do It Better』。1989年の作品。まあ、イージー・E(Eazy E)のね、ルースレス・レコーズ(Ruthless Records)の作品ですけども。こちらをおすすめしたいと思います。



(渡辺志保)ありがとうございます。

『ストレイト・アウタ・コンプトン』のD.O.C

(高橋芳朗)あの、映画。もちろんみなさん、ご覧になってますよね?『ストレイト・アウタ・コンプトン』。

(DJ YANATAKE)2回見ました!

(渡辺志保)私も2回見ました。

(高橋芳朗)どうですか?D.O.Cの扱い?(笑)。

(渡辺・DJ YANATAKE)(笑)

(高橋芳朗)知らないうちに交通事故にあって。大した説明もされないうちに。

(渡辺志保)映画の中では、シュグ・ナイト(Suge Knight)が付き添いみたいになっていたじゃないですか。あの、D.O.Cが病院に運ばれて。で、なんかやっぱりああいう見せられ方をすると、シュグが何かしら手を下して・・・喉だけやられるってちょっとなんか不自然すぎじゃございません?

(高橋芳朗)ああー。粛々とシュグが何かやったのかもしれない。すごい深読みしますね。

(渡辺志保)うん。そう思っちゃった。えっ、ああいうシーンじゃないですかね?そう思わせるシーンなんじゃ?

(高橋芳朗)そうなのかな?

(DJ YANATAKE)あれはリアル事故なんじゃないの?

(渡辺志保)えっ、そうなの?だって・・・

(高橋芳朗)新しい事実か?全部あいつのせいにしちゃうっていうね。

(渡辺志保)だって半身不随とかならあれだけど、喉だけやられるってちょっとどうよ?って。まあまあ、そういうこともありましたけども、D.O.Cね。

(高橋芳朗)そう。だから『ストレイト・アウタ・コンプトン』であんまりD.O.Cの功績みたいなところはフィーチャーされてないじゃないですか。でも、ぶっちゃけ、もう6人目のN.W.A.と言っていいと思います。あの、『N.W.A. and the Posse』。N.W.A.のデビュー・アルバムというか、デビュー・コンピレーションというか。あれでもFila Fresh Crewの一員として4曲参加してて。『Straight Outta Compton』にもタイトル曲でソングライティングしてたり。

(渡辺志保)はい。

(高橋芳朗)っていうか、N.W.A.の全部のアルバム。『100 Miles And Runnin’』みたいなのも含めて全部D.O.Cがソングライターとして大きく関与してるんですね。あと、イージー・Eのソロアルバム『Eazy-Duz-It』でも、まあ半分以上の曲、D.O.Cが曲を書いていると思うんですけども。で、このD.O.Cのソロアルバム『No One Can Do It Better』は『Straight Outta Compton』の翌年リリースですよ。

(渡辺志保)翌年。なるほど。

(高橋芳朗)で、Dr.ドレ(Dr.Dre)が全曲プロデュース。もうその段階で、いいですか?『ストレイト・アウタ・コンプトン』を見に行って、N.W.A.の『Straight Outta Compton』。アルバムを買うじゃないですか。その次、なにを買うか?ですよね。

(渡辺志保)ああー、たしかにね。『Fuck The Police』は聞いたけど・・・みたいな?

(高橋芳朗)そうそうそう。で、『Niggaz4Life』。次作ね。

(渡辺志保)N.W.A.のセカンドアルバムね。

(高橋芳朗)も、いいと思うんですけど、ちょっとサウンドは変わっているんですよ。

(渡辺志保)ああ、そうですね。ちょっとGファンク臭がね。

(高橋芳朗)Gファンク前夜みたな感じがあってですね。それで、アイスキューブ(Ice Cube)のソロアルバムっていう道もあると思うんですけども。ちょっとまた違うんですよ。ボム・スクワッド(The Bomb Squad)っていう当時、東海岸のプロデューサーがやっていますからちょっと違う。で、イージー・Eのアルバム。これは割と近い!近いんだけど、彼のラップをアルバム1枚通して聞くのはいかがなものか?と。

(渡辺志保)ああー、声が高いから(笑)。

(高橋芳朗)(笑)。やっぱりね、途中で出てきてこその光るイージー・Eっていうところがありますから。

(渡辺志保)『We Want Eazy!』があってからの・・・っていうね。

(高橋芳朗)そんなお嘆きの貴兄にですね、おすすめしたいのが、『Straight Outta Compton』の次にアルバムを買うとしたら、D.O.Cの『No One Can Do It Better』ですよ。

(渡辺志保)なるほどね。

(高橋芳朗)サウンド的にはいちばん近いところ、あると思うんですよ。しかも後々、Source(マガジン)で、発表したあとさ、レビューの修正みたいなの、あったじゃない?2000年ぐらいに。あの時、5本マイクです。

(渡辺志保)おおー!

(DJ YANATAKE)ヒップホップクラシック!

(高橋芳朗)5本マイクついてます。

(渡辺志保)なるほど。後の5本マイク。

(高橋芳朗)で、もう本当に傑作揃いなんですけど、今日紹介する曲はですね、アルバムの最後。『The Grand Finale』という曲なんですけど。この曲、フィーチャリング N.W.A.。

(渡辺・DJ YANATAKE)(爆笑)

(高橋芳朗)そもそもさ、その『フィーチャリング N.W.A.』っていう、その名義にヤラれない?

(渡辺志保)そういうことができたのも・・・だってこのD.O.Cぐらいですよね?

(高橋芳朗)ヤバくないですか?フィーチャリング N.W.A.ですよ。そのクレジットにたぎる!

(渡辺志保)そんな貴兄が(笑)。

(高橋芳朗)たぎります!で、曲的には、Dr.ドレが狂言回しになって。で、アイスキューブ、MCレン(MC Ren)、イージー・E、D.O.Cと続いてく感じのマイクリレーになるんですけど。めちゃくちゃかっこいいので。

(渡辺志保)しかも、D.O.Cにとってはこれがキャリア最初で最後の?

(高橋芳朗)まあ、その後に復活もしますけども、実質ね、これがキャリアハイでいいんじゃないでしょうか?D.O.C、声もいいんでね、チェックをよろしくお願いします。じゃあD.O.C feat.N.W.A.で『The Grand Finale』でございます。

The D.O.C. & N.W.A.『The Grand Finale』



(渡辺志保)はい。いまお送りしておりますのは高橋芳朗さん選曲による1曲でございますね。The D.O.C. feat. N.W.A.で『The Grand Finale』ですね。

(DJ YANATAKE)映画を見た人は全員買えと。

(高橋芳朗)そうですね。あの、たまらないことになると思います。

(渡辺志保)でも、やっぱりこの疾走感あふれるトラックみたいなのがやっぱりね。

(高橋芳朗)そうですね。もうPファンクネタです。

(DJ YANATAKE)なるほど。じゃあ、この流れのまま、後半に行ってみましょうかね。

(高橋芳朗)はい。

<書き起こしおわり>
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