菊地成孔と韓東賢 日韓の学生デモ運動を語る

菊地成孔 SEALDs新宿伊勢丹前デモを見て思ったことを語る 菊地成孔の粋な夜電波

菊地成孔さんがTBSラジオ『粋な夜電波』の第10次韓流最高会議の中で、社会学者の韓東賢さんと日韓の学生デモ運動の違いについて話していました。

(菊地成孔)あの、ロックの世界では何が起っているんですか?いま、ソウルで。

(韓東賢)ソウルで・・・いや、ソウルで起きているというよりも、なんか日本との交流がすごく進んでいる昨今という・・・

(菊地成孔)本当ですか?(笑)。ぜんぜん知らなかった、そんなの(笑)。

(韓東賢)あの、なんて言うのかな?一応話題としてはラフィン・ノーズ、わかりますよね?

(菊地成孔)もちろん、わかりますよ。

(韓東賢)ラフィン・ノーズのチャーミーさんがアルバムを作るんですよ。韓国のインディーロックを集めて。で、いまその作業をしていて。あと、その関連ではないんですけど、ミュージシャン、かぶっているんで。『Party 51』っていう映画があって。

(菊地成孔)はい。

映画『Party 51』

(韓東賢)ドキュメンタリーなんですけど、2年?3年ぐらい前かな?韓国では。ホンデ(弘大)、あるじゃないですか。ホンデの再開発みたいなので。

(菊地成孔)ホンデはなんて言うか、下北ですかね?

(韓東賢)そうですね。まあ、バンドの小屋がいっぱいあって。で、そこで、うどん屋さんが理不尽な立ち退きにあって。ゼネコンの。で、それをなんかそこらへんのミュージシャンが知って。『俺たちと立場が同じだ。自分たちも音楽をやる場所がない』っていうことで・・・

(菊地成孔)『ドゥ・ザ・ライト・シング』じゃないですか。

宇多丸 スパイク・リー監督作『ドゥ・ザ・ライト・シング』を語る
ライムスター宇多丸さんがMXテレビ 5時に夢中!サタデーでスパイク・リー監督作『ドゥ・ザ・ライト・シング』について語っていました。『たまうたゼミナール』というコーナーで、4月6日に起きた出来事について話しています。 (宇多丸)私、4月6日、...

(韓東賢)で、一緒に立てこもって。その夫婦と。で、そこで電気を消されたりしつつ、ライブしたりとか。そういうプロセスで自分たちのユニオンみたいなのを作ったりとか。その記録のドキュメンタリーが、この間、先行の時に見てきたんですけど。日本各地でやるんですよね。

(菊地成孔)はいはいはい。いや、あれね、絶対に日本で受けますよ。見ましたけど。

(韓東賢)あ、見ました?見てるんだ。

(菊地成孔)あれね、日本人が好きな感じ。すごく。いま、やりたい感じ。いま、まあさらに話が大きくなっちゃうけど(笑)。

(韓東賢)わかります、わかります。連帯!みたいな。すごいわかります。

(菊地成孔)そうそう(笑)。我々ジジイババアにとっては懐かしい光景でもあるじゃないですか(笑)。

(韓東賢)いや、すごくわかります。あれ。

(菊地成孔)うちの兄貴(菊地秀行)がノンポリだっつって。『親に仕送りもらってデモ行進してんじゃない!』って言っていて、後に80年代にああいう小説を書いてブレイクした人ですから。まあ、日本の戦後も幾星霜っていう感じですけどね。いま・・・先週もちょっとSEALDsくんたちの・・・SEALDsくんじゃねーのか?SEALDs。

(韓東賢)聞きました。聞きました。私も。

菊地成孔 SEALDs新宿伊勢丹前デモを見て思ったことを語る
菊地成孔さんがTBSラジオ『粋な夜電波』の中でたまたま新宿伊勢丹前で見かけたSEALDsのデモの模様と、それを見て感じたことを話していました。 (菊地成孔)1日空いちゃったんですね。そいでまあ、新宿。伊勢丹でも行こうかな?と思って伊勢丹に行...

(菊地成孔)話をチラッとすると、反応がデカかったりして。またなにか、その学生の意識みたいなものが変わりつつありますよね。

(韓東賢)だから、こうなんかそういう、デモみたいな社会運動みたいなのって韓国の方が80年代、90年代すごくあって。いま、ちょっとこう・・・まあ、ありますけどね。大きい。すごくその時期はちょっとこうなってて。逆に日本の方が追っかけるじゃないですけど。

(菊地成孔)日本と韓国は学生運動が押し引きですよね。

韓国の人たちがSEALDsを注目

(韓東賢)そうそうそう。だからズレて。だからいま、すごく韓国の人たちがものすごくSEALDsとかを注目していて、面白いなと思ってて。いろいろ言うんですよ。『いや、あのバリケードはこうだこうだ』とか。すごくみんな詳しいから。

(菊地・ヴィヴィアン)(笑)

(韓東賢)いろいろ論評してて。『あの車は、まあソウルだったら倒れるな』とか。で、みんな素で普通に感動しつつ、いろいろ論評してて。だから面白いな。『あ、日本がついに俺たちみたいになった』みたいな感じで言ってたりとか。面白いですよ。

(菊地成孔)僕のね、中国人、香港人の友達は、どっちかって言うと否定的な意見が多いですけどね。まあ、このぐらいの歳になっちゃうと、学生が暴れるのなんて別にね、元気で結構だっていうところですよね。

(韓東賢)否定的っていうか、『まあでも日本はそれでも平和だよね』みたいな風に言っている人もいますけどね。

(菊地成孔)いますよね。

(韓東賢)『俺たちの時とはやっぱり違う』みたいな。

(菊地成孔)まあ、言われちゃいますよね。まあでも、日本は日本で切実さがあるだろうけど。

(韓東賢)そう。その切実さの形が違うだけなんで。強度っていうかね。そういう問題だとは思います。

(菊地成孔)私なんか別件でいま、ゴダールの68年ジガ・ヴェルトフ時代のボックスセットの解説を書くために全部見てますよ。

(韓・ヴィヴィアン)(笑)

(菊地成孔)だからパリ・コミューンばっかり見てて。毎日毎日(笑)。

(韓東賢)夢うつつな感じじゃないですか?同時に。

(菊地成孔)パリ・コミューン見た後、録画した韓流ドラマ見なきゃいけないから。もうグッチャグチャになっちゃって。マルクス・レーニン主義のアジ演説をフランス語で聞いた後に、サランヘヨを見なきゃいけないんでね。大変なんですけど。まあ、本当にすごいことになってきましたけどね。

<書き起こしおわり>

タイトルとURLをコピーしました